厄災の街 神戸

Ryu-zu

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第四章 天使と悪魔

悪魔軍 魔獣軍と相対す

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トオル達3人はボチボチと中学校に向かって歩みを進めていた。

美凪みんな、何人くらい眷属にしてるんでしょうね~」
『まぁ3時間程しか経ってないから、そんなに集められてないだろう』

美凪じゃぁまだダンジョンには潜ってないかな?私も早く潜りたい」
『風呂部屋のポータルは俺が入ると消えるけど、ダンジョンのポータルは入っても消えないのかな?』

美凪最初に入った時は消えなかったですよ」
『そっかー ・・・』

美凪??? どうされました?」
『いや、次に取得するスキルを結界術にしようと考えてたんや』

美凪んっ?ポータルと何か関係が?」
『ダンジョンポータルを出す場所を、結界で縛って俺の眷属だけが入れるようにしたいんやけどな』

美凪でも、武人たけと五十惟いといの話だと、特定の仲間以外は入れないユニークダンジョンだって言ってましたよ?」
『あぁ俺も話してるのは聞いていたけどな、それでもゲートも丸見えで本当に他の奴らが入れないのかとかもはっきりとはわからんし』

美凪そうですよね・・・」

『そりゃそうと、個別空間Ⓢは使ってみたのか?』
美凪いえ、まだですけど、今入ってみてもよろしいですか?」

美凪は個別空間を展開し、トオルとヘスティアも一緒に中に入っていった。

ティアお前様のお部屋よりも多少小さく感じるのぉ」

実際に、トオルの個別空間Ⓜは6畳ほどなのに対して、個別空間Ⓢは3畳くらいしかない。

美凪シャワー程度とおトイレを設置したらベッドは無理ですね」


<i664190|36522>


『ふぅ~ん・・・』

美凪どうされました?」

う~んと唸り、トオルは腕組をしながらうつむき気味に何か物思う顔をしている。

『今日お前に手伝って貰った沢山の書類があるだろ?あれを紙じゃなく、パソコンに取り込めるなっと思ってたんだよ』

美凪コンセントも設置できるから、机とパソコンを入れればワードやエクセル駆使して大量の書類をコンパクトに整理できそうですね」

『帰り道で8番街か9番街でパソコン探しに行こうか』
ティア略奪にいくんじゃなw」
美凪ち、違います!有効利用って言うんです!!」

ティアほっほっほ~ 物は言い様ってかぁ(笑)」


3人は7番街に差し掛かった所で、またあの視線を感じていた。
トオルは、"威圧"を力一杯込めて視線に向けて飛ばした。

美凪おぉぉぉ~キ、キング、こっちまで威圧されます~」
ティアほぉ~大したもんじゃなぁ、妾にまで影響しよる」








ラグレアあいつら~ これは宣戦布告かぁ?」
マグナしっかし、こんな強い威圧を放つ奴は見た事が無いよなあ」
黒コボルトほんと、俺でも少し喰らっちゃいましたね」

高い威圧耐性があるマグナとラグリア、黒コボルトのレド以外の魔獣軍は全員威圧に負けて座り込んでいる。
各番隊隊長クラスは威圧耐性くらいはスキルとして持っているが、トオルの威圧に対抗することは敵わなかった。

マグナあいつら、10番街を平定してくれんかな?w」
ラグレア笑いごっちゃないわw」

紅いゴブリンと紫のゴブリンが笑い話をしているのを、魔獣軍団の面々が中腰で見ていた。









『なんかあいつらって襲って来ないな?』
ティア警戒しとるんじゃないのかぇ?」
美凪こっちから行きますか?」

ティアやっちゃえやっちゃえ、お前様」

『いやっ、ちょっと今は辞めとこう。様子見だな』
ティアそんな悠長な事を言っとると、足元をすくわれるぞぇw」

『ん~一対一なら間違いなく俺らのほうが上だろうけどな』
ティアおやおや?お前様はビビっておるのかぇ?w」

『アホやで・・・』
美凪キ、キング、本当にビビってるのですか?」

『あんなぁ…』
『まぁ少なくとも、俺より強そうなのが3人は居るやろ』
『美凪とタイマンなら問題ないけど、俺が混ざるとちょっとむずかしいかな』
『とは言え、負ける事はないだろうし、ティアとイフリートの二人でも殲滅は出来るだろし』

美凪ならばやっちゃいます?」
『おまえはホンマに楽しそうやな~(笑)』


3人でウダウダ言っていると、頭上から声がする。

レドおいっおまえら!10番街行ってオーククイーンを殺ってこいっ!」
ラグレアさっさとなw」

美凪お、おまえら?誰に言ってるのかわかってるのか?」
『あはははは』

マンションの道側のベランダに出て来た魔獣軍たちがトオル達に大声で怒声を浴びせ、そしてトオルはその命令口調の指図に大笑いをしている。

マンションと道路の間には駐車場もあって、そこそこの距離があるので一触即発状態にはならないが、怒りに震える美凪が焱球を飛ばす。

そのスキルは、中心が薄青い炎の塊りで、高速で魔獣達目掛けて飛んで行った。

ドゴーンッ!

魔獣達が居たベランダは大きく砕け散った。



だが、美凪が何かを仕掛けようとした瞬間に、そこに居た魔獣達は素早く散開し退避していた。

レドおいおいwあの女は魔法も使うんかいw」
ラグレア見た事も無い威力の炎系の魔法だったなw」

マグナこらこらwあんまり挑発すんなよ(笑)」

人間Aしかし、あの女は強いなぁ・・・」
コボルトBマァ アノ男ヲ責メタラ弱点ニ?ナルダロウ」

魔獣軍団は多くが道路側のベランダに出て来てトオル達を見つめている。
中には殺気や殺意を飛ばす奴も居る。

でも、幹部らしい連中は終始にこやかに話をしているようだ。
戦いに突入すれば、それなりに勝機を見出している余裕なんだろう。


『おいっ!おまえらのボスはどいつじゃ~?』

トオルが大声で魔獣軍に問いかける。

マグナお~ うちやうちやw」

紅いゴブリンのマグナが笑顔で手を挙げて答える。


トオルはその赤いゴブリンのステータスを覗き見る。
『マグナ・マーテルロー、レッドキャップのレアネームドか』

美凪レアネームド?」
『普通のネームドは名前しか無いが、姓名や氏名うじながある特別な連中が居るんだよ』

ティアやはり強いのかのぉ~?」
『覚醒したレッドゴブリン自体かなり強いし、そのレアネームドなんて計り知れんわw』
美凪ステ自体は私と同じくらいですね」

『まぁお前と一緒で、ステータス画面の数値の通りに考えるのは危険だぞ?隠蔽もあるし』
ティアそうじゃのぉ~美凪もスキルや武装や武器装備でとんでもなく数値は変わるしのぉ」

『美凪は単純に今のステより25%増し近くまで跳ね上がるしな』



ラグレアおいっ!ボスを呼んどいて何をゴチャゴチャ言っとるんじゃ~!!!」
レドこらぁ人間よぉ~ ぶち殺すぞ~」


『あの紫のゴブリンもレアネームドじゃないか・・・』
ティアジャイアントロードじゃと?あのレベルでロードは初めて見たぞぃ」
美凪珍しいんですか?」

ティア普通には居ないのぉ、ロードはレベル60以上しか存在しないと思っとったわぃ」

『あの黒いコボルトもネームドやし、こいつらなんなんや?』
ティアなんぞ、人間も混じっとるしのおw」



『おいっマグナっ!』
マグナいきなり呼び捨てかぃトオルよっ(笑)」

トオルが解読で相手のステを見てる様に、相手もまた鑑定でステを見ている。

『10番街にオーククイーンが居るなんて話は聞いた事が無いぞ?』

マグナ厄災初日からあそこを拠点にしとるけどな」
レドおまえが無知なだけやろが」
 美凪この黒犬が・・・」
美凪はまた焱球を撃とうとしたが、トオルに止められた。

『なぜおまえらが討伐しないんだ?』
マグナやればわかるわ、なんせオークの数も異常に多いしクイーンとブラックのオークはかなりやっかいやしな、その女でも楽には勝てんやろ」

トオルは美凪の方を見て少し考える。

『そのオーククイーンを俺らが倒したら、おまえは何をしてくれんのや?』
マグナ逆に、何をして欲しいんじゃ?」

『・・・』
『おまえ~、むっちゃ可愛い顔しとんなw』

いきなりトオルはマグナの顔を褒め出した。

マグナなっ、なっ、ダッダボちゃうんか~ なっなにゆうとんじゃ~ やっやかましぃわぁ~」
『あはははは、まぁ色々と考えとくわ』

紅いゴブリンが真っ赤な顔をして恥じらう。


確かに、覚醒と進化で人化率75%超えているので、顔自体は人間そのものだ。
ただ、肌の色は赤みを帯びて居る。

目鼻立ちがハッキリとしていて、普通に可愛い女性にしか見えない。


レドおいっクソガキが~マグナさんに何を言っとんじゃ~」

美凪このぉ~クソ犬が~」
美凪焱球っ!!!」

トオルをクソガキ呼ばわりする言葉に、怒りに任せて美凪が焱球を黒いコボルトのレドに向かって撃ち込んだ。

マグナフェゴ・ディスコ!!!」

マグナが撃った赫の魔法の円盤が、美凪の焱球を真っ二つに切り裂いた。
円盤は美凪のすぐ横に突き刺さり、シューと言う音と共に消えていく。

ラグレア水龍!!!」
二つに割れた美凪の焱球は水の龍レヴィアタンが包み込み、対消滅していった。

『ほぉ~美凪のほのおを切り裂くかぁw』
ティアイフリートの権能が乗ったほのおの攻撃を相殺するとは恐れ入ったw」

『やっぱりあいつらは強いな(笑)』

美凪あの黒犬は大したこと無いですっ!」
美凪が指差し黒いコボルトのレドをくさす。

レドうっせいわっブスがぁ~ ぺっぺっぺ」
美凪に向かってツバを吐き掛ける黒いコボルトのレド。



ちょっとご立腹な美凪とレドだった。
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