125 / 154
第四章 天使と悪魔
悪魔の眷属 秘書のお仕事
しおりを挟む
『おいっなんか嬉しそうな顔だな?』
横を歩く美凪の嬉しそうな顔を見てトオルが聞いてみた。
「いえっちょっと勘違いで、キングは私の事を嫌っておられるのかと思ってたので」
『んっ?俺がなんでお前を嫌うんだ?嫌いなら殺してるだろ、あの男みたいに』
「そ、そうですよね、良く考えれば・・・」
『おまえはちょっと思い込みが激しい所があるのかもな』
『でもそれは、これから俺の秘書として行動するんだから、改善しとけよ』
「は、はいっ申し訳ありません」
小学校の1階の給食室に着くと、そこを管理しているトオルの小学校の同級生に逢った。
『おうっキョメ、こっちにまた1人増えたらしいな?』
「うん、3-1に入室したらしいよ~」
『3-1と言えば元音楽室で、おかしな連中を放り込んでるところじゃないんか?』
「うんw新しい子も何かわからんけど、おかしい子やで」
「それよりも、そちらの女性の方はどちらさんかなぁ?」
トオルの横に佇まう、長身で顔が良く、バランスのとれたスタイルの女性が気になるようだ。
『あぁ紹介しとくよ、この子は俺の専属の秘書の"青空美凪"と言う者だ、今日から中学側の新生事務所の新しい一員になったんや』
「トオル君がやってる業務の事務所?」
『そそ、これから楽になると良いけどなw』
「まぁ今までが一人で任されッきりやったから一人二人でも増えたら楽にはなるやろw」
『あぁやっぱり自分の時間は欲しいしな』
「まぁあんたは昔っから自分の事は後回しにする癖あるからなぁw」
『嫌な癖やな(笑)』
「ト、トオルさん、どういった御関係のお方でしょうか?」
『あぁごめんよ、小中と一緒だった幼馴染みたいな奴だよ、名は・・・』
『忘れた(笑)』
「ひっど~いw」
『たしか?、キョメっだから、興止波子だったようなw』
「良し、正解じゃw」
トオルと仲の良いその女性を羨ましく見つめる美凪の目に、軽い殺意が垣間見える。
だが、先ほどトオルに言われた「秘書としての考え方」に変えていかないと駄目だと思い直す。
(感情だけで行動してはいけない・・・)
そんな美凪の心情を知ってか知らずか、トオルは幼馴染とそのまま別れて3階まで階段を昇る。
『美凪、これから入る部屋はおかしな連中を集めてる所だから、おまえは切れるなよw』
「おかしいって言うのは頭がですか?」
『頭もなんもかもおかしい連中だ(笑)』
『ある意味勇者なのかも知れないけどなw』
部屋に入ると、そこではトランプでなにやら大博打大会が催されていた。
端っこの方では麻雀パイを混ぜるガラガラと言う音が何卓かから響いてくる。
『おーい、今日新しく入った女性って誰かな?』
チラッとこちらを見たが、ほとんどの奴が知らぬ顔をする。
美凪がトオルの顔を覗くが、トオルは首を横に振るだけだった。
(こんな奴ら、生かしておく必要があるのだろうか?)
『返事がないなら、そいつだけ食事の配給は無いよぉ~』
「ちょっと待っといてな」
麻雀卓の一つにその女は居た。
「ほいほい、うちが新人やで」
トオルは名前と年齢を聞いたが、多分全部嘘だろう。
それでも一応登録だけはしとかないと配給を配れない。
『その名前は今後ここでのあなたの固有名詞になりますので、忘れないようにね』
「はははっ」
トオルはそう言い放って部屋を出た。
(この女・・・)
『今日入ったばかりなのに、ずっと前から居た様な溶け込み方やなw』
「キング、何故あんな連中を囲ってるんですか?」
『まぁそのうち使い道があるかも知れないからなw』
本当にそのうちレベルでも付けてレベリングにでも使うつもりのトオルだった。
『それじゃーウエストに出かけるか』
いつもなら中学と4番街の間の道、6番街の前を通って西に抜けていくのだが、今日は小学校から南の道、すなわち9番街、8番街、7番街の前を通り西に抜けていく通りを行く事にした。
小学校の校門を飛び越えると、そこは9番街と8番街の間くらいになる。
9番街は静かだが、8番街は戦闘の声がする。
「キング、誰かが戦ってるようですが?」
『ここの住人さんだろうね』
「手伝いますか?」
『様子を見てからかな、まぁこんな近くの場所で獲物は狩れないからなぁ』
「獲物?魔物じゃなくてですか?」
『獲物w』
8番街の1階を覗くと、そこでは知らない数人がゴブリン狩りをしていた。
『お~い君らはどこのクランかファミリーなんだい?』
「はいっ?そこの中学校の3階のファミリーやけど?」
攻撃の手を止めて麗菜がトオルの問いに答える。
『3階?戸弩力の所の新人かい?』
「あぁはいはいっ戸弩力さんは仲間やで」
『戸弩力の仲間?そんな話は聞いていないが?』
だが良く見ると、今朝見た加奈子の眷属と同じような威風堂々とした赤い大きなオオカミが居た。
トオルと目が合うと少し会釈したように見えた。
『あぁもしかして加奈子の仲間か?』
「あ、加奈子さんをご存じやねんね」
「うちら加奈子さんの眷属やで~」
『そっか~ で?その加奈子はどこに?』
「ちょっと野暮用で中学に帰ってるよ」
「トオルさん、こちらの方々は?」
『あぁ藤浜んとこのファミリーの客人?かな』
『ま~怪我せんように気を付けて頑張ってな』
「あ~ありがとね~」
「キング、あのような暴虐のふるまいをお許しになっても良いのですか?」
『美凪は本当に気が短いなぁw』
「いえ、うちのメンバーなら誰が聞いても殺りたい気持ちになると思います!」
『俺の姉の眷属だよ、ちょっと調子にのってる感じはするが、まぁ気にするほどちゃうわ』
「お、お姉さまですか。それはすみませんでした・・・」
『いやいや、前にも言ったがもう家族の縁は切ってるから問題ないよ』
『でも美凪はもう少し気を長く持てよ(笑)』
「すみません・・・」
8番街を後にして、隣の7番街に差し掛かると凄い気配が漂っている。
「キング、これは・・・」
『あぁかなり強い連中が居るな、殺って行くか?』
「時間がよろしいのなら」
まだ時間は12時50分を少し回った所だ。
『まぁ今日は下見みたいなもんだから、道草食うのは全然問題ないぞ』
トオルと美凪は7番街の方に行こうとしたら後ろから大声を掛けられた。
「あんたら~そこはレベル高い魔物がおるから行かん方がえぇで~」
『あ~ありがとな』
トオルはそう言いながら軽く手を振って7番街の中へと入って行った。
7番街は東に口が開いたコの字の様に戸数のあるマンションが8棟ほど並んでいる。
「麗菜さん、あの人ら7番街に行っちゃいましたよ?」
「一応警告はしたからな、後は本人の責任や」
麗菜たちはまだ8番街を狩りつくして無いが、加奈子に言われたので中学校に戻って行った。
『ほぉ~初めて見る奴らばかりやな』
「そうですね、コボルトにリザードマンにクロコダイルウォーリア?」
『リザードナイトってのも強そうだぞ、いけるか?』
「アームド!」
美凪の前に4つの魔法陣が縦に並んだ。
それを美凪が通り抜けると全身アーマーに包まれた。
「ドゥンケル!」
深紅の大剣が美凪の右手に現れる。
『俺も変身装備あったらなぁw』
「キングはどの様なのが好みですかー」
『まぁ俺に道化や巫女はあわんやろw』
『やっぱりおまえの全身鎧でアンドロイドみたいな化粧っ気のないのがえぇかな』
「お、お揃いは良いかもですね」
『ほら、来たぞ』
素早さの高いリザードナイトに、足の速いコボルトが数体突っ込んできた。
美凪は怯まずそのまま集団に突っ込んでいった。
『おぉおぉ無茶しよるなぁw』
トオルは笑いながら、魔通鞄から刃渡り50㎝ほどの剣鉈を取り出す。
鉈と言っても、知らない人が見たら重そうな剣にしか見えないだろう。
『それじゃ~俺もいきますか』
トオルは剣鉈を右手に持ち、走ってくるリザードナイトに向かい身構える。
横を歩く美凪の嬉しそうな顔を見てトオルが聞いてみた。
「いえっちょっと勘違いで、キングは私の事を嫌っておられるのかと思ってたので」
『んっ?俺がなんでお前を嫌うんだ?嫌いなら殺してるだろ、あの男みたいに』
「そ、そうですよね、良く考えれば・・・」
『おまえはちょっと思い込みが激しい所があるのかもな』
『でもそれは、これから俺の秘書として行動するんだから、改善しとけよ』
「は、はいっ申し訳ありません」
小学校の1階の給食室に着くと、そこを管理しているトオルの小学校の同級生に逢った。
『おうっキョメ、こっちにまた1人増えたらしいな?』
「うん、3-1に入室したらしいよ~」
『3-1と言えば元音楽室で、おかしな連中を放り込んでるところじゃないんか?』
「うんw新しい子も何かわからんけど、おかしい子やで」
「それよりも、そちらの女性の方はどちらさんかなぁ?」
トオルの横に佇まう、長身で顔が良く、バランスのとれたスタイルの女性が気になるようだ。
『あぁ紹介しとくよ、この子は俺の専属の秘書の"青空美凪"と言う者だ、今日から中学側の新生事務所の新しい一員になったんや』
「トオル君がやってる業務の事務所?」
『そそ、これから楽になると良いけどなw』
「まぁ今までが一人で任されッきりやったから一人二人でも増えたら楽にはなるやろw」
『あぁやっぱり自分の時間は欲しいしな』
「まぁあんたは昔っから自分の事は後回しにする癖あるからなぁw」
『嫌な癖やな(笑)』
「ト、トオルさん、どういった御関係のお方でしょうか?」
『あぁごめんよ、小中と一緒だった幼馴染みたいな奴だよ、名は・・・』
『忘れた(笑)』
「ひっど~いw」
『たしか?、キョメっだから、興止波子だったようなw』
「良し、正解じゃw」
トオルと仲の良いその女性を羨ましく見つめる美凪の目に、軽い殺意が垣間見える。
だが、先ほどトオルに言われた「秘書としての考え方」に変えていかないと駄目だと思い直す。
(感情だけで行動してはいけない・・・)
そんな美凪の心情を知ってか知らずか、トオルは幼馴染とそのまま別れて3階まで階段を昇る。
『美凪、これから入る部屋はおかしな連中を集めてる所だから、おまえは切れるなよw』
「おかしいって言うのは頭がですか?」
『頭もなんもかもおかしい連中だ(笑)』
『ある意味勇者なのかも知れないけどなw』
部屋に入ると、そこではトランプでなにやら大博打大会が催されていた。
端っこの方では麻雀パイを混ぜるガラガラと言う音が何卓かから響いてくる。
『おーい、今日新しく入った女性って誰かな?』
チラッとこちらを見たが、ほとんどの奴が知らぬ顔をする。
美凪がトオルの顔を覗くが、トオルは首を横に振るだけだった。
(こんな奴ら、生かしておく必要があるのだろうか?)
『返事がないなら、そいつだけ食事の配給は無いよぉ~』
「ちょっと待っといてな」
麻雀卓の一つにその女は居た。
「ほいほい、うちが新人やで」
トオルは名前と年齢を聞いたが、多分全部嘘だろう。
それでも一応登録だけはしとかないと配給を配れない。
『その名前は今後ここでのあなたの固有名詞になりますので、忘れないようにね』
「はははっ」
トオルはそう言い放って部屋を出た。
(この女・・・)
『今日入ったばかりなのに、ずっと前から居た様な溶け込み方やなw』
「キング、何故あんな連中を囲ってるんですか?」
『まぁそのうち使い道があるかも知れないからなw』
本当にそのうちレベルでも付けてレベリングにでも使うつもりのトオルだった。
『それじゃーウエストに出かけるか』
いつもなら中学と4番街の間の道、6番街の前を通って西に抜けていくのだが、今日は小学校から南の道、すなわち9番街、8番街、7番街の前を通り西に抜けていく通りを行く事にした。
小学校の校門を飛び越えると、そこは9番街と8番街の間くらいになる。
9番街は静かだが、8番街は戦闘の声がする。
「キング、誰かが戦ってるようですが?」
『ここの住人さんだろうね』
「手伝いますか?」
『様子を見てからかな、まぁこんな近くの場所で獲物は狩れないからなぁ』
「獲物?魔物じゃなくてですか?」
『獲物w』
8番街の1階を覗くと、そこでは知らない数人がゴブリン狩りをしていた。
『お~い君らはどこのクランかファミリーなんだい?』
「はいっ?そこの中学校の3階のファミリーやけど?」
攻撃の手を止めて麗菜がトオルの問いに答える。
『3階?戸弩力の所の新人かい?』
「あぁはいはいっ戸弩力さんは仲間やで」
『戸弩力の仲間?そんな話は聞いていないが?』
だが良く見ると、今朝見た加奈子の眷属と同じような威風堂々とした赤い大きなオオカミが居た。
トオルと目が合うと少し会釈したように見えた。
『あぁもしかして加奈子の仲間か?』
「あ、加奈子さんをご存じやねんね」
「うちら加奈子さんの眷属やで~」
『そっか~ で?その加奈子はどこに?』
「ちょっと野暮用で中学に帰ってるよ」
「トオルさん、こちらの方々は?」
『あぁ藤浜んとこのファミリーの客人?かな』
『ま~怪我せんように気を付けて頑張ってな』
「あ~ありがとね~」
「キング、あのような暴虐のふるまいをお許しになっても良いのですか?」
『美凪は本当に気が短いなぁw』
「いえ、うちのメンバーなら誰が聞いても殺りたい気持ちになると思います!」
『俺の姉の眷属だよ、ちょっと調子にのってる感じはするが、まぁ気にするほどちゃうわ』
「お、お姉さまですか。それはすみませんでした・・・」
『いやいや、前にも言ったがもう家族の縁は切ってるから問題ないよ』
『でも美凪はもう少し気を長く持てよ(笑)』
「すみません・・・」
8番街を後にして、隣の7番街に差し掛かると凄い気配が漂っている。
「キング、これは・・・」
『あぁかなり強い連中が居るな、殺って行くか?』
「時間がよろしいのなら」
まだ時間は12時50分を少し回った所だ。
『まぁ今日は下見みたいなもんだから、道草食うのは全然問題ないぞ』
トオルと美凪は7番街の方に行こうとしたら後ろから大声を掛けられた。
「あんたら~そこはレベル高い魔物がおるから行かん方がえぇで~」
『あ~ありがとな』
トオルはそう言いながら軽く手を振って7番街の中へと入って行った。
7番街は東に口が開いたコの字の様に戸数のあるマンションが8棟ほど並んでいる。
「麗菜さん、あの人ら7番街に行っちゃいましたよ?」
「一応警告はしたからな、後は本人の責任や」
麗菜たちはまだ8番街を狩りつくして無いが、加奈子に言われたので中学校に戻って行った。
『ほぉ~初めて見る奴らばかりやな』
「そうですね、コボルトにリザードマンにクロコダイルウォーリア?」
『リザードナイトってのも強そうだぞ、いけるか?』
「アームド!」
美凪の前に4つの魔法陣が縦に並んだ。
それを美凪が通り抜けると全身アーマーに包まれた。
「ドゥンケル!」
深紅の大剣が美凪の右手に現れる。
『俺も変身装備あったらなぁw』
「キングはどの様なのが好みですかー」
『まぁ俺に道化や巫女はあわんやろw』
『やっぱりおまえの全身鎧でアンドロイドみたいな化粧っ気のないのがえぇかな』
「お、お揃いは良いかもですね」
『ほら、来たぞ』
素早さの高いリザードナイトに、足の速いコボルトが数体突っ込んできた。
美凪は怯まずそのまま集団に突っ込んでいった。
『おぉおぉ無茶しよるなぁw』
トオルは笑いながら、魔通鞄から刃渡り50㎝ほどの剣鉈を取り出す。
鉈と言っても、知らない人が見たら重そうな剣にしか見えないだろう。
『それじゃ~俺もいきますか』
トオルは剣鉈を右手に持ち、走ってくるリザードナイトに向かい身構える。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる