使用人の僕とお嬢様の秘められた情事

灯台守

文字の大きさ
上 下
13 / 20

13.お嬢様に攻められた僕の胸

しおりを挟む
「私の処女をもらって、ジュール」
夢中になって口付けし合った後、顔を熱らせながらお嬢様は僕にそう囁いた。ミエル様の温かい吐息で、耳がゾクゾクと快感を覚える。
「あの男に奪われる前に、あなたに奪って欲しいの」
「お嬢様・・・。」
それは倫理に背く行為であったかもしれない。だが、この世界の倫理など、どこかの誰かが勝手に作り上げたもので、それを他人に押し付けているにすぎないのではないか。僕はそんなことを思った。
その倫理のせいで、好きでもない男に嫁がされ、処女を奪われ、男の家の存続のために子を孕ませられる。そして、身分が違うというだけで、愛し合う男女の仲は引き裂かれてしまう。僕は、それを良しとする社会全体に対する言いようのない怒りを覚えた。
「お嬢様、僕は永遠にミエルお嬢様への忠誠を誓います・・・!」
僕はそう声を上げ、お嬢様をぎゅっと強く抱きしめた。
お嬢様はうっとりしたお顔で僕を見つめた。その目は澄み渡り、僕に静かな湖を思わせた。僕たちは夢中になって口付けをした。

婚約者など、所詮は形式的なものにすぎないのだ。
お嬢様は、他でもなく僕のものだ!
お前は地位も財産も生まれた時から手に入れているが、お嬢様の心を奪うことは、お前にはできないんだ!
僕は心の中でそう叫んでいた。今までにない興奮の炎が、僕の心を燃やしている。
暑くなった僕は上着を脱ぎ捨て、シャツのボタンを外し始めた。汗ばんだ上半身が露わになると、お嬢様は熱っぽい眼差しで僕を見た。
僕のむき出しの肉体を目の当たりにして、お嬢様は女としての本能が疼き出したのかもしれない。
ミエル様は僕の胸に顔を埋め、僕のにおいを吸い込んだ。
「お嬢様、おやめください。汗をかいてしまったので」
僕は、良い匂いとは言い難いであろう自分の体臭をお嬢様に嗅がれるのが恥ずかしくなってしまった。
「ジュール、あなたの匂いをすごく感じる」
お嬢様は口元に笑みを浮かべ、いたずらっ子のような表情でそう言った。その様子が大変可愛らしく、僕は少年のようにどぎまぎしてしまう。
それからお嬢様は僕の胸を探り、ちっぽけな僕の乳首を指でコリコリと引っ掻き出した。
「いつも私のを触ってるから、お返し」
お転婆娘のような可愛らしいお顔で言う。
「あっ・・・」
僕は初めてその場所を触られたのだが、なんとも言えないむず痒いような快感を覚えた。
「気持ちいいの、ジュール?」
「・・・はい・・・」
「男の人も、ここが感じるんだ」
「・・・あっ、あっ・・・」
桃色の生温かいお嬢様の舌が、僕の小さな突起を転がす。ヴァージンのお嬢様に翻弄されていることに、僕は被虐的な快感を覚えた。ぴちゃ、ぴちゃ、と、お嬢様の舌が、僕の胸の上を淫猥な音を立てて這っていく。
そして、お嬢様は唇をすぼめ、硬くなった男の小さな突起を吸いだした。ミエル様は、赤ん坊のように無垢で可愛らしいお顔をして、無心になって僕を攻め続ける。絶頂に達することのない、緩やかな快感が僕を包み込む。
僕はこのまま、お嬢様の舌をずっと感じていたくなった。
でも、いつまでもお嬢様に主導権を握らせておくわけにもいかない。僕はお嬢様を裸の胸に抱きしめ、再び深く口付けをした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

なし崩しの夜

春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。 さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。 彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。 信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。 つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。

溺愛婚〜スパダリな彼との甘い夫婦生活〜

鳴宮鶉子
恋愛
頭脳明晰で才徳兼備な眉目秀麗な彼から告白されスピード結婚します。彼を狙ってた子達から嫌がらせされても助けてくれる彼が好き

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

優しい紳士はもう牙を隠さない

なかな悠桃
恋愛
密かに想いを寄せていた同僚の先輩にある出来事がきっかけで襲われてしまうヒロインの話です。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

処理中です...