恋人は副会長

福山ともゑ

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(1)高校入学

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弘毅は中2の時、初めて高校の文化祭に行った。
軽音部の演奏を聴き、感動したものだった。
その演奏に触発され、身近に在る母親のギターを手にしては、独学でギターを弾きだした。
今まではピアノを演っていたので、ギターは簡単だった。
中3の時も、演奏を聴きたいが為に、文化祭へ行っていた。
もちろん、入学願書も貰っては、新入学生への説明会をも参加しては聞いていた。


桜が舞い散る、この春。
弘毅は、その高校へ入学した。
私立だが、それでもエスカレーターで大学も付いてる。
ここは、宮田学園付属男子高等学校。
入学式はお母ちゃんも来てたが、男ばかりでも、元ヤンのお母ちゃんは堂々としていた。

学長を始めとして、お偉い方の長い挨拶も終わった。
さぁ、入学式が終わると各部の勧誘だ。
パフォーマンスが始まる。
各部が、壇上に上がっては部員集めをする為にパフォーマンスをするのだ。
軽音部は一番最後だった。
弘毅が見て聴いていたのは、文化祭というイベントであり、私服だった。
だから、今回の制服での演奏は初めてだったのだ。



だから驚いたのだ。
生徒会役員が軽音部でパフォーマンスをしていたので。
軽音部に入部するという事は、生徒会役員になる。
……という事になるのか?
そう思うと、悩んだ。
えー…入部したいけど、生徒会役員にはなりたくないなあ…。


パフォーマンスも終わると、クラス写真を撮り、各教室へ移動した。
出席番号順に席に座ると、担任が最初に自己紹介した。
宮田先生に、副担任は河本先生だ。
宮田先生は軽音部の顧問だが、河本先生は陸上部の顧問だそうだ。

俺の後には、宮田雅文がいて、なんか怖い雰囲気が漂っている。
案の定、1年3組には知り合いは居なかった。
隣りの1年2組と1年4組には何人か居る。
小学校、中学校と一緒だった友人だ。
その中でも、特に仲が良いのは1年4組の宮田優。
1年2組にも居るが、気楽に付き合えるのは優の方だ。
それに、同じチャリ組だしな。
優もそうだが、俺もチャリ通学する。
家から学校まで約30分掛かるけど、そのうちに近道を調べよう。
バスもあるが、満員バスに揺られた後に、授業は受けたくない。
そもそも、乗り物酔いする性質だからな。

高校入学を機に、お父ちゃんからはiPhoneの許可を貰った。
カチコチでエリート頭の持ち主のお父ちゃんは、社員の人に聞いたらしい。
 「今時の高校生はスマホとかiPhoneは必需品ですよ」と言われたそうだ。
ありがとう、社員さん。

それに、お母ちゃんは俺にとっては力強い味方だ。
なにしろお父ちゃんとは違い有言実行だからだ。
お父ちゃんと同じ昭和生まれなのに、カチコチではなく、やる事さえやっていれば後は遊んでても良いという頭の持ち主だからだ。

でも、1ヶ月のこづかいが4000円は安い。せめて5000円にして欲しい。
なので、お母ちゃんに強請ったら1学期の成績次第だって言ってきた。
くそっ…。
勉強頑張るぞっ!
でも、中学の時は2000円だったから、それを思えば跳ね上がったんだよな。


そのお母ちゃんも働きだした。
平日の午後15時から音楽教室をしていてピアノとギターをメインに教えてるのに、午前中はスーパーでパートしだした。
まあ、金はある方がいいよな。

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