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魔法学園グリモアール編

クラス対抗戦本番

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クラス対抗戦を迎えた俺たちは、とりあえず闘技場が集合場所となっているため、遅れないように早めに向かった。
闘技場に着くとどうやらもう生徒たちがきているようだった。

「みんな早いな。ここにいるやつらほとんどが敵か……」

「それだけ気合いが違うってことでしょ。まあ、誰が来ても勝つけど」

この学園にはCからSまでの4クラス構成のひとクラス40人で、学年で160人前後となる。
つまり、120人前後の生徒が今日の敵ということになる。

それから、しばらくすると、生徒たちが全員揃ったようで前に立った先生が話し始めた。

「どうも皆さん校長です。一年生の皆さんと会うのは入学式時以来ですね。とりあえずここは狭いですから、移動しましょうか」

校長先生はそう言い、手を叩いた。
すると、周りの景色が変わり、俺たちは闘技場ではないところにいつの間にかいた。

「どこだ、ここ」

周りを見渡しても見たことのない景色であった。どこかの森にいるようだった。
自分たちが今どこの森にいるのか、わからない状態だった。

しかし、校長先生はどうやって俺たちをあの一瞬で移動させたんだ?
あんな魔法は見たことも聞いたこともないぞ。
………いや、待てよ。聞いたことが無くても存在する魔法だとするのなら……

「…………さしずめ転移魔法ってところか」

「ライト=シュガー君正解です。私が使用した魔法はユニーク魔法の転移魔法です。まあ、今のはただのデモンストレーションみたいなものですから気にしないでください。それでは皆さん個々の力を出して頑張ってください」

校長先生の話が終わり、対戦相手の発表へと続いた。

「今回の一年生の対抗戦は、総力戦をやってもらう。試合時間は30分間だ。30分以内に決着が着かない場合は残っている人数が多い方の勝ちとなる。それでは対戦相手を発表する。一回戦はSクラス対Bクラス、Aクラス対Cクラスで行う。なお、勝った方は決勝戦、負けた方は三位決定戦がある。それでは、戦いに備えて準備に移れ!Sクラス対Bクラスの試合を20分後に始める!解散!」

解散俺たちは、Sクラスのみんなで集まって作戦を立てていた。

「この試合は総力戦だ。とにかく敵を減らすことに集中していこう」

「だな」

「あー、あと俺は今回の試合は攻めに回らないから」

俺がそう言うとクラスのみんなが驚きの表情を浮かべた。

「な、なんで?」

「ん?簡単な話だよ。ほら、総力戦だと俺の剣魔法で一気に殲滅できるしな。それだと楽だが、俺は今回の試合でSクラスの強さを示しておきたいんだ」

「どうして?」

「最近よくこんな噂を耳にすんだよ。今年のSクラスは不正して入ったやつが多いってな。だからこそ、実力で入ったんだってことを証明したい。だから俺ひとりで勝っても意味がないんだ。頼む、納得してくれないか?」

正直俺はこの話は自分勝手な願いなのだから、反対されると思いダメ元で頼んだのだ。
静まり返っているクラスのやつらを見て、やっぱりダメかと思い、さっきのはなしでと言おうとすると、

「いいですよ」

「我は賛成だ」

「ま、いいじゃない?」

と口々に賛成の意をとなえてくれた。
だが、これで俺の力で勝つことだけはなくなった。
その可能性さえなくなれば、あとはみんなに任せればいい。
大丈夫だ。このクラスは強い。俺が確信を持って言えるほどに強い。
だからきっとこの試合は負けることは絶対にないはずだ。

「Sクラス対Cクラスの試合まで残り3分だ。両クラスともにスタート地点に着くように」

先生からの放送が入り、俺たちはスタート地点へと向かう。
こうして俺たちの対抗戦一回戦が幕を開けようとしていた。
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