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第四章 天使と悪魔
悪魔軍 新人続々
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『それじゃあな~ 期待はするなよマグナ~w』
「それは期待しとけって事やなw」
トオルはマグナに軽く手を振って中学校を目指して歩き出した。
美凪とレドはまだにらみ合ったままだった。
『おいおいっ、おまえら~、ホンマに気が合いそうやなw』
「合う訳無いわ~!!!」
「息ピッタリやんw」
「そんなわけ無いやろ~!!!」
『美凪、名残惜しいやろうが行くぞっw』
「くっ・・・」
「黒犬~次に会った時は斬り殺すっ!」
「ドブスがぁ~こっちこそぶち殺したらぁ~!」
「ほっほっほ~ライバル登場で盛り上がっとるのぉ~」
「あんなクソ犬・・・」
「なんやら仲ようなっとるが、お前様は何を考えとるんじゃな?」
『まぁ元々あの幹部連中から殺気や殺意を感じんかったからな』
「共闘でもするつもりかぇ?」
「でもあの黒犬は殺すっ!」
「・・・」
『・・・』
『うん、特に敵対するような感じもなかったしな』
「恩でも売っといてまた利用しようと企んどるのじゃなw」
『そう言うこっちゃw』
「でもあの黒犬は絶対に殺すっ!」
まだまだ美凪はご立腹である。
程なくして一行は8と9番街の前の小学校の門の前についた。
中程の校庭の真ん中で小さな人だかりが出来ている。
能々見ると人だかりの中に見知った顔が見える。
トオルと美凪は門を軽く飛び越えて校庭の中に入っていきその集団に声を掛けた。
『お~い、武人に大海、何をしとんや?』
「あっキ、ト、トオルさん、おかえりなさい」
皆がいる前ではキングと呼ぶことを禁止しているので、どうしても言葉が突っかかる。
「この人らって大工さんと建築屋さん達なんです」
『眷属化はもうやったのか?』
「いえっ今交渉中なんです」
そんな会話を続けつつ、みんなの視線はトオルの肩に乗っている妖精に釘付けだ。
「キ、トオルさん、その肩に乗ってるのは、も、もしかして妖精ですか?」
「妾は精霊神じゃよ」
「おおおおおおおお~~~~」
「武人、こんなんもおるよw」
「イフリート!」
美凪の背後から炎の魔神が立ち上がる。
「ふぅおぉぉぉぉぉぉぉ~~~」
美凪のドヤ顔がトオルの鼻についたが、それも美凪の可愛い所だろうと微笑んで見守る。
「そんな素敵な相棒をどうされたんでしょうか?」
「ふふふ、精霊召喚ってスキルで仲間になってくれたんだよ~」
「!」
「!」
藤浜武人と大海がすぐにステータス画面を呼び出した。
『イトイはどこに行ったんや?』
『・・・』
トオルが問い掛けるが、二人は聞く耳を持たず、その思考は精霊召喚に釘付けになっている。
「ポ、ポイントが足らん・・・」
ボコッ!ボコン!
美凪が藤浜とヒロミの頭を叩いて怒鳴る。
「キングが聞いているでしょ!」
ボコッ!
今度はトオルが美凪の頭を叩いた。
『アホかおまえわっ!』
「えっ?えっ?えっ?」
美凪はなんで怒られてるのか全くわかっていない。
「あの~キングさん、その眷属ってのになったら、そんな夢みたいな子分が持てるんですかな?」
トオルは美凪をにらみ付け、そして問いかけてきた男に答える。
「す、すみません、すみません、すみません・・・」
『幻想的な生き物に興味があるんかな?」
『色々と順序や運や知識も要るし、本人の努力も必要やけど、眷属は持てるよ』
「そんな魔神や精霊神は簡単に手には入らんって事かな?』
『魔神や精霊神は本当に偶然の産物だから、こうやれば手に入るって答えは無いかな』
『その代わりと言えばちょっと違うかもだけど、召喚獣や魔獣とかも眷属に出来るよ』
「そういや、赤い空飛ぶ狼を連れた羽のある女がおったが、あの狼が召喚獣なんか?」
『いやいや、あれは魔獣だから遭遇できれば簡単に眷属に出来るよ』
「おぉ~ そのやり方って教えてくれるんかな?」
『あぁ、教えるけど、自分自身が強くならないと従える事は難しいぞ?』
「どうやれば強くなれる?」
『そうやなぁ一番早いのは、俺らの傘下に入れば色々と享受出来るけどな」
「んじゃぁ俺は傘下に入るわ」
思う所があるのだろう、その男は即決でトオル達の仲間になると言った。
その大工の男が眷属に成る事を承諾したので、そこに居た他の奴らも首を縦に振り出した。
藤浜とヒロミの下に、男3人女1人の4人の建築関係者、2人の大工の男、2人の女性の内装屋が仲間になった。
『これからは中学校の俺らの部屋に移ってもらう、食事もそっちに替わるからな』
トオルは軽くこれからの事やまず手掛けて欲しい事などを説明した。
『基本的に作業はボチボチ2~3時間もやればいいだろう、空いた時間は強くなる努力をして欲しい』
「わかりました!」
トオルは一緒に話を聞いていた藤浜とヒロミに向かってもう一度問う。
『んで、イトイとリーはどこ行ったんやっ?』
「あっ・・・ すみませんでした・・・」
「イトイは小学校に事務員を探しに行ってます」
「リーさんは、根暗な数人を眷属化してダンジョンに潜ってます」
『根暗?ってか?(笑)』
『新人の配給を部屋に移動するのと、魔通鞄をキョメにやるかな』
『美凪、小学校の給食室に行くぞ』
「シルバーボアですね?」
『うん、誰かサバケたらいいんやけどなぁ』
『藤浜たちは今からダンジョンで最低職業選択までいってくれ』
「はいっ」
『自分のポイント稼ぎは後でな(笑』
「えっ?・・・ わかりました・・・」
藤浜とヒロミは自分たちの事を見透かしたトオルに頭を下げた。
『18時には上がってこいよ』
トオルは、リーと打ち合わせたかったが、ダンジョンに潜っているのなら仕方がないと思い、小学校に居るだろう五十維と合流する事と、幼馴染の興止波子に会うつもりだ。
小学校の1階にある給食室に行くと、夕ごはんの支度に皆が勤しんでいた。
興止波子は奥で指示を出しながら自分も何かを作っている。
小学校に避難している約700人分の食事量は凄まじいものがある。
一回では作り切れないので、17時配膳と19時配膳の2回に分けている。
給食に携わる人間も、元は主婦や飲食業の人達しか居なかったが、今では多少の包丁が使える程度の人も増えてきてかなり楽にはなってきたが、いかんせん避難民の数が多すぎる。
19時配膳には、週に2回だけだがお酒も付いてくる。
その代わりに、たまに時間が遅くなることがある。
中学校の方は基本18時に配膳だが、多少早くなることもある。
そして、先に終わる中学校の調理人たちは小学校に応援に行く。
給食を統括しているのは、興止波子と大政徳子の二人である。
二人共進化はしていないが、バイタリティの溢れるやり手である。
最初の頃は、食事の内容や配膳にかかる時間に文句やクレームを付ける輩も多く居たが、興止と大政の二人が恫喝し、ここに居る全員が避難民であって行政の手助けは一切無い、有志によるボランティアなんだと怒鳴り散らした。
それでも食って掛かってくる連中には、配膳拒否しても良いと避難所統括の七和田から言われている。
実際に言い争い、言い負けてこの避難所を出ていって行方不明になっているおっさんも数人居る。
それくらいの権限を行使しないとボランティア精神だけではまとめることなど出来ないであろう。
この二人が居なければ、この避難所の食糧事情は最低なものになっていたかも知れない。
「それは期待しとけって事やなw」
トオルはマグナに軽く手を振って中学校を目指して歩き出した。
美凪とレドはまだにらみ合ったままだった。
『おいおいっ、おまえら~、ホンマに気が合いそうやなw』
「合う訳無いわ~!!!」
「息ピッタリやんw」
「そんなわけ無いやろ~!!!」
『美凪、名残惜しいやろうが行くぞっw』
「くっ・・・」
「黒犬~次に会った時は斬り殺すっ!」
「ドブスがぁ~こっちこそぶち殺したらぁ~!」
「ほっほっほ~ライバル登場で盛り上がっとるのぉ~」
「あんなクソ犬・・・」
「なんやら仲ようなっとるが、お前様は何を考えとるんじゃな?」
『まぁ元々あの幹部連中から殺気や殺意を感じんかったからな』
「共闘でもするつもりかぇ?」
「でもあの黒犬は殺すっ!」
「・・・」
『・・・』
『うん、特に敵対するような感じもなかったしな』
「恩でも売っといてまた利用しようと企んどるのじゃなw」
『そう言うこっちゃw』
「でもあの黒犬は絶対に殺すっ!」
まだまだ美凪はご立腹である。
程なくして一行は8と9番街の前の小学校の門の前についた。
中程の校庭の真ん中で小さな人だかりが出来ている。
能々見ると人だかりの中に見知った顔が見える。
トオルと美凪は門を軽く飛び越えて校庭の中に入っていきその集団に声を掛けた。
『お~い、武人に大海、何をしとんや?』
「あっキ、ト、トオルさん、おかえりなさい」
皆がいる前ではキングと呼ぶことを禁止しているので、どうしても言葉が突っかかる。
「この人らって大工さんと建築屋さん達なんです」
『眷属化はもうやったのか?』
「いえっ今交渉中なんです」
そんな会話を続けつつ、みんなの視線はトオルの肩に乗っている妖精に釘付けだ。
「キ、トオルさん、その肩に乗ってるのは、も、もしかして妖精ですか?」
「妾は精霊神じゃよ」
「おおおおおおおお~~~~」
「武人、こんなんもおるよw」
「イフリート!」
美凪の背後から炎の魔神が立ち上がる。
「ふぅおぉぉぉぉぉぉぉ~~~」
美凪のドヤ顔がトオルの鼻についたが、それも美凪の可愛い所だろうと微笑んで見守る。
「そんな素敵な相棒をどうされたんでしょうか?」
「ふふふ、精霊召喚ってスキルで仲間になってくれたんだよ~」
「!」
「!」
藤浜武人と大海がすぐにステータス画面を呼び出した。
『イトイはどこに行ったんや?』
『・・・』
トオルが問い掛けるが、二人は聞く耳を持たず、その思考は精霊召喚に釘付けになっている。
「ポ、ポイントが足らん・・・」
ボコッ!ボコン!
美凪が藤浜とヒロミの頭を叩いて怒鳴る。
「キングが聞いているでしょ!」
ボコッ!
今度はトオルが美凪の頭を叩いた。
『アホかおまえわっ!』
「えっ?えっ?えっ?」
美凪はなんで怒られてるのか全くわかっていない。
「あの~キングさん、その眷属ってのになったら、そんな夢みたいな子分が持てるんですかな?」
トオルは美凪をにらみ付け、そして問いかけてきた男に答える。
「す、すみません、すみません、すみません・・・」
『幻想的な生き物に興味があるんかな?」
『色々と順序や運や知識も要るし、本人の努力も必要やけど、眷属は持てるよ』
「そんな魔神や精霊神は簡単に手には入らんって事かな?』
『魔神や精霊神は本当に偶然の産物だから、こうやれば手に入るって答えは無いかな』
『その代わりと言えばちょっと違うかもだけど、召喚獣や魔獣とかも眷属に出来るよ』
「そういや、赤い空飛ぶ狼を連れた羽のある女がおったが、あの狼が召喚獣なんか?」
『いやいや、あれは魔獣だから遭遇できれば簡単に眷属に出来るよ』
「おぉ~ そのやり方って教えてくれるんかな?」
『あぁ、教えるけど、自分自身が強くならないと従える事は難しいぞ?』
「どうやれば強くなれる?」
『そうやなぁ一番早いのは、俺らの傘下に入れば色々と享受出来るけどな」
「んじゃぁ俺は傘下に入るわ」
思う所があるのだろう、その男は即決でトオル達の仲間になると言った。
その大工の男が眷属に成る事を承諾したので、そこに居た他の奴らも首を縦に振り出した。
藤浜とヒロミの下に、男3人女1人の4人の建築関係者、2人の大工の男、2人の女性の内装屋が仲間になった。
『これからは中学校の俺らの部屋に移ってもらう、食事もそっちに替わるからな』
トオルは軽くこれからの事やまず手掛けて欲しい事などを説明した。
『基本的に作業はボチボチ2~3時間もやればいいだろう、空いた時間は強くなる努力をして欲しい』
「わかりました!」
トオルは一緒に話を聞いていた藤浜とヒロミに向かってもう一度問う。
『んで、イトイとリーはどこ行ったんやっ?』
「あっ・・・ すみませんでした・・・」
「イトイは小学校に事務員を探しに行ってます」
「リーさんは、根暗な数人を眷属化してダンジョンに潜ってます」
『根暗?ってか?(笑)』
『新人の配給を部屋に移動するのと、魔通鞄をキョメにやるかな』
『美凪、小学校の給食室に行くぞ』
「シルバーボアですね?」
『うん、誰かサバケたらいいんやけどなぁ』
『藤浜たちは今からダンジョンで最低職業選択までいってくれ』
「はいっ」
『自分のポイント稼ぎは後でな(笑』
「えっ?・・・ わかりました・・・」
藤浜とヒロミは自分たちの事を見透かしたトオルに頭を下げた。
『18時には上がってこいよ』
トオルは、リーと打ち合わせたかったが、ダンジョンに潜っているのなら仕方がないと思い、小学校に居るだろう五十維と合流する事と、幼馴染の興止波子に会うつもりだ。
小学校の1階にある給食室に行くと、夕ごはんの支度に皆が勤しんでいた。
興止波子は奥で指示を出しながら自分も何かを作っている。
小学校に避難している約700人分の食事量は凄まじいものがある。
一回では作り切れないので、17時配膳と19時配膳の2回に分けている。
給食に携わる人間も、元は主婦や飲食業の人達しか居なかったが、今では多少の包丁が使える程度の人も増えてきてかなり楽にはなってきたが、いかんせん避難民の数が多すぎる。
19時配膳には、週に2回だけだがお酒も付いてくる。
その代わりに、たまに時間が遅くなることがある。
中学校の方は基本18時に配膳だが、多少早くなることもある。
そして、先に終わる中学校の調理人たちは小学校に応援に行く。
給食を統括しているのは、興止波子と大政徳子の二人である。
二人共進化はしていないが、バイタリティの溢れるやり手である。
最初の頃は、食事の内容や配膳にかかる時間に文句やクレームを付ける輩も多く居たが、興止と大政の二人が恫喝し、ここに居る全員が避難民であって行政の手助けは一切無い、有志によるボランティアなんだと怒鳴り散らした。
それでも食って掛かってくる連中には、配膳拒否しても良いと避難所統括の七和田から言われている。
実際に言い争い、言い負けてこの避難所を出ていって行方不明になっているおっさんも数人居る。
それくらいの権限を行使しないとボランティア精神だけではまとめることなど出来ないであろう。
この二人が居なければ、この避難所の食糧事情は最低なものになっていたかも知れない。
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