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Ignorance is bliss.
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目的を持ってゲーセンがある繁華街へと向かい歩き着いてみれば、そこには多くの人がいてその中に同じ学生服を着た学生達がチラチラと目に入る。
放課後で遊ぶ場所としてはこの繁華街は学生達にとってピッタリな場所だ。ゲーセンもあるし、カラオケもあるし、学生達向けのショップもある。同じ学校の奴らがいても何らおかしいことではない。
だからこいつがいてもおかしくないのだ。繁華街の通りは、人も多ければ落ちているゴミもそこら辺の道より多いだろうから……。
「何してるんだ?」
答えが分かりきっている質問をして、俺は目の前の女に話しかける。
頭の上のリボンを揺らし金髪の女がこちらに振り向いた。
「……ゴミ拾い」
「だろうな。見れば分かる」
というかそれ以外に考えられない。
違うというのなら、その左手に持つゴミ袋と右手のトングはなんなのだという話だ。
これでゴミ拾い以外の答えが返ってくれば、俺の鋭い目も点になってしまうだろう。
「……分かってるなら、何で聞くの?」
「そりゃあ、一応、念のため、万が一……。まぁ、理由はいろいろだ」
「……それ全部同じ意味……」
「細かいこと気にすんなよ。そんなんじゃ『人間』になれねぇぞ」
「…………………………そうなの?」
声のトーンが一気に下がり、ものすごい不安顔で聞いてくる御五智姶良。
しまった。この冗句は少しこいつには刺激が強かったみたいだ。
それもそうか、姶良にとって『人間』になれるかどうかは死活問題に等しいのだから。
すぐに冗談だということを伝えると、ほっと安心した顔を見せて彼女は眉根を戻した。
だがそれだけで、俺に文句の一つもそんな眼差しさえも向けてこない。
どこかの約束をすっぽかした影の薄い後輩ならここで不満や小言の一つや二つ口にするところなのだが、少し物足りなく感じてしまう。
張り合いがないというか、なんというか。
この女にそれを求めること自体が間違っているというのは、解っていることなのだが。
「……何してるの?」
「何してると思う?」
「……」
ジーと俺のことを下から上に上から下にと眺めて考え始める姶良。
そんなに見ても俺は学生鞄ぐらいしか持っていない。
さて、姶良はどんな答えを出すのやら。
「……ゴミ拾い?」
なんでだ。
どこをどう見たら俺がゴミ拾いをしてるように見えるんだ。
こいつの目は節穴どころかゴミ箱になっているんじゃなかろうか。
そんなにゴミを集めたいかゴミ女。
「な訳ないだろ。お前と一緒にすんな」
「……なら、何してたの?」
「何もしてない。言うなら今からしに行くところだ」
「……ゴミ拾い?」
「違ぇーよ」
どんだけ俺にゴミ拾いをさせたいんだよ。
「ちょっとした暇つぶしと、機嫌買いに必要なモノを取りにゲーセンに行くんだよ」
「……機嫌買い?」
「相手の機嫌を取ろうとすることだ。分かるか?」
「……それぐらい、分かる」
俺の人を小馬鹿にしたような質問に、少し不満顔になる姶良。
そうか、分かるか。
「じゃあ、機嫌買いって例えばどんなことをするんだ? 言ってみろ」
「………………………………ゴミ拾い」
なんでだよ! と姶良のおでこにデコピンをかますと、「あぅ」という小さな悲鳴が聞こえてくる。
そして両手が塞がっていておでこを抑えることができない姶良は、「何で?」とでも言いたそうな顔でこちらを見てきた。
よく見ると、その目はちょっと涙目である。
いやそんな顔されても、俺が何でとお前に聞きたい。
何で相手のご機嫌買いにゴミ拾いをすることになるんだよ。
そんなので機嫌が取れるのは、ボランティア好きな人間かお前ぐらいだ。
一人頭の中でツッコミを入れていて、一つの考えがを思い浮かぶ。
彼女の頭の中は、お花畑じゃなくてゴミ畑なのかもしれない……。
かなり失礼なことを考えていると自分で解っていながら、口には出してないのだからいいだろうと勝手に判断する。
世の中言わなくていいことは沢山だ。そしてそれを発する口も様々である。
思っていることを言わないのが表口だとしたら、思っていることを言うのが裏口で、勝手に言うのが勝手口、何でも言うのが軽口だ。他にも悪口、無駄口、陰口に減らず口。
一つの口でこうも多くの口があるとは、これは開いた口も塞がらないというものだ。
……つまらないことを考えてないで、話を戻そう。
閑話休題。
放課後で遊ぶ場所としてはこの繁華街は学生達にとってピッタリな場所だ。ゲーセンもあるし、カラオケもあるし、学生達向けのショップもある。同じ学校の奴らがいても何らおかしいことではない。
だからこいつがいてもおかしくないのだ。繁華街の通りは、人も多ければ落ちているゴミもそこら辺の道より多いだろうから……。
「何してるんだ?」
答えが分かりきっている質問をして、俺は目の前の女に話しかける。
頭の上のリボンを揺らし金髪の女がこちらに振り向いた。
「……ゴミ拾い」
「だろうな。見れば分かる」
というかそれ以外に考えられない。
違うというのなら、その左手に持つゴミ袋と右手のトングはなんなのだという話だ。
これでゴミ拾い以外の答えが返ってくれば、俺の鋭い目も点になってしまうだろう。
「……分かってるなら、何で聞くの?」
「そりゃあ、一応、念のため、万が一……。まぁ、理由はいろいろだ」
「……それ全部同じ意味……」
「細かいこと気にすんなよ。そんなんじゃ『人間』になれねぇぞ」
「…………………………そうなの?」
声のトーンが一気に下がり、ものすごい不安顔で聞いてくる御五智姶良。
しまった。この冗句は少しこいつには刺激が強かったみたいだ。
それもそうか、姶良にとって『人間』になれるかどうかは死活問題に等しいのだから。
すぐに冗談だということを伝えると、ほっと安心した顔を見せて彼女は眉根を戻した。
だがそれだけで、俺に文句の一つもそんな眼差しさえも向けてこない。
どこかの約束をすっぽかした影の薄い後輩ならここで不満や小言の一つや二つ口にするところなのだが、少し物足りなく感じてしまう。
張り合いがないというか、なんというか。
この女にそれを求めること自体が間違っているというのは、解っていることなのだが。
「……何してるの?」
「何してると思う?」
「……」
ジーと俺のことを下から上に上から下にと眺めて考え始める姶良。
そんなに見ても俺は学生鞄ぐらいしか持っていない。
さて、姶良はどんな答えを出すのやら。
「……ゴミ拾い?」
なんでだ。
どこをどう見たら俺がゴミ拾いをしてるように見えるんだ。
こいつの目は節穴どころかゴミ箱になっているんじゃなかろうか。
そんなにゴミを集めたいかゴミ女。
「な訳ないだろ。お前と一緒にすんな」
「……なら、何してたの?」
「何もしてない。言うなら今からしに行くところだ」
「……ゴミ拾い?」
「違ぇーよ」
どんだけ俺にゴミ拾いをさせたいんだよ。
「ちょっとした暇つぶしと、機嫌買いに必要なモノを取りにゲーセンに行くんだよ」
「……機嫌買い?」
「相手の機嫌を取ろうとすることだ。分かるか?」
「……それぐらい、分かる」
俺の人を小馬鹿にしたような質問に、少し不満顔になる姶良。
そうか、分かるか。
「じゃあ、機嫌買いって例えばどんなことをするんだ? 言ってみろ」
「………………………………ゴミ拾い」
なんでだよ! と姶良のおでこにデコピンをかますと、「あぅ」という小さな悲鳴が聞こえてくる。
そして両手が塞がっていておでこを抑えることができない姶良は、「何で?」とでも言いたそうな顔でこちらを見てきた。
よく見ると、その目はちょっと涙目である。
いやそんな顔されても、俺が何でとお前に聞きたい。
何で相手のご機嫌買いにゴミ拾いをすることになるんだよ。
そんなので機嫌が取れるのは、ボランティア好きな人間かお前ぐらいだ。
一人頭の中でツッコミを入れていて、一つの考えがを思い浮かぶ。
彼女の頭の中は、お花畑じゃなくてゴミ畑なのかもしれない……。
かなり失礼なことを考えていると自分で解っていながら、口には出してないのだからいいだろうと勝手に判断する。
世の中言わなくていいことは沢山だ。そしてそれを発する口も様々である。
思っていることを言わないのが表口だとしたら、思っていることを言うのが裏口で、勝手に言うのが勝手口、何でも言うのが軽口だ。他にも悪口、無駄口、陰口に減らず口。
一つの口でこうも多くの口があるとは、これは開いた口も塞がらないというものだ。
……つまらないことを考えてないで、話を戻そう。
閑話休題。
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