厄災の街 神戸

Ryu-zu

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第三章 健斗と美咲と新たな出会い

リノベーション

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健斗の大剣と大剣豪のスキルはLv10くらいのオークならチワワと戦う程度の労力で倒せる。
気を付けないと怪我をするが、本気でやれば相手にならない。

「よっし、次行こか~」

  「すごいなぁ・・・」
  「つよいなぁ・・・」
  「かっこいい・・・」

健斗は聞こえて無い振りをして次のパーティーの応援に駆け寄る。
だが心の中ではスキップしながらマイムマイムを踊っている。

 『騙されんなよ~只のイチビりなおっちゃんやぞ~』

  「彼女も二刀流で凄く強いですよねー」
  「その黒犬はペットなん?」
  「声が可愛い・・・」

 『ペットちゃうよ、うちの眷属のオオカミやで~』

  「おおおおお~かっこえぇ~」
  「狼が眷属やって~」
  「レベルも高そうやなぁ」
  「オオカミ、いいなぁ・・・」

 『まだこの子はLv20でうちはLv23やから、パーティーの中では一番下やで』

  「すご~」
  「どんだけ魔物倒せばそこまでいくんやろ~」
  「可愛くて格好良くて強いって、戦乙女かよっ」
  「持ってる人は違う・・・」

咲空さくらの鼻がどんどん伸びていく。
いさめる様にシュヴァルツの左前足が咲空の右肩甲骨をチョンチョンと叩く。



姉と剣女の方ももう次のパーティーに移っていた。
麗里はまだ大きな火を使えないので、拳に火を纏い格闘系で頑張っている。


次々に魔物の群れを殲滅していくと、さすがに戦闘人数も多くなって、剣を振り回す健斗達のメンバーはちょっと戦いにくくなってきた。

「もっと散開しよか~」
「味方に当てらん様にな~」

ただ、一つの群れを殲滅するのに時間が掛からなくなってきた。

どんどんボス級のモンスター、オーガに近づいていく。


オーガと戦っているのはこっちの精鋭部隊で、皆レベルは20を超えているが、これと言ったスキルを持ってない人が多い。
まぁ自分も風刃と魔風剣以外にこれと言ったスキルは持ってなかったんだけど・・・

オーガの手前の最後の魔物の塊りを殲滅した三ノ宮クランのメンバー達は、ハイオークとオーガを取り囲むように集ってきた。

健斗は、剣術スキルを持っているのに剣が無い精鋭部隊の1人を引っ張って呼び寄せた。

  「ちょ、何すんねんやっ」
「これ使い~や」

健斗はルームから刀を1本出してきてたのを手渡した。
刀を受け取った女性はキョトンとした顔をしながらさらに問う。

  「あ、あんた誰っ?うちのクランにおったっけ?」
「あぁ俺は助っ人に来ただけやから、多分初対面やろ」
「せっかく剣技を持ってるのに剣を持ってなかったからな」

  「・・・」
「これでちょっとは楽に戦えるやろ」
「その刀はやるわ」

  「私のステを覗いたん?」
「ん?オーガと戦ってる人、全員見たよ?」
「戦略考えるのに、味方のステ知らないと上手く出来んやろ?」

  「ま、まぁそりゃそうやけど・・・」
「ま~勝手に見たのが気に入らんかったんなら謝るよ」
「ごめんね」

  「いや、いきなりやったからビックリしただけやから」
  「これ、ありがとうございます」
「えぇよ、これで戦力アップやな」

軽く頭を下げ持っていた鉄棒を捨てて、颯爽とハイオークの群れに向かって走っていく女性。

笑顔でその女性を見送る健斗を見て、仲間の女性陣が声を掛けてきた。

「相変わらずスケコマシしとんかい」
『おっちゃんはほんま女にエロスの粉掛けるん上手いよなあ』
 『おっさん、えぇ加減にせんとそのうち痛い目見るで』
 『自分の容姿や身分、考えんかいや』
全員『『 エロおやじが・・・ 』』」

「そ、そこまで追い詰めんでも・・・」

 「まぁ私らはわかっとうからえぇで」
 「剣術あるのに剣が無い子を自分と重ねたんやな?」

『あはははははは、思い出した~』 
 『剣士の職業やのに剣術が無いおっさんが昔おったなぁ』

「ちょ、ちょっと出かけて来るわ」

 『逃げるんかぃ』
『おっちゃん、いっつも分が悪くなると逃げようとするな』
 「まぁ行きたいとこあるんやったら行っといで」

「オーガ、駄目そうなら助けたってな」
「すぐに帰って来るしー」

オーガのレベルは20だが、ステは高いしボス級特有の雰囲気をかもし出している。
スキルも複数あり、中には雷属性のスキルや咆哮も持っている。
まぁこれだけ人数居るし、剣女も姉も妹も、おまけに眷属3体も居るし。
咲空さくらは治癒魔法も覚えてる事だし、まぁ不安要素はほぼ無いな。


「その前に、麗里レイリ、進化おめでとな」
「身体が赤いけど、リトルとは種族違うんか?」

 「麗里は火の属性やから赤いんやで」

「ほぉ~」
「良い主人持ってよかったな、麗里」

 「アリガト ウレシィ」
 「麗里っ騙されんなっ!こいつはメスでもいけるおっさんやからな」

剣女が麗里を抱きしめ健斗から見えないように背を向ける。

『人化しとるから女として見とるぞ、やっぱり女好きやなおっさん』

「おまえら~ほんまえぇ加減にせぇや~」
「んでも麗里は服は着た方がえぇぞ。おっぱいもワレメも丸見えやぞ」
「あははははは」
千里おっさーん!!!」

子熊の麗里は進化で人化した事で、胸と股間の体毛が極端に少なくなっていた。
子供とは言え、人間で言えば小6~中2くらいの年齢なので、それなりの女体になっていた。



健斗は上空に飛び上がり、それを見ていた三ノ宮クランの人達が感嘆の声を上げる。


上空で母を探したが見つからなかった。
(どこまで行ったんや・・・)

健斗はふと思いつき、すぐ目の前のタワーマンションの上階に忍び込む。
(ここなら良い家具とかも置いてるだろう)

その前に、ルームをリノベーションしておこう。
まだスキルレベルは上がって無いが、部屋の拡張と増設が出来る。
昨夜の様に気を使い寝るのは、美咲がしんどいかも知れない。

先々の事も色々と考えて部屋の配置や置く家具を想像してみる。


ちょうど忍び込んだ部屋が健斗の考えていた感じに近く、ベッドもシングルが2つ入っていた。

家具も色んなパターンを考えたが、今はテーブルくらいだけでも十分だ。


ルームに出たり入ったりしながらベッドやテーブルをセットしていく。
(早くキッチンや風呂やトイレが設置出来ないと何とも成らんなぁ)

オーガの事はあまり頭に無かったが、まぁ剣女に任せとけば大丈夫だろう。


「まぁこんなもんか~」




最初の部屋を2度拡張して10畳に、4人掛けダイニングテーブルと大型冷蔵庫を3つ入れた。
真ん中に1800x4500で5畳に、ゲートと将来トイレを設置する部屋にして、そこに刀を置く。
そしてベッドルーム。
ベッドルームは6畳にしてクローゼット1.5畳を作り、そこにキャリーケースやリュックを放り込む。
ベッドはシングルを2つ入れてPC机も置いてみた。

裏技のコンセントを使うために囲いを作ってコンセントを設置しゲートを固定位置にしてみる。


あとはこの感じから4方に部屋を広げていくか。

17ポイントちょいもあったのに、もう6.7ポイントしかない。
ん~10.5ポイントも使ってしまった・・・
あとはレベル上がってトイレや風呂を設置できるようになった時に、すぐに使えるよう節制していかないとなぁ。

早くレベル上がらないかな~





~~~~~~~~~~~~~~~~~~





上空に上がって、すぐに宝箱を見つけた。
喜び勇んで宝箱に近寄り、すぐに開けたが中は空っぽだ。

健斗たちが開けた宝箱だった。

『・・・』
『くっそ~こんな所にあったなんて・・・』
『もう見逃しはしないっ!』

しかし、どれだけ意気込んでも無いものは無い。
かなり広範囲を飛び回ったが見つからない。

そうこうしていたら、[広角視野]と言うスキルを覚えた。
視覚範囲がパノラマ写真の様に広がり、見える範囲が大幅に広がった。

[広角視野]で広範囲を捜索していると[遠目]スキルを覚えた。

宝箱では無い箱やドレッサーやゴミ箱等を凝視するたびに(宝箱かな~?)と見ている。
そして、二つのスキルを駆使して宝箱を探し続けていると[探索たんさく]スキルと[鑑定かんてい]スキルを覚えた。

母は空中で阿波踊りを踊りまくった。
『宝箱を探してるだけで、こんなに色々なスキルを覚えるなんて・・・うれしっ♪』

しかし、今はそれどころではない。

どうしても健斗が持っている様な大剣が欲しい。
今の長刀が気に入らない訳では無いが、やはり憧れの幻想大剣ファンタジーソードを振り回したい、それで暴れたいと言う初期の想いは捨てられない。

『もうちょい頑張るかぁ~』
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