122 / 154
第四章 天使と悪魔
悪魔の軍団ー猿の佐助
しおりを挟む
「キング、35階に怪我して戦線離脱しているエイプが1体隠れてるのを見つけたんですが」
『殺って来る?』
「いえ、自分の眷属にしようかと思っています」
リーは眷属契約のスキルを覚えた時から考えていた事がある。
キングからは、これから裏の仕事は全部リーに任せると言って貰っている。
その為の眷属はすばしっこい奴、もしくはすばしっこい魔物が必要であった。
その条件にエアエイプはしっくりとくる。
『あぁ隠密行動するのに猿は使えるかもな』
「五十惟が治癒系の巫女術を覚えた様なので、それで治して貰うつもりです」
『ほぉ~ 治癒魔法は必要だなーと思ってたところだから、丁度良かったな』
『五十惟、よく頑張ったな』
そう言いながらトオルに頭を撫でてもらうと、五十惟の心に高揚感が溢れ出す。
それを見ていた青空美凪の心に、またちょっと焦りの色が見え隠れする。
(私もキングのお役に立ちたい…)
リーは五十惟と共に、隠れているエアエイプを捕まえて皆の前に連れて来る。
キギャーウギャーキキー
恐怖で顔が引きつり暴れるエイプの額を手で掴み、リーは契約の文言を唱える。
汝
我が眷属となりてその身を捧げ
我が命令に従順に従い
我が身に危険を寄せ付けず
我が生き様をその眼で見守り
我が身が亡びる今際の時まで
未来永劫共に生きると
誓いを立てよ!
「コヴェナント!」
エイプが淡い光に包まれてリーの眷属になる。
「五十惟、治癒を頼む」
「了解! 黔気っ!」
黒い光に包まれてエイプの怪我が瞬時に治って行く。
『ほぉ~治癒だから光系の魔法かと思ったが、黒巫女の術式なんだな』
「良く分からないんですが、皆のお役に立てる事が嬉しいです」
リーはエイプに名前を付ける。
「レイン・リーの名に措いて命ずる、汝の名は"佐助!"」
一瞬、身体が淡く光ったように見えた。
「おまえはこれから私の右腕として頑張ってもらうよ」
「主君よ、宜しく頼む」
「えぇぇぇぇ~~?しゃべるんかぃ!」
「んっ?」
「色々とスキルや耐性も有るようで有能な奴だな」
佐助(3)
Lv11
種族 【エアエイプ】 選択
職業 【--】 選択
恩恵 【成長率上昇】
状態 【眷属化-レイン・リー】
基本能力一覧
GMR/MSU+
HP 1326/1140(+186)
MP 769/583(+186)
STR 218/165(+53)
DEF 296/243(+53)
AGI 588/396<+139>(+53)
DEX 235/152<+30>(+53)
INT 180/127(+53)
SP/259
基本技能一覧
言語理解 言語操作
駿動 機敏 跳躍
風魔法-[微風]
耐性一覧
風圧耐性 衝撃耐性
1469/1228
「佐助のスキルの微風は範囲治癒魔法ですね」
『ほぉ~佐助は役に立つな~』
「ウッキ~」
「あはははは」
喋る猿にその場の話は盛り上がったが、ここで歓談して居る訳にはいかない。
「・・・」
『それじゃ~次はウエストに散策にでも行こうか』
「向こうにもタワーマンションが何塔かあるし、狩場探しには良いですね」
『猿が居ないならタワーマンションはちょっとしんどいかな~、どう思う?』
「まぁワンフロアーの敵の数が知れてますからね」
『一応様子見には入るけどな』
そんな話をしながらトオルはふと思いつく。
『ん~その前に今後の事を少し話しておこうか』
一同は最上階の1室に入り込み、冷蔵庫から温くなった飲み物を探し出してきて座る。
『まずは藤浜、おまえは戸弩力の所に戻って奴らの情報を拾ってきて欲しい』
「はいっスパイって事で良いですね?」
『一応俺の姉には表面的で良いから謝罪して信用を勝ち取って欲しい』
「わかりました、自分の眷属はどうしましょうか?」
『大海は事務仕事が出来るか?』
「いえ、仕事をしてたのがもう25年も前なので・・・」
『それじゃ、事務員は避難所から探すとして、藤浜と一緒に戸弩力組に常駐してもらおう』
「は、はいっご主人様といっしょなのが嬉しいです」
『おいおい、間違っても人が居る前でご主人様だのなんだの言うなよ』
『特に俺に対しては気を付けろ、いいな』
「今から俺の事は武人と呼ぶように、キングの事は普段はトオルさんな」
「はいっ武人さん、ト、トオルさん」
『藤浜は大海との関係をどう設定するか考えとけよ』
『五十惟はそうだな~ 俺の部屋でクランの管理を手伝って欲しい』
「はいっ でも管理とは?」
『今、俺がやってるクランの食料の管理、人員の管理など他にも色々と事務的な事だな』
『新しく避難民が増えたらそれも把握しないと食料の配布があるからな』
「わ、私に出来るでしょうか・・・」
『まぁお前とは一緒に仕事をした仲だからな、その力量は分かってるつもりだ』
「そ、その節はご迷惑をお掛けしました・・・」
『それがあったから今があるんだからもういいよw』
「あ、ありがとうございます~」
『今後、俺は別行動する事が多くなるだろうから、クランの運営を任せるよ』
「・・・」
『さて、リーにはあまり表に出ずに裏で色々とやってもらう事が多くなるだろう』
「はい、その辺は得意分野ですのでお任せあれ」
『佐助もこれから使える眷属になっていってくれな』
「はい、大君主様、主君と共に歩む決意をここに表します」
『あぁおまえは事務所のマスコットって設定でいこうか』
『あまり人前では喋らない方が良いかな?』
「ウッキー」
「あははははは」
『一応、なんか服でも着せておかないと、魔物と間違われても面倒だなw』
(こんなに本気で笑ったのはいつ以来だろう…)
「・・・」
『五十惟はこれから一旦帰ったら、中学校と小学校を回ってくれないか?そこで必要な人材を見つけて眷属にして欲しい。藤浜と大海もそれを手伝ってくれ』
「はいっ」
『まぁそんなとこかな、昼の時間にはまだ早いが一旦中学に戻ろうか』
『4人の配給の手続きもしないとあかんし、藤浜にはすぐにミッションに入ってもらうぞ』
「お任せ下さい」
「・・・」
(私は… 騙し方が酷かったから根に持たれてらっしゃるのだろうか…)
トオルは吹き抜けから屋上に飛び上がり、その後を美凪が尽いて行く。
佐助はまだ浮遊系のスキルが無いのでリーの肩に乗って上って行く。
残りの3人も雑談をしながら浮遊系のスキルを使い尽いて行く。
「あっキング、あれって宝箱じゃないでしょうか?」
美凪が指さす方向には、茶色い木目にオレンジの金具で強化された宝箱がちょこんと置いてある。
『ほぉ~宝箱って、本当にゲームだなw』
トオルは鑑定の上位スキルである解読で宝箱を見る。
「初めて見ましたー やっぱりあるんですね」
「何が入ってるのか楽しみです~」
(褒めて欲しかったなぁ…)
『んじゃー開けるよ、"オープン"』
宝箱はカチャッと言う音がして解錠出来て蓋が開く。
みんなが覗き込むが、中には宝珠が2個と大きめのバンダナが入っていた。
『これは?疾走のバンダナ、素早さ+10%やって、佐助行きかな?ほれっ』
佐助はトオルが差し出すのを受け取って、バンダナをスカーフの様に首に巻いた。
『まぁどこに付けても装備しとけば効果はあるみたいやな』
宝珠のうち1個は忍術⁴、もう一つは異空迷宮。
『忍術はリーだな、ほい取り込め』
「あ、ありがとうございます、治癒魔法か忍術²かどちらにしようか迷ってたとこです」
「我が意に沿い我が力と成れ!」
宝珠は淡く消えてリーの身体に溶け込んだ。
レイン・リー(38)
Lv29
種族 【新人類】 選択
職業 【暗殺者】 選択
恩恵 【技能取得】
称号 【同族殺し】【元工作員】【殺人鬼】【虐殺者】
状態 【眷属化-櫻庭通】
基本能力一覧
GMR/UHG
HP 8916/5423<+1898>(+1595)
MP 4307/2712(+1595)
STR 1538/1095(+443)
DEF 1628/1185(+443)
AGI 2981/2179<+359>(+443)
DEX 3043/2270<+330>(+443)
INT 995/552(+443)
SP/412
sp/30
基本技能一覧
技能店舗⒮ 眷属契約▼ 闇装束
身体強化¹ 気配探知 懐柔 話術 隠密 隠蔽
忍術¹-[短剣術]-[忍体術]-[回避術]-[速動]-[鑑定]-[風身術]
²┗[魔手裏剣]-[疾駆]-[遁術]-[必中]-[陽炎]-[透視]
³┗[縮地]-[超速]-[分身]-[金縛り]-[飛燕]-[影纏]
⁴┗[急所斬]-[神速]-[魔封じ]-[忍結界]-[無幻]-[鏡花水月]
耐性一覧
精神支配耐性
22950/20983
「あ、治癒魔法を取らなくて良くなりました、忍術²の陽炎は治癒系です」
「自分の周り2mくらいに陽炎を漂わせる継続範囲治癒効果スキルです」
『ほぉ~初めて聞くスキルだけど、継続って事は永続なんかな?」
「継続時間は数秒あるようですが、熟練度が上がれば時間も伸びそうです」
「佐助と二人で掛け合えばかなり楽に戦えるでしょうね」
「あ、観察が鑑定になってます」
『あぁ熟練度で思い出したが、おまえらの隠蔽ももう熟練度が上がったはずだ』
『俺が頻繁に鑑定で見てるからだろうが、その鑑定も熟練度が上がって解読になったわ』
『今のうちにステータス画面を隠蔽してしまっておけな』
「ヒロミが隠蔽を持ってないんですが」
『大海は殺人称号持ってないしレベルも低いから、今は気にしなくていいぞ』
『一応レベルは大海に合わせておこうか、レベル20~22前後だな』
もう一つの宝珠は異空間迷宮。
『これは俺が取り込んでもいいかな?』
「御心のままに」
『あんなぁw』
『レベル帯のあるダンジョンが生成されるみたいだな』
「インスタンスダンジョンみたいなもんですかな?」
「インスタン ト ダンジョン?」
「インスタン ス 、固有迷宮の事だよ」
「わかりやすく言えば、グループやパーティー単位のダンジョン、他のグループやパーティーはそこには入れないから、貸し切りのダンジョンって理解で良いよ」
『まぁ一回入ってみようか?』
トオルは宝珠を取り込んで迷宮を開く。
黒と紫と赤が蠢く少し気味の悪い色のゲートが現れた。
トオルは気にせずに入って行く。
それを見て、眷属達も続いてゲートに入って行った。
ゲートをくぐると、10mx10mx10mほどの天井の高い真四角で100㎡くらいの大理石調の広間と、その奥に豪奢で黒く大きい扉が鎮座している。
『ここって、扉の向こうに行かなけりゃ倉庫になるなw』
「毎回同じ部屋に出るのなら出来そうですねw」
「他の、同じスキル持ちの人が居たらここに出るのかな?」
「こんなスキルを持ってる人なんてまず居ないだろうし、インスタンスダンジョンなら固有生成だから同じ場所にはならないと思うよ」
『まぁ時間がある時にでも探索するか』
「それでは何かこの部屋に置いていきましょうか」
青空美凪はポケットの中のケント1ロングのタバコと100円ライターを床に置いた。
一行はそのままゲートをくぐると同じ場所の外に出た。
『面白そうな物を拾ったなw』
そしてトオル達一行はタワーマンションを後にした。
『殺って来る?』
「いえ、自分の眷属にしようかと思っています」
リーは眷属契約のスキルを覚えた時から考えていた事がある。
キングからは、これから裏の仕事は全部リーに任せると言って貰っている。
その為の眷属はすばしっこい奴、もしくはすばしっこい魔物が必要であった。
その条件にエアエイプはしっくりとくる。
『あぁ隠密行動するのに猿は使えるかもな』
「五十惟が治癒系の巫女術を覚えた様なので、それで治して貰うつもりです」
『ほぉ~ 治癒魔法は必要だなーと思ってたところだから、丁度良かったな』
『五十惟、よく頑張ったな』
そう言いながらトオルに頭を撫でてもらうと、五十惟の心に高揚感が溢れ出す。
それを見ていた青空美凪の心に、またちょっと焦りの色が見え隠れする。
(私もキングのお役に立ちたい…)
リーは五十惟と共に、隠れているエアエイプを捕まえて皆の前に連れて来る。
キギャーウギャーキキー
恐怖で顔が引きつり暴れるエイプの額を手で掴み、リーは契約の文言を唱える。
汝
我が眷属となりてその身を捧げ
我が命令に従順に従い
我が身に危険を寄せ付けず
我が生き様をその眼で見守り
我が身が亡びる今際の時まで
未来永劫共に生きると
誓いを立てよ!
「コヴェナント!」
エイプが淡い光に包まれてリーの眷属になる。
「五十惟、治癒を頼む」
「了解! 黔気っ!」
黒い光に包まれてエイプの怪我が瞬時に治って行く。
『ほぉ~治癒だから光系の魔法かと思ったが、黒巫女の術式なんだな』
「良く分からないんですが、皆のお役に立てる事が嬉しいです」
リーはエイプに名前を付ける。
「レイン・リーの名に措いて命ずる、汝の名は"佐助!"」
一瞬、身体が淡く光ったように見えた。
「おまえはこれから私の右腕として頑張ってもらうよ」
「主君よ、宜しく頼む」
「えぇぇぇぇ~~?しゃべるんかぃ!」
「んっ?」
「色々とスキルや耐性も有るようで有能な奴だな」
佐助(3)
Lv11
種族 【エアエイプ】 選択
職業 【--】 選択
恩恵 【成長率上昇】
状態 【眷属化-レイン・リー】
基本能力一覧
GMR/MSU+
HP 1326/1140(+186)
MP 769/583(+186)
STR 218/165(+53)
DEF 296/243(+53)
AGI 588/396<+139>(+53)
DEX 235/152<+30>(+53)
INT 180/127(+53)
SP/259
基本技能一覧
言語理解 言語操作
駿動 機敏 跳躍
風魔法-[微風]
耐性一覧
風圧耐性 衝撃耐性
1469/1228
「佐助のスキルの微風は範囲治癒魔法ですね」
『ほぉ~佐助は役に立つな~』
「ウッキ~」
「あはははは」
喋る猿にその場の話は盛り上がったが、ここで歓談して居る訳にはいかない。
「・・・」
『それじゃ~次はウエストに散策にでも行こうか』
「向こうにもタワーマンションが何塔かあるし、狩場探しには良いですね」
『猿が居ないならタワーマンションはちょっとしんどいかな~、どう思う?』
「まぁワンフロアーの敵の数が知れてますからね」
『一応様子見には入るけどな』
そんな話をしながらトオルはふと思いつく。
『ん~その前に今後の事を少し話しておこうか』
一同は最上階の1室に入り込み、冷蔵庫から温くなった飲み物を探し出してきて座る。
『まずは藤浜、おまえは戸弩力の所に戻って奴らの情報を拾ってきて欲しい』
「はいっスパイって事で良いですね?」
『一応俺の姉には表面的で良いから謝罪して信用を勝ち取って欲しい』
「わかりました、自分の眷属はどうしましょうか?」
『大海は事務仕事が出来るか?』
「いえ、仕事をしてたのがもう25年も前なので・・・」
『それじゃ、事務員は避難所から探すとして、藤浜と一緒に戸弩力組に常駐してもらおう』
「は、はいっご主人様といっしょなのが嬉しいです」
『おいおい、間違っても人が居る前でご主人様だのなんだの言うなよ』
『特に俺に対しては気を付けろ、いいな』
「今から俺の事は武人と呼ぶように、キングの事は普段はトオルさんな」
「はいっ武人さん、ト、トオルさん」
『藤浜は大海との関係をどう設定するか考えとけよ』
『五十惟はそうだな~ 俺の部屋でクランの管理を手伝って欲しい』
「はいっ でも管理とは?」
『今、俺がやってるクランの食料の管理、人員の管理など他にも色々と事務的な事だな』
『新しく避難民が増えたらそれも把握しないと食料の配布があるからな』
「わ、私に出来るでしょうか・・・」
『まぁお前とは一緒に仕事をした仲だからな、その力量は分かってるつもりだ』
「そ、その節はご迷惑をお掛けしました・・・」
『それがあったから今があるんだからもういいよw』
「あ、ありがとうございます~」
『今後、俺は別行動する事が多くなるだろうから、クランの運営を任せるよ』
「・・・」
『さて、リーにはあまり表に出ずに裏で色々とやってもらう事が多くなるだろう』
「はい、その辺は得意分野ですのでお任せあれ」
『佐助もこれから使える眷属になっていってくれな』
「はい、大君主様、主君と共に歩む決意をここに表します」
『あぁおまえは事務所のマスコットって設定でいこうか』
『あまり人前では喋らない方が良いかな?』
「ウッキー」
「あははははは」
『一応、なんか服でも着せておかないと、魔物と間違われても面倒だなw』
(こんなに本気で笑ったのはいつ以来だろう…)
「・・・」
『五十惟はこれから一旦帰ったら、中学校と小学校を回ってくれないか?そこで必要な人材を見つけて眷属にして欲しい。藤浜と大海もそれを手伝ってくれ』
「はいっ」
『まぁそんなとこかな、昼の時間にはまだ早いが一旦中学に戻ろうか』
『4人の配給の手続きもしないとあかんし、藤浜にはすぐにミッションに入ってもらうぞ』
「お任せ下さい」
「・・・」
(私は… 騙し方が酷かったから根に持たれてらっしゃるのだろうか…)
トオルは吹き抜けから屋上に飛び上がり、その後を美凪が尽いて行く。
佐助はまだ浮遊系のスキルが無いのでリーの肩に乗って上って行く。
残りの3人も雑談をしながら浮遊系のスキルを使い尽いて行く。
「あっキング、あれって宝箱じゃないでしょうか?」
美凪が指さす方向には、茶色い木目にオレンジの金具で強化された宝箱がちょこんと置いてある。
『ほぉ~宝箱って、本当にゲームだなw』
トオルは鑑定の上位スキルである解読で宝箱を見る。
「初めて見ましたー やっぱりあるんですね」
「何が入ってるのか楽しみです~」
(褒めて欲しかったなぁ…)
『んじゃー開けるよ、"オープン"』
宝箱はカチャッと言う音がして解錠出来て蓋が開く。
みんなが覗き込むが、中には宝珠が2個と大きめのバンダナが入っていた。
『これは?疾走のバンダナ、素早さ+10%やって、佐助行きかな?ほれっ』
佐助はトオルが差し出すのを受け取って、バンダナをスカーフの様に首に巻いた。
『まぁどこに付けても装備しとけば効果はあるみたいやな』
宝珠のうち1個は忍術⁴、もう一つは異空迷宮。
『忍術はリーだな、ほい取り込め』
「あ、ありがとうございます、治癒魔法か忍術²かどちらにしようか迷ってたとこです」
「我が意に沿い我が力と成れ!」
宝珠は淡く消えてリーの身体に溶け込んだ。
レイン・リー(38)
Lv29
種族 【新人類】 選択
職業 【暗殺者】 選択
恩恵 【技能取得】
称号 【同族殺し】【元工作員】【殺人鬼】【虐殺者】
状態 【眷属化-櫻庭通】
基本能力一覧
GMR/UHG
HP 8916/5423<+1898>(+1595)
MP 4307/2712(+1595)
STR 1538/1095(+443)
DEF 1628/1185(+443)
AGI 2981/2179<+359>(+443)
DEX 3043/2270<+330>(+443)
INT 995/552(+443)
SP/412
sp/30
基本技能一覧
技能店舗⒮ 眷属契約▼ 闇装束
身体強化¹ 気配探知 懐柔 話術 隠密 隠蔽
忍術¹-[短剣術]-[忍体術]-[回避術]-[速動]-[鑑定]-[風身術]
²┗[魔手裏剣]-[疾駆]-[遁術]-[必中]-[陽炎]-[透視]
³┗[縮地]-[超速]-[分身]-[金縛り]-[飛燕]-[影纏]
⁴┗[急所斬]-[神速]-[魔封じ]-[忍結界]-[無幻]-[鏡花水月]
耐性一覧
精神支配耐性
22950/20983
「あ、治癒魔法を取らなくて良くなりました、忍術²の陽炎は治癒系です」
「自分の周り2mくらいに陽炎を漂わせる継続範囲治癒効果スキルです」
『ほぉ~初めて聞くスキルだけど、継続って事は永続なんかな?」
「継続時間は数秒あるようですが、熟練度が上がれば時間も伸びそうです」
「佐助と二人で掛け合えばかなり楽に戦えるでしょうね」
「あ、観察が鑑定になってます」
『あぁ熟練度で思い出したが、おまえらの隠蔽ももう熟練度が上がったはずだ』
『俺が頻繁に鑑定で見てるからだろうが、その鑑定も熟練度が上がって解読になったわ』
『今のうちにステータス画面を隠蔽してしまっておけな』
「ヒロミが隠蔽を持ってないんですが」
『大海は殺人称号持ってないしレベルも低いから、今は気にしなくていいぞ』
『一応レベルは大海に合わせておこうか、レベル20~22前後だな』
もう一つの宝珠は異空間迷宮。
『これは俺が取り込んでもいいかな?』
「御心のままに」
『あんなぁw』
『レベル帯のあるダンジョンが生成されるみたいだな』
「インスタンスダンジョンみたいなもんですかな?」
「インスタン ト ダンジョン?」
「インスタン ス 、固有迷宮の事だよ」
「わかりやすく言えば、グループやパーティー単位のダンジョン、他のグループやパーティーはそこには入れないから、貸し切りのダンジョンって理解で良いよ」
『まぁ一回入ってみようか?』
トオルは宝珠を取り込んで迷宮を開く。
黒と紫と赤が蠢く少し気味の悪い色のゲートが現れた。
トオルは気にせずに入って行く。
それを見て、眷属達も続いてゲートに入って行った。
ゲートをくぐると、10mx10mx10mほどの天井の高い真四角で100㎡くらいの大理石調の広間と、その奥に豪奢で黒く大きい扉が鎮座している。
『ここって、扉の向こうに行かなけりゃ倉庫になるなw』
「毎回同じ部屋に出るのなら出来そうですねw」
「他の、同じスキル持ちの人が居たらここに出るのかな?」
「こんなスキルを持ってる人なんてまず居ないだろうし、インスタンスダンジョンなら固有生成だから同じ場所にはならないと思うよ」
『まぁ時間がある時にでも探索するか』
「それでは何かこの部屋に置いていきましょうか」
青空美凪はポケットの中のケント1ロングのタバコと100円ライターを床に置いた。
一行はそのままゲートをくぐると同じ場所の外に出た。
『面白そうな物を拾ったなw』
そしてトオル達一行はタワーマンションを後にした。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

姫騎士様と二人旅、何も起きないはずもなく……
踊りまんぼう
ファンタジー
主人公であるセイは異世界転生者であるが、地味な生活を送っていた。 そんな中、昔パーティを組んだことのある仲間に誘われてとある依頼に参加したのだが……。 *表題の二人旅は第09話からです
(カクヨム、小説家になろうでも公開中です)
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる