蒼き炎の神鋼機兵(ドラグナー)2nd Season

しかのこうへい

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第二章

その男、クルーガー-07

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威力偵察隊を派遣し、オースティンへと使いを出してから数時間が経った。

「大佐! ベイク=カンター大佐!」
私のいるブリーフィングルームへ向かって忙しく駆けてくる鎧の音。そして、バレイトー大尉ではない、複数の兵士の足音が私を振り向かせた。そこには、二人の兵士が一人の士官の肩を抱え上げていた。応急措置もそこそこに、全身で息をしながら、残された力のありったけを使って顔をあげた。
「…君は…」
「オンターゼイト=パゾン中尉であります。シンク=バレイトー大尉は討ち死に、威力偵察隊は散り散りとなりました。大敗です!」
実年齢に相応しくない深く刻まれた皺。よっぽど苦労してきた叩き上げの兵士なのだろう。そう言えば、彼もバレントー大尉と共に、ムーア砦に派遣されてきたばかりの士官ではなかったか? パゾン中尉は二人の兵士の肩にぶら下がりながら、涙ながらに訴えてきた。

それにしても、大敗? 地上隊と航空隊との連携作戦であったかと思うが。それに、あくまで威力偵察であって、全力攻撃ではなかったはず。私はもう一度、パゾン中尉に問いただした。
「作戦は威力偵察のはずだったかと思うが、滞りなく遂行できなかったというのか?」
「遺憾ながら、申し上げます!」
パゾン中尉は嗚咽を隠すことなく、切々と報告を続けた。
「当初の作戦通り、威力偵察のはずでした。ですが、我々の姿を見た敵アジ・ダハーカの部隊はドラグナーを出し応戦。そこでバレイトー大尉の命で偵察から攻撃に転換。アジ・ダハーカから敵ランダー隊を切り離し、クアット隊と連携して敵艦船に襲いかかる手筈でした。しかしッ!」

「しかし、どうした?」
私は士官用の椅子に腰掛けながら、パゾン中尉の報告を促した。
「敵レクルートは健在、アジ・ダハーカ上で指揮を取っておりました」
「レクルートが、指揮を?」
「はい、大佐。クアット隊は敵の策を恐れてアジ・ダハーカ上空で散開、再び低空飛行にて各自アジ・ダハーカに取り付いたまではいいのですが…」
パゾンは真っ赤な目を見開いた。
「アジ・ダハーカに取り付いた途端、各騎からの交信は途絶、一騎たりとも帰還できず。おそらくは鹵獲されたものと思われます」

「で、ランダー隊はどうした?」
私は、瞳を閉じて報告を待った。
「…シンク=バレイトー大尉率いる我々ヘイムダル隊は、ロータ・メティオ隊やケーラ隊と思わしき敵ランダー隊と左右から挟まれる形で接敵。我々は騎兵を護りつつ、これに応戦。しかし、アジ・ダハーカからの艦砲射撃で間を抜かれ、騎兵隊に大きな損失が出ました」

「艦砲射撃で、騎兵を狙った… だと?」
私は驚愕した。確かに、太古の昔、まだドラグナーの存在が認められなかた頃には対人兵器として開発されたのが大砲ガイスト・カノンであった。しかし、陸上空母フルッツファグ・リッターやドラグナーが登場して以来、対要塞・空母、戦艦・陣地・ドラグナーなどを攻撃するようになったのだ。それ以降、騎兵や歩兵はドラグナー戦で決着がついてからの出番となった。

故に。
艦砲射撃で騎兵を狙うという行為は、現代戦において残酷で、常軌を逸した行為であると言えた。

「…そうか。ご苦労だった、パゾン中尉。バレイトー大尉を始めとする、この度犠牲となった兵士達のことは本当に残念だった。それ以上に、私の責任でもある。見たところ、大怪我をしているようではないか。急ぎ救護班に手当をしてもらうといい」
「は… はッ! …!!」
パゾンはそれだけ言うと、よっぽど気を張っていたのだろう、そのまま気を失ってしまった。

◇     ◇     ◇     ◇

「皆さん、こんばんは。クーリッヒ・ウー・ヴァンの世界へようこそ。当番組のナビゲーターを努めます、ブレンドフィア=メンションです。ご機嫌はいかがですか?

さて。ライヴ=オフウェイはヴァータス=クルーガーという軍師を得て、その戦いぶりを大きく変化させました。それはひとつのターニング・ポイントだったのかもしれません。では、これまでの戦いとそれ以降の戦いとの違いは、一体何だったのでしょう?」

ファントメシア族最後の拠点とされたラウレスランド。この地に住んでいるファントメシアの血を引く者たちの間に、今に伝わる物語が遺されていると言う。

「そうなのです。このラウレスランドでは、風のようにやって来たライヴ=オフウェイ一行と共に戦ったという内容の伝承やオベリスクが遺されているのです」

そのように話すのは、アンスタフト=ヒストリカ教授である。

「このオベリスクをご覧になってください。特に、そう…ここ。この場所です。この部分には、当時、部族を率いていたヴァータス=クルーガーの妹:アルトール=クルーガーの姿が描かれています。齢18になるという彼女は騎馬であるラプトルの2頭だての戦車をもって、ラーサスやワサフォート・ムーアなどの脅威に抵抗していたのです。そう、この戦車を縦横無尽に駆け巡らせることで、ドラグナーの脅威に対峙していたのです。その方法はこうでした。

中央にほ槍兵を起き、大型で移動式の弩で特殊な槍を撃ち出しました。この槍は先の金属に特徴があり、一旦突き刺さると変形して抜けにくくなるという特徴を持っていました。また、地面に突き立っても変形するため、それが敵の手によって二次使用されることもありませんでした。

槍兵の攻撃が終わったら、戦車による騎兵の登場です。敵ドラグナー隊の左右から襲いかかり、頑丈なロープをもって足をがんじがらめにしてしまいました。その攻撃を免れたドラグナーもまた、上手く隠された落とし穴に足を突っ込み、動けなくなったところにドラグナーの急所である背面のブースターに槍を打ち込んで仕留めた。とそのように描かれています。もっとも、あくまで神話的表現ではあるのでしょうが…」

人が、人の力を遥かに凌駕するドラグナーを相手に善戦した良き例ではなかろうか?

「そうなのです。歴史上にファントメシア族の名が強く刻まれた瞬間が、まさにこの時期でした」

そのように話すのは、ミンダーハイト=ギリアートン教授だ。

「山岳の民族、ファントメシア族は、世界でも古い歴史を持つ民族のひとつでした。ただ、彼らには遙か上空から飛来するスカイアウフの部隊には手も足も出なかったと伝えられています。そこへやって来たのが、ライヴ=オフウェイ率いるブラウ・レジスタルスの別働隊でした。

ファントメシア族はライヴ隊と合流の後、撒菱を使って敵の退路を断ち、圧倒的数に数に勝る敵軍を壊滅させたとあります。そして、合流したファントメシアの民はライヴ隊と共闘した勢いもそのままに、ムーアへと舵を切ったのです。それは正に、電撃戦でした」

◇     ◇     ◇     ◇

「カンター大佐! 至急管制塔までお越しください!」
慌ただしい足音に、激しいノックの音。自室で書類を確認していた私は、振り向きざまに声を放った。
「こんな夜更けに何があった?」
「お休みのところ、申し訳ありません。現在敵がラウレスランドの布陣を破り、このムーアの目の前を、照明弾をあげてのうのうと通過している模様です!」
「なん… だと…!?」
私は驚きを禁じ得なかった。
「わかった。支度ができ次第、すぐに管制塔に向かう。そう伝えろ」
「り、了解しました!」

刹那、激しい振動が我々を襲った。少し遅れて、ズゥゥ… ムという激しく城壁が崩れていく音がこの部屋まで響いてくる。天井から振動で砕けた岩が、砂粒となって頭上に降り注いだ。私は、責任者として早急に対応しなければならないことを知った。正直言って、現状寝間着ではないただの私服であったことを、心から神に感謝したことはない。

「もういい、このまま向かう!」
私はドアを開け簡単に身支度をすると、私を呼びに来た兵士と共に管制室へと歩みを進めた。

◇     ◇     ◇     ◇

「それじゃ、ラーヴァナ隊は降下するよっ! ラウト、コリービ、準備はいい?」
アルトールさんたちを乗せたポッドをラーヴァナに搭載したボクは、同じく同様のポッドを搭載させたラウト=パーゾンとコリービ=フリーゲンの搭乗したクアット二騎に声をかけた。
『-了解です、隊長-』
『-いつでも始められますよ!-』
二人の声が重なった。うん、これは息があってるいい兆候!
「これから作戦遂行しますが、大丈夫ですか?」
ボクはポッドの中のアルトールさんに声をかけた。
『-ええ。少し寒いが、耐えられないほどではない。空気の薄さも想像した程ではない。大丈夫だ-』
うん、こちらも思ったより大丈夫そうだ。
「これから急降下、ムーア砦の懐に入り込みます。かなりの重力がかかりますが、そこはなんとか我慢してください。ポッドを下ろしたら、後は作戦通り敵砲台を黙らせてください。ボク達も砦の内側から敵を切り崩していきます。ボク達が今回の作戦の要です。頑張りましょう!」
『-アルトール、以下15名、了解だ-』

『-おいおい、俺達の存在も忘れないでよ!-』
地上で控えているアギル=イエーガーのからかうような声が聞こえてきた。
「わかってるよ! でも、アギルたちの出番は、レドームを破壊してから! わかってる?」
『-はいはい、頼りにしてるぜ。お嬢ちゃん-』
「…そのお嬢ちゃんっての、ほんとマジやめてくれるかな?」
『-あいよ、お嬢ちゃん。また後でな!-』
「…全く分かってないじゃん!」

ボクは遥か遠く北東の空を凝視した。

…信号弾が上がった! 作戦開始だ!
まずは急襲してレドームを破壊、相手の目を奪うことになっている。ダウティナのガイスト・カノンは強力だが、ソードオフバージョンであるため、精密射撃は期待できない。そこで、ボク達の出番なのだ。

そして。万が一、あのシアルルが出てきたときのためのランス。ランダーのそれ程ではないが、確かにボク達の乗るスカイアウフでも一定の効果を出すことは、先に証明された。もし出てきた時には、足を奪い、膝を奪う。それだけ。それだけで自沈する。全く、あの一戦だけで、よくもまぁそのような戦い方を考えつくものだ。やっぱりボクの見立てには間違いなかったね!

大きく息をする。そしてボクは、突撃の怒号を上げた。
「行くよ! みんな!」

◇     ◇     ◇     ◇

「大佐!」
管制室に到着した。すかさず私は高解像度の双眼鏡を手にすると、サーチライトの映し出すその先に目をやった。|一隻の陸上輸送艇ランド・トランスポータブートがサーチライトに照らし出されていた。その上部甲板には、不相応な二基のガイスト・カノンがこちらを指向している。そして、艦上で大きくはためく、白地に赤青の三色旗…。

「ライヴ=オフウェイ… 貴様かぁッ!」
私は管制塔の窓から、身を乗り出して思わず叫んでいた。
叫ぶと同時に、トランスポータブートから二斉射! この砦は再び大きな振動に襲われた。
「管制官!あのトランスポータブートの存在に気付かなかったのか!?」
私は振り返り、叫んだ。
「確認しました。ですが…」
「ですが、なんだ!」
「正規軍の輸送艇としての手形コードを発信しておりました!」
「コード、だと? 船籍は?」
「オースティンです」
「偽造ではないのか?」
私はゆっくりと噛み砕くように、確かめるように言葉を紡いだ。
「いいえ、この信号は確かに、オースティン正規軍のものです」
「…ヴィジッター… やはり裏切ったか…!」
私は唇を噛み締めた。

「ラウレスランドへ派遣していた我が部隊からの連絡は!?」
私は情報将校に状況を確認した。
「何名かの騎兵を派遣しましたが、いずれもまだ帰還しておりません!」
「ダス・ヴェスタへは?」
「未だ帰還しておりません!」

私は再び管制塔かの窓から身を乗り出し、叫んだ。
「レーダー!!」
「先程の攻撃で、破壊された模様。ノイズしか拾いません!」
敵トランスポータブートは付かず離れずで次々とガイスト・カノンを発砲してくる。
「応戦はまだか!」
「間もなく応戦準備が整うとの連絡、入りました」

「ヌルい! 一体何をしている!」
私は自分の頭の天辺まで血が登ったのを感じた。
「よし、全軍であのトランスポータブートを叩く! それから、砲兵はガイスト・カノンで応戦だ。私も我がムオーデル中隊を率いて打って出る。シアルルも出せ。ここからはスピードが勝負だ。締めてかかれ!」
「応!」

◇     ◇     ◇     ◇

私は12騎のヘイムダルの部隊、ムオーデル中隊を率いて全軍で突撃した。敵トランスポータブートまで約6.2Giz(10km)。直線距離なら、15分内には接敵できる。
「総員、ハンディ・カノン装備! 各自の判断で撃て。もし敵ドラグナーと接敵した場合は、構わん。許可する。徹底的に潰してやれ!」
私は、少なからず苛立ちを制御できないでいた。ここまで我々をバカにした作戦が、かつてあっただろうか。私は興奮も隠せないまま、ドラグナーのダッシュローラーを全回に回した。

『-た、大佐…!!-』
私の左後方を護っていた8番騎が、パァァ… ンという発砲音と共に火を吹いた。
『-一番槍は、このクライネ=ホーシュネッカーが貰い受けた!-』
後方に目をやると、ランスに突き刺さった8番騎が遠ざかっていく。
『-ぐ、ぐはぁ…!?-』
続いて乾いた発砲音! 二番騎に深々と、肩口から腰にかけてランスが突き刺さった。そこには、ランスを手放したばかりのファハンが、ギロリとこちらを睨む。
『-二番槍、リハリング=ドゥハンが貰った!-』

思うが早いか、別の一騎が上空からのシールド・アタック! 辛うじてそれを躱すと、着地したそのヘイムダルが、ランスをブン回してきた。そう、いわば瞳の鋭くなった蒼いヘイムダルとでも言うのだろうか、そのドラグナーは振り切ったランスを収めると、4番騎にシールドごと突進、体勢を突き崩された4番騎の腹にランスを突き当てる。

パァァ… ン!
乾いた破裂音が再び響き渡った。次の瞬間、4番騎の胴を貫いていた。その胴を蹴り飛ばしランスを引き抜くと、その勢いで接敵した3番騎にシールドの一撃を与えた! すかさずランスの一撃! …これはなかなかの手練れだ。

「その蒼く輝くヘイムダル。…ブラウ・レジスタルスの女傑、フラウ=シュルヌ殿と見受けたが如何に?」
私は間合いを取り直しながら、敵に問うた。
『-いかにも! だが…-』
その蒼いヘイムダルは改めて、盾とランスを構え直した。
『-レディ相手に女傑とは、いささか面白くない!-』
フラウ=シュルヌの攻撃は交互に襲い来る盾とランスによる、変則的ではあるが、オーソドックスな連続技だった。私は彼女の攻撃を辛うじて避けると、ハンディ・カノンをパージし、剣を引き抜いた。相手の獲物が長い分、懐に入ってしまえば何のこともない。私はミドルパワーでスッとランスの間合いの内側に入り込んだ。

キュイ…!
フラウ=シュルヌは超信地旋回してランスを手放し、シールドの縁を振り回してきた。と同時にフラウ騎も剣を抜き三度間合いを取って構え直す。
「シアルル!」
私は全隊に1ブロック後退を命じ、入れ替わりに追いついてきたシアルルを当たらせることにした。
「粉砕せよ、シアルル!」
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