使用人の僕とお嬢様の秘められた情事

灯台守

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3.淫らな手遊び

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あの日の昼餐から、お嬢様は特に変わった様子がないように見受けられた。お嬢様はあのセルジュという男の妻になることを、何とも思っていないのか、嫌だと思っているのか、それとも、嬉しいことだと感じているのか、僕には皆目わからなかった。
名家の娘として生まれ、それなりに名のある一族の男の元へ嫁ぐのが当たり前だと教育されてきたのだから、特にそのことに関して、不平不満はないのかもしれない。
それに、思い上がりも甚だしいのは僕の方だ。僕はただの使用人でしかないのに、未来のお嬢様のご主人になるかもしれない人に対して敵対意識を抱いてしまったり、嫉妬してしまったりと、見苦しいことこの上ない。僕とお嬢様が結ばれることなど、絶対にあり得ないというのに・・・。
もう、お嬢様を穢すような行為は、金輪際やめにしよう。僕は、僕が好きになってもいい女の子を見つけた方がいいんだ。身分違いの恋なんて、絶対に報われないのだから・・・。
僕はそう考えながら布団に潜り込み、灯りを消した。眠りに落ちかけていた頃、僕は苦しげな誰かの声で目を覚ました。今まで聞いたことのない、苦痛に悶えるようなか細い声ー。
「んあっ・・・あっ・・・はあっ・・・」
お嬢様の声だ、とすぐにわかった。今この屋敷には、僕とミエル様の他に、誰もいない。他の使用人たちは、離れで眠っている。窓を開け放ったままなのか、声は妙にはっきり聞こえた。
僕は灯りをつけ、お嬢様のお部屋まで降りていくと、お嬢様のお部屋から、灯りが漏れていた。僕は、恐る恐る、ドアの前に進んだ。そして部屋の中に目を凝らすと、そこにはあられもないお嬢様の姿があった。
月明かりの下、薄い夜着をまとったお嬢様はベッドの上に座し、あろうことか、女性の最も秘められた峡谷を、ほっそりした美しい指でなぞられていた。
それは苦痛の呻き声ではなく、快楽の声であることを、僕は瞬時に悟った。お嬢様は、僕の足音や気配に気がついていないのだろうか。ほんの少しだけ開かれたドアの隙間から、好色な目が覗いていることに・・・。
見てはいけないと思いながら、僕はお嬢様の姿から目が離せなくなっていた。
薄明かりの下、はっきりとは見えないのだが、お嬢様の白い手指が優雅に秘部を擦るたび、押し殺したような可愛らしい声がその唇から漏れてくる。
豊かな乳房は興奮で上下し、乳頭は布越しにその形を露わにしている。
僕は興奮を抑えることができなかった。このまま僕も、激った自分自身を握りしめて快楽を貪りたい衝動に駆られた。
僕の理性の綱が切れそうになったその刹那、お嬢様は「ああああっ」と声を上げて、絶頂に達してしまわれた。すっかり力の抜けたお嬢様はベッドにくず折れていった。
僕は大きく跳ねる心臓の裏に冷汗をかきながら、なるべく音を立てないようにその場を後にした。
その夜、無論僕は自分自身を穢してしまった。夢のような、それでいて生々しいお嬢様の秘め事のイメージは、僕をかつてない興奮の渦に呑み込んだのだった。
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