人間ドリンクサーバー ~エマ喫茶へようこそ~【完結】

まむら

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08 クロ(53歳) barエマ、ウイスキー、完熟した体

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クロは人間ドリンクサーバーとして、エマ喫茶で長年働いてきた最年長だ。
  
180cmを超える長身と、鍛え上げられた筋肉、小麦色の肌に黒い短髪、ムッチリとした尻は張りがあり、五十を過ぎた男の体には見えない。
 
四十台になり、膀胱タンクの劣化が始まった彼は、五十歳になる頃にはもう使えなくなっていた。
 
店主エマはそんなクロを見て嘆いた。
 
クロは店の看板を背負いながら、今まで必死に働いてきた。そしてクロの膀胱タンクとしての寿命が尽きかけた時、エマはふと思った。
 
溜められなくなったのなら、別の方法で客に提供できる術はないか、と。
 
エマは考えた。その方法を。そして導き出された結果、素晴らしい考えに至ることができた。
 
『barエマ』の開店だ。
 
クロを中心に、膀胱タンクが劣化したために人間ドリンクサーバーを引退した彼らを集め、新たな店を作ればいいのだ。
 
そしてクロは人間アルコールサーバーとなり、barエマの看板サーバーとして新たな道を進むことになった。
 
barエマの営業時間は二十二時から一時までの三時間。アルコールの提供と客の癒しを目的としたバーだ。
 
今日もクロは静かに店に入り、開店の準備を始めている。
 
 
 
 
 
チリン、チリン…
 
扉が開くベルが鳴り、クロは振り向いた。まだ開店時間には少し早い。
 
「クロ、準備はどうです?」
「…もうすぐ終わる」
「今日のお客様は何人ですか?」
「一人、どちらも常連だ」
「でしたら問題ないですね。私は店の奥にいますので、よろしくお願いします。何かあったら内線で知らせてください。あ、それと、コノハさんは今日は体調不良でお休みするということなので、一人での相手が無理そうなら今日休みになっているカグラさんを呼びますけど、どうします?」
「常連なら俺一人でも問題ないだろう、大丈夫だ」
「そうですか。それなら、あとはお願いします」
「ああ…」
 
そう言ってエマは店の奥の部屋へと入っていた。その部屋では主に、エマがデスクワークをするのに使っているようだ。
 
エマは喫茶店の仕事が終わるとこちらのbarエマに来て、再び夜の仕事をする。ほとんどが書類作業や電話対応などのため、そこまで体に負担がかかるわけではないから心配はいらない。
 
つまりエマは喫茶店とバー、二つの店を持っているというわけだ。
 
しかし、朝から深夜まで毎日のようにエマは店にいる。その生活はどうなっているのか、謎である。
 
クロはバーテンダーの衣装を纏い、グラスを磨いている。今日の仕事は全てクロが行うらしい。店は予約制で今日の客は二人なので問題はないだろう。
 
そして時刻は二十二時になった。
 
チリン、チリン…
 
時間ピッタリに客が来店し、クロはカウンターから挨拶をする。
 
「いらっしゃいませ」
「やあ、クロ君。今日はクロ君一人かな?」
「はい、よろしくお願いします」
「こちらこそ。さっそくだが、注文よろしいかな?」
「何にいたしますか?」
 
客は常連で、メニューを見ることなく注文する。
 
「まずはウイスキーを頼むとしよう。君のウイスキーは味わい深いから好きなんだ」
「…ありがとうございます。準備します」
 
そう言ってクロは客に空のグラスを渡した。目の前で入れるため、中身は今から用意するのだ。
 
barエマのカウンターはやけに広く、天井も高い。
 
すると突然、クロは服を脱ぎ裸になった。そして、クロはカウンターに乗り上げ、客の前で座り尻を下ろすと、足を広げてM字開脚の姿勢になる。
 
「お待たせしました。栓を抜いてウイスキーをどうぞ…」
 
そう言って客の目の前でペニスを揺らした。ペニスの先にはコルクが栓をするように尿道口を塞ぎ、クロは少し頬を染めて客の行動を待っている。
 
「おお、それではさっそく頂こう。よいしょ」
「…くぉ、んっ」
 
キュポッ
 
………ショオオオオオオオ…
 
客は目の前で揺れているコルクを掴み、一気に引き抜いた。
 
すると数秒後、クロの先っぽからウイスキーが出てくる。客はクロのペニスを掴んで調整し、器用にグラスにウイスキーを注いでゆく。
 
溢れそうになると客は、急いでクロのペニスにコルクを入れて栓をした。
 
ギュムッ、ギュムッ
 
「ぐ、んんんん…っ」
 
クロは目を閉じてその刺激に耐えている。頬が赤く染まり、目には涙が滲んでいる。
 
「ああ、この香り、素晴らしい。クロ君のウイスキーは本当にいい香りだ」
「あうっ…あっ、ありが、と…っ、ござい、ます…っ」
 
客はとても嬉しそうな顔で氷を足し、数回傾けながら馴染ませ、グラスに注いだウイスキーを一口飲んだ。
 
苦みの中にある甘味と芳醇な香りがウイスキーの良さを引き立て、クロの赤く染まった肌がそのアルコールの強さを表現している。
 
カランッ
 
グラスの中の氷が音を立てた。
 
「素晴らしい、クロ君、とても美味しいよ。君のウイスキーは実に美味い」
「…そう、言っていただけて、んっ、…本当に、嬉しいです。…は、ぁ…っ」
 
尿道を刺激するアルコールが体中を巡り、クロは酔ったように息を吐いた。
 
クロの膀胱タンクは劣化のため、ほとんど水分が溜め込めない状態だ。
 
そのため数年前からこのbarエマのバーテンダーとして一日三時間、最大三人の客に対して対面でアルコールを提供する、人間アルコールサーバーとして職を変え今に至るのだ。
 
対面式の仕事になり、客数も制限されているため体の負担は大幅に減った。
 
少量のアルコールをタンクに入れ、コルクで栓をする。その程度であれば今のクロでも十分に客の相手をすることができ、世話係も必要ない程度の仕事量なので誰の負担にもならない。
 
再び人間ドリンクサーバーもとい、人間アルコールサーバーとして働くことが可能になったのだ。
 
この喜びを噛み締め、クロは毎日を過ごしている。
 
一度は絶望した体にだったが、こんな体でもまだやれることがあるのだと思うと、クロは毎日が幸せでたまらない。こんな日々がずっと続いて欲しい。
 
再び客がクロに注文した。
 
「クロ君、今度は君の得意なカルアミルクが飲みたい。コーヒーリキュールとミルクの交じり合うあの瞬間は、いつ見ても素晴らしい。君がこうしてここで働いてくれて私は毎日が楽しくて仕方ないよ」
「…そう、言っていだけると、俺も、うれしいです…。お待ちください、すぐにお持ちします…」
 
久しぶりのカルアミルクの注文に、クロはとても嬉しそうだ。
 
何せ一番得意なカルアミルクの注文だ。最近はあまり客の中でこれを注文する人がいなかったため、体が疼いて仕方がなかったのだ。
 
クロはコーヒーリキュールをウイスキーと入れ替え、カウンターに乗り、客の前で足を開いた。先ほどよりもペニスは赤く腫れ、コルクを詰まらせた尿道口は滑りを帯びている。
 
「ああっ…、ど、どうぞっ、…んんんっ、あは…っ…」
 
膀胱タンクが悲鳴を上げている。もともと限界なのだ。早く出したいと小さなタンクが叫んでいるのだ。
 
「はっはっはっ、素晴らしい!!やはりクロ君、君の熟した体は最高だ!!」
 
客は嬉しそうにグラスを持ち、クロのペニスからコルクを引き抜く。すると、リキュール独特の液体が尿道を刺激しながら注がれてゆく。
 
クロは震える体に叱咤しながら、客に最高のアルコールを提供するため、アヘ顔になるのを我慢している。
 
トクトクトクトクトク…
 
「んぐうううっ、んうっ、ふっ、んっ、んっ、…んふうううっ」
 
座り込んだ体を支えるために、M字開脚の姿勢を必死にキープするため、両手を後ろ手について胸を反らす。突き出した太く長い乳首はビンッと上を向き、プックリと膨らんでいる。
 
少しでも体制を崩してしまえばアルコールがグラスから零れてしまうため、クロは浮き上がりそうになる尻を必死に耐え、太ももの筋肉に筋が張っている。
 
クロのペニスは男性器としての役目を切除するため、すでに処理済みだ。そのため、勃起することもなければ、射精することもない。
 
最高の人間アルコールサーバーなのだ。
 
その熟れた体を求めて連夜客は押し寄せるが、何せこのバーは予約制。クロの他にもアルコールを提供するサーバーはいるが、それでも予約は数年先まで埋まってしまっている。

人間アルコールサーバーの彼らの体を気遣い、店主のエマは彼らの健康管理を徹底して行っている。
 
週に必ず最低でも二日、エマ喫茶の訓練ルームに呼び寄せ、部屋の片隅で身体検査を行うのが決まりだ。そのため、時々新人の人間ドリンクサーバーを見たり、世話係に会って少し話をしたりすることができる。
 
世話係の明るく元気な姿を見ると、こちらも自然と表情が和らいでくる。
 
ピチョッ……
 
「んっ…ふおっ…ほっ、おおっ……ん、お、お…っ」
 
グラスの三割ほどにようやくコーヒーリキュールが注がれ、クロは息を乱しながら次の行動に移った。
 
ガクガクと腰を震えさせながら、四つん這いになると、自身の胸を左右の手で片方ずつ下からグイッと持ち上げた。そして客に突き出すようにすると、恥ずかしそうに頬を染めながら言う。

「お好きな量のミルクを…絞って入れてください…っ」
 
客の目の前に太長い真っ赤なクロの乳首がプルッと揺れ、先からは白い液体がプクッと滲んでいる。仕上げのミルクはクロが自ら生産した天然濃厚ミルクだった。
 
訓練と努力によって、クロはそういう体になったのだ。

「おお、私はミルク多めが好きだから、たっぷり入れさせてもらおう」
「んっ…、どうぞ…っ…」
 
そう言うと客はグラスを片手に、もう片方の手で、その太い指先でクロの乳首を力強く絞った。
 
ギュムウウウウッ
 
ピュッ…ピュウウウーー……

「んはあああああーーー…」

ビクッ、ブルブルブルブルブルブルッ、ガクッ、ガクッ、ガクガクッ
 
凄まじい搾乳の快感に、クロの全身が痙攣する。必死に体が動くのを耐えようとしているが、痙攣が止まらない。クロの顔が上を向き、恍惚とした表情で口をパクパクと開閉している。
 
乳首をこってりとした濃厚ミルクが刺激すると、胸が熱くなり快楽で思考が真っ白になってしまう。いつもそうだ。
 
片方のミルクの出が悪くなれば、もう片方を絞られ、何も考えられなくなり、時々白目を向いてしまう。
 
コルクで栓をしているペニスが、膀胱タンクの中身を吐き出そうとして下腹部に力が入る。
 
「あああああっ…、んうう…っ、んふうっ…おんっ…おおっ…」
 
ピチョンッ…
 
ようやく客は搾乳の手を止め、グラスの中身を確認するように揺らした。
 
「うん、またいいだろう。クロ君のミルクは濃厚だから勢いがなくて時間がかかったが、とてもおいしそうなカルアミルクが完成したよ」
 
「あんんっ、…おふっ……、…んっ、…ど、どうぞっ…おおおっ、おめ、お召しっ、…上が、りくだっ…さいっ…んおっ…おうっ……あ、ああ…んん…っ…」
 
四つん這いのままクロは客に言う。体が痙攣しているせいか、なかなか身動きが取れず、クロはカウンターの上に乗ったままの状態だ。
 
客がグラスを傾け、中身をゆっくり飲む。
 
「美味い、やはりクロ君から直接搾り取るミルクの味は格別だ。…む。そろそろ閉店時間か。帰るとしよう。代金はここに置いていくよ。今日も美味しい酒をありがとう、また予約させてもらうよ」
 
「んっ…あ、ありがとう、ござい…ました…っ」
 
チリン、チリン…
 
客はそう言って店を出て行った。
 
しばらく感じ入ったまま、クロは痙攣していた。数分後、ようやく落ち着いた頃、クロはカウンターから降りた。しかし足に力が入らず、地面にベシャッと座り込んでしまった。
 
タイミングよく店の奥からエマが現れる。事務作業が終わり、閉店時間を過ぎたため様子を見に来たらしい。
 
クロの様子を見て、エマはクスリと笑った。
 
「クロ、コルクを抜いて全部出さないと、膀胱炎になりますよ」
 
「………ああ」
 
アルコールを膀胱タンクに入れていたせいか、クロはぼんやりとした表情でじっとしている。頬は赤く、目は潤んでいる。
 
自分で入れたアルコールと、長い間出していなかった尿で、クロの膀胱タンクは破裂寸前だ。
 
クロは震える手で尿道を塞いでいるコルクを掴み、そっと引き抜いた。
 
キュポッ
 
………ジョパッ、ジョロロロロロッ、ジョオオオオオオオオオオオーッ!!
 
音を立ててコルクが抜け、混ざり合った二つの液体が勢いよく膀胱タンクから噴き出し、クロは切ない表情で座り込んだまま地面に排出していく。
 
「んんんんんっ!!…あっ、………ひああああああーーー………、んふう…っ…」
 
ようやく膀胱タンクの中が空っぽになり、クロは気持ちよさそうな顔で目を閉じている。数秒間、意識が遠のいていたようで、クロはビクッとして目を覚ました。
 
「ん…っ、……はぁ……っ……」
 
その一部始終を見ていたエマは、ようやく落ち着いた様子のクロに言った。
 
「そろそろメンテナンスをしないといけませんね。明日にでも喫茶店の方に来てください。訓練ルームで膀胱タンクなどの検査と調整をします。時間はあとからお知らせしますので」
「ああ、わかった。頼む…」
 
時々メンテナンスをしないと、人間アルコールサーバーはすぐに不具合が出てしまうのだ。人間ドリンクサーバーとしての役目を終え、クロの体は一日働くだけで悲鳴を上げてしまう。
 
「さて、それでは掃除をして帰りましょう。クロ、立てますか?」
「…腰が抜けて…」 

返事を聞くと、エマはクロの体を支えて立ち上がる。これから掃除を手伝ってくれるらしい。寮に帰る頃には日付は変わっているだろう。
 
barエマ、本日の営業は終了いたしました。またのご来店、心よりお待ちしています。
 
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