使用人の僕とお嬢様の秘められた情事

灯台守

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5.快楽を貪る美しき令嬢

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あの夜以来、僕は心の中に重たい鉛を抱えているような気持ちでしばらく過ごした。だが、月日とは恐ろしいもので、自分の犯した罪の意識は、確実に薄れてきていることに気がついた。前は、お嬢様のお顔を拝見するたびに後ろ暗い自分の悪行を思い出しては密かに冷や汗をかいていたのだが、今はその頻度も減り、ただお嬢様の美しさを純粋に堪能させていただいていた。

そんな中、僕は再びお嬢様の「例の声」を聞いてしまった。
初夏の爽やかな夜風が肌に心地良いある晩・・・。仕事で疲れ切り、うとうと眠りに落ちかけていたとき、僕は苦しげな女性の声で目を覚ました。
ああ、これはお嬢様のお声だ!
一瞬で頭が冴えた僕は、ごくりと唾を飲み込み、できるだけ足音を立てないように、お嬢様のお部屋まで忍足で向かった。
ああ!ミエル様!!!
前と同様、少しだけ開いたドアの隙間。そっと近づいて目を凝らすと、そこにはお嬢様の姿があった。
淡い光の下、以前と同じ薄い夜着を身につけたお嬢様は、有ろうことか、ご自身で豊満な胸の先端部分を指でなぞっている。健康的な太ももが、惜しげもなく露わになっている。そしてその奥のパンティに包まれた繊細な部分も、心持ち覗いている。
「はあっ、ふっ、ふっ、ふう・・・」
快楽の声を上げながら、薄い絹の上から、何度も何度も、ぷつんと浮き出た胸のボタンを愛撫し続ける。時々びくんと身悶えするお嬢様の表情は、いつもの冷たい表情からは想像もつかないほど、歪められていた。だが僕は、その表情こそ美しいと思った。
お嬢様は布越しの愛撫に飽き足らなくなったのか、夜着の懐に手を入れ、今度は敏感になった乳首に直接触れていった。お嬢様の指がその張りつめた部分に届いた瞬間、「んっ」と声をあげて背中を仰け反らせた。
その瞬間、絹に包まれた三角地帯がはっきりと見え、僕はそこが濡れそぼっていることに気がついた。ああ!お嬢様のアソコは今、蜜が、とっぷり溢れているんだ!僕はお嬢様の匂いと味を思い出し、興奮を抑えきれなくなる。
できることなら今すぐお嬢様の元に駆け寄り、快楽のご奉仕をして差し上げたい・・・。しかしそれは、叶わない夢であることを僕は知っている。
お嬢様は、僕が覗き見ていることにとうに気がついているのかもしれないが、ミエル様はあくまで、僕にご自分が快楽に耽る姿を見せつけるだけで、僕に触れられることは望んでいないのだー。
だが、それは僕に、ある種の希望のようなものを感じさせた。僕に恥ずかしい姿を見せることによりお嬢様が興奮を得ているのだとしたら、お嬢様は僕を、人間として、男として見ているという証拠なのだ。虫ケラにどのような姿を見られても、決して恥ずかしくはないし、興奮材料にはならない。自分と同じ人間、しかも異性に見られていると思っているからこそ、お嬢様はさらに刺激を受けているのだー。それは僕の思い上がりかもしれないが、僕はお嬢様の快楽を貪る姿をじっと見つめながら、妙な高揚感を胸に抱いていた。
そうしている間に、お嬢様の手は、胸への刺激でぐっしょり濡れたあの部分へと伸びていった。大きく開かれた両腿の間の花園で、膨張した雌蕊が布越しに存在感を主張している。
「んんっ・・・」
お嬢様の美しい人差し指が、雌蕊のある辺りに到達すると、可愛らしい声を漏らした。指はそこを擦ったり押したりして、快楽の泉を溢れさせる。それほど時間は経っていないようだったが、興奮で膨らみ切った雌蕊は、軽い愛撫のみで絶頂に達してしまったようだった。
「っあっ・・・」
短く声を上げたかと思うと、お嬢様は気が抜けたようになったが、一息おくと、いつもの冷静さを取り戻したようだった。
お嬢様の一人遊びを夢中になって見ていた僕は、ミエル様の視線が僕の方に注がれていることに気がつき、心臓が凍りつきそうになった。しかし、意外なことに、お嬢様は口角を上げ、蠱惑的な微笑を浮かべている。その表情は令嬢に似つかわしいものではなく、男を狂わせる魔性の女のそれであった。
「そこにいるのでしょ、ジュール」
お嬢様の僕を呼ぶ声で、僕の心臓は早鐘を鳴らす。
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