32 / 62
魔法学園グリモアール編
クラス対抗戦本番
しおりを挟む
クラス対抗戦を迎えた俺たちは、とりあえず闘技場が集合場所となっているため、遅れないように早めに向かった。
闘技場に着くとどうやらもう生徒たちがきているようだった。
「みんな早いな。ここにいるやつらほとんどが敵か……」
「それだけ気合いが違うってことでしょ。まあ、誰が来ても勝つけど」
この学園にはCからSまでの4クラス構成のひとクラス40人で、学年で160人前後となる。
つまり、120人前後の生徒が今日の敵ということになる。
それから、しばらくすると、生徒たちが全員揃ったようで前に立った先生が話し始めた。
「どうも皆さん校長です。一年生の皆さんと会うのは入学式時以来ですね。とりあえずここは狭いですから、移動しましょうか」
校長先生はそう言い、手を叩いた。
すると、周りの景色が変わり、俺たちは闘技場ではないところにいつの間にかいた。
「どこだ、ここ」
周りを見渡しても見たことのない景色であった。どこかの森にいるようだった。
自分たちが今どこの森にいるのか、わからない状態だった。
しかし、校長先生はどうやって俺たちをあの一瞬で移動させたんだ?
あんな魔法は見たことも聞いたこともないぞ。
………いや、待てよ。聞いたことが無くても存在する魔法だとするのなら……
「…………さしずめ転移魔法ってところか」
「ライト=シュガー君正解です。私が使用した魔法はユニーク魔法の転移魔法です。まあ、今のはただのデモンストレーションみたいなものですから気にしないでください。それでは皆さん個々の力を出して頑張ってください」
校長先生の話が終わり、対戦相手の発表へと続いた。
「今回の一年生の対抗戦は、総力戦をやってもらう。試合時間は30分間だ。30分以内に決着が着かない場合は残っている人数が多い方の勝ちとなる。それでは対戦相手を発表する。一回戦はSクラス対Bクラス、Aクラス対Cクラスで行う。なお、勝った方は決勝戦、負けた方は三位決定戦がある。それでは、戦いに備えて準備に移れ!Sクラス対Bクラスの試合を20分後に始める!解散!」
解散俺たちは、Sクラスのみんなで集まって作戦を立てていた。
「この試合は総力戦だ。とにかく敵を減らすことに集中していこう」
「だな」
「あー、あと俺は今回の試合は攻めに回らないから」
俺がそう言うとクラスのみんなが驚きの表情を浮かべた。
「な、なんで?」
「ん?簡単な話だよ。ほら、総力戦だと俺の剣魔法で一気に殲滅できるしな。それだと楽だが、俺は今回の試合でSクラスの強さを示しておきたいんだ」
「どうして?」
「最近よくこんな噂を耳にすんだよ。今年のSクラスは不正して入ったやつが多いってな。だからこそ、実力で入ったんだってことを証明したい。だから俺ひとりで勝っても意味がないんだ。頼む、納得してくれないか?」
正直俺はこの話は自分勝手な願いなのだから、反対されると思いダメ元で頼んだのだ。
静まり返っているクラスのやつらを見て、やっぱりダメかと思い、さっきのはなしでと言おうとすると、
「いいですよ」
「我は賛成だ」
「ま、いいじゃない?」
と口々に賛成の意をとなえてくれた。
だが、これで俺の力で勝つことだけはなくなった。
その可能性さえなくなれば、あとはみんなに任せればいい。
大丈夫だ。このクラスは強い。俺が確信を持って言えるほどに強い。
だからきっとこの試合は負けることは絶対にないはずだ。
「Sクラス対Cクラスの試合まで残り3分だ。両クラスともにスタート地点に着くように」
先生からの放送が入り、俺たちはスタート地点へと向かう。
こうして俺たちの対抗戦一回戦が幕を開けようとしていた。
闘技場に着くとどうやらもう生徒たちがきているようだった。
「みんな早いな。ここにいるやつらほとんどが敵か……」
「それだけ気合いが違うってことでしょ。まあ、誰が来ても勝つけど」
この学園にはCからSまでの4クラス構成のひとクラス40人で、学年で160人前後となる。
つまり、120人前後の生徒が今日の敵ということになる。
それから、しばらくすると、生徒たちが全員揃ったようで前に立った先生が話し始めた。
「どうも皆さん校長です。一年生の皆さんと会うのは入学式時以来ですね。とりあえずここは狭いですから、移動しましょうか」
校長先生はそう言い、手を叩いた。
すると、周りの景色が変わり、俺たちは闘技場ではないところにいつの間にかいた。
「どこだ、ここ」
周りを見渡しても見たことのない景色であった。どこかの森にいるようだった。
自分たちが今どこの森にいるのか、わからない状態だった。
しかし、校長先生はどうやって俺たちをあの一瞬で移動させたんだ?
あんな魔法は見たことも聞いたこともないぞ。
………いや、待てよ。聞いたことが無くても存在する魔法だとするのなら……
「…………さしずめ転移魔法ってところか」
「ライト=シュガー君正解です。私が使用した魔法はユニーク魔法の転移魔法です。まあ、今のはただのデモンストレーションみたいなものですから気にしないでください。それでは皆さん個々の力を出して頑張ってください」
校長先生の話が終わり、対戦相手の発表へと続いた。
「今回の一年生の対抗戦は、総力戦をやってもらう。試合時間は30分間だ。30分以内に決着が着かない場合は残っている人数が多い方の勝ちとなる。それでは対戦相手を発表する。一回戦はSクラス対Bクラス、Aクラス対Cクラスで行う。なお、勝った方は決勝戦、負けた方は三位決定戦がある。それでは、戦いに備えて準備に移れ!Sクラス対Bクラスの試合を20分後に始める!解散!」
解散俺たちは、Sクラスのみんなで集まって作戦を立てていた。
「この試合は総力戦だ。とにかく敵を減らすことに集中していこう」
「だな」
「あー、あと俺は今回の試合は攻めに回らないから」
俺がそう言うとクラスのみんなが驚きの表情を浮かべた。
「な、なんで?」
「ん?簡単な話だよ。ほら、総力戦だと俺の剣魔法で一気に殲滅できるしな。それだと楽だが、俺は今回の試合でSクラスの強さを示しておきたいんだ」
「どうして?」
「最近よくこんな噂を耳にすんだよ。今年のSクラスは不正して入ったやつが多いってな。だからこそ、実力で入ったんだってことを証明したい。だから俺ひとりで勝っても意味がないんだ。頼む、納得してくれないか?」
正直俺はこの話は自分勝手な願いなのだから、反対されると思いダメ元で頼んだのだ。
静まり返っているクラスのやつらを見て、やっぱりダメかと思い、さっきのはなしでと言おうとすると、
「いいですよ」
「我は賛成だ」
「ま、いいじゃない?」
と口々に賛成の意をとなえてくれた。
だが、これで俺の力で勝つことだけはなくなった。
その可能性さえなくなれば、あとはみんなに任せればいい。
大丈夫だ。このクラスは強い。俺が確信を持って言えるほどに強い。
だからきっとこの試合は負けることは絶対にないはずだ。
「Sクラス対Cクラスの試合まで残り3分だ。両クラスともにスタート地点に着くように」
先生からの放送が入り、俺たちはスタート地点へと向かう。
こうして俺たちの対抗戦一回戦が幕を開けようとしていた。
0
お気に入りに追加
206
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ボッチはハズレスキル『状態異常倍加』の使い手
Outlook!
ファンタジー
経緯は朝活動始まる一分前、それは突然起こった。床が突如、眩い光が輝き始め、輝きが膨大になった瞬間、俺を含めて30人のクラスメイト達がどこか知らない所に寝かされていた。
俺達はその後、いかにも王様っぽいひとに出会い、「七つの剣を探してほしい」と言われた。皆最初は否定してたが、俺はこの世界に残りたいがために今まで閉じていた口を開いた。
そしてステータスを確認するときに、俺は驚愕する他なかった。
理由は簡単、皆の授かった固有スキルには強スキルがあるのに対して、俺が授かったのはバットスキルにも程がある、状態異常倍加だったからだ。
※不定期更新です。ゆっくりと投稿していこうと思いますので、どうかよろしくお願いします。
カクヨム、小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。
アイテムボックスを極めた廃ゲーマー、異世界に転生して無双する。
メルメア
ファンタジー
ゲームのやり過ぎが祟って死亡した楠木美音。
人気プレイヤーだった自身のアバターを運営に譲渡する代わりに、ミオンとしてゲーム内で極めたスキルを持って異世界に転生する。
ゲームでは、アイテムボックスと無効スキルを武器に“無限空間”の異名をとったミオン。
触れた相手は即アイテムボックスに収納。
相手の攻撃も収納して増幅して打ち返す。
自分独自の戦い方で、異世界を無双しながら生き始める。
病気の村人を救うため悪竜と戦ったり、王都で海鮮料理店を開いたり、海の怪物を討伐したり、国のダンジョン攻略部隊に選ばれたり……
最強のアイテムボックスを持ち、毒も炎もあらゆる攻撃を無効化するミオンの名は、異世界にどんどん広まっていく。
※小説家になろう・カクヨムでも掲載しています!
※9/14~9/17HOTランキング1位ありがとうございました!!
拾った子犬がケルベロスでした~実は古代魔法の使い手だった少年、本気出すとコワい(?)愛犬と楽しく暮らします~
荒井竜馬
ファンタジー
旧題: ケルベロスを拾った少年、パーティ追放されたけど実は絶滅した古代魔法の使い手だったので、愛犬と共に成り上がります。
=========================
<<<<第4回次世代ファンタジーカップ参加中>>>>
参加時325位 → 現在5位!
応援よろしくお願いします!(´▽`)
=========================
S級パーティに所属していたソータは、ある日依頼最中に仲間に崖から突き落とされる。
ソータは基礎的な魔法しか使えないことを理由に、仲間に裏切られたのだった。
崖から落とされたソータが死を覚悟したとき、ソータは地獄を追放されたというケルベロスに偶然命を助けられる。
そして、どう見ても可愛らしい子犬しか見えない自称ケルベロスは、ソータの従魔になりたいと言い出すだけでなく、ソータが使っている魔法が古代魔であることに気づく。
今まで自分が規格外の古代魔法でパーティを守っていたことを知ったソータは、古代魔法を扱って冒険者として成長していく。
そして、ソータを崖から突き落とした本当の理由も徐々に判明していくのだった。
それと同時に、ソータを追放したパーティは、本当の力が明るみになっていってしまう。
ソータの支援魔法に頼り切っていたパーティは、C級ダンジョンにも苦戦するのだった……。
他サイトでも掲載しています。
スキルガチャで異世界を冒険しよう
つちねこ
ファンタジー
異世界に召喚されて手に入れたスキルは「ガチャ」だった。
それはガチャガチャを回すことで様々な魔道具やスキルが入手できる優れものスキル。
しかしながら、お城で披露した際にただのポーション精製スキルと勘違いされてしまう。
お偉いさん方による検討の結果、監視の目はつくもののあっさりと追放されてしまう事態に……。
そんな世知辛い異世界でのスタートからもめげることなく頑張る主人公ニール(銭形にぎる)。
少しずつ信頼できる仲間や知り合いが増え、何とか生活の基盤を作れるようになっていく。そんなニールにスキル「ガチャ」は少しづつ奇跡を起こしはじめる。
World End
nao
ファンタジー
法術という異能によって成り立った世界で、無能力者の少年ジンは狂った神が人間の魂に刻み込んだ魔物化の呪いによって姉や友人、彼を包んでいた世界の全てを失う。
失意のドン底にあった彼は善神と自称する神ラグナから世界の真実を伝えられる。彼は狂った神への復讐を誓い、ラグナの庇護の下で力を蓄えて狂神を打倒するために力を蓄える。やがて新たな旅に出た彼は仲間と出会い、そして運命の出会いを遂げる。
大切な仲間達と出会い、別れ、人間世界に仇なす者となっても彼は旅を続ける。強大な力の前に、数多くの仲間を失い、傷つきながらも最後まで戦い抜いた末に彼が辿り着いたのは世界の終焉と安息だった。
これは人々から怨まれ、多くを失いながらも最後まで戦い続けた男の物語である。
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる