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第四章 天使と悪魔
悪魔を見つめる目
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トオルと美凪が過ぎ去った7番街の中庭を見つめる集団が。
『クロコが殺られるとはな…』
「それもかなり一方的に殺られたぞ」
「ボス、アイツラヲ 見逃ス ノデスか」
コボルトが"ボス"と呼ばれている赤いゴブリンに問いかける。
「今ここであいつらに対抗できる奴がどれだけ居るのか?」
コボルトの問いかけに、一際大きな薄紫色のゴブリンが答えた。
『あの女、今のうちらよりも強いかも知れんなw』
「今日の朝、ここの様子を見に来とった、飛ぶ狼を連れた羽の女もかなり強かったぞ」
『ん~どうしたもんじゃなぁ』
「ボス、ソロソロ 下ノ10番街ヲ 責メタ方ガ 良イノデハ?」
「そうですな、マグナさん、もうそろそろあそこら辺を責めないとレベルが上がりません」
真っ黒な長毛で、目力の強い顔の犬人が自分の考えを進言する。
7番街に召喚されたマグナと呼ばれる赤みのゴブリンがここを牛耳っている。
厄災初日から積極的に仲間を増やし、大きめのマンション群である7番街に巣くってレベルを上げていったのだが、危険を察知して真っ先に逃げ出した住人の人々は、すぐ近くの小学校に避難できている。
しかし、厄災から5日目、もうここ7番街には人間と言う生き物は数人しか存在しない。
その数人は、レッドゴブリンに忠誠を誓った「反人間組織」を為している。
人間に裏切られた奴、盾にされた奴、囮に使われた奴、生贄にされた奴、そんな絶望の淵に立たされて生を諦めた人間をここのボスが拾い、育て、戦える戦闘員にまで仕立て上げた。
『10番街かぁ~ あそこはオークのババアがおるからなぁ』
「側近の、黒いオークもおるしな」
「ジェネラル崩れとは言え、あの黒いオークはかなり強いからなぁ」
「厄災2日目に、マグナさんとラグレアと一緒に10番街を責めた時、あのオーククイーンとジェネラル崩れのダークオークに3人でも手古摺ったからなぁ…」
『今なら黒オークはいけるかもな』
「あのまま大して成長してなかったらって前提やけどなw」
体色が薄紫色をしているラグレアと呼ばれるジャイアントゴブリンは、海ゴブリン(マレゴブリン)と言われる種族だ。海辺や河川域に生息し、唯一水中戦闘が出来るゴブリンである。
普通の緑っぽい体色の奴は、森林ゴブリン(ノルゴブリン)と言われて、森林や草原を生活基盤にしている種族だ。
他にも、茶色い体色の岩窟ゴブリン(イディゴブリン)と言う種族も居る。
ここ、神戸の厄災以降は、緑のノルゴブリンと海岸線に沸いている紫のマレゴブリンしか見ない。
『しかし、一番隊と隊長のクロコが居なくなったのは痛いな~』
「まぁ強いと言っても、あの部隊は少数部隊で脳筋ばかりやからなw」
「まぁリザナイもガビナイも実際戦ったら、うちらの部隊の方が強いしな」
「1番隊はクロコのパワーバトルに憧れた奴ばかりでしたしね」
現在は3番隊の隊長を務めるまでに強くなった人種の男が口を挟んだ。
『そういや、北の5番街に碧髪のネームドがおったよなぁ』
「一度戦闘ニナッタガ、カナリヤル奴ヤッタゾ」
『誰かあいつを勧誘してきてくれんか?w』
「あいつは鬼分けの進化をしたらしいな」
『鬼分けだとっ?ほんまかっ?!!!』
赤いゴブリンのマグナが身を乗り出して話に聞き入った。
「あぁそれも龍鬼らしいぞ」
『ん~進化と言うより、もうゴブリンですら無いしw』
「龍鬼化って事は、ロードに進化した俺よりも強いかもな~」
『んっ?おまえの方が強いだろうに』
「それは正直な話わからんな、自分の強さには自負があるが」
『もっと自分に自信を持てよw』
「3次進化でロードになったんだから、次の進化でキングは確約だろ」
ゴブリンの進化はレベルアップによるレベル依存の枝を作る。
レベル8で1次進化、16で2次進化、32で3次進化をする。
そして最終進化がレベル64である。
通常、ロードになるのには4次進化が最低限必要になるが、極まれに3次進化でロードになるジャイアント系譜のゴブリンが居るらしく、それは4次進化でゴブリンキングになる特別な個体だと言う事だ。
また、ゴブリンは通常進化とは別に"鬼分け"と言われる特殊進化をする事が有る。
キャリヤは鬼分けの中の龍鬼だったが、他にも闘鬼や髪鬼、戦鬼、魔鬼、等の鬼族に変化し、見た目は人化率75%で、人に近しい存在となり、もちろん能力は元種よりもかなり高い。
鬼分けの進化をしたゴブリンは特別な場合を除いてもう進化はしないが、成長率もステータス上昇率もどの種族よりも高い。
ただ、"覚醒"しその後にもう一度"超覚醒"を迎えた場合に、究極の鬼族、天月鬼や魎皇鬼、剡帝鬼、靁帝鬼、偑皇鬼、中には天上鬼や真祖吸血鬼となる個体も存在する。
また、ゴブリン種の中で特別な存在のレッドキャップも、覚醒でレッドゴブリンに確定変異し、超覚醒を迎えられた場合はこれも究極の鬼族、万物の頂点天月鬼と双肩を為す赫皇鬼もしくは赭覚鬼、赭統鬼、赭覇鬼となる。
とは言え、天月鬼も赫皇鬼も伝説上の生き物である。その存在自体架空の物かも知れない。古の文献にその活躍譚が仰々しく書かれているだけだ。
『妹たちを呼び戻そうかなぁ~』
マグナは厄災で転移した時、同時に召喚された3姉妹の長女である。
次女のサラサは厄災初日に早々と海を渡り、人の多い中央区の方に行ってしまった。
末妹のハノアは、マグナと大喧嘩して六アイから出て行ったままだ。
『とは言え、連絡の取り様が無いしなぁ』
『一族の気感知でサラサが覚醒したのはわかってるんだけどな』
「とにかく戦力補強、と言うなら、ウエスト地域のボアオークに声をかけようか?」
『ん?ボアオーク?なんで?』
「オークは繁殖用にボアオークのメスを攫うんです」
「だから扇動したら10番街にかちこむんじゃないかと思うんよ」
『そっかーあいつらは天敵同士なんだな?』
「天敵と言うか、オークはメスを強奪するだけだし、ボアはそれを阻止したいだけやねんな」
「元々ボアオークは温和な種族だけど、戦闘力が低い訳じゃないから」
「自分たちの防衛の為なら全力で戦う事は良く知られている事だし」
『お~い、隠密度の高い奴を連れて来てくれ』
ボスであるマグナは、部屋の外で待機しているコボルト軍団に呼びかけた。
「ボス、オ呼ビデショウカ」
『あぁ少し頼みがあるんだが』
マグナは隠密特化の7番隊隊長の黒豹人に、ボアオークの動向を探るのと交渉する事を命じた。
そして、交渉に関しては話術に長けた人狐を連れて行くように指示をされた。
指名されたのは5番隊隊長の大耳狐のネームドだった。
ここでは、隊長クラス、副隊長クラスくらいなら人語を理解し話せる者ばかりだ。
それは、早い段階から人間と共に、人間やオークと戦ってきたからだろう。
黒豹人と大耳狐人は数人の部下を連れてウエストエリアへと出かけて行った。
残った幹部達は、オーククイーンとダークオークの悪口で盛り上がっている・・・
『クロコが殺られるとはな…』
「それもかなり一方的に殺られたぞ」
「ボス、アイツラヲ 見逃ス ノデスか」
コボルトが"ボス"と呼ばれている赤いゴブリンに問いかける。
「今ここであいつらに対抗できる奴がどれだけ居るのか?」
コボルトの問いかけに、一際大きな薄紫色のゴブリンが答えた。
『あの女、今のうちらよりも強いかも知れんなw』
「今日の朝、ここの様子を見に来とった、飛ぶ狼を連れた羽の女もかなり強かったぞ」
『ん~どうしたもんじゃなぁ』
「ボス、ソロソロ 下ノ10番街ヲ 責メタ方ガ 良イノデハ?」
「そうですな、マグナさん、もうそろそろあそこら辺を責めないとレベルが上がりません」
真っ黒な長毛で、目力の強い顔の犬人が自分の考えを進言する。
7番街に召喚されたマグナと呼ばれる赤みのゴブリンがここを牛耳っている。
厄災初日から積極的に仲間を増やし、大きめのマンション群である7番街に巣くってレベルを上げていったのだが、危険を察知して真っ先に逃げ出した住人の人々は、すぐ近くの小学校に避難できている。
しかし、厄災から5日目、もうここ7番街には人間と言う生き物は数人しか存在しない。
その数人は、レッドゴブリンに忠誠を誓った「反人間組織」を為している。
人間に裏切られた奴、盾にされた奴、囮に使われた奴、生贄にされた奴、そんな絶望の淵に立たされて生を諦めた人間をここのボスが拾い、育て、戦える戦闘員にまで仕立て上げた。
『10番街かぁ~ あそこはオークのババアがおるからなぁ』
「側近の、黒いオークもおるしな」
「ジェネラル崩れとは言え、あの黒いオークはかなり強いからなぁ」
「厄災2日目に、マグナさんとラグレアと一緒に10番街を責めた時、あのオーククイーンとジェネラル崩れのダークオークに3人でも手古摺ったからなぁ…」
『今なら黒オークはいけるかもな』
「あのまま大して成長してなかったらって前提やけどなw」
体色が薄紫色をしているラグレアと呼ばれるジャイアントゴブリンは、海ゴブリン(マレゴブリン)と言われる種族だ。海辺や河川域に生息し、唯一水中戦闘が出来るゴブリンである。
普通の緑っぽい体色の奴は、森林ゴブリン(ノルゴブリン)と言われて、森林や草原を生活基盤にしている種族だ。
他にも、茶色い体色の岩窟ゴブリン(イディゴブリン)と言う種族も居る。
ここ、神戸の厄災以降は、緑のノルゴブリンと海岸線に沸いている紫のマレゴブリンしか見ない。
『しかし、一番隊と隊長のクロコが居なくなったのは痛いな~』
「まぁ強いと言っても、あの部隊は少数部隊で脳筋ばかりやからなw」
「まぁリザナイもガビナイも実際戦ったら、うちらの部隊の方が強いしな」
「1番隊はクロコのパワーバトルに憧れた奴ばかりでしたしね」
現在は3番隊の隊長を務めるまでに強くなった人種の男が口を挟んだ。
『そういや、北の5番街に碧髪のネームドがおったよなぁ』
「一度戦闘ニナッタガ、カナリヤル奴ヤッタゾ」
『誰かあいつを勧誘してきてくれんか?w』
「あいつは鬼分けの進化をしたらしいな」
『鬼分けだとっ?ほんまかっ?!!!』
赤いゴブリンのマグナが身を乗り出して話に聞き入った。
「あぁそれも龍鬼らしいぞ」
『ん~進化と言うより、もうゴブリンですら無いしw』
「龍鬼化って事は、ロードに進化した俺よりも強いかもな~」
『んっ?おまえの方が強いだろうに』
「それは正直な話わからんな、自分の強さには自負があるが」
『もっと自分に自信を持てよw』
「3次進化でロードになったんだから、次の進化でキングは確約だろ」
ゴブリンの進化はレベルアップによるレベル依存の枝を作る。
レベル8で1次進化、16で2次進化、32で3次進化をする。
そして最終進化がレベル64である。
通常、ロードになるのには4次進化が最低限必要になるが、極まれに3次進化でロードになるジャイアント系譜のゴブリンが居るらしく、それは4次進化でゴブリンキングになる特別な個体だと言う事だ。
また、ゴブリンは通常進化とは別に"鬼分け"と言われる特殊進化をする事が有る。
キャリヤは鬼分けの中の龍鬼だったが、他にも闘鬼や髪鬼、戦鬼、魔鬼、等の鬼族に変化し、見た目は人化率75%で、人に近しい存在となり、もちろん能力は元種よりもかなり高い。
鬼分けの進化をしたゴブリンは特別な場合を除いてもう進化はしないが、成長率もステータス上昇率もどの種族よりも高い。
ただ、"覚醒"しその後にもう一度"超覚醒"を迎えた場合に、究極の鬼族、天月鬼や魎皇鬼、剡帝鬼、靁帝鬼、偑皇鬼、中には天上鬼や真祖吸血鬼となる個体も存在する。
また、ゴブリン種の中で特別な存在のレッドキャップも、覚醒でレッドゴブリンに確定変異し、超覚醒を迎えられた場合はこれも究極の鬼族、万物の頂点天月鬼と双肩を為す赫皇鬼もしくは赭覚鬼、赭統鬼、赭覇鬼となる。
とは言え、天月鬼も赫皇鬼も伝説上の生き物である。その存在自体架空の物かも知れない。古の文献にその活躍譚が仰々しく書かれているだけだ。
『妹たちを呼び戻そうかなぁ~』
マグナは厄災で転移した時、同時に召喚された3姉妹の長女である。
次女のサラサは厄災初日に早々と海を渡り、人の多い中央区の方に行ってしまった。
末妹のハノアは、マグナと大喧嘩して六アイから出て行ったままだ。
『とは言え、連絡の取り様が無いしなぁ』
『一族の気感知でサラサが覚醒したのはわかってるんだけどな』
「とにかく戦力補強、と言うなら、ウエスト地域のボアオークに声をかけようか?」
『ん?ボアオーク?なんで?』
「オークは繁殖用にボアオークのメスを攫うんです」
「だから扇動したら10番街にかちこむんじゃないかと思うんよ」
『そっかーあいつらは天敵同士なんだな?』
「天敵と言うか、オークはメスを強奪するだけだし、ボアはそれを阻止したいだけやねんな」
「元々ボアオークは温和な種族だけど、戦闘力が低い訳じゃないから」
「自分たちの防衛の為なら全力で戦う事は良く知られている事だし」
『お~い、隠密度の高い奴を連れて来てくれ』
ボスであるマグナは、部屋の外で待機しているコボルト軍団に呼びかけた。
「ボス、オ呼ビデショウカ」
『あぁ少し頼みがあるんだが』
マグナは隠密特化の7番隊隊長の黒豹人に、ボアオークの動向を探るのと交渉する事を命じた。
そして、交渉に関しては話術に長けた人狐を連れて行くように指示をされた。
指名されたのは5番隊隊長の大耳狐のネームドだった。
ここでは、隊長クラス、副隊長クラスくらいなら人語を理解し話せる者ばかりだ。
それは、早い段階から人間と共に、人間やオークと戦ってきたからだろう。
黒豹人と大耳狐人は数人の部下を連れてウエストエリアへと出かけて行った。
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