使用人の僕とお嬢様の秘められた情事

灯台守

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15.夢のあとで

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僕たちは、性交後の甘い気だるさに包まれていた。
僕の体液で汚してしまったお嬢様のお体を綺麗に拭き、清潔な夜着を身につけて差し上げた。
「お嬢様、いつまでもお慕いしております。どうか、お元気で」
僕は涙ぐみそうになりながら、そうお嬢様に伝えた。
「ジュール、ありがとう」
素っ気ない口調ではあったけれど、それは心のこもった言葉だった。
僕はお嬢様への愛情がとめどなく溢れ、胸が苦しくなった。
「・・・お嬢様・・・」
このまま彼女をどこかに連れ去ってしまえれば、僕だけのものにできたら!
「ジュール、忘れないで。あなたは私のものだから。」
お嬢様は再びその言葉を繰り返した。
「はい、僕はお嬢様のものです」
「さあ、もう寝ないと。おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい。お嬢様」
そう言って、僕はお嬢様のお部屋を後にしたのだった。
その夜、僕の脳裏から、お嬢様の褥での美しくも淫らなお姿が消えなかった。ミエル様のヴァージンを僕がいただいてしまったという夢のような事実、そして翌日にはお嬢様はマレシャル家の息子に嫁いでしまうのだという辛い現実が、一晩中僕を悩ませたのだった。
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