7 / 136
(7)総会
しおりを挟む
5月中旬に行われる生徒総会は、中間試験の終わった翌週だった。
保護者は来ない、生徒達だけの総会だ。
その一環として、各部の勧誘が開かれる。
入学式当日の新入生歓迎パフォーマンスと仮入部期間だけでは決められなかった人に向けての勧誘だ。
各部とも、持ち時間は20分。
一番手は吹奏楽だった。軽音より楽器が多く、あらかじめセッティングされてる。
そして二番手に軽音部だ。
1ヶ月しかなかった練習期間だった。
2年生の福永部長の挨拶が終わると、1年グループが演り、次にミックスグループだ。
生徒会役員は、総会という事なので、やはり無理だった。
3時間強の総会も終わり、各自が教室に戻る。
もう少ししたら昼休みだ。
席に座ると声を掛けられた。
「松井。」
声のした方を振り向くと、俺の1つ後の宮田だった。
「え、なに?」
「お前、ピアノ弾けるんだな。」
「うん。小さいころから弾いてるから…。」
「そうか。カッコ良かったぞ。」
「ありがと。」
すると、違う方向から声が聞こえてきた。
「コウキ。これ渡しとくな。」
「え…」
今度は誰だ…と思い振り向くとアキラだった。
「総会、お疲れさん。これな、6月から来年の5月までの予定表だ。」
俺は、その手渡された予定表を見ていた。
「えー…。なに、これっ。」
「マモルが連弾したい、と言ってきてるんだ。それに軽音にしては人数が多いからな。」
アキラは続けて言ってくれる。
「んで、部長が2年生はバラケルと言ってたから。カナタグループに部長が入る。
俺の方には、ベースは1人で十分だという事だ。
で、明日は部活は休みで、来週の月曜には次回の曲を決めるから。考えてな。」
そう言い残すと、アキラは食堂に昼飯食いに行ってくると言って、出て行った。
教室で弁当を食べてると、メールがきた。
ブー…、ブー…。
iPhoneを開けて見ると、カナタからだった。
『七夕祭はロックをやりたい』
同じクラスのノボルが俺の席に近付き、言ってくる。
「カナタからメール届いたのだけど・・・」
「見た。ロックって書いてあった。」
「ロックって、どんなのをするつもりなんだろ…」
「さあ…。どんなのかね?」
「松井君、居ますか?」
「俺、松井だけど…誰?」
「え、あー……、んと、軽音の… 」
「ああ、あっちの松井ね。」
「あっ、居た。コウキッ!」
俺は自分の名前を叫ばれて、廊下の方を振り向いた。
でも、誰なのか分からない。
ノボルに聞いてみた。
「ねえ、ノボル。あれ誰?」
「さあ、誰なんだろ…。」
その人は、教室に入ってきた。
いいのか、勝手に入ってきて…。
いや、俺が廊下に出れば済むのか。
でも、こいつは誰なんだ?
そう思っていたら、そいつは俺の目の前までやってきた。
保護者は来ない、生徒達だけの総会だ。
その一環として、各部の勧誘が開かれる。
入学式当日の新入生歓迎パフォーマンスと仮入部期間だけでは決められなかった人に向けての勧誘だ。
各部とも、持ち時間は20分。
一番手は吹奏楽だった。軽音より楽器が多く、あらかじめセッティングされてる。
そして二番手に軽音部だ。
1ヶ月しかなかった練習期間だった。
2年生の福永部長の挨拶が終わると、1年グループが演り、次にミックスグループだ。
生徒会役員は、総会という事なので、やはり無理だった。
3時間強の総会も終わり、各自が教室に戻る。
もう少ししたら昼休みだ。
席に座ると声を掛けられた。
「松井。」
声のした方を振り向くと、俺の1つ後の宮田だった。
「え、なに?」
「お前、ピアノ弾けるんだな。」
「うん。小さいころから弾いてるから…。」
「そうか。カッコ良かったぞ。」
「ありがと。」
すると、違う方向から声が聞こえてきた。
「コウキ。これ渡しとくな。」
「え…」
今度は誰だ…と思い振り向くとアキラだった。
「総会、お疲れさん。これな、6月から来年の5月までの予定表だ。」
俺は、その手渡された予定表を見ていた。
「えー…。なに、これっ。」
「マモルが連弾したい、と言ってきてるんだ。それに軽音にしては人数が多いからな。」
アキラは続けて言ってくれる。
「んで、部長が2年生はバラケルと言ってたから。カナタグループに部長が入る。
俺の方には、ベースは1人で十分だという事だ。
で、明日は部活は休みで、来週の月曜には次回の曲を決めるから。考えてな。」
そう言い残すと、アキラは食堂に昼飯食いに行ってくると言って、出て行った。
教室で弁当を食べてると、メールがきた。
ブー…、ブー…。
iPhoneを開けて見ると、カナタからだった。
『七夕祭はロックをやりたい』
同じクラスのノボルが俺の席に近付き、言ってくる。
「カナタからメール届いたのだけど・・・」
「見た。ロックって書いてあった。」
「ロックって、どんなのをするつもりなんだろ…」
「さあ…。どんなのかね?」
「松井君、居ますか?」
「俺、松井だけど…誰?」
「え、あー……、んと、軽音の… 」
「ああ、あっちの松井ね。」
「あっ、居た。コウキッ!」
俺は自分の名前を叫ばれて、廊下の方を振り向いた。
でも、誰なのか分からない。
ノボルに聞いてみた。
「ねえ、ノボル。あれ誰?」
「さあ、誰なんだろ…。」
その人は、教室に入ってきた。
いいのか、勝手に入ってきて…。
いや、俺が廊下に出れば済むのか。
でも、こいつは誰なんだ?
そう思っていたら、そいつは俺の目の前までやってきた。
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。


目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。

心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる