厄災の街 神戸

Ryu-zu

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第三章 健斗と美咲と新たな出会い

おっぱ~いもんで~

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1体目の解体が始まった。

みんな訓練を辞めて見物に来ている。


美咲が、健斗のいない間に6人に風纏を習得させていた。
なかなか使える奴だ。
残り8人かな。

解体している連中はもう風纏を覚えているので、まだの人を誘って上空に飛ぶ。
美咲と分担すれば4回ほどで終わるだろう。


最後に母親と、一番最初に飛空スキルが欲しいと言っていた女性を抱いて飛び上がる。

「待たせてごめんね」
風纏のスキルが欲しいと言っていたが、飛行スキルまで覚えてもらうために待たせておいた。


そのまま神戸駅方面に飛ぶ。
理由は、神戸市に一軒しかない刀剣店が神戸駅北側の中央幹線多門通りにあるからだ。


空に飛び上がり暫く進むと母親がポツリと言った。
  『健斗さん、おっぱいに手が当たっとるけど、ちゃんと揉んでもいいんよ?』
「あ、いやいやごめんなさい」
  「私も、あなたなら揉んでも文句なんて言わへんよ~」

健斗の首に手を回してもらい、脇の下から手を入れるように抱きかかえているため、どうしたも下乳に手が当たってしまう。
気にもしていなかったが、やはり指摘されるとそこを強烈に意識してしまう。

「へっへっへ それでは遠慮なく~」
  「きゃぁぁぁ♪」
  『空中でやられるぅ~♪』

母親は推定Cカップ、女性はBとCの間くらいだろうか。
どの道、戦士系剣士系にしては少し大きめな胸だが、レベルが上がるとBカップ位に落ち着くだろう。

因みに、巨乳の戦士や剣士や格闘家なんて自然体では存在しない。
肉体を戦闘に特化すればするほど体脂肪率は落ちるのだから。

腹筋の割れた巨乳なんて、もしも居たらそれは作りものである。

フィットネスをやってる人でたまに見かけるが、あれは過度の女性ホルモンを摂取したり、豊胸手術を施してるのが実情。
それを売りに商売をしているので、必要経費と言うところだろう。



健斗は、二人共中身がそんなに若くも無く自分の事を嫌な感じでは思ってない事から、少々のセクハラや下品な下ネタも許容してくれるだろうと思って二人の胸を揉んでみた。

   『「・・・・・」』

「ちょっちょっと黙らんでよ~」

ふざけて胸を揉んでいると、二人共急に黙ってしまった事に健斗は気恥ずかしさを覚えてそっと手を止めた。

  「テクニシャンね」
  『ほんま、ちょっと感じてしもたよ』

そんな事を言われた事は無いので、顔が真っ赤になっているだろう健斗だった。




中華街がある南京なんきん町辺りを過ぎる頃には二人とも風纏を覚えた。
時短の為、風疾駆に切り替える。

  「はぁ綺麗やなぁ~」
  『ちょっと色が違うんやね』
「うん、個人のオーラみたいなもんかなって思ってる」
「でも、俺からの享受なら青系になるみたい」
  『そういや子供たちは緑の薄い感じやったなー』



栄町に入った辺りから、あちこちで戦闘を見かけるようになった。

多分、三ノ宮ギルドの遠征隊なんだろうなと思いつつ、下目に見て通り過ぎる。

トロールほどでは無いが、大きめのハイオークや中には大鬼オーガも見受けられる。
パーティー単位で戦っているのだろう。多分大丈夫だな。

  「狩人の人らやと思うけど、みんな頑張っとうなぁ」
  『私は早く強くなりたい!』




刀剣店に着く前には、母親が飛翔、女性が飛空と言う飛行系のスキルを覚えた。

「風纏は色んな場面で使うから、早めにコントロールを覚えてね」
「飛行系のスキルはスピードくらいしか熟練度で変化は無いみたい」



そんな指導をしていると、刀剣店の前に付いた。

ちょっと西に歩くと神戸福原と言う歓楽街がある。
男性御用達のお店も多いが飲食店や娯楽の店も多い。

一昔前は893の事務所も多かったが。

そこから新開地と言う旧繁華街に続く。
昔はいくつもの映画館が立ち並び、東の三ノ宮、西の新開地とまで言われるくらいの盛況だったが、今は小さな演劇場や寄席小屋とか、通りは広いが雰囲気がこじんまりした商店街が残るだけだ。


刀剣店はシャッターが下ろされていて、誰かが無理やり開けようとした痕跡が多々ある。

今の健斗の力なら簡単にシャッターくらい開けれるが、もうあまり暴徒の様な行動は控えようと思っているところだ。

4階建ての建物の2階の窓を叩いてみる。
返事はない。

3階の窓を叩く。
やはり返事はない。

4階も・・・

裏に回ってみるが、人が居る気配がしない。

屋上から侵入を試みる。

鍵が掛かっているので、やはり暴挙に出ないと開けられない。

1階の裏口から呼ぶ声が聞こえたような気がして見てみると、母が裏口から入れると叫んでいた。



店内に入ると中は真っ暗で、普通の人なら何も見えないだろう。

暗闇でも見える[暗視系]の魔法もついでに覚えるように指示を出す。
「母は大剣が良いって言ってたけど、長刀しかないね~」
  『長いのと普通のと両方貰いたいかな』

  「あっ暗視おぼえた~」
  『私も暗視ってスキルを覚えたよー』

  『なんか、色の無い世界って慣れるまで気持ち悪いね』

  『あ、健斗さん、これがいい~』
そこには健斗が長刀と言っていた、刃渡りが1200㎜くらいあり、中反りでつかは白木でつばは無く鞘も白木で細かい細工が施された刀が、ガラス戸の中に悠々とした佇まいで鎮座していた。

普通の日本刀の刃渡りが700㎜くらいなので、かなり長く見える。
大太刀おおたちと呼ばれるもので、扱うのにかなり難易度は高いと思う。

もう少し短い野太刀のだちなら、刃渡りは900㎜ほどなのでそちらの方が良いのじゃないかと思うが、母はどちらを選ぶのだろうか?



ふっ どちらも選んだ・・・


大太刀を背中に背負せたろって野太刀を脇差にしている。
身長も175㎝程しか無いのに、ちょっと欲張りすぎだろう。

「そんなん振り回せるかー?」
  『べっちょないよ~ 慣れればOK』

女性は普通の日本刀だが、鞘がカラフルな数種類から青い漆塗りの珍しい物を手に取った。

一昔前までは、漆の色と言えば5色くらいしかなかったが、今は数十種類はあるらしい。
青はもちろん、ピンクとかもあると言うから驚く。

「そろそろ外に出ようか~」

健斗は店舗部分にある刀をほとんどルームの中に放り込んだ。
多分、他の部屋にはもっと色々な種類の刀を保存しているかも知れない。
最高級の日本刀もあるかも知れない。

だが、盗賊では無いので、必要な分だけ頂ければ良いと考えている。

その旨を二人に伝えると、それで良いとの返事を貰った。


「さっき、ここの北側にうじゃうじゃゴブリンとか居たから、試し切りに行こうか?」
  『「いく~」』

2人を先に出して勝手口に錠を掛け、バリケードを作っておいて階段を駆け上り屋上から外に出た。
他の人もそのうち物色に来るだろうが、一応保安の為に飛べない奴は入れないようにしておく。




外に出て少し北側に、マンションやビルに囲まれた西橘公園と言う名の小さな公園がある。
そこには数十体のゴブリンを相手にしている数人のパーティーがあった。

そこそこの技量を持っているようで、力負けはしていない。
手伝う必要はまったく無いだろう。



上空から見るとあちこちに魔物の塊りが見える。

モンスターの数の割に戦っているパーティーやグループが極端に少なく感じる。
ここら辺はあまり強いパーティーが無いのだろうか。


「対戦相手が居ない群れを倒しに行こうか」
  「はいっボス!」
  『Yes Sir』
「おいおい(笑)」


美咲が師匠と呼ばれる事に少し嫉妬し憧れたが、いざ自分がその立場になるとこそばゆいもんだ。


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