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第三章 健斗と美咲と新たな出会い
いざ垂水区へ
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リーリは素早さが元々高いので、Lv3でもゴブリン程度の攻撃はほぼ受けない。
殲滅力は薄いが、美咲がとどめを刺していくので面白い様にレベルが上がっていく。
そしてリーリのレベルが7になった所で王国のメンバーが飛んできた。
「咲姫~ちょっとこっちに来て~」
そしてルームの中の咲空も呼び出す。
中ではもう二人共髪は乾いていたが、缶ジュースを飲みながら雑談をしていた。
外に出てきた咲空の第一声。
「おぉ~久しぶりw」
まだ別れて数時間しか経っていない。
そして咲姫と咲空を交えて、ここいらの魔物の殲滅作戦を練る。
研修センターの上で固まって話し合っていると美咲も参加してきた、
リーリがレベル10になったから休憩すると言うことらしい。
ざっと考えを話したところで、特に意見も無く、あとは臨機応変にやっていけばいいだろう。
「それじゃ~そろそろ行くわ。2~3日くらいでこっちに戻って来れると思う」
「死なんようにな。どんだけ強くなってもそれ以上に強い奴はおるから」
「「 慢心だけは禁物やで 」」
みんなに挨拶を済ませ、健斗と美咲は垂水へと向かった。
上空で風纏を合体させる。
「なんか時間掛かってすまんな」
「いや、特に急いで何かする訳ちゃうから全然えぇよ」
「リーリも強なったか?」
「恩恵で素早さの上昇が付いたしステにも補正が付いたよ」
「リーリ良かったな、どんどん頑張れよ」
「ちょっと遠回りやけど、ハーバーランドのホームセンター寄っていい?」
「うちは急いでないからべっちょないって」
朝にも行ったホームセンターだが、延長コードとか生活用品をちょっと仕入れたかった。
生活するのに必要な家電や用品を美咲にも見てもらう。
「なんや新婚さんみたいやなw」
「あははは」
バケツに雑巾、ハンディモップに床用ワイパーなど、掃除用具も充実させてみた。
自分の部屋には、充電式の掃除機も置くつもりだ。
店舗の外に出て時計を見るともう15時を大分回っていた。
「三時のおやつになんか仕入れていく?」
ホームセンターのすぐ南にあるモザイクに食材を仕入れようと出向いたが、大勢の人が飲食店舗に殺到して荒らしている。
こんなところで人間とトラブるのは嫌なので残念だが諦めた。
向かいの大型モールのウミエも避難してきたのか仕入れに来たのかはわからないが、結構な人が見受けられる。
「まぁどっかで仕入れたらえぇやろ」
そう言ってまた二人で飛び上がった。
神戸駅の上空を過ぎる時にあちこち見てみたが、そこかしこで小さな戦闘が行われていた。
新開地を過ぎたあたりで美咲が大声で叫ぶ。
「健ちゃん!山の上見てみて!」
兵庫区の夢野地域の北に御大師山があり、800mほど西の長田区に高取山がある。
その山と山の間からは鵯越大墓地山や雲雀ケ丘や丸山大橋等が望める。
「人やな?」
そこには3体の人らしき物が空に浮かんでこちらを見ている。
美咲も健斗も遠方視のスキルを持っているのでそれで眺めて見る。
「一人はネオヒューマン、左右はなんやら鬼?やって」
「遠すぎて鑑定がハッキリ見えへんな」
「あぁ、でも魔獣眷属らしい感じやな」
「でも・・・Lvも高いし かなり3人共強いで・・・」
「うん、今の俺らじゃまず勝てないな・・・」
「こっちに飛んで来たらどうする?」
「ん~ その時はその時で考えよ、今は静止してこっちを見てるだけやし」
「メンチ切った!とかって絡んでけぇ~へんよなぁ?w」
「いや、兵庫区やからわからんで~w」
「でも、やっぱり上には上がおるもんやな」
「うちらも二日目にしたらかなり強い方やと思うけどなあ」
「あはは、なんや空中で座ってお茶しとんでぇ~」
「あれもなんかのスキルなんやろうな」
そんな会話を続けていると、高取山に差し掛かって見えなくなっていった。
もっと高い所を飛べば見えるけど、特に敵愾心を持ってる訳でも無いのでスルーする事に決めた。
万が一でも揉めて美咲に危害が加わるのがちょっと怖い。
長田区を飛び越えて須磨浦海岸を横目で見て、西の異人館街、塩屋も通り過ぎた辺りで美咲が聞いて来る。
「あとどれくらい?」
ゆっくり飛んではいるけど、16時頃には着きたい。
「山陽電鉄の滝茶屋超えて、東垂水駅を超えたらもうすぐだよ」
ここら辺は海岸線を国道2号線が通り、それと並行して山陽電鉄とJRが走っている。
山電もJRも須磨一の谷あたりで合流並走し、車窓からは紀伊半島、大阪湾、神戸港、瀬戸内海、目の前に淡路島、そして明石海峡大橋が目に飛び込んで来る。
しばし飛ぶと、2号線の上をまたぐ、東垂水駅と平磯海浜公園とを繋ぐ歩道橋が見えて来る。
公園の中には、海釣り公園、大きなグラウンド、6面あるテニスコート、2面あるフットサルコート、そして短い距離だがゴルフの練習場もある。
海側の遊歩道の南西の角には、道路に大きなハートと小さなハートが描かれた恋人岬がある。
東垂水駅を超えると、前方に福田川が見えて来る。
福田川の西岸には垂水の区役所がある。
そこから100mも行かないくらいで、JRの垂水と山電垂水駅に着く。
垂水駅の山側のビルの1室に、健斗の会社の垂水営業所が入っていると言う。
外からは部屋の中が見れない構造なので、1階に降りてビルの中に入って行く二人。
「うちも行ってえぇの?」
「あぁどうせ業務はしてないやろうし、下手したら誰もおらんかも知れんしな」
健斗はそう言いながら非常階段から営業部のある階まで階段を踏みしめて上がっていく。
ここの営業所は15人くらいの少数だが、所長と副所長、同期の営業屋、そして同期で2年前まで大阪に居た女性の4人位しか知り合いは居ない。 その4人の安否は凄く気になる。
部屋の前に着く。
ドアノブに手を掛けるが、なかなかドアを開けれない。
「どないしたん?」
「いや、なんかドア開けて中を見るんにビビってしもてんねんw」
「ははは。。。」
「ふぅ~」
一息ついて健斗は満を持してドアを開けた。
「はい、どちらさまで?」
そこには二十歳過ぎの若い事務員風の女性が、机に腰かけて応対してきた。
「すいません、本社の庄内なんですけど、大阪と連絡が取れなくてどうしたもんかと」
「あら?健斗さん?私ですよ私」
そう言う女性は、健斗と同期で一緒に研修を受け2年前まで同じ本社に居た有瀬美晴だった。
「そっか~美晴もレベル付いて若返ったんやな?」
「健斗さんも研修時代を思い出すわw」
お互い良く知った仲だが、見た目が10歳くらいも若返ると、すぐには認知できないもんだ。
美晴もどう行動したら良いモノか分からず、昨日も今日も事務所に出て来ていたと言った。
「子供は?まだ1歳くらいちゃうの?」
2年前まで大阪で営業をしていたが、出産の為に実家のあるここ垂水に移転させてもらい、産休も半年しか取らずに事務職で復帰したと言うのは聞いていた。シングルである。
「子供は母と妹が見てくれてるんよ、二人共若返ったしw」
「そうなんや、しかし親子3人とも魔物倒したって事やんな?」
「うん、いきなり家の中に魔物が3体も現れて、家族全員でしばき回したったw
そのあと死に掛けたけど、気づいたら若返ってた」
「3体だけで良かったな~ 多分人数×3が沸いたはずやから」
「そういや、庭や裏の空き地に5~6体くらいの魔物がおったわ、あれかな?」
「それかもな、まぁ生きててホッとしたわ、他のみんなは?」
少し顔をうつむけ、ぽそっと話を続ける。
「昨日は何人か出勤してきたけど、今日はほぼ出てきてないね。
所長と副所長は連絡取れないし連絡も無いよ、同期の山本君も連絡つかんし」
所長他、知り合いの住所を聞いてスマホにメモする。
その後、1時間ほど話し込んで健斗達は事務所を後にした。
しばらく一緒にレベル上げとかをしようかと提案したが、家族で頑張ると言い切られた。
まぁ同期と言うだけで、そこまで深い付き合いも無かったので、断られても仕方ない。
「これからどうする?」
「まぁ会社は機能してない事が分かったし・・・
色々と物資を補充しながら宝箱探しもって行こうか?」
「素早さが上がる靴とか服とか欲しいなぁ」
「業務用の冷凍庫もどっかファミレスとかで探したいしな」
「取り敢えず、北に上がって高丸のホームセンター行こか。
上が大型スーパーやから、業務用の冷凍庫あるかも知れんしな」
2人は高丸目指して飛び上がった。
殲滅力は薄いが、美咲がとどめを刺していくので面白い様にレベルが上がっていく。
そしてリーリのレベルが7になった所で王国のメンバーが飛んできた。
「咲姫~ちょっとこっちに来て~」
そしてルームの中の咲空も呼び出す。
中ではもう二人共髪は乾いていたが、缶ジュースを飲みながら雑談をしていた。
外に出てきた咲空の第一声。
「おぉ~久しぶりw」
まだ別れて数時間しか経っていない。
そして咲姫と咲空を交えて、ここいらの魔物の殲滅作戦を練る。
研修センターの上で固まって話し合っていると美咲も参加してきた、
リーリがレベル10になったから休憩すると言うことらしい。
ざっと考えを話したところで、特に意見も無く、あとは臨機応変にやっていけばいいだろう。
「それじゃ~そろそろ行くわ。2~3日くらいでこっちに戻って来れると思う」
「死なんようにな。どんだけ強くなってもそれ以上に強い奴はおるから」
「「 慢心だけは禁物やで 」」
みんなに挨拶を済ませ、健斗と美咲は垂水へと向かった。
上空で風纏を合体させる。
「なんか時間掛かってすまんな」
「いや、特に急いで何かする訳ちゃうから全然えぇよ」
「リーリも強なったか?」
「恩恵で素早さの上昇が付いたしステにも補正が付いたよ」
「リーリ良かったな、どんどん頑張れよ」
「ちょっと遠回りやけど、ハーバーランドのホームセンター寄っていい?」
「うちは急いでないからべっちょないって」
朝にも行ったホームセンターだが、延長コードとか生活用品をちょっと仕入れたかった。
生活するのに必要な家電や用品を美咲にも見てもらう。
「なんや新婚さんみたいやなw」
「あははは」
バケツに雑巾、ハンディモップに床用ワイパーなど、掃除用具も充実させてみた。
自分の部屋には、充電式の掃除機も置くつもりだ。
店舗の外に出て時計を見るともう15時を大分回っていた。
「三時のおやつになんか仕入れていく?」
ホームセンターのすぐ南にあるモザイクに食材を仕入れようと出向いたが、大勢の人が飲食店舗に殺到して荒らしている。
こんなところで人間とトラブるのは嫌なので残念だが諦めた。
向かいの大型モールのウミエも避難してきたのか仕入れに来たのかはわからないが、結構な人が見受けられる。
「まぁどっかで仕入れたらえぇやろ」
そう言ってまた二人で飛び上がった。
神戸駅の上空を過ぎる時にあちこち見てみたが、そこかしこで小さな戦闘が行われていた。
新開地を過ぎたあたりで美咲が大声で叫ぶ。
「健ちゃん!山の上見てみて!」
兵庫区の夢野地域の北に御大師山があり、800mほど西の長田区に高取山がある。
その山と山の間からは鵯越大墓地山や雲雀ケ丘や丸山大橋等が望める。
「人やな?」
そこには3体の人らしき物が空に浮かんでこちらを見ている。
美咲も健斗も遠方視のスキルを持っているのでそれで眺めて見る。
「一人はネオヒューマン、左右はなんやら鬼?やって」
「遠すぎて鑑定がハッキリ見えへんな」
「あぁ、でも魔獣眷属らしい感じやな」
「でも・・・Lvも高いし かなり3人共強いで・・・」
「うん、今の俺らじゃまず勝てないな・・・」
「こっちに飛んで来たらどうする?」
「ん~ その時はその時で考えよ、今は静止してこっちを見てるだけやし」
「メンチ切った!とかって絡んでけぇ~へんよなぁ?w」
「いや、兵庫区やからわからんで~w」
「でも、やっぱり上には上がおるもんやな」
「うちらも二日目にしたらかなり強い方やと思うけどなあ」
「あはは、なんや空中で座ってお茶しとんでぇ~」
「あれもなんかのスキルなんやろうな」
そんな会話を続けていると、高取山に差し掛かって見えなくなっていった。
もっと高い所を飛べば見えるけど、特に敵愾心を持ってる訳でも無いのでスルーする事に決めた。
万が一でも揉めて美咲に危害が加わるのがちょっと怖い。
長田区を飛び越えて須磨浦海岸を横目で見て、西の異人館街、塩屋も通り過ぎた辺りで美咲が聞いて来る。
「あとどれくらい?」
ゆっくり飛んではいるけど、16時頃には着きたい。
「山陽電鉄の滝茶屋超えて、東垂水駅を超えたらもうすぐだよ」
ここら辺は海岸線を国道2号線が通り、それと並行して山陽電鉄とJRが走っている。
山電もJRも須磨一の谷あたりで合流並走し、車窓からは紀伊半島、大阪湾、神戸港、瀬戸内海、目の前に淡路島、そして明石海峡大橋が目に飛び込んで来る。
しばし飛ぶと、2号線の上をまたぐ、東垂水駅と平磯海浜公園とを繋ぐ歩道橋が見えて来る。
公園の中には、海釣り公園、大きなグラウンド、6面あるテニスコート、2面あるフットサルコート、そして短い距離だがゴルフの練習場もある。
海側の遊歩道の南西の角には、道路に大きなハートと小さなハートが描かれた恋人岬がある。
東垂水駅を超えると、前方に福田川が見えて来る。
福田川の西岸には垂水の区役所がある。
そこから100mも行かないくらいで、JRの垂水と山電垂水駅に着く。
垂水駅の山側のビルの1室に、健斗の会社の垂水営業所が入っていると言う。
外からは部屋の中が見れない構造なので、1階に降りてビルの中に入って行く二人。
「うちも行ってえぇの?」
「あぁどうせ業務はしてないやろうし、下手したら誰もおらんかも知れんしな」
健斗はそう言いながら非常階段から営業部のある階まで階段を踏みしめて上がっていく。
ここの営業所は15人くらいの少数だが、所長と副所長、同期の営業屋、そして同期で2年前まで大阪に居た女性の4人位しか知り合いは居ない。 その4人の安否は凄く気になる。
部屋の前に着く。
ドアノブに手を掛けるが、なかなかドアを開けれない。
「どないしたん?」
「いや、なんかドア開けて中を見るんにビビってしもてんねんw」
「ははは。。。」
「ふぅ~」
一息ついて健斗は満を持してドアを開けた。
「はい、どちらさまで?」
そこには二十歳過ぎの若い事務員風の女性が、机に腰かけて応対してきた。
「すいません、本社の庄内なんですけど、大阪と連絡が取れなくてどうしたもんかと」
「あら?健斗さん?私ですよ私」
そう言う女性は、健斗と同期で一緒に研修を受け2年前まで同じ本社に居た有瀬美晴だった。
「そっか~美晴もレベル付いて若返ったんやな?」
「健斗さんも研修時代を思い出すわw」
お互い良く知った仲だが、見た目が10歳くらいも若返ると、すぐには認知できないもんだ。
美晴もどう行動したら良いモノか分からず、昨日も今日も事務所に出て来ていたと言った。
「子供は?まだ1歳くらいちゃうの?」
2年前まで大阪で営業をしていたが、出産の為に実家のあるここ垂水に移転させてもらい、産休も半年しか取らずに事務職で復帰したと言うのは聞いていた。シングルである。
「子供は母と妹が見てくれてるんよ、二人共若返ったしw」
「そうなんや、しかし親子3人とも魔物倒したって事やんな?」
「うん、いきなり家の中に魔物が3体も現れて、家族全員でしばき回したったw
そのあと死に掛けたけど、気づいたら若返ってた」
「3体だけで良かったな~ 多分人数×3が沸いたはずやから」
「そういや、庭や裏の空き地に5~6体くらいの魔物がおったわ、あれかな?」
「それかもな、まぁ生きててホッとしたわ、他のみんなは?」
少し顔をうつむけ、ぽそっと話を続ける。
「昨日は何人か出勤してきたけど、今日はほぼ出てきてないね。
所長と副所長は連絡取れないし連絡も無いよ、同期の山本君も連絡つかんし」
所長他、知り合いの住所を聞いてスマホにメモする。
その後、1時間ほど話し込んで健斗達は事務所を後にした。
しばらく一緒にレベル上げとかをしようかと提案したが、家族で頑張ると言い切られた。
まぁ同期と言うだけで、そこまで深い付き合いも無かったので、断られても仕方ない。
「これからどうする?」
「まぁ会社は機能してない事が分かったし・・・
色々と物資を補充しながら宝箱探しもって行こうか?」
「素早さが上がる靴とか服とか欲しいなぁ」
「業務用の冷凍庫もどっかファミレスとかで探したいしな」
「取り敢えず、北に上がって高丸のホームセンター行こか。
上が大型スーパーやから、業務用の冷凍庫あるかも知れんしな」
2人は高丸目指して飛び上がった。
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