白い烏が語るのは

 少年は思い悩んでいました。
 最早この地は地獄なのだ。この地に生を受けた時点から、僕は速やかに去ることを神に求められているのだ。

 少年は集合住宅の屋上から身を投げる計画を立てます。
 優しい両親には知られずに。
 それこそが、両親の幸せを守る方法だと疑わずに。

 けれど、白い烏が現れ、語ります。
 絶望から逃げるために、何故お前は死を選ぶのだ。


 どうか、どうか、自殺しないでください。
 白い烏はその願いを少年に伝えます。
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