蒼き炎の神鋼機兵(ドラグナー)2nd Season

しかのこうへい

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第二章

その男、クルーガー-05

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「で、どうして連中の身柄の保証をする?」
浅黒い肌にブラウンの大きな瞳。強めに天然パーマのかかった黒い髪は肩まで伸び、軽くなでつけてある感じの印象。かのヴァータス=クルーガーの妹だと名乗るアルトール=クルーガーが、強く詰め寄ってきた。
「いや、アルトールさん。あれは仕方のないことで…」
俺の言葉を遮って、アルトールは抗議してくる。
「貴君は我々ファントメシアの民がどれだけ苦しい目に遭ってきたか、知らぬからそのようなことが言えるのだ。再起不能なまでに虐待を受けたものもいた。その挙句に、死んだ者もいた。男たちは次々と殺され、女たちは嬲りものにされてきた。どうしてこのような連中を許すことができよう! 同じ目に合わさねば、到底死んだ同胞たちに顔向けができぬ!」
その大きな瞳には、涙が溢れていた。確かに、その気持はよく分かる。でも…

「アルトールさん。あなたは”ミルグラム効果”という現象をご存知か?」
俺は諭すように、静かに口を開いた。
「ミルグ… ラ…? 効果? なんだ、それは」
「ミルグラム効果。閉ざされた環境の中で権威を持つ人の命令があれば、どこまでも人は残虐になるという現象をいうんだ。これは民族や人種に関わりなく、誰でもが陥るものでさ。もし貴方がこの場所で命令を下せば、ファントメシアの人々ですら、帝国の兵士と同じ凄惨な行為に走ってしまう。貴方はそれでいいのかい?」
アルトールは言葉に詰まってしまった。

「そういう事です。あなた方の気持ちはよく理解できる。でも、だからこそ、帝国と同じことをしてほしくないんだ。わかってもらえますね?」
俺はアルトールの両肩に手をおいた。
「ふ…、確かに兄上が押すだけの男だ。この私の気持ちを、こうも見事に諭し諌めるとは」
ニヤリ、アルトールは口元で笑った。そして、続けた。
「さて、で、時間がないのだろう? 兄上の作を成功に導くべく、次の手を打とうではないか」
「ですね。あなた方騎兵隊のスピードとスカイアウフ隊の真骨頂です。期待していますよ」

◇     ◇     ◇     ◇

さて。我らが艦… いや、船長からアジ・ダハーカと静隊・私のロータ・メティオ隊を借り受けたものの、どうもこのヴァータス=クルーガーという男の考えていることがわからない。現在、我々は帝国のドラグナーの発掘抗のあるダス・ヴェスタへと向かっている。おそらくは、当初の予定通りムーアから出張ってきている敵の援軍の目をこちらに引きつけようというのだろうが、早々上手くいくのだろうか?

不安げな私の表情を察してか、クルーガーのガハハ笑いが艦橋内に響き渡った。
「ああ。任しときなって、副長さんよ」
「しかし、この艦には実働隊分のドラグナー以外にはガラクタしか積んでいない。唯一私でも考えつきそうな策はあるにはあるが、それが上手くいくかは正直言って未知数だ」
「ああ、多分その策で合っている」
「そんなかんたんな策で、帝国兵が引っかかると?」
「ああ、引っかかるね。それもかなりの大物もだよ、副長さん」
クルーガーの分厚い眉毛の奥の瞳がギラリと輝いた。
「少なくとも、この艦にはアレがある」
「アレ?」
「まぁ、詳細はアストネイガーのお嬢ちゃんに話を通してある」
「メイーダが?」

私は訝しげにクルーガーを見た。相変わらずの飄々とした表情のままだ。
「さぁて…、後小一時間で現着だ」
クルーガーは一人ボソッと呟くと、おもむろに伝声管の蓋を開けた。

「アストネイガーの姉ちゃん、準備はできているな?」
『はい、最低限稼働できるようにはしています。でも一体…?』
メイーダはメイーダで、彼女も要領を得ていない様子だ。
クルーガーは新たにブリーフィングルームに繋がっている伝声管の蓋を開いた。
「ブリーフィングルームのケーラ嬢、ツェストの兄ちゃん。聞こえるか?」
『聞こえている。そのしゃがれ声が不快だ。その呼び方早めて頂きたい』
シズカ=クラフ=ケーラの不満げな声に続いて、我が隊のシュネル=ツェストも声を上げた。
『全く同感だ! 先程聞かされた作戦内容といい、アンタはどうかしている?』

「作戦内容?」
私は驚きの声を上げた。
「そんなことは初耳だぞ!」

「そりゃそうだろうさ。副長さんをすっ飛ばして、直接話しをしたものな!」
「き、貴様…!?」
私の顔が怒りで熱くなるのがハッキリとわかった。
「まぁまぁ、怒らない怒らない」
なんとも癪に障る笑い声で私を制すると、クルーガーは伝声管に向かって号令を放った。
「いいか、てめぇら。吾輩の命が下るまで、決して動くんじゃねぇぞ!」

◇     ◇     ◇     ◇

「皆さん、こんばんは。クーリッヒ・ウー・ヴァンの世界へようこそ。私が当番組のナビゲーターを努めますブレンドフィア=メンションです。ご機嫌はいかがですか?

さて。ダス・ヴェスタでの戦い、第二戦です。結果としてライヴ=オフウェイ率いるブラウ・レジスタルス別働隊は三度、この地を攻めることになります。では、今回のこの作戦は失敗したのか? 本日のプログラムは、その点について焦点を当ててみましょう」

「今、私はダス・ヴェスタ鉱山跡とされる第23号遺跡にやって来ています。お分かりですか? この壮大な塹壕の跡が。かつて、この地この場所にアジ・ダハーカが陣取っていたとされています」

と、やや興奮気味に話すのは、アンスタフト=ヒストリカ教授だ。

「クーニフ歴37年8月15日深夜、その電撃作戦は開始されました。史記”ゲシュヒテ”には、このように描かれています。

『日の出を迎えると、ダス・ヴェスタの兵士達は驚愕した。まだ動けないはず・・・・・・・・のアジ・ダハーカが、目と鼻の先にまで肉薄してきていたからだ。第一次塹壕ラインのすぐ目の前に、隊旗を持ったレクルート・ファハンがアジ・ダハーカ甲板上に立っていた。兵士たちは誰もが思っていた。

-重症で動けない筈のライヴ=オフウェイ… レクルート・ファハンが何故?- と。

この時、ヴァータス=クルーガーは自軍の将であるライヴ少年の情報を、わざと帝国兵側にリークしていました。おそらく、ここまではライヴ少年でも考え得ることができたでしょう。ですが、この戦いから戦闘のスタイルが大きく変貌していくのです」

しかし、と同時に、ある噂も流れていたようだ。

「そうなのです。実は『ライヴ=オフウェイは再起不能な状況に陥っている』。そういう内容を今に伝える書簡が残っているのです」

そのように語るのは、ミンダーハイト=ギリアートン教授だ。

「私は今、ダス・ヴェスタにある州立歴史博物館にやって来ています。そこに収められている数多くの貴重な資料の中、クーリッヒ・ウー・ヴァンの時代に関する書簡の中に、その内容が描かれた書簡が含まれているのです。それらの書簡を精査すると、どうやらライヴ少年の死亡説まで流れていた模様だったのです。先の戦闘から約3週間、全く動きがなかったライヴ隊が突然現れた訳ですから、兵士たちは慌てたことでしょう。故に、この戦いは亡きライヴ少年の弔い合戦と捉えられたと書かれているのです」

果たして。最下層の兵士にまで広く知られていたライヴ=オフウェイの重症/死亡説が、この戦局にどれだけの影響を与えたのだろうか?

◇     ◇     ◇     ◇

朝日が登った。抜け殻となったレクルート・ファハンは再度組み立てられ、隊旗を持たされてアジ・ダハーカの最上甲板に立っている。アジ・ダハーカの両側側面にある内部甲板の射出口も大きく開かれ、臨戦態勢のまま総員戦闘待機を命じられていた。勿論、私も隊員たちと同様、正直な話苛々していた。

「…いつまで、この場所で待機していなければならないのかね?」
私の口調は、我ながら刺々しいものになっていた。
「まぁ焦りなさんなって。副長さんよ、そんなんじゃ大物は釣れないぜ」
相変わらず涼し気な表情で、床に座り込み酒を煽りながらクルーガーは言い放つ。
「大物?」
私は怪訝に問い返した。クルーガーは言った。
「副長さんよ。こうしてりゃ、まず威力偵察があるだろう。事を始めるのは、それからでも遅くはない」
「しかし、戦争というものは、先手を取った者が勝利を得るものだ!」
「そうだな。だから、先手を打っている。ここで順序を間違えちまったら、勝てるものも勝てなくなンぞ?」
私は二の句を告げなくなった。これは、退却のための手を考えておかなくては。

それから何時間経ったことだろう。伝声管を伝って、第一報が入った。
『こちら管制室。東よりドラグナーと騎兵の一群を確認、ムーアからの援軍と思われる。多数!』
「そうれ、おいでなすった」
顔色を変えることなく、クルーガーは立ち上がった。そしていくつかの伝声管の蓋をあけると、そのしゃがれ声でクルーガーは命令を放った。
「静隊、ロータ・メティオ隊、いい餌が来やがったぜ。出撃だ! アストネイガーの姉ちゃん、打ち合わせ通りに動かしてやんな!」
「了解!」

左右に分かれている側面のデッキから、各隊のドラグナーが飛び出していった。
「艦首をダス・ヴェスタに。騎兵以外にゃ当たらなくていい、全砲門を左舷のムーアの連中にぶっ放せ!」
「…無茶苦茶だ…」
私の口からつい、愚痴が飛び出してしまった。レクルートは、手に持った隊旗を大きく振り、静隊/ロータ・メティオ隊に何らかの合図を送っているように見える。その合図に合わせて、ムーアの部隊に対し左右二手に分かれた。静隊はその速度を活かして左へ。我が攻守のバランスが取れているロータ・メティオ隊は右へと舵を切る。それは、ダス・ヴェスタからの砲撃に備えてとしか言いようのない様だった。

果たして、ダス・ヴェスタからの砲撃は…? 無い。ダス・ヴェスタに配備されているドラグナーは、その土地中央を陣取っている塹壕を超えることhなく、唯一の通り道である左右の道路に展開したままだ。

これは、あくまで本当の意味での威力偵察か? 私は少なからず混乱していた。

『敵ドラグナー隊、確認できるだけでランダー15! 騎兵は凡そ300!』
先に接敵したシズカから報告が上がった。
「んで? シアルルとかいう、右手野郎はいるのかい?」
『見当たりません。少なくとも、最初からこの地に伏していない限りは』
「感謝だ、ツェスト殿」
クルーガーはそう言うと、更に一口、瓶の酒を煽った。
「そりゃそうだろうさ。シアルルのような重量級は、足が遅い。こういう威力偵察には不向きだろ。本気で落としに来さえしなけりゃな」
言い放ったクルーガーの台詞に、私は一抹の不安を感じていた。

「いいか? 弾幕の本命はドラグナーではなく、騎兵だ。騎兵を叩け。削れるだけ削っておくんだ。ドラグナーはドラグナーがなんとかしてくれる!」
このクルーガーの言葉は、私にある一つの決断をさせた。
「上空警備! レーダーに反応はあるか?」
「いえ、今のところは… いや、スカイアウフと思われる5騎が上空に!!」
レーダー担当のラーダ=レウダング伍長が叫んだ。
「対空砲、射撃準備! アジ・ダハーカ、後退気味に回避運動を開始する!」

「おいおい、後退の必要はない。ムーアの方角へ、移動・回避だ」
殺気を感じさせる、鋭い光だった。クルーガーの瞳の輝きは先程にもまして、強く放たれていた。
「しかし!」
私は反論しようと試みた。だが、クルーガーはポケットの酒瓶を私に突きつけて言った。
「いいかい、副長さんよ。これはあくまで時間稼ぎなんだ。半日、持ちこたえさえすればいい」
「半日もか!?」
私は驚愕した。現在のこの状態では半日も持たないだろう。

「我輩はな、副長さんよ。現在元も恐るるべきは人間であると考えている。人間の力の舐めるな!」
踵を返しながら、クルーガーはニヤリと笑った。
「アストネイガーの姉ちゃん、頼むぞ!」
『了解!』
言うが早いか、レクルートが手にした隊旗が上方を指した。

「敵スカイアウフ隊、散開しました!」
ラーダが叫んだ。
「…なん… だと?」
私は少なからず、動揺してしまった。
「つまり、そういうことだよ、副長さん。今までライヴ殿が種蒔いてきた奇策が、今このような形で結実しているのだよ」

『敵スカイアウフ隊、降下しました。地面スレスレを飛んできます! どうしますか!?』
砲術長のアーティル=リーコプト伍長から報告。
「構わん、対空砲を水平射撃せよ! 整備班、打ち合わせの通り、例のモノを準備。いつでも甲板に出られるよう待機! 主砲、ちゃんと仕事しているか!?」

例のモノ・・・・…?
私は指示を出せなくなってしまった。既に、この戦いはクルーガーのものになってしまっている。私はこの作戦が失敗した時の打開策を考え始めた。その隣では、変わらずクルーガーが指揮をしている。
「いいか? 敵のスカイアウフ隊がアジ・ダハーカに取り付いたら、整備班は即時作戦を開始するんだ。いいな?」
『了解!』
「ドラグナー隊の戦況はどうか?」
「静隊、ロータ・メティオ隊共に被害は無し。両隊とも流石です!」
クルーガーの問に、管制官のコントール=ルフトリグラー少尉が応じた。
「いいぞ。ドラグナー隊の指揮はそちらに任せる。思い切りやれと伝えてやれ。ただし、逃げるものは追うなと厳命。いいな?」
「了解!」

このブリッジからも明らかに見えるほど敵スカイアウフ騎は近付いてきた。
「取り付かせるのか?」
私は思わず声を上げた。
「そのとおりだが、何か?」
「このままだと、指揮権を奪わねばならなくなるが…」
「死中に活を見出す…。それが貴君には解らぬと見える」
「死中に…」
私は、この男がこの現状に何を見ているのか、わかったような気がした。

刹那、アジ・ダハーカの戦隊が大きく揺れた。
「敵クアット、取り付きました!」
コントールが叫ぶ。
「よし、整備班、上手くヤってくれよ! 大物釣りの開始を宣言する!」
『了解!』

私はブリッジから甲板を見渡した。敵クアット隊5騎がブリッジ上にいる。その中の一騎が、このブリッジを指向した。腕に持ったハンディ・カノンが…!?

ドゥ… ム!
敵クアットが姿勢を崩した。その背中からは火花と煙が見て取れる。
「これは…!?」
私は思わずクルーガーに解を求めた。
「いわば、人が持つために作られたハンディ・カノンさね」

私は改めて、甲板上に目をやった。
敵クアットの足元を、整備班の面々が走り回っている。その手には、筒状の武器…。
「アレがそうなのか?」
私は思わず声を上げていた。
「そうさね。これからは下手に甲板には取り付けないだろうよ」
二騎、三騎と敵クアットの背面から爆発の煙が上がった。
「いいか? 敵が降りてきたら、すかさず兵士にスイッチしろよ? 敵兵もろともこのドラグナーを鹵獲にかかる。生きのいいまま捕まえるんだ。頼むぜ?」

「敵地上部隊、撤退していきます!」
レーダーを監視しながら、ラーダ伍長が叫んだ。
「よし、こちらのドラグナー隊も帰投するように伝令。アジ・ダハーカは先程いた位置まで後退する」
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