天地狭間の虚ろ

碧井永

文字の大きさ
上 下
11 / 20

第四章(2/3)

しおりを挟む
第二景

 はじめてのお泊りから八夜連続、皇帝は丹緋たんひのもとへとやって来た。
 皇帝の『なにもしない』という誓いに偽りはなく、夫婦であるにもかかわらず清く正しい関係が続いている。話をしているうちにいつの間にか眠ってしまっている、そんなふうにして夜を越してきた。
 会話を重ねるうち。皇帝について、いろいろなことがわかってきた丹緋である。
 先帝や皇太后との関係がよくなかったこと、戻っている実弟の蒼呉そうごとはほとんどしゃべっていないこと。愛されなかったからといって卑屈にならず後悔しないように生きている、など。
 身分の違いはあれど家庭環境の複雑なところは丹緋と似ていて、
(わたしを慰めるために、わざとつらい過去を話してくれているのかしら)
 と、思いやりある行為について考えさせられてしまうこともあった。
 そんな気持ちもあって、丹緋もぽつぽつと自分の話をしているうちに。『学びたいことがあるならせんせいを選んでやろう』と笑顔で言われ、(ああ)と確信した丹緋だった。
 皇帝は、とにかく丹緋のために、たくさんのものを与えようとしてくれているのだ。それは身を飾る豪華な品ばかりではなく。心が豊かになるように、と。
(わたしに不足しているものを補おうと、陛下はお気を回してくださっているのね)
 後宮内で恥ずかしくない女人じょせいになれるよう、手配してくれているのだ。
 相手の想いに気づいてしまえば、丹緋にも気持ちの余裕がでてくるというもの。
 皇帝の視線に身をすくめることもなく、皇帝の仕種を見つめることもできるようになってきた。たとえば、皇帝の長い指。男らしいその指は意外にも器用に動く。じゃれあって乱れてしまった丹緋の髪をすくって、細かいまとめ髪まで結いなおしてくれるのだ。
 今もこめかみに口づけを落とした拍子に簪がとれかかり、挿しなおしてくれていた。
 天には星がまたたきはじめた頃。
 毛皮をまとう丹緋は手をひかれ、神策軍しんさくぐん軍営ぐんえい近く、かわったつくりの城壁を登っている。
「城壁は高い、上に行けば行くほど冷えてくる。寒くはないか?」
「はい。緋逸ひいつ様からいただいた毛皮がありますから」
 微笑んで、丹緋はこたえる。人馴れていない丹緋は未だ、表情がぎこちない。喜怒哀楽を表すのに臆病なところはあっても、微笑を浮かべられただけ進歩したというもの。
 ぱっと見には小さい変化。けれど、侮るなかれ。これは人として大いなる変化であった。
 前夜、皇帝から『これからは名で呼んでくれ』とせがまれたこともあって、丹緋は皇帝の呼び方をかえた。(許されるのかしら)と思ったものの、皇帝の命であれば逆らえない。
 名を呼ぶと、緋逸の顔が嬉しそうにほころぶので、丹緋の罪悪感も薄まるのだった。
「護衛軍である神策軍には飛空部ひくうぶがある。特殊な技能を必要とするために、ここに所属する武官はみな、精鋭なんだ」
 説明しながら、緋逸は開けた部分を指差した。
 そこにあるのは通路のようにつくられた城壁の上とは思えないほどの広い空間。
「まるで舞台のようですね」
 遠目にもかわったつくりだと思っていたのだ。近くで見れば、城壁の高さと空間の広さが相俟あいまって圧倒されるものがある。物見用の防御塔のようでもあるが、それにしては吹きさらしであった。
「これは【滑空機】という」
 はじめて聞く言葉で、丹緋は目を丸くした。
 滑空機と呼ばれた物は全部で八機。竹と籐を使って三角形に組み、厚手の特殊な織物を張ってある。一見、遊び道具の凧のようであるが、立体的で大きさも異なっている。おそらくは人の背丈の二倍はあるだろう。緋逸は、これで空を飛べるのだ、と教えてくれた。
「乗れるのは一機につき一人で、連射式の弩や槍といった武具も装備している。
 高所――つまり今、私達が立っている場所から風の力を利用して離陸、操者の体重移動により方向を転換し、風下から進入するようにして着陸する。後ろ足をひっかけられるようにはなっているが、飛行中は三角形の翼と身体を常に平行に保たねばならず、高度な技術を必要とするので操者は精鋭なのだ。平時は皇帝の伝令用として飛ばされるのだが」
「へえ、え」
 説明されていることが難解で、呑み込もうとすればするほど、丹緋は目をぱちぱちとしばたたいてしまう。
 思考が追いついていくうちに、あれっと思った。
「でも、緋逸様。大切な伝令のあるときに、必ず風が吹いているとはかぎりませんよね」
 尋ねられて、緋逸が「お」と嬉しげな声をあげる。ご褒美のように背を撫でられた。
「そこに気づいたか。最大の問題は無風だな。これを解決するために護三家ごさんけの一、かん家の力が必要なんだ。丹緋は環家の異能がなんであるか知っているか?」
「はい。見鬼けんきの能力ですよね」
「そう。見鬼師は、鬼を見ただけで鬼の名を見とおすのだそうだ。名は、その実体と本質的に結びつき、実体そのものなのだとか。ゆえに、術を執行するうえで鬼の名を知ることは大前提らしい。
 優秀な見鬼師ともなれば、鬼を意のままに使役できるのだそうだ。これを役鬼やくきという」
 鬼は、人が見ることはできない。見えるとすれば、見鬼術を扱える者か鬼にとり憑かれた者だけ。もし、多くの無能の人にも鬼の姿を見せるとしたら、見鬼師が鬼に使人見鬼術しじんけんきじゅつをかけねばならない。
 緋逸は見鬼師についても詳しく説明してくれた。
 話は環家最高の見鬼師である剣楯華けんじゅんかへと移っていく。
「環家の剣楯華は代々、鬼風きふうという風の鬼を使役している。鬼風というのは鬼の名ではないらしくてな、なんでも鬼の名は広く知られてはいけないのだそうだ。それもあって、見鬼師が人前で口にするのは〝鬼の種類〟や〝俗称〟らしい。この鬼風は、昼夜を問わずどこでも風を起こせる。猛烈な風も微風も、望む方向へと吹きおこすことができる」
「……風」
「この鬼風が、滑空機ごと武装した武官を運んでくれる。目的地まで正確に。
 環家の見鬼師による支援があってこその飛空部だ。鬼の棲むてい国独特の武器でな、妻である其方そなたには知っておいてもらいたかった」
 会話を重ねることで相手を理解する、というのが緋逸の物事の進め方ではないかと、丹緋は常々思うようになっていた。だから一瞬、ここ数日の語らいで自分のもつ風の不思議な力が知られてしまったのではと焦ったのだが。違ったらしい。
 ふう、と隠れて安堵の息を吐きだした。
「どうした? おもしろくなくて退屈したか?」
 溜め息と勘違いしたらしい緋逸が、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「い、いいえっ。……ただ、その、……国家の秘事でもあるのでしょうから、わたしが聞いてしまってよかったのかなって」
「よいに決まっている。前から気になっていたんだが、どうも其方は私の想いを」
 わかっていないらしい――そう耳許みみもとに囁きが落ちてきた。
 気が狂ってしまいそうなほどの熱い吐息を感じた次の瞬間、丹緋の身体からだは抱き締められた。片方の腕は細い腰に回り、片方の腕はうなじを支えるようにあてられる。それはいつもとかわらぬ抱擁。
 ……だったのに。
 男の、あまりの力に背がしなり、両足が浮いた。
 息苦しくて丹緋は「くッ」と呻き声を洩らしてしまう。
 弱々しいその声に慌てたのは、緋逸。絡めていた腕をほどいて素早く身を引いた。
「……すまない」
 丹緋の身体を、まるで怪我でも負っていないかと探るようにして上から下まで眺めたあとで、ふいっと横を向いてしまう。
 一言詫びてからずっと交わらない視線に、だんだん丹緋は寂しくなってきた。
(目と目が合わないだけでこんなに不安になるなんて)
 今更ながら、緋逸の気持ちがわかった丹緋である。
 緋逸は忙しい仕事をやりくりして逢いにきてくれているのだ。逢える時間は貴重だと知っているから余計に、せっかく一緒にいられる時間を無駄にしたくないと思ってしまう。そばにいるのに、自分の目に映るのが緋逸の横顔や後ろ姿だけだなんて、悲しすぎた。
 一歩寄れば、同じ分、緋逸は一歩退がってしまう。
 人の行動には想いがあり、想いには理由がある。理由はその人の真実のはずだから、いきなり素っ気ない態度をとった緋逸の気持ちを理解したい。
(でも、どうしたら……)
 日常会話でさえ精一杯なのに。これは己の許容量をはるかに超えていた。
 それでもと。めげずに丹緋は踏ん張る。
「……あの、緋逸様の双眸は、揺るぎない意志の光が灯っているようで。……あの、そう、……まるで、今宵の星空を映したようにきれいですね。とても……素敵です」
 かなりたどたどしくはなったが思いを素直に変換して口にしてみた。
 時の静寂を破るその声に驚いたのか、緋逸がゆっくりと首を回して丹緋を見据える。
「……あ。ほら、きらきらしていて。輝きを盗んでしまった星泥棒のようで」
 緋逸の眼には情熱があった。双眸に映りこむ自分はいつも、彼のもつ情熱に溺れそうになるのだ。今も丹緋は、緋逸の放つ熱をはらんだ眼光に吸い寄せられそうになっている。
 無意識のうちに片腕がもち上がり、指先が緋逸の頬を這う直前――。
「触るなッ」
 怒鳴られて、至近に落雷したかのような衝撃を受け、丹緋はびくっとたじろぐ。
(……あ、わたし、出過ぎたことを。怒らせてしまったのだわ……)
 どうしよう。
 手に負えない沈黙が、分限をわきまえないせいと、自分の存在を全否定しているようで。
 無言のまま。踵を返した緋逸は、丹緋を一度も振り返ることなく去ってしまった。
 残された者に降りそそぐ月と星の輝きが、虚しさをあおるだけ。

 ガツッと。
 なにかを殴る音がした。続いてかたいなにかが崩れる音。
 駆け寄れば、俯いて動かない皇帝が立っている。
凛采女りんさいじょは護衛を付けて殿舎へ戻しましたがね。いやはや、あの采女、なかなか根性がありますな。『陛下がお戻りになるまでわたしはここにいます』と、引かないんですから」
「……丹緋、が?」
「名に【緋】の字が入っている者は大事が起こると落ち着いてしまうんですかね」
 開きなおる、といったほうが正しいのかもしれない。
 皇帝を追いかけてきた武喬ぶきょうは、ちらりと城壁に目をやった。
「……あ。あ、私も丹緋も名に【緋】の字が入っているのか。同じ……なんだな」
 ちょうど皇帝の肩の高さに拳ほどの窪みができていて、窪みを埋めていたであろう石の欠片が通路にぱらぱらと散っている。
(城壁に八つ当たりか。……それにしても)
 武喬は素早く、皇帝の拳を確認した。左手には愛用の大剣が握られていて、空手カラてなのは右の拳。微かに赤く腫れてはいるが、血が噴き出ている様子はない。
(骨折もなし。相変わらず、ものすごい力だ。この方一人で兵何人分の戦力になるか)
 思うだけで、いっさい声にはださない武喬であった。
 内乱のとき、皇帝の一番近くに控えていたのは武喬である。ために武喬は薄々、皇帝が怪力のもち主であることに気づいていた。そして、その異様な力のせいで、亡き皇太后にいとわれ、正妻の鄭貴妃ていきひに嫌われていることも。
 おそらく今も。
 情の昂ぶりのままに采女を抱き締めて身体を傷つけそうになってしまった。
 触れたいのに触れられず、苛立ちのままに怒鳴りつけてしまった。
 そんな後悔に打ちひしがれて、でも、感情をどこかにぶつけたくて、城壁を殴ったのだろう。
「陛下」
 陛下と呼びながら武喬は、同じ男として声をかけていた。主従関係を越えて。
 もともときょう家は地域社会に顔のきく貴族だ。そんな一族の中で育った武喬は、身分に関係なく誰とでも親しくしゃべる。
 加えてれい緋逸の率いる王朝は内乱を経て成立しているからか、形式ばらず、だからといって綱紀が緩いわけではないのだが、上下関係にざっくばらんなところがあった。
「世界は恋で回っているんですよ」
 人は、恋人と称した恋人を生涯で何人つくるだろう? 虚しいことに、そのたくさんの中には相性のよい人はいないかもしれない。だとしたらその恋人は偽物であり、生涯で本物に廻り合う確率はとんでもなく低くなる。
 采女・凛丹緋。
 彼女こそが皇帝のはじめての恋の相手であろう。
「俺の妻がね、ではなく。これは俺の世界観とでもいいますか」
 言いさして、武喬は口を閉ざした。
 人肌に飢えて、恋しくて、やりきれない。なのに、そうと自覚できずに苦しむ不器用な男が、武喬の目の前にいる。
 恋に落ちれば、都度、生き方もかわるのだ。
「同輩にも同じ言葉を捧げますがね」
 武喬の意味深な呟きを聞く余裕がなかったのか、聞こえなかっただけか。皇帝が、つと顔を上げた。月下の冥暗で彼の双眸が異様な光の線を虚空に描く。
「時々……丹緋は、私に引き摺られているだけじゃないかと思うんだ」
 なにに引き摺られているかが皇帝にとっての問題なのだろう。
 強烈な想いにではなく、それは絶対的な権力でもなく。自分が内包する怪力だとしたら。
 凶相きょうそうと恐れられる三白眼さんぱくがんを、武喬はただ黙って見返すだけ。
 悪い運勢を背負って生きると伝わる、その顔貌。
 凶運を強運にかえるためにも。
 武人としての勘がはたらいた。

 ――この恋が成就するかどうかにかかっている、と。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

宮廷の九訳士と後宮の生華

狭間夕
キャラ文芸
宮廷の通訳士である英明(インミン)は、文字を扱う仕事をしていることから「暗号の解読」を頼まれることもある。ある日、後宮入りした若い妃に充てられてた手紙が謎の文字で書かれていたことから、これは恋文ではないかと噂になった。真相は単純で、兄が妹に充てただけの悪意のない内容だったが、これをきっかけに静月(ジンユェ)という若い妃のことを知る。通訳士と、後宮の妃。立場は違えど、後宮に生きる華として、二人は陰謀の渦に巻き込まれることになって――

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

慰み者の姫は新皇帝に溺愛される

苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。 皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。 ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。 早速、二人の初夜が始まった。

エロゲで戦闘力特化で転生したところで、需要はあるか?

天之雨
ファンタジー
エロゲに転生したが、俺の転生特典はどうやら【力】らしい。 最強の魔王がエロゲファンタジーを蹂躙する、そんな話。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました

白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。 あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。 そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。 翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。 しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。 ********** ●早瀬 果歩(はやせ かほ) 25歳、OL 元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。 ●逢見 翔(おうみ しょう) 28歳、パイロット 世界を飛び回るエリートパイロット。 ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。 翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……? ●航(わたる) 1歳半 果歩と翔の息子。飛行機が好き。 ※表記年齢は初登場です ********** webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です! 完結しました!

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

処理中です...