厄災の街 神戸

Ryu-zu

文字の大きさ
上 下
93 / 154
第四章 天使と悪魔

天使の覚醒

しおりを挟む
今日はもう十分だろうと帰りかけたが、さらに奥から大きな声で叫ぶゴブリンが居た。

 グォォォォォォォォォォ

加奈子の身体はほんの瞬間だが硬直した。
 (ヒュン)
だがそれはすぐに解消された。

振り向くと先ほどの強そうなゴブリンよりも、もっと強そうなゴブリンが居た。
身体の大きさがまったく違う。
パッと見は全然違う生き物にも見える。

それでも加奈子は思う。
 (弟に立ち向かうにはもっともっと強くならなければならない)
 (1体しかいないゴブリンに負けててはいけない)

 「火投槍ファイアジャベリン
20mほど離れているが、射程距離なので撃ってみた。
さすがに先ほどのゴブリンよりはきちんと躱し、ダメージを負わすことは出来なかった。


キャリヤ(6)
Lv 8
種族 【ホブゴブリン】選択
職業 【--】選択
称号 【百人殺】
基本能力一覧
GMR/MNL
HP 82/82
MP 25/25
STR 142(+16)
DEF 103
AGI 45
DEX 17
INT 34
SP/85
基本技能一覧
      咆哮 投擲 威圧
729/522


 (このゴブリン、名前がある?)
 (百人殺って、人間を100人も殺したのだろうか?)
すでに住人の大多数は怪物達に殺されたのかも知れない。


今まで雑魚とばかり戦ってきた加奈子には、敵に対して恐怖心も慎重な姿勢も無かった。

火魔法があれば攻撃なんて一切受けずに相手を殲滅出来てきたし。
その勝ち方は加奈子の心の中に慢心を産み出していた。

もっと近づいたら火床をお見舞いしてやろう。
そう考えながら火球と火投槍を軽く撃ち込む。

しかし、加奈子の戦い方をこっそりと観察していたこのゴブリンには通用しなかった。

2発3発とファイアジャベリンを撃つが、上手くよけられ当たらない。
火の床の範囲外から何かを投げてきた。

 「キャッ」
コブシだいの石だろう。
でも的確に加奈子の胸辺りを狙って来ている。

今までは相手の攻撃を避けるなんて行動はしてこなかった加奈子は、避け切れずに左腕に被弾する。

 「痛っ」

加奈子は被弾した個所を右の手で押さえる。

すぐに次弾は飛んでくる。
また避け切れずに左肩に当たる。
 ボゴッ
  (痛い痛い痛いっ!)

身体が半回転して倒れ込む。

キャリヤはその様子を見てニヤリと笑う。
 (痛い痛い、いたいー)

左手が動かない。
 (痛い痛い痛い痛いー)

 (ヒュン)
その時、明確に頭の中に、今使わないとダメなスキルが思い浮かぶ。

 「ヒール!!」
肩の痛みが、腕の痛みが引いていく。

すぐに反撃を
振り返ると、もう目の前にキャリヤが詰めていた。

 グッホォォォ
拳が顔面に向かって振り下ろされた。

加奈子は身を縮め目をギュッとつむる。

 ボッゴッーン

  ゴロゴロゴロゴロ ズッゴーンッ!

殴られた勢いで数メートル転がり、道路に顔面を打ち付ける。
 (痛い!体中が痛い!何が起こった?なんでこんな事に・・・)

加奈子の顔は一瞬で倍くらいに腫れあがり、ホホ骨は間違いなく粉砕されていることだろう。
左目が何も見えない、もしかしたら潰れてるかもしれない。

進化してなければ即死の攻撃だった。
レベルをあげていなければやはり即死のダメージだ。
HPも残り1桁で命の危機だ。

口からはドボドボと血が流れ出る。
涙がボロボロ流れ出て右目の前が霞む。
鼻からも赤い温かい液体が流れ出る。
口の中が鉄の味がする。
息が苦しい。
呼吸が出来ない。
頭がガンガンし、眩暈めまいもする。

 「ヒール」
 「ヒール」
 「ヒール」

 「ヒール」
 「ヒール」
 「ヒール」
   (ヒュン)
 「ハイヒール!」
己の命の危機に多用した治癒魔法が、上位のスペルを覚えた。

 (どうして敵から視線を外してしまったのだろうか)
 (どうして目をつむってしまったのだろうか)
 (まだ戦う気持ちに覚悟がないのか)
自問自答する。

横目で見ると、次の攻撃態勢に移っている"ヤツ"が目に入った。

 「火球!!!ファイアボーーーール
崩れた態勢からだがキャリヤに向かって腕を伸ばす。
至近距離からの火の球は避けることも出来ず、腹に着弾し大きく弾ける。

 グギャァァァ
キャリヤは吹っ飛ばされた。

 「火床ファイアフロア!!」
すぐさま次の魔法を繰り出す。
持てる魔力を惜しみなく使い最大火力で臨む。

キャリヤは高火力の火の海に包まれる。
 
 ゴワァァァァァ
知恵の高いゴブリンであるキャリヤは油断した事を悔やむ。
勝利へ導く会心の一撃に酔いしれた自分が許せない。
心の中で勝利を確信して注意力が欠けていた自分に腹が立つ。

わざわざ倒れてる奴の真正面に立つとは・・・

もうあと一発食らわせられてたら。
詰めが甘かった。


キャリヤは転げながら燃え盛る範囲から飛び出し、そして逃げ出していく。



加奈子も戦場から逃げ出した。

勝てる勝てないの問題以前に、戦いの中にあって目を閉じてしまったことだ。
あの場合は最後まで目を見開き、あいつの拳をギリギリでも避けるべきだった。
そうすればこちらの優位を作れたかも知れない。

もしよけれなかったとしても、目を開けて避ける意識を持っていれば致命傷は追わなかったかも知れない。

その前も、腕に被弾して痛いぐらいで、敵を視界から切ってしまった愚行。

その愚行のおかげで治癒魔法を覚えたとは言え・・・

ヒールを覚えてなければもう死んでいた・・・


戦いに於いて当たり前の事が出来ずに、危機的立場になった事態に敗北感が重くし掛かる。

今朝まで戦う事なんて知らなかったし考えた事も無かったのに・・・・・
 
全速力で家路を急ぐ。
何故か涙が溢れてくる。悔しくて悔しくて涙が止まらない。
トオルにされた事よりも悔しくて歯痒はがゆくて涙が止まらない。
自分の危機感の無さが情けなくて涙が止まらない。

ちょっと待てっ!奴が追いかけてきたら防戦しないといけない!
 (また戦いを忘れてる!!!)
身体ごと振り返るが、奴もゴブリンも何も居ない。



穏やかでたおやかで優しくてほがらかで親孝行で天使の様な娘だった。
ほんの数日前までは。

凌辱されて虐げられて心が大きく壊れ、その心の欠けた部分を修復するために、無意識、無自覚で戦う道を歩み始めた加奈子。

いつの間にか生きるための道筋が「戦い」と言う色に染められた。
もう後戻りは出来ない。

 ((次に逢った時には絶対に油断、慢心しない))
 ((そして、勝つ!!))

そう心に誓った二人だった。





家の庭の大きな穴には、燃えカスがプスプスと音をたてて、底に両親の骨になった亡骸が横たわる。
 (天国に行ってね)
そう語り掛け亡骸に土を掛ける。

スコップを振るううちに先ほどの戦いの焦燥感が薄れていく。

力が強くなった加奈子は、土をスコップで飛ばすようにかけていく。
時にはカーテンのように、時には槍のように、掘り起こし積み上げていた土の山を崩していく。
まるで早回しの動画を見ているようなスピードで穴が埋まっていく。

土を掛け終わると、スコップの腹でパンパンと土を固めた。

 (ヒュン)
また何か覚えたみたい。
ステータスプレートを見ると土魔法を覚えていた。
 「うふふふ。明日試してみよっと」






~~~~~~~~~~~~~






戦いの場から逃げ出したキャリヤは全身のあちこちに火傷を負っていた。
特に酷いのは直撃を受けた腹だった。
皮膚は焼けただれ他の部分と色が違っている。

マンションの中央にある噴水に身体を浸し熱を取る。
戦いの反省をしながらも、怒りで身体が熱を持つ。
この世界に転移されてから、ここまで人間に追い詰められたことは無かった。

 グオォォォォォォォォォォォォォ
怒りの雄たけびを上げ、全身から青み掛かった蒸気が吹き上がり、とうとう髪の毛までが真っ青に染まる。
この後、藍髪あおがみのゴブリンとして人族や他種族のモンスターたちに恐れられる存在が誕生した瞬間である。


翌朝までキャリヤは噴水の水の中で過ごした。
その間に水魔法を覚えた。高速治癒というスキルも覚えた。

そして、進化した。

心が躍る。
次戦はかならずあの人間のメスを叩きのめす。
そのためにはもっともっと強くならなければならない。

高速治癒のスキルで傷は癒えたが、腹の火傷の後は残ってしまった。
だがそれは戦いで油断慢心したいましめの証である。



キャリヤのアジトはアイランドの広大な住宅区画の北東の角。
北側に高層マンション群、東西南に中層マンション群が立ち並び中央に大きな広場がある。

ここでは厄災初日に大量のゴブリンと多数の人族が壮絶な戦いを展開し、多くの人間と多くのゴブリンが消えていった。
その後、レベルの上がった人間にいざなわれ、住人のほとんどが数百メートル南にある中学校に避難していった。
だが、ここにもまだ残ってる人は居る。
避難の呼びかけに応じなかった人、その呼びかけにすら気づかなかった人、恐怖で外に出れなかった人々。

キャリヤはここでボスとして君臨する。そして人間狩りを毎日行う。
マンションの部屋を1件1件ドアを壊し、中に残った人間が居ないか調べる。
女性が居た場合は年齢問わず繁殖用に生かして捉え、子供は食用に、男は養殖場に連れて行かれる。
知能の高いキャリヤは、群れの使い物にならない奴か他の群れの捕虜ゴブリンを、人間が圧倒的有利な状況で戦わせ、レベルを上げてからキャリヤが倒す事を敢行している。

中にはその状況でも人間に勝つゴブリンも居る。
そういった戦鋭部隊も作りながら自分の群れの強化もしている。

ただ、そんな中で一度だけ逃げ出した人間が居る。
繁殖用のお気に入りのメスを3体も盗んで逃げて行った。
キャリヤはその人間が許せなかった。
あの火使いの女の前に、逃げ出した男を殺さないと気が済まない。






~~~~~~~~~~~~~







厄災から3日が過ぎた日の朝、玄関ドアをゴンゴン叩く音が響く。
妻と娘をクローゼットの中に押し込んでドアアイから外を覗く。

大きな木槌を持ったゴブリンの団体がドアを叩いて壊そうとしていた。
驚いてその場で尻もちを着くが、すぐに逃げ出す。

妻たちが居るクローゼットの中に飛び込み、洋服の山の中に身を隠す。
震える妻と娘の身体を抱いて3人、亀のようになる。

 ドッゴーン

ドアが打ち破られた音がした。
ドタドタと奴らが雪崩れ込んでくるのがわかる。

息を殺して身体中の神経を尖らせ、ピクリとも動かない、動けない。
少しでも音を出そうものなら、自分たちの命が無くなる事を理解している。
遊びのかくれんぼでは無い。命の掛かったかくれんぼ。



こんな事なら避難勧告を告げられた時に、一緒に行けば良かった。

すぐに警察なり自衛隊なりが救助に来てくれると思っていた。
自分たちは絶対に大丈夫だと根拠のない自信もあった。
妻も自分の意見に従った。

電気が止まった夜、他の部屋に何かの明かりが灯ると必ず大きな音と共に悲鳴が聞こえ、しばらくすると何も聞こえなくなり明かりも消える。
何が起こっているか大体の予想は付く。

3人で暗い中でも我慢しようと言い合い、身体を寄せ合って暗闇の中を無言で過ごす。
食事も包丁は音が出るので使えず、炊飯すいはんも炒め物も煮物も火が使えないから作れず、サラダがあるうちはまだ良かった、ハムやソーセージがあるうちはまだよかった。
先を考えて食べる量を節約しようと妻が言ったが、馬鹿らしい。
すぐに日常生活に戻るのになぜ節約する必要があるのか。

二日目の夜辺りから溶けた冷凍食品や半生の肉、生の食パン、生の芋、生の人参。
塩があるだけましだったが、もうそろそろ食べるものも尽きる。

風呂は身体を拭くくらいしか出来ず、女性は髪を洗うと乾かせないので我慢している。
トイレは音がするので流せないから風呂場の浴槽の水をバケツでトイレまで持っていきゆっくりと流す。
そろそろ浴槽の水も無くなると言う二日目の夜に、シャワーを湯船の中に入れると音がしないことに気が付いた。

あれだけ一緒に避難しようと誘われたのに、なぜ着いていかなかったのか。
今までの人生、自分の選択で何も間違いはなかった。
周りの誰よりも自分の考えが優れてた。 
妻とは半分お見合いのようなもんだが、彼女を選んだ事は間違っていない。
自分の言う事に反論する事もないし、仕事で忙しい俺の世話も、家事も育児も思い通りに出来ている。

今回も、誘う奴の言い方が悪かったんだろう。
そうでないと自分が選択を間違うはずがない。
きっとそうだ。




暫くすると足音も声も聞こえなくなった。
 (行ったか・・・)

羽虫が囁くような小さい声で、妻に外の様子を見てくると伝える。
妻も娘も震えるばかりで返事をする気力がない。
だが立ち上がろうとすると服を引っ張る。
イラっとしたので小声で怒鳴る。
娘がもう少し待てと言うが、俺の判断ではもう奴らは自分らを見つけられずに立ち去ったのは間違いない。
そっとクローゼットの折れ戸を押して開く。
扉の前には何も居ない。
大きく開けて外に出ると部屋の入り口に小さき怪物達が待ち構えていた。
 
 グギャギャギャギャ
ニタリと笑うそいつらは、人間がそこに隠れている事はニオイでわかっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...