厄災の街 神戸

Ryu-zu

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第四章 天使と悪魔

悪魔軍対魔獣軍 隠密部隊の戦い 決着

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リーは強い違和感を覚え、佐助に攻撃を辞めさせた。

そして、強い怒りをその男にぶつける。

リーおいっ!そこの雑魚男、何をキングを名乗ってやがるっ!」

佐助キングと呼ばれて良いのは、この世の中でただ一人、それはお前では無いっ!」


ハーレムの王あははっ、おまえ、えぇ女やし強そうやから俺の子分にしてやってもいいぞ?
ついでにその猿もなっw」

長椅子ソファーにふんぞり返り、偉そうにリーに子分にしてやると言うその男に、佐助が切れた。

佐助このゴミムシが~」

佐助が双剣を携えハーレムの王に突っ込んでいく。

藤子いやぁ~殺さんでぇ~」

佐助がその声で立ち止まり振り返った。


リー女よ、悪いがキングを名乗る輩など生かせておく道理が無い」

坂東あっ、その男とゴブリンは別に良いです」

リー・・・」

佐助んっ?女は殺すなって事か?」

リー金縛りっ!」
ハーレムの王ん、むぐっ、ん~ん~」

リーはハーレムの王とその側近ホブゴブリンに忍者スキルの金縛りを掛けて拘束した。
ついでに面倒くさいので、目の前に居た手下の女達も拘束しておいた。


リーおいっ、そこのセイラとやら、事情を掻い摘んで話せ」

セイラなっ?なんでうちの名前を?って、そうか鑑定眼か・・・
強い人はそんなの普通に持ってるんよなぁ・・・」

佐助おいっピンクッ! 我があるじが聞いているっ!さっさと話せっ」


セイラ・・・(猿のくせに・・・)」
藤子差し出がましいのですが、私が事の顛末ことのてんまつを話させてもらいます」

リーんっ?人間か… まぁ良い、話せっ!」


藤子は厄災初日からの事を簡潔に且つわかりやすく話し出した。
そして魔獣軍に救出依頼をして、今に至る事をサクッとリーに伝えた。

リーならば、こいつらは人間を助けるために、わざわざ戦いに身を投じたと?」

セイラそうや、その藤子の心意気に応じてここまで来たんや、別段問題も無くそのクズ男はうちらで成敗する筈やったのに、いきなりおまえらが乱入してきたんや・・・」

佐助がその物言いに憤慨し、セイラを屠ろうとするが、リーがそれを止めた。

リーそうか、私らの勘違いやったって事やな」


リー佐助、その獣人たちに治癒魔法を掛けたってくれ」

佐助は渋々ながら広範囲治癒魔法を掛ける。

佐助・・・微風そよかぜっ!」


ダメージが大きすぎて完全回復はしないが、一人を除いて座って喋れるくらいには回復した魔獣軍とハーレムの王の先陣部隊。

リーが切りつけた豹人Aことイチはもう虫の息だった。

リー陽炎っ!」

リーが持つ治癒魔法の陽炎かげろうは、継続治癒魔法でもある。
一定時間、その範囲に治癒魔法を掛け続ける。

リーその男はお前を助けるために私に襲い掛かってきた、もしも死んだら鄭重ていちょうに葬ってやれ」

リーは藤子に向かってそう言い放った。

藤子イ、イチさん・・・ ごめんね、ごめんね・・・」

藤子はイチを抱きかかえ何度も何度も感謝を込めて謝った。



リーウェイズ、ちょっとこっちに来てっ」

カーテンレールの上に退避し、戦況を見守っていたウェイズがリーの肩にチョコンと乗った。

ウェイズお呼びですか?リー」
リーそのゴミ男と周りに居るゴブリンに軽くでも良いからダメージを入れて」

ウェイズ!」

リーの意図を察したウェイズはリーの肩から飛び降りて、まずはハーレムの王の顔に爪を立てる。
顔面に数本の赤い筋が出来上がる。

同じようにホブゴブリンにも爪を立て、頭部や顔面に傷を付けていく。

リー良し、佐助、ジャド、その男とゴブリンを始末して」

ジャドは黒い霧を纏った魔剣を顕現させ、ホブゴブリンの首を飛ばしていく。
佐助はハーレムの王に向かう。

佐助おまえはリーを侮辱ぶじょくしたっ!そのむくいは簡単には死ねないって事だっ!!!」

佐助はまずハーレムの王の左目をくりぬいた。

王は悲鳴を上げるが、それは声にはならない。

次に鼻を削ぎ落した。

王はまた悲鳴を上げるが、それも声に成らない。

佐助は拷問のように顔のパーツを削ぎ落していく。
その残忍さに、そこに居る全員が心底恐怖した。

1人を除いて。
Ericaす、すごい・・・ 躊躇も無く気持ちよく切り刻む・・・)


恐怖により、洗脳が解けた女達は、さらに別の恐怖の坩堝るつぼおちいった。
(自分らもあんな風に殺されるんだろうか・・・)



佐助は、顔が終わると腕、脚を斬り落とし、だるまのようにしてから一言。

佐助クズのくせにキングを名乗るなど、不届き千万!!!」

言葉が終わると、喉を掻き切った。

ハーレムの王は成す術なすすべも無く、その命のが静かに消えていった。

Ericaがゾクゾクと身体を震わせている。



佐助の後ろでは、眷属のウェイズがフラフラしながら足元に寄り添う。

佐助はそのウェイズを抱き上げ、腕の中で頭をさすってやる。

リー結構なレベルが上昇したからね、レベルアップ酔いだよ」

優しい目でウェイズを眺めながら声を掛けた。


ウェイズうげぇ~~~気分わりぃ~」

レベル5しか無かったウェイズだが、今はジャドを追い越す勢いでレベル28まで上がった。
レベル補正が掛かったとは言え、Lv20台後半の敵を6体も倒したのだから当然だろう。




リーさて、セイラよ、おまえらは私の捕虜としてアジトに連れて行く、いいな?」
佐助拒否すればこの場で全員始末するだけだ、そこの女もなっ」

佐助は藤子と坂東の方を見て言った。

リージャド、こいつらを束縛しておいてくれ」

ジャド承知、 影縛りっ!」

闇スキル[影縛り]は相手の影(内攻)ないこうを拘束し、身体の自由を奪うスキルだ。
成功確率は、相手のレベルと自分のレベルで変化する。

だが、このスキルは熟練度が上がると、相手の行動を操る事も出来る[影繰り]と言う効果をもたらす。
数百年も生きているジャドのスキルの熟練度はほぼほぼ天井に近い所まで来ている。

とは言え、身体操作系のスキルは自分よりも格下の相手にしか通用しない。




リーはハーレムの王の遺体を空間倉庫に入れた。
トオルに宝珠を抜いてもらうためだ。

リー心臓が付いてる部分が良いんだよね?」
ウェイズ脳より心臓が肝ですよ・・・ うげっ」

まだレベルアップ酔いに苦しんでいる黒猫が、佐助の肩で項垂うなだれて何かを言っている。


ハーレムの王の殺人称号報酬のスキル[ゴブリン操作]は奥が深そうなスキルだ。
進化するのが当たり前のゴブリンの進化を止めて、レベルだけを上げる仕様が何かに使えるかも知れないからだ。進化を止められるなら進化を促す事も出来るかも知れない。





ジャドの拘束は、アンダルとグリート以外の8人に作用している。


佐助おまえらはそれなりやって事やけど、逃げたいなら逃げてもえぇぞ?」
ジャドその代り、こいつらがどうなるかは理解できるだろう」

グリートくっ・・・」
アンダル仲間を置いて逃げるわけ無いやろうが・・・」

リー色々と思うところもあるしな、取り敢えずうちらのボスに会ってもらうぞ」


グリートとアンダルの二人で重症のイチを担いで階段を降りる。



1階の高レベル素のゴブリンは相変わらずウロウロとしているが、獣人を連行した後、リーの眷属の経験値にするため生かして殺さずに一行は会館から出て行く。




リー部隊と獣人部隊が会館から出て行った後、"あとは好きに生きろ"と言われ解放された女子達が2階に幽閉されていた借り腹達を救い出し、3階のゴブリンの幼体を全て叩き殺した。

しかし、まだ1階には高レベルのゴブリンが徘徊しており、会館から出て行くまでには至っていない。

(どうしようかなぁ・・・ 外に出てもそれからどうしたもんか・・・)









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