58 / 154
第三章 健斗と美咲と新たな出会い
クランと言う集団
しおりを挟む
「ほぉぉぉぉ~~~」
「あ、あ、ありがとぉ~」
「か、髪の毛がフッサフサじゃ~」
若い頃から頭髪が抜け始めて、30代半ばにはもうツルっとしていた還暦過ぎの男性。
30年ぶりにふさふさの自毛が頭にある事に感激している。
「おじさん、また鏡を見たら良いけど、見た目も20代前半にしか見えないですよ」
そんなような会話があちらこちらで聞かれる。
全員が進化した事に喜びを感じてくれている。
だが、喜んでばかりは居られない。
「みなさ~ん、苦しい変態を良く耐えて、お疲れさまでした」
「お~ありがとなぁ」
「ほんまに私らを誘ってくれてありがとっ」
美咲が覗き見してみると、全員レベルが3まで上がっていた。
(1人当たり51expって、イノシシの経験値ってすごいんやなぁ)
「健ちゃん、みんなレベル3になっとるなぁ」
「だな~、もう職業につけるんや」
「それではまず始まりの儀式です」
ざわざわとし始まる。
死ぬほどの想いをしたすぐあとに一体何をさせられるんだろうか。
「それでは」
ごくっ
「ステータスオープンと唱えて下さい」
「はぁぁ?」
思ってた事と全く違ったので、ガクッとした人が多数いた。
ん~関西人。
「おっ?おおお? おおおおおおおおおおおおおおお!!!」
目の前に現れたステータスプレートに皆が一様に驚き、これからファンタジーの世界を歩き出すこころ心算が沸き起こる。
しばし興奮冷めやらぬ人々を眺め、健斗は声を張り上げて皆に語り掛ける。
「皆さん、まずはスキルを覚えてる人は居ますか~」
数人が手を上げる。
「俺は元々大工やから?大工ってスキルがあるわ」
「私は趣味がそうやからかな?裁縫と料理ってスキル」
「自分も中華のコックやからやな、調理と料理がある」
「おしいっ」
「ん?」
「私は学生時代体操をやってたからかな?軽業ってのがあります」
「おぉ~AGIに補正ついとるしステがそこだけ高いなー」
「うちと同じタイプやな」
「俺は3つもあるよ」
「ほぉ~すごいな」
「調理と野営と解体やわ」
「おぉおお!きたぁ~!!」
「???」
「アウトドア派やな~ キャンパーか?」
「リアルサバゲ―だよ」
「それでは次に~」
「職業ってところの横の選択って見てくれますか~」
「自分で選択できる人はやってしまってください」
「よくわからんって人は自分かコの子に聞いて下さいね~」
「声掛けてな~」
『美咲さん、うちはどうしたらえぇかな~』
「今後どうしたい?」
妹は美咲に問いかけたのに、健斗が返答してきた。
『お兄とおかあさんと3人で生きていきたい』
「んじゃー戦いはお兄ちゃんに任せてお母さんと隠れとく?」
戦いは好きじゃないと聞いていたので、わざとだが美咲は嫌味な言い方をしてみた。
「それなら生活魔法だけでいいな」
20人もの団体なので、全員が戦闘員じゃなくても良いと健斗は思っている。
「でもまぁ火球あるし」
「お母さんはどうしたい?」
若返ったら、なかなかの美人だったのが飛び切りの美人さんになった。
『私は戦いたい!』
『えっ?』
『こんなチャンス見逃す手は無いよね』
『出来れば、大剣を振り回す戦士をやりたい』
『お、おかあさん?』
『あ~っはっはっは~』
『おかん、これからもよろしくな~』
兄は母親が戦士になりたいと言う言葉に賛同している。
母が異世界転生ラブストーリーやファンタジー恋愛ものが大好きな事を知っている。
戦闘ものやRPGも好きな事を知っている。
息子から見ても綺麗で優しい女性だと思うが、実は残念な人だという事も知っている。
『子供達と見た目も変わらないし、これからは3姉弟でやっていくの』
四芒星が二つ重なった文様が蓋に描かれたコンパクトを開いて、自分の顔を見てそう言った。
「ふっ サリーちゃんかよっ」
『ざぁ~~~んねぇ~~~ん!!!』
『これはアッコちゃんだよ~』
「あっそうか~ ラミパスの方だな」
「知ったかぶりしてすみませんでした」
『許す♪』
「それはやっぱり、テクマクマヤコンで変身出来るの?」
『出来るかぁ~』
「だよなぁ(笑)」
2人で盛り上がるが、美咲も兄妹も一体何の事かもわからないし、何を言ってるのかさっぱりわからないし、何が楽しいのかもわからなかった。
30分ほどして、希望の職がない数人を除いて、職業の選択が終わった。
健斗は自分が覚えた[水口]を見せて水を出す魔法を全員に覚えさせた。
そして、美咲を教師にして火を出す魔法も覚えさせた。
「さっきのサバイバーさんと料理人の方々、そこの大きいイノシシを解体したいんですが」
「これからこの集団で活動するとして、食用の魔物を解体できるスキルを持つ人が必要です」
健斗はこれからの食糧事情を快適にする為にまずは解体の作業に携わる人を作ろうと思った。
あわよくば、自分も覚えられたら色々と使い道は有る。
「解体するにも道具がないやん」
「普通に包丁じゃあかんかな?」
「大きな物と強くて小さい物の最低2本は欲しいかな」
「少し待っといて~」
健斗はルームのポータルを出し、部屋の中に入って行く。
外ではそれを見て大騒ぎだ。
裏技を使ってマンションに移動して包丁を探す。
何件も回って牛刀とペティナイフ、刺身(柳刃)包丁や出刃包丁など、数種類をかき集め本棚にしてあった木箱を見つけ、それを包丁入れとして放り込んでいく。
40本くらい集まった所で三ノ宮に戻る。
ゲートを出ると、凄い歓声と驚嘆のざわめきが聞こえてきた。
「空間を操作する系のスキルまであるんですねー」
「やっぱり空間倉庫は欲しい所ですなー」
「そのスキル?はどうやって顕現させたん?」
「これはうちらが見つけた宝箱から出たんよ~」
「おぉぉぉ~~~宝箱まであるんかぃ」
「なんか、ワクワクしてきたわ~」
新しいゲームを始めた時の様な期待感と高揚感を皆が感じている。
失敗すれば死ぬという事をまだ実感はしていないんだろうが・・・
まずはボアの解体から手を付けていく。
解体のスキル持ちと料理や調理のスキル持ち、そして刃物を扱う大工も参加した。
他にも数人、見学がてら降りてきた。
屋上では跳躍スキルの取得に励む人、投擲を覚え、それに水や火をのせてみる人。氷のつぶてを投げれるようになった人も居た。
軽業のスキル持ちは美咲と訓練中だ。
皆それぞれに上昇志向で進化後の生き方に取り組んでいる。
剣士希望の人も多いため、何か剣を調達しないといけない。
職業が発現しないからだ。
神戸には刀剣店が兵庫区に一軒あるだけだ。
刀剣と言っても、置いてあるのは基本的に日本刀だ。
仕込み刀もあるし、長刀もある。
でも西洋刀や中国刀は置いてない。
ましてやファンタジーソードなんてある訳も無い。
それでも刀を振り回していないと職業が発現しないだろうし。
(行ってみようか・・・)
そう思ったが、まずはここでやる事がまだまだある。
「包丁はこんなもんで良いかな?」
「これだけあればどうにか」
「シートとか要るよね?」
健斗はサバイバーと料理スキル持ち女子を風纏で抱えてゴルフの打ちっぱなし場に向かう。
バックヤードや倉庫を物色し、ブルーシートやネットなど使えそうなものを探し持ち出す。
行きの空中で二人共青系の風纏を覚えたので、少し練習してからコンビニの駐車場に戻る。
ヨチヨチ歩きの赤ん坊の様なスキルの熟練度だが、なんとか浮いたり沈んだりしながら二人は頑張って健斗に着いて行った。
(風纏もあと18人か~)
駐車場にブルーシートを拡げて、いよいよボアの解体に掛かる。
「骨を切るのにノコギリも必要なんですが」
「了解」
また別の二人を抱えて、ハーバーランドのホームセンターに向かう。
ホームセンターに着く前に風纏を覚えたので、それからは風疾駆で飛ばし時間を短縮する。
工具類は2階の売り場である事は知っている。
1階でも色々と使える物もあるが、物色はまた今度だ。
中は排煙窓から少しだけ明かりがあるものの、基本は暗い。
ここで暗視系のスキルを、連れてきた二人が覚えてくれると良いが。
包丁関係はほぼほぼ無くなっていたが、小さい包丁やペティナイフなどはまだ残っている。
電動工具売り場にコードレスの電動のこぎりやセーバーソーを見つけた。
戦闘には然程使えないが、解体には必要な物だ。
替えの電池も探して展示してあった3台を手に取り戻る。
替え刃も色々な種類をごっそりと持っていく。
(まぁ他にこれが必要だと言う人も居ないだろう)
戻る前に、替えの電池をルームの中のコンセントで充電しておいた。
その為の延長コードも何個か物色していった。
まったく、泥棒そのものだな・・・
帰りも風疾駆で飛ぶと、一人の男性が飛行スキルを覚えた。
それならばついでにと、飛行路を変えてしばらく飛んでみる。
ポートアイランド上空を暫く飛ぶと、残りの1人もスキルを覚えた。
二人共風を纏い飛びながら帰路に着くが、とても喜んでいる。
「健斗さん、空を飛ぶなんて夢の様です」
「ほんまほんま。人の所業じゃないもんなぁ」
そんな顔を見ると、健斗のおせっかい度が益々上がるだろう。
駐車場に戻ると、ボアの血抜きと皮剝ぎが終わっていた。
「あ、あ、ありがとぉ~」
「か、髪の毛がフッサフサじゃ~」
若い頃から頭髪が抜け始めて、30代半ばにはもうツルっとしていた還暦過ぎの男性。
30年ぶりにふさふさの自毛が頭にある事に感激している。
「おじさん、また鏡を見たら良いけど、見た目も20代前半にしか見えないですよ」
そんなような会話があちらこちらで聞かれる。
全員が進化した事に喜びを感じてくれている。
だが、喜んでばかりは居られない。
「みなさ~ん、苦しい変態を良く耐えて、お疲れさまでした」
「お~ありがとなぁ」
「ほんまに私らを誘ってくれてありがとっ」
美咲が覗き見してみると、全員レベルが3まで上がっていた。
(1人当たり51expって、イノシシの経験値ってすごいんやなぁ)
「健ちゃん、みんなレベル3になっとるなぁ」
「だな~、もう職業につけるんや」
「それではまず始まりの儀式です」
ざわざわとし始まる。
死ぬほどの想いをしたすぐあとに一体何をさせられるんだろうか。
「それでは」
ごくっ
「ステータスオープンと唱えて下さい」
「はぁぁ?」
思ってた事と全く違ったので、ガクッとした人が多数いた。
ん~関西人。
「おっ?おおお? おおおおおおおおおおおおおおお!!!」
目の前に現れたステータスプレートに皆が一様に驚き、これからファンタジーの世界を歩き出すこころ心算が沸き起こる。
しばし興奮冷めやらぬ人々を眺め、健斗は声を張り上げて皆に語り掛ける。
「皆さん、まずはスキルを覚えてる人は居ますか~」
数人が手を上げる。
「俺は元々大工やから?大工ってスキルがあるわ」
「私は趣味がそうやからかな?裁縫と料理ってスキル」
「自分も中華のコックやからやな、調理と料理がある」
「おしいっ」
「ん?」
「私は学生時代体操をやってたからかな?軽業ってのがあります」
「おぉ~AGIに補正ついとるしステがそこだけ高いなー」
「うちと同じタイプやな」
「俺は3つもあるよ」
「ほぉ~すごいな」
「調理と野営と解体やわ」
「おぉおお!きたぁ~!!」
「???」
「アウトドア派やな~ キャンパーか?」
「リアルサバゲ―だよ」
「それでは次に~」
「職業ってところの横の選択って見てくれますか~」
「自分で選択できる人はやってしまってください」
「よくわからんって人は自分かコの子に聞いて下さいね~」
「声掛けてな~」
『美咲さん、うちはどうしたらえぇかな~』
「今後どうしたい?」
妹は美咲に問いかけたのに、健斗が返答してきた。
『お兄とおかあさんと3人で生きていきたい』
「んじゃー戦いはお兄ちゃんに任せてお母さんと隠れとく?」
戦いは好きじゃないと聞いていたので、わざとだが美咲は嫌味な言い方をしてみた。
「それなら生活魔法だけでいいな」
20人もの団体なので、全員が戦闘員じゃなくても良いと健斗は思っている。
「でもまぁ火球あるし」
「お母さんはどうしたい?」
若返ったら、なかなかの美人だったのが飛び切りの美人さんになった。
『私は戦いたい!』
『えっ?』
『こんなチャンス見逃す手は無いよね』
『出来れば、大剣を振り回す戦士をやりたい』
『お、おかあさん?』
『あ~っはっはっは~』
『おかん、これからもよろしくな~』
兄は母親が戦士になりたいと言う言葉に賛同している。
母が異世界転生ラブストーリーやファンタジー恋愛ものが大好きな事を知っている。
戦闘ものやRPGも好きな事を知っている。
息子から見ても綺麗で優しい女性だと思うが、実は残念な人だという事も知っている。
『子供達と見た目も変わらないし、これからは3姉弟でやっていくの』
四芒星が二つ重なった文様が蓋に描かれたコンパクトを開いて、自分の顔を見てそう言った。
「ふっ サリーちゃんかよっ」
『ざぁ~~~んねぇ~~~ん!!!』
『これはアッコちゃんだよ~』
「あっそうか~ ラミパスの方だな」
「知ったかぶりしてすみませんでした」
『許す♪』
「それはやっぱり、テクマクマヤコンで変身出来るの?」
『出来るかぁ~』
「だよなぁ(笑)」
2人で盛り上がるが、美咲も兄妹も一体何の事かもわからないし、何を言ってるのかさっぱりわからないし、何が楽しいのかもわからなかった。
30分ほどして、希望の職がない数人を除いて、職業の選択が終わった。
健斗は自分が覚えた[水口]を見せて水を出す魔法を全員に覚えさせた。
そして、美咲を教師にして火を出す魔法も覚えさせた。
「さっきのサバイバーさんと料理人の方々、そこの大きいイノシシを解体したいんですが」
「これからこの集団で活動するとして、食用の魔物を解体できるスキルを持つ人が必要です」
健斗はこれからの食糧事情を快適にする為にまずは解体の作業に携わる人を作ろうと思った。
あわよくば、自分も覚えられたら色々と使い道は有る。
「解体するにも道具がないやん」
「普通に包丁じゃあかんかな?」
「大きな物と強くて小さい物の最低2本は欲しいかな」
「少し待っといて~」
健斗はルームのポータルを出し、部屋の中に入って行く。
外ではそれを見て大騒ぎだ。
裏技を使ってマンションに移動して包丁を探す。
何件も回って牛刀とペティナイフ、刺身(柳刃)包丁や出刃包丁など、数種類をかき集め本棚にしてあった木箱を見つけ、それを包丁入れとして放り込んでいく。
40本くらい集まった所で三ノ宮に戻る。
ゲートを出ると、凄い歓声と驚嘆のざわめきが聞こえてきた。
「空間を操作する系のスキルまであるんですねー」
「やっぱり空間倉庫は欲しい所ですなー」
「そのスキル?はどうやって顕現させたん?」
「これはうちらが見つけた宝箱から出たんよ~」
「おぉぉぉ~~~宝箱まであるんかぃ」
「なんか、ワクワクしてきたわ~」
新しいゲームを始めた時の様な期待感と高揚感を皆が感じている。
失敗すれば死ぬという事をまだ実感はしていないんだろうが・・・
まずはボアの解体から手を付けていく。
解体のスキル持ちと料理や調理のスキル持ち、そして刃物を扱う大工も参加した。
他にも数人、見学がてら降りてきた。
屋上では跳躍スキルの取得に励む人、投擲を覚え、それに水や火をのせてみる人。氷のつぶてを投げれるようになった人も居た。
軽業のスキル持ちは美咲と訓練中だ。
皆それぞれに上昇志向で進化後の生き方に取り組んでいる。
剣士希望の人も多いため、何か剣を調達しないといけない。
職業が発現しないからだ。
神戸には刀剣店が兵庫区に一軒あるだけだ。
刀剣と言っても、置いてあるのは基本的に日本刀だ。
仕込み刀もあるし、長刀もある。
でも西洋刀や中国刀は置いてない。
ましてやファンタジーソードなんてある訳も無い。
それでも刀を振り回していないと職業が発現しないだろうし。
(行ってみようか・・・)
そう思ったが、まずはここでやる事がまだまだある。
「包丁はこんなもんで良いかな?」
「これだけあればどうにか」
「シートとか要るよね?」
健斗はサバイバーと料理スキル持ち女子を風纏で抱えてゴルフの打ちっぱなし場に向かう。
バックヤードや倉庫を物色し、ブルーシートやネットなど使えそうなものを探し持ち出す。
行きの空中で二人共青系の風纏を覚えたので、少し練習してからコンビニの駐車場に戻る。
ヨチヨチ歩きの赤ん坊の様なスキルの熟練度だが、なんとか浮いたり沈んだりしながら二人は頑張って健斗に着いて行った。
(風纏もあと18人か~)
駐車場にブルーシートを拡げて、いよいよボアの解体に掛かる。
「骨を切るのにノコギリも必要なんですが」
「了解」
また別の二人を抱えて、ハーバーランドのホームセンターに向かう。
ホームセンターに着く前に風纏を覚えたので、それからは風疾駆で飛ばし時間を短縮する。
工具類は2階の売り場である事は知っている。
1階でも色々と使える物もあるが、物色はまた今度だ。
中は排煙窓から少しだけ明かりがあるものの、基本は暗い。
ここで暗視系のスキルを、連れてきた二人が覚えてくれると良いが。
包丁関係はほぼほぼ無くなっていたが、小さい包丁やペティナイフなどはまだ残っている。
電動工具売り場にコードレスの電動のこぎりやセーバーソーを見つけた。
戦闘には然程使えないが、解体には必要な物だ。
替えの電池も探して展示してあった3台を手に取り戻る。
替え刃も色々な種類をごっそりと持っていく。
(まぁ他にこれが必要だと言う人も居ないだろう)
戻る前に、替えの電池をルームの中のコンセントで充電しておいた。
その為の延長コードも何個か物色していった。
まったく、泥棒そのものだな・・・
帰りも風疾駆で飛ぶと、一人の男性が飛行スキルを覚えた。
それならばついでにと、飛行路を変えてしばらく飛んでみる。
ポートアイランド上空を暫く飛ぶと、残りの1人もスキルを覚えた。
二人共風を纏い飛びながら帰路に着くが、とても喜んでいる。
「健斗さん、空を飛ぶなんて夢の様です」
「ほんまほんま。人の所業じゃないもんなぁ」
そんな顔を見ると、健斗のおせっかい度が益々上がるだろう。
駐車場に戻ると、ボアの血抜きと皮剝ぎが終わっていた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる