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第四章 天使と悪魔
上級天使
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加奈子と七和田達は雑談をしながら避難先の中学校に戻ってきた。
とは言え、敷地自体は隣合わせだ。
マンションと学校の間にはフェンスがあり、学校側の敷地の周囲四方をそのフェンスが囲んでいる。
高さは1.5m~2mくらいなので、人間の大人なら乗り越えられる。
植え込みが設置されてあって簡単には乗り越えられないのだろうが、その気になればいけそうなのが、それで大丈夫かと少し疑問に思う。オークなら人間より大きいのでちょっと怖い。
実際、何度かオークは乗り超えて来たらしい。
「加奈子さん、お時間が出来たら僕のファミリーに会って欲しいのですが」
「お父さんとかお母さんですか?」
(まさか嫁に迎えたいとか?クスッ)
先ほど助けた男が、自分のファミリーを持っているようだ。
「いえいえ、ここでの自分のグループですが、ファミリーと呼んでます」
「たくさんいらっしゃるのですか?」
「そうですねー。今は25人ちょっとくらいだと思います」
「大家族ですね。ふふふっ」
「大きいファミリーは100人くらいの所も普通にありますよ」
「ファミリーになれば、その単位で部屋を借りられるんです」
「1部屋だいたい30人くらいが限界ですけどね」
グループ(パーティー)→ファミリー→クラン→ギルド→カンパニーと人数が増え、大きくなれば呼び方が変わるらしい。
(私って本当に何も知らないで生きて来たんだなー)
学校の会議室が七和田達の作戦参謀室になっている。
七和田と一緒に中に入ると、そこには目を見開いて固まるトオルが居た。
「トオルちゃん、ただいまー」
「・・・」
「あぁ・・・」
「ちょっとねー相談があるのよ」
「この人たちを手伝っても良いかな?」
「あぁぁ。ね、姉さんがやりたいなら仕方ないでしょ」
「トオル君もお姉さんの前じゃ借りてきた猫みたいだね」
「あははは・・・」
(この男はさっさと殺ってしまおう・・・)
七和田が概要を説明して、高火力の人間主体で作戦を立てようと発案する。
加奈子はサポートを付けてくれれば、一人で殲滅していくと言う。
「いや、姉さん一人で殲滅は無理です」
「いけると思うんだけど?」
「戦闘力は確かに認めますが、あの広いマンションを1件づつ索敵しながらは無理ですね」
「ゴブリンが今いる場所から動かないなら、姉さんで無くても殲滅は出来ます」
「でも、ゴブリンにも知恵者が居るんですよ。そんな単純な動きをするとは思えない」
確かに、キャリヤみたいなヤツを知ってるだけに、それはあり得る事だろう。
加奈子の言い分は、1番館の1階から順番に1部屋づつ捜索しながらゴブリンを滅していくと言う算段だ。
400件はあるのに、1日でいったい何軒回れるだろうか?
最初に捜索した棟や部屋にまたゴブリンが戻って来ても、一人や二人なら調べようも無い。
「今は戦力補強が先決じゃないかと僕は思っています」
「じゃー狩りしてレベル上げるしかないのかなー」
「ですね」
「加奈子さんに戦闘指導していただければすぐじゃないかと思います」
「ん~私は特に格闘技とかやってた訳じゃないしね」
「運動神経にしても、トオルちゃんの方が遥かに上だったからねー」
「でも、今のその強さを皆に教えていただければ」
「これは勝手になったものだから、教えるってのはちょっと難しいかなー」
その後も他のメンバー交えて色々と案を出し合ったが、決定的な物は決まらなかった。
「それじゃーまた明日の朝にここへ集合という事で」
「トオルちゃん、ちょっと家に帰る前に寄り道していっていいかな?」
「いや、俺はもうあの家には帰らないよ」
「えぇぇぇぇ?どうして?」
「今までも姉さんが心配だったから帰ってたけど、もう大丈夫そうだしね」
トオルは七和田達の手前、綺麗事ばかりの嘘で塗り固めた。
「ん~~まぁわかったわ」
(この女とは、もう縁切りじゃ!)
「ごめんな、姉さん」
「それに好きな子が居るんだよ、ここに」
「うんうん、それなら仕方ないよー」
「また今度、紹介してね」
「わかった」
そう言いつつ、加奈子の意識の中では、トオルの事など本当にどうでもいい事になっていた。
「みんなー」
「このお方が俺の命を蘇らせてくれた天使様だよー」
いきなり見ず知らずの女性を連れて来て、訳の分からない事を話すファミリー長に皆で白い眼を向ける。
その男、戸弩力 雅史は、今日あった事を嬉しそうに詳細に話す。
部屋に居る人達は、その話を聞いてはいるが、加奈子に興味を示す人はほぼ居ない。
「うちのファミリーに入るん?」
「いやいや、そんなのお願いしたいけど、無理だよ」
会議室から渡り廊下を通り、こちらの教室棟にやってきた。
階段を3階まで上がり、その中の一つの教室に入る。
「この階には他の部屋には人が居ないようですね?」
「それはその~」
3階には何部屋かあるが、ここの部屋以外に人の気配がしない事に違和感を覚えた。
ざっと見まわして、老若男女30人弱くらいがここの部屋に住んでいるらしい。
奥の、机で作ったベッドに老人が数人横たわっている。
反対側にも数人の男性が包帯を巻いていたり、どう見ても怪我人の様相を見せている。
何か部屋の雰囲気が暗いのが気に掛かる。
「みなさん、どうされたんですか?」
「彼らは戦闘で負傷したもの達です」
「薬や包帯が少ないので・・・」
加奈子はツカツカと負傷兵の方に近づいて行く。
1人目の男を目視する。
軽くは無いが、致命的と言うほどの怪我でもない。
「ヒール」
たちまちその男の傷は癒えていく。
男はいったい何が起こったのか理解するのに時間が掛かる。
順番に目視しながら治癒魔法を掛けていく。
「ヒール」
少し重度の人には上位魔法を唱える。
「ハイヒール」
その横の人は、傷口が膿んでいる。
抗生物質も何も無いんだろうなーと思いながら
「ハイヒール」
傷口はふさがり、膿が流れ出す。
加奈子はリュックからハンカチを出し、その膿を綺麗にふき取る。
最後の人は身体前面に裂傷があるだけだった。
「ヒール」
5人の怪我人が、あっと言う間に全快したのを、そこに居た全員が目撃した。
それから老人の方に向かい、同じく治癒魔法を掛けた。
年齢的にガタが来てる身体にでもそれなりに治癒魔法は効果があるみたいだね。
「あ、ありがとうごじゃります」
嚙んだのかそんな言葉なのかわからないが、ご老人の1人が礼を言う。
その言葉を皮切りにそこに居る全員が言葉を紡ぐ。
「「「「「あ、ありがとうございますー」」」」」
多くの人が加奈子に礼を言い、近づいて来る。
「天使様、ありがとうございます」
「「「「「天使様、天使様、天使様」」」」」
その治癒行動で加奈子はここのファミリーに認められたようだ。
(ヒュン)
(ん?)
加奈子の頭の中をいつもの何かが通り過ぎた感じがした。
すぐにステータスを覗いて、なぜか驚愕の顔をする加奈子。
そして、皆に背を向け、こそこそと何かをいじくっているようだ。
ステータスを触り終わった加奈子は、意を決したように振り返る。
部屋全体を見回し、一人でウンウンと頷きながら笑みを見せる。
「戸弩力さん、ここのクランでのお食事はどうされてるんですか?」
「一応、配給制でやっています」
「その食材や食料はどこから?」
「ほぼトオルさん達にお任せしているので詳しい事はわかりませんが」
「六アイ外周の海運倉庫とかに乾物とかレトルトとかカップ麺とかもあったと聞いてます」
「コンビニやスーパーとかは?」
「イースト5番街の東のコンビニは2件ともゴブリンに荒らされて何もなかったです」
(キャリヤのテリトリーだから仕方ないか)
「じゃぁそのうち食料も底をつくかも知れないんですね?」
「それは首脳陣が一番危惧されてる事ですね」
「今のままだと2か月か、持って3か月と聞いてます」
「奪い合いとかは無いのですか?」
「クラン同士でですか? 今のところ聞いた事は無いですね」
(一度そこらへんも詳しくトオルちゃんに聞いてみないとね)
そして、70歳以上であろう元気の無いおじいちゃん4人とおばあちゃん3人に加奈子が問いかける。
「お父さん、お母さん、今のこの世界で今のまま死を迎える事をどう思っていますか?」
「か、加奈子さん!どうされたんですか?」
いきなり老人に死について問いかける加奈子に雅史は戸惑う。
「戸弩力さんもご存じのように、レベルが付けば肉体が若返ります」
「私はこう見えて31歳です」
「その歳に見えますか?」
「戸弩力さんももう30超えてらっしゃいますよね?」
「でも、その見た目は20歳そこそこにしか見えません」
「ぼ、僕の年齢をなぜ?」
「私は鑑定と言うスキルを持っています」
「強い魔法が使えて、格闘も強くて、それなのに治癒も出来て鑑定まで出来るなんて」
「あなたは本当に天の使いなんじゃないかと思います」
「ふふふっ、戸弩力さん、あなた方のおかげで名実ともに天使になっちゃいましたよ」
櫻庭加奈子(31)
Lv 18
種族 【聖魔天使】 選択
職業 【火魔導士】【火魔闘士】 選択
称号 【火葬奏者】【戦天使】【幸運の天使】【種族変化第一号】
基本能力一覧
GMR/LAT+
HP 2406/595(+1296)〔+515〕
MP 4996/3114<+586>(+1296)
STR 611/187(+324)〔+100〕
DEF 627/203(+324)〔+100〕
AGI 552/228(+324)
DEX 553/229(+324)
INT 871/ 412<+135>(+324)
LUK 468/397(+18%)
SP/0
基本技能一覧
火絨毯 天使の翼 回収率上昇¹
鑑定 威圧 瞬動 跳躍 千里眼 暗視
回避
火魔法-[火球]-[火投槍]-[火柱]-[火弾]-[火羽]
土魔法-[土壁]-[土遁]-[土針]
治癒魔法-[ヒール]-[ハイヒール]-[エンジェルヒール]
火闘術-[火脚]-[火拳]-[火纏]
真空体術-[真空蹴り]-[真空鈎拳]-[真空飛び膝蹴り]
耐性一覧
恐怖耐性 絶対火熱耐性 酸欠耐性 精神支配耐性 物理耐性
5964/5160
とは言え、敷地自体は隣合わせだ。
マンションと学校の間にはフェンスがあり、学校側の敷地の周囲四方をそのフェンスが囲んでいる。
高さは1.5m~2mくらいなので、人間の大人なら乗り越えられる。
植え込みが設置されてあって簡単には乗り越えられないのだろうが、その気になればいけそうなのが、それで大丈夫かと少し疑問に思う。オークなら人間より大きいのでちょっと怖い。
実際、何度かオークは乗り超えて来たらしい。
「加奈子さん、お時間が出来たら僕のファミリーに会って欲しいのですが」
「お父さんとかお母さんですか?」
(まさか嫁に迎えたいとか?クスッ)
先ほど助けた男が、自分のファミリーを持っているようだ。
「いえいえ、ここでの自分のグループですが、ファミリーと呼んでます」
「たくさんいらっしゃるのですか?」
「そうですねー。今は25人ちょっとくらいだと思います」
「大家族ですね。ふふふっ」
「大きいファミリーは100人くらいの所も普通にありますよ」
「ファミリーになれば、その単位で部屋を借りられるんです」
「1部屋だいたい30人くらいが限界ですけどね」
グループ(パーティー)→ファミリー→クラン→ギルド→カンパニーと人数が増え、大きくなれば呼び方が変わるらしい。
(私って本当に何も知らないで生きて来たんだなー)
学校の会議室が七和田達の作戦参謀室になっている。
七和田と一緒に中に入ると、そこには目を見開いて固まるトオルが居た。
「トオルちゃん、ただいまー」
「・・・」
「あぁ・・・」
「ちょっとねー相談があるのよ」
「この人たちを手伝っても良いかな?」
「あぁぁ。ね、姉さんがやりたいなら仕方ないでしょ」
「トオル君もお姉さんの前じゃ借りてきた猫みたいだね」
「あははは・・・」
(この男はさっさと殺ってしまおう・・・)
七和田が概要を説明して、高火力の人間主体で作戦を立てようと発案する。
加奈子はサポートを付けてくれれば、一人で殲滅していくと言う。
「いや、姉さん一人で殲滅は無理です」
「いけると思うんだけど?」
「戦闘力は確かに認めますが、あの広いマンションを1件づつ索敵しながらは無理ですね」
「ゴブリンが今いる場所から動かないなら、姉さんで無くても殲滅は出来ます」
「でも、ゴブリンにも知恵者が居るんですよ。そんな単純な動きをするとは思えない」
確かに、キャリヤみたいなヤツを知ってるだけに、それはあり得る事だろう。
加奈子の言い分は、1番館の1階から順番に1部屋づつ捜索しながらゴブリンを滅していくと言う算段だ。
400件はあるのに、1日でいったい何軒回れるだろうか?
最初に捜索した棟や部屋にまたゴブリンが戻って来ても、一人や二人なら調べようも無い。
「今は戦力補強が先決じゃないかと僕は思っています」
「じゃー狩りしてレベル上げるしかないのかなー」
「ですね」
「加奈子さんに戦闘指導していただければすぐじゃないかと思います」
「ん~私は特に格闘技とかやってた訳じゃないしね」
「運動神経にしても、トオルちゃんの方が遥かに上だったからねー」
「でも、今のその強さを皆に教えていただければ」
「これは勝手になったものだから、教えるってのはちょっと難しいかなー」
その後も他のメンバー交えて色々と案を出し合ったが、決定的な物は決まらなかった。
「それじゃーまた明日の朝にここへ集合という事で」
「トオルちゃん、ちょっと家に帰る前に寄り道していっていいかな?」
「いや、俺はもうあの家には帰らないよ」
「えぇぇぇぇ?どうして?」
「今までも姉さんが心配だったから帰ってたけど、もう大丈夫そうだしね」
トオルは七和田達の手前、綺麗事ばかりの嘘で塗り固めた。
「ん~~まぁわかったわ」
(この女とは、もう縁切りじゃ!)
「ごめんな、姉さん」
「それに好きな子が居るんだよ、ここに」
「うんうん、それなら仕方ないよー」
「また今度、紹介してね」
「わかった」
そう言いつつ、加奈子の意識の中では、トオルの事など本当にどうでもいい事になっていた。
「みんなー」
「このお方が俺の命を蘇らせてくれた天使様だよー」
いきなり見ず知らずの女性を連れて来て、訳の分からない事を話すファミリー長に皆で白い眼を向ける。
その男、戸弩力 雅史は、今日あった事を嬉しそうに詳細に話す。
部屋に居る人達は、その話を聞いてはいるが、加奈子に興味を示す人はほぼ居ない。
「うちのファミリーに入るん?」
「いやいや、そんなのお願いしたいけど、無理だよ」
会議室から渡り廊下を通り、こちらの教室棟にやってきた。
階段を3階まで上がり、その中の一つの教室に入る。
「この階には他の部屋には人が居ないようですね?」
「それはその~」
3階には何部屋かあるが、ここの部屋以外に人の気配がしない事に違和感を覚えた。
ざっと見まわして、老若男女30人弱くらいがここの部屋に住んでいるらしい。
奥の、机で作ったベッドに老人が数人横たわっている。
反対側にも数人の男性が包帯を巻いていたり、どう見ても怪我人の様相を見せている。
何か部屋の雰囲気が暗いのが気に掛かる。
「みなさん、どうされたんですか?」
「彼らは戦闘で負傷したもの達です」
「薬や包帯が少ないので・・・」
加奈子はツカツカと負傷兵の方に近づいて行く。
1人目の男を目視する。
軽くは無いが、致命的と言うほどの怪我でもない。
「ヒール」
たちまちその男の傷は癒えていく。
男はいったい何が起こったのか理解するのに時間が掛かる。
順番に目視しながら治癒魔法を掛けていく。
「ヒール」
少し重度の人には上位魔法を唱える。
「ハイヒール」
その横の人は、傷口が膿んでいる。
抗生物質も何も無いんだろうなーと思いながら
「ハイヒール」
傷口はふさがり、膿が流れ出す。
加奈子はリュックからハンカチを出し、その膿を綺麗にふき取る。
最後の人は身体前面に裂傷があるだけだった。
「ヒール」
5人の怪我人が、あっと言う間に全快したのを、そこに居た全員が目撃した。
それから老人の方に向かい、同じく治癒魔法を掛けた。
年齢的にガタが来てる身体にでもそれなりに治癒魔法は効果があるみたいだね。
「あ、ありがとうごじゃります」
嚙んだのかそんな言葉なのかわからないが、ご老人の1人が礼を言う。
その言葉を皮切りにそこに居る全員が言葉を紡ぐ。
「「「「「あ、ありがとうございますー」」」」」
多くの人が加奈子に礼を言い、近づいて来る。
「天使様、ありがとうございます」
「「「「「天使様、天使様、天使様」」」」」
その治癒行動で加奈子はここのファミリーに認められたようだ。
(ヒュン)
(ん?)
加奈子の頭の中をいつもの何かが通り過ぎた感じがした。
すぐにステータスを覗いて、なぜか驚愕の顔をする加奈子。
そして、皆に背を向け、こそこそと何かをいじくっているようだ。
ステータスを触り終わった加奈子は、意を決したように振り返る。
部屋全体を見回し、一人でウンウンと頷きながら笑みを見せる。
「戸弩力さん、ここのクランでのお食事はどうされてるんですか?」
「一応、配給制でやっています」
「その食材や食料はどこから?」
「ほぼトオルさん達にお任せしているので詳しい事はわかりませんが」
「六アイ外周の海運倉庫とかに乾物とかレトルトとかカップ麺とかもあったと聞いてます」
「コンビニやスーパーとかは?」
「イースト5番街の東のコンビニは2件ともゴブリンに荒らされて何もなかったです」
(キャリヤのテリトリーだから仕方ないか)
「じゃぁそのうち食料も底をつくかも知れないんですね?」
「それは首脳陣が一番危惧されてる事ですね」
「今のままだと2か月か、持って3か月と聞いてます」
「奪い合いとかは無いのですか?」
「クラン同士でですか? 今のところ聞いた事は無いですね」
(一度そこらへんも詳しくトオルちゃんに聞いてみないとね)
そして、70歳以上であろう元気の無いおじいちゃん4人とおばあちゃん3人に加奈子が問いかける。
「お父さん、お母さん、今のこの世界で今のまま死を迎える事をどう思っていますか?」
「か、加奈子さん!どうされたんですか?」
いきなり老人に死について問いかける加奈子に雅史は戸惑う。
「戸弩力さんもご存じのように、レベルが付けば肉体が若返ります」
「私はこう見えて31歳です」
「その歳に見えますか?」
「戸弩力さんももう30超えてらっしゃいますよね?」
「でも、その見た目は20歳そこそこにしか見えません」
「ぼ、僕の年齢をなぜ?」
「私は鑑定と言うスキルを持っています」
「強い魔法が使えて、格闘も強くて、それなのに治癒も出来て鑑定まで出来るなんて」
「あなたは本当に天の使いなんじゃないかと思います」
「ふふふっ、戸弩力さん、あなた方のおかげで名実ともに天使になっちゃいましたよ」
櫻庭加奈子(31)
Lv 18
種族 【聖魔天使】 選択
職業 【火魔導士】【火魔闘士】 選択
称号 【火葬奏者】【戦天使】【幸運の天使】【種族変化第一号】
基本能力一覧
GMR/LAT+
HP 2406/595(+1296)〔+515〕
MP 4996/3114<+586>(+1296)
STR 611/187(+324)〔+100〕
DEF 627/203(+324)〔+100〕
AGI 552/228(+324)
DEX 553/229(+324)
INT 871/ 412<+135>(+324)
LUK 468/397(+18%)
SP/0
基本技能一覧
火絨毯 天使の翼 回収率上昇¹
鑑定 威圧 瞬動 跳躍 千里眼 暗視
回避
火魔法-[火球]-[火投槍]-[火柱]-[火弾]-[火羽]
土魔法-[土壁]-[土遁]-[土針]
治癒魔法-[ヒール]-[ハイヒール]-[エンジェルヒール]
火闘術-[火脚]-[火拳]-[火纏]
真空体術-[真空蹴り]-[真空鈎拳]-[真空飛び膝蹴り]
耐性一覧
恐怖耐性 絶対火熱耐性 酸欠耐性 精神支配耐性 物理耐性
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