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ゴミ女の深夜バイト
4-21
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そんなことがあったから、そんなことを言われたから、私は暗い暗い夜の町を出で立っている。しかし、そんなことがある前から、そんなことを言われる前から、もともと私は夜の町を探索しようと考えていた。
だから、昼間の出来事がなかったとしても私はここにいたであろう。
『夜に出歩くことは控えるべき』
あの占い師の助言を聞いた時、私の胸は強く高鳴った。そして、今日の夜が一気に楽しみになった。
もしかしたら、今日この夜に何かが起こるかもしれない、何かを知れるかもしれない。そう思うと居ても立っても居られず、夜になるまで落ち着いていられなかった。
もちろん、今日の夜に何かが起こると決まったわけではない。占い師は控えるべきと言っていた。それは長い期間を示して言ったようにも思える。
ひょっとすると、あの占い師の見える未来は断定的なものではないのかもしれない。それか、実はあの占い師は詐欺師で、適当なことを言っているだけという可能性もある。
……いや、ないな。
もし詐欺師なら、占い一回の料金が五〇〇円は安すぎる。それに詐欺師なら、相手を動揺させるような占いをして、胡散臭い壺でも買わせてきそうなものだ。
私はあの占い師が詐欺師だという疑惑を否定する否定しながら、
「公園のお爺さんもグルだったりしてな……」
と拭えない不安を口にする。
そんなことは、今更考えても仕方がない。お金も払って占いをしてしまったし、助言も聞いてしまったのだ。だったら、その助言を信じてしまったほうが面白い。
それに、実際に何かが起こればその不安も杞憂に変わる。私は自分が望む方向に物事を考えて、不安が杞憂に変わることを願って、探索を続けた。
――ガラガラガラガラガラガラ
何処からか、そんな音が私の耳に入ってきた。途端、ゾクゾクとした感覚が私の背中を走り、寒気とともに感情を高ぶらせる。
私は音の発生源は何処なのかを探ろうと、辺りを見渡し耳を澄ます。
「……あっちか」
私は音の方に足を進めていく。急ぎたい足を我慢して、ゆっくりとゆっくりと。
十字路の道を出た瞬間、私は反射的に壁際に隠れた。そして、壁から顔だけ出して、十字路右の道を窺う。
私が窺う先の道では二つの人影が揺れ、先ほどの音を響かせていた。二つの人影は、何かを押し運んで歩いていることが遠目で見ても分かるが、遠目で見ているために何を運んでいるかは分からない。
私はそこで、ある大学生の男性が言っていた話を思い出す。
『深夜にコンビニに行った時のことなんですけど、途中で変わった人を見かけましたよ。なんかデッカいゴミ箱みたいなのをショッピングカートを押すみたいに運んでて、しかもそれを運んでるのが中学生ぐらいの女の子だったんですよね』
この話に出てきた女の子が、今私の目の先にいる人影なのかもしれない。しかし、大学生の男性は中学生のぐらいの女の子と言っていただけで、二人いたとは言っていなかった。
私はもう一度、二つの人影を確かめるように見る。
一つは高く、一つは低い。高い方の人影は、身長を言えば特段高いという訳ではなく、普通といったところだろう。低い方の人影は、高い方と比べなくても低く、小さいと言ってしまってもいいだろう。
あれのどちらかが大学生の男性が見た女の子だと思うが、もう一人はどうだろう。大学生の男性が見逃しただけか、本当にその時にはいなかっただけか。そして、二つの人影が運ぶものは、本当に大学生の男性が言っていた『デッカいゴミ箱』なのか。
二つの人影が、少しずつ、少しずつ、遠ざかって行く。
考え迷っていても答えは出ない。だったら、目の前の答えをさっさと確かめに行くしかない。
二つの人影が三叉路の左に入って行った。
――迷う余地なし。
私は走って、二つの影が進んだ三叉路の左に向かった。
だから、昼間の出来事がなかったとしても私はここにいたであろう。
『夜に出歩くことは控えるべき』
あの占い師の助言を聞いた時、私の胸は強く高鳴った。そして、今日の夜が一気に楽しみになった。
もしかしたら、今日この夜に何かが起こるかもしれない、何かを知れるかもしれない。そう思うと居ても立っても居られず、夜になるまで落ち着いていられなかった。
もちろん、今日の夜に何かが起こると決まったわけではない。占い師は控えるべきと言っていた。それは長い期間を示して言ったようにも思える。
ひょっとすると、あの占い師の見える未来は断定的なものではないのかもしれない。それか、実はあの占い師は詐欺師で、適当なことを言っているだけという可能性もある。
……いや、ないな。
もし詐欺師なら、占い一回の料金が五〇〇円は安すぎる。それに詐欺師なら、相手を動揺させるような占いをして、胡散臭い壺でも買わせてきそうなものだ。
私はあの占い師が詐欺師だという疑惑を否定する否定しながら、
「公園のお爺さんもグルだったりしてな……」
と拭えない不安を口にする。
そんなことは、今更考えても仕方がない。お金も払って占いをしてしまったし、助言も聞いてしまったのだ。だったら、その助言を信じてしまったほうが面白い。
それに、実際に何かが起こればその不安も杞憂に変わる。私は自分が望む方向に物事を考えて、不安が杞憂に変わることを願って、探索を続けた。
――ガラガラガラガラガラガラ
何処からか、そんな音が私の耳に入ってきた。途端、ゾクゾクとした感覚が私の背中を走り、寒気とともに感情を高ぶらせる。
私は音の発生源は何処なのかを探ろうと、辺りを見渡し耳を澄ます。
「……あっちか」
私は音の方に足を進めていく。急ぎたい足を我慢して、ゆっくりとゆっくりと。
十字路の道を出た瞬間、私は反射的に壁際に隠れた。そして、壁から顔だけ出して、十字路右の道を窺う。
私が窺う先の道では二つの人影が揺れ、先ほどの音を響かせていた。二つの人影は、何かを押し運んで歩いていることが遠目で見ても分かるが、遠目で見ているために何を運んでいるかは分からない。
私はそこで、ある大学生の男性が言っていた話を思い出す。
『深夜にコンビニに行った時のことなんですけど、途中で変わった人を見かけましたよ。なんかデッカいゴミ箱みたいなのをショッピングカートを押すみたいに運んでて、しかもそれを運んでるのが中学生ぐらいの女の子だったんですよね』
この話に出てきた女の子が、今私の目の先にいる人影なのかもしれない。しかし、大学生の男性は中学生のぐらいの女の子と言っていただけで、二人いたとは言っていなかった。
私はもう一度、二つの人影を確かめるように見る。
一つは高く、一つは低い。高い方の人影は、身長を言えば特段高いという訳ではなく、普通といったところだろう。低い方の人影は、高い方と比べなくても低く、小さいと言ってしまってもいいだろう。
あれのどちらかが大学生の男性が見た女の子だと思うが、もう一人はどうだろう。大学生の男性が見逃しただけか、本当にその時にはいなかっただけか。そして、二つの人影が運ぶものは、本当に大学生の男性が言っていた『デッカいゴミ箱』なのか。
二つの人影が、少しずつ、少しずつ、遠ざかって行く。
考え迷っていても答えは出ない。だったら、目の前の答えをさっさと確かめに行くしかない。
二つの人影が三叉路の左に入って行った。
――迷う余地なし。
私は走って、二つの影が進んだ三叉路の左に向かった。
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