無能と呼ばれた魔術師の成り上がり！！

魔法学園グリモアール編

予想外な展開！？

Ｃクラス勝った俺たちは次の試合の観戦にきていた。

「いやー、しかしさっきの試合は思ったよりも楽勝だったね」

「まあ、俺たちが強くなっているってことなんだろ、知らんけど」

「なるほど、我が更なる進化を遂げたというわけか。フハハハハッ！」

「グレンうるさい！」

「………はぃ」

グレイがつ、強い！無念グレン。
とにかくいつも通りうざいグレンが黙ったところで試合は始まった。

「今からＡクラス対Ｃクラスの試合を始める！戦闘開始！」

ＡクラスとＣクラスの連中は合図とともにフィールドへと駆けていった。

「……そういえばＡクラスってどんなやつがいるんだ？」

「あー、Ａクラスにはですねぇ、貴族がほとんどいますかね」

「貴族か………お前らと会ってなかったら貴族のこともっと嫌いになってたかもな」

「そう言われると嬉しいです♪」

「でもＡクラスってあんまりいい噂聞かないよね」

グレイがうげぇってした顔でそんなことを口にした。

「どんな噂だ？」

「まあ、簡単に言えば身分差別の激しいやつらが多いって話さ。それで一般の家の出身が多い今やってるＣクラスがＡクラスに対して恨みを持っているらしいよ」

さすがはアサシンと言ったところか。
情報の入手が早くて正確だからな。安心して話を聞いていられるな。

俺たちがそんな話をしている間にも試合は進んでいた。
ちょうど今半分ずつ減っており、なかなかいい試合をしていると思っている反面何か妙な胸騒ぎを感じていた。

俺はこの試合を見ながら何か違和感を感じていた。
確かにＡクラスもＣクラスもあまり実力差はないにしても、Ａクラスのやつらのほうが優秀だと思っていたのだが。
それにさっきから才能スキルが勝手に発動している。
これは何か起こるのかもしれない。

俺の心配をよそに試合は進んでいく。
Ｃクラスの連中が何かの魔法唱えると森の中が霧に覆われてしまった。
Ａクラスのやつらは突然のことに驚き、そして、何を思ったのか連携のクソもない個々で魔法を霧の中へと次々に撃ち込んでいった。
だが、それは悪手である。
霧の中で魔法を放つなら、場所が特定されてしまう。　
それに気づいていないのかＡクラスのやつらはその場から動いておらず、いまだに魔法を放っている。
Ｃクラスの連中が先にＡクラスの残りを見つけて戦闘不能にしてこの試合は終わった。

試合が終わり、俺たちは口々に先ほどの試合について話し合った。

「さっきの試合は最後の霧が出てあとの行動が鍵となったわね」

「ええ、しかしあの霧はユニーク魔法でしょうか？」

「いや、あれはユニーク魔法じゃない」

俺がそう言うと、みんなして俺の方を見た。

「じゃあ一体あれはなんなのよ！」

グレイは少し、いや、かなり不機嫌そうな顔で言った。
　
「まあ、落ち着け。あれは、魔法を組み合わせて使って自然現象を再現しただけだ。」

「どういうこと？」

「つまりだな。霧って言うのは、冷えた地面が接している水蒸気を多く含んでいる空気を冷やすことで起こる現象だ。だから、Ｃクラスの連中は手始めに氷魔法を相手に当てずに地面を狙っていた。そして、次に頻繁に水魔法を使用していた。こうすることで、空気にたくさんの水蒸気が含まれることになる。最後に一気にもう一度地面を冷やし直したことで人為的に発生させたのさ」

「そんなことができるの……」

「まあ、いっても風魔法で吹き飛ばせばいいだけの話なんだけどね」

ああとみんなが納得したところで俺は一人考え事をしていた。
それは今の話をした感じだとこの世界には科学があまり発達していないことがわかった。
なのにＣクラスの連中は普通に使っていた。
つまり、あっちの世界の知識を持っている人物、俺と同じで転生か転移をした人物がいることになるな。