厄災の街 神戸

Ryu-zu

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第四章 天使と悪魔

六甲アイランドで産まれた悪魔

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「ちょっとートオルちゃん、一回ドア開けてー」

桜庭加奈子おおばかなこは2階の1室に引きこもっている2つ年下の弟に呼びかける。

「うるせぇ~んじゃ」

部屋の中から何かをドアにぶつける音がする。





神戸には2つの大きな人口島がある。小さいものもいくつかあるが詳細は省く。

1つはポートアイランド。俗称ポーアイと呼ばれる。1981年に行われたポートピア博覧会は有名である。
同年初頭に開業されたポートライナーは、世界初の自動案内軌条式旅客輸送システム。
わかりやすく言えば、無人で運行するモノレールタイプの“電車”と言えば想像しやすいだろう。
2006年には神戸空港も開港されホテルや商業施設もにぎわっているが、広大な住宅地は高齢化が進み空き家も増えている深刻な問題もある。

もう1つは、ここ六甲アイランド。通称六アイ。
対角線1辺が5Kmほどの5角形の人口島の中に1Km四方で真四角な住宅地がありそのまわりは商業施設や大学のグラウンド、港湾施設などが賑わっている。
JR住吉駅と繋がる六甲ライナーが中央に走り東西を2分している。その島の入り口に高層のタワーマンションが西と東にそびえ立つのが印象的である。

六甲ライナーの西側はウエストコート1番街2番街と続いていく。
東側はイーストコート1番街~となっている。
どちらも高層マンションや中層マンションが数多く立ち並ぶ。

物語の舞台は、イーストコート4番街。
ここはこの島では珍しく、1戸建てが立ち並ぶ区画がある。
その中の一軒での話である。


小さい頃から優秀で、勉強も出来る運動も出来る自慢の弟だった。
関西では有名な大学に入り、全国的にも有名な企業に就職したのだけれど、社会の波に乗り切れず挫折退社。
学生時代の知人と、自分が代表として会社を立ち上げ順調に営んでいたが、その知人に金を持ち逃げされ借金ばかりが残っていった。
残った社員と立て直しに努めたが、その社員も多額の横領を働き、また借金が増えた。

破産申告し会社を倒産させ、当時流行っていたタピオカとクレープ専門店をJR摂津本山駅と阪急岡本駅の間くらいにオープンした。
この辺りは神戸でも有数のハイソな街で、甲南大学や神戸薬科大学等のセレブリティな大学生もお客のターゲットだった。
ただ、地価も高く、借地料もかなり高額だった。

神戸は全国的な流行があまり反映しない独特な街だ。ファッションにしても流行を追わず自分に似合うものをチョイスする傾向にある。それが神戸ファッションと呼ばれる所以ゆえんだろう。

スイーツとパンが特別美味しい神戸の街で流行はやりのスイーツ系は失敗しやすい。
この店も最初はパラパラと客が来るぐらいだったが、神戸スイーツには無いタピオカの味と食感に口コミで人気が広がっていった。

信頼できる従業員も育ち、順調にいってる様に思えた。

売り上げは上がるが利益が薄い。日によれば赤字の時もある。
材料費、地代や光熱費、人件費も含めた原価計算をしたところ、黒字の月は1度もなかった。


集客率は高いのに利益が出ない事に疑問を抱き精査するが原因が把握できない。
事態が好転したのは監視カメラを取り付けた事だった。

信頼し、店長に据えたその女性が毎日数千円をポケットに入れて、多い時には万単位の金をパクっていた。
即刻クビにし、損害賠償を請求したが、防犯カメラに映ったもの以外は知らぬ存ぜぬで押し通され数万円しか回収できなかった。弁護士費用の分赤字になった。

次に育てた若い男は、仕事こそ早くて出来る奴だったが、客がタメ口聞いたと文句を言ったり接客態度の悪さが目立ち、客は潮が引くように居なくなっていった。

「美味しければ売れる」商売とはそんなに単純で簡単なものではないし、そんなに甘い街でもなかった。

結局、閉店までの1年以上も利益が出ずに、また借金のみが増えていっただけだった。


会社は倒産としたため、個人の負債は当初の借財しゃくざい600万円ほどで済んで1年で半分になっていた。新規事業のために借りた500万と店舗の撤去費用や取引業者への清算など借り入れた200万と合わせて1千万円ほどが借金として残った。

たかが1千万くらい頑張れば返せる金額だが、もうこの頃にはトオルの心は折れ掛かっていた。

極めつけは、その当時付き合ってた彼女から誘われて入った新興宗教。
家族からは大反対されながらも、わらにもすがる思いで熱心に信心し、神託料や寄付の名目で少しづつだが大切なお金をむしられ、気が付けば300万もの身銭を教団に搾取されていた。

気づいたのは、教団が誘拐監禁容疑で警察の強制捜査を受けた時だった。
中堅幹部だったトオルは長期間の取り調べで、教祖や上級幹部達の悪行を聞かされ、信用してた彼女にも利用されていただけだと知らされたからだった。

全盛期は、家賃55万もする阪急沿線に住んでいたトオルだったが、阪神沿線の安いアパートメントに引っ越し、最後はそこの月6万ほどの家賃も払えずに追い出され、身も心もぼろ雑巾のようになって、実家の六甲アイランドに転がり込んだのだった。

完全に人間不信に陥り、精神も崩壊寸前のトオルを温かく迎え入れてくれた両親と姉だが、トオルは一切信用も信頼もしていなかった。

日がな一日中、部屋に閉じこもり働く意欲も見せず、仕方なく思った父親がトオルの借金を肩代わりして完済した。

それを姉が伝えると
「恩着せがましいんじゃ!」
と取り付く島もない反応をする。
 (昔はこんな子じゃなかったのに)
姉の櫻庭加奈子おおばかなこは思った。

もう3年も前の話だ。






 「トオルちゃん、本当に出てきて。外がとても大変なの」

元々東灘区の山手に住み、超が付くお嬢様学校に通っていた姉加奈子は、あまり神戸の言葉は使わない。



トオルは部屋を出るつもりは毛頭なかったが、朝から外が異常に騒がしいのは気になっていた。
女性や子供らしき悲鳴も聞こえていた。
トオルの引きこもってる部屋は西南の角部屋で、南にベランダ、西には窓下が1メートル程の腰窓がある。
腰窓の下には、生活のほとんどを過ごすベッドが置いてある。

ベランダに出る掃き出し窓は、ここに住み着いてから雨戸を一度も開けていない。
腰窓もいつも雨戸を閉めたままだが、外が気になるのでシャッター式の電動の雨戸を壁に据え付けてあるリモコンのボタンを押して開ける。

 ガシャガシャと音を立てて雨戸が巻き上がる。

 太陽の光がまぶしい。


窓から身を乗り出して外をうかがうと、大人と大勢の子供が走り回っているのが見える。
 (なにをしてるんだろうか?)
しかし、よくよく見ると子供に見える人物は人では無いように見える。
あまりに気になって仕方なくベランダ側のシャッター式の雨戸も壁付けリモコンのボタンを押して開く。

この家は東側に玄関があり、その前は車が対向できる程度の広さの道が通っている。
ベランダは、トオルの部屋と隣の姉の部屋エリアとつながっている横長のベランダである。
戸建てなので、もちろん間に仕切りなどあるはずもない。

薄いブラウンで半透明の天井の波板から、朝の光が柔らかく差し込む。

東側一杯まで歩いていき道路の方を見ると、どうみても人が襲われてるのがわかる。

どうしても近くで見たくなって1階への階段をトントンと降りていくトオル。

姉はトオルの食事の配達係なのでちょくちょく顔を見るが、父母の顔は数年ぶりに見る。
「トオル、外がおかしなことになってるから」
父親が話しかけるが無視をする。
 「トオルちゃん・・・」
母親が何か言いたそうに名前を呼ぶがそれも無視する。

玄関に向かい手には家族への威嚇用に持ち込んでいたジュニア用の木製のバット。
まだ一度も家族に使ったことは無い。

玄関のドアノブを握りドアを少し開けて外を見る。

台所から加奈子が飛んでくる。
 「トオルちゃん、何してるのー」
 「外には変な生き物がいっぱい居るんだよー」
ドアを思いっきり引っ張り閉める。

自分の行動を止められたトオルは姉に対して苛立いらだ
「うっとおしいんじゃー」

そう言い、加奈子の腹に膝蹴りをぶち込む。
 「う” ぅぅぅーん」

まともに鳩尾みぞおちに膝が入った。
呼吸がしにくそうに、お腹を押さえ加奈子が玄関土間に座り込む。

それを冷たい目で見下げながらドアをもう一度開ける。

玄関前に誰も何も居ないことを確認すると、肩にバットを担いで外に出ていく。
 「トオルちゃん・・・」

消え入るような声で加奈子がつぶやく。




外に出ると近くには人も変な生き物も見えなかった。
だが、あちこちで悲鳴や怒号が聞こえる。

遠出したり徘徊してまで見ようとは思っていなかったトオルは家の中に戻る。

まだ玄関に座り込んでる加奈子を軽く蹴飛ばしドンドンと足音を鳴らし2階に上がっていく。


部屋に入りベッドに寝転がると目を瞑り考える。

もしもさっきのがモンスターなら自分は異世界に飛ばされたんじゃないだろうか。
でも家族はそのままだし、外の景色もあんまり変わったように思わなかった。

それならモンスターの方がこっちの世界に飛ばされてきたって事かも。
どちらにしろモンスターが居るのなら魔法やスキルを使えないんだろうか?

どうしてもモンスターを倒したくなってきた。


そんな事を考えてるうちにウトウトとし始める。
それもそうだ、毎日時間だけは死ぬほどある生活だから、一晩中ゲームをしたり、異世界アニメを視たり、ファンタジー小説を読んだり。
朝も昼も夜もない生活が続くうちに、寝たいときに寝て起きてる間はスマホにパソコンに向き合う。
一度挫折した人間が、簡単には立ち直れないだろう。



3時間ほど寝て目が覚めた。

ドーンドン

腹が減ってきたので、フローリングの床を思いっきり2度踏み叩く。
これがいつもの飯の合図だ。


しばらく待つが飯が来る気配がない。
苛立つトオルはバットを持ち階下に降りていく。
「おいー 腹が減ってイライラすんぞ!」

リビングに行くと真っ暗である。
 「ごめんねトオルちゃん、電気が止まって何も出来ないの」

今朝のモンスターの襲来で、雨戸は全部閉じている。
そのために窓から入る光は、台所のキッチン流し台の上の小窓と勝手口の明り取りだけだった。

そして、この家はガスを使わないオール電化にしている。
そのため停電になると何も出来ないのがネックである。
太陽光発電を設置しようとの話もあったが、トオルの借金返済で立ち消えた。


「じゃかましー出来ないならコンビニでも行って買ってこい!」

理不尽極まりない言葉を平気で紡ぐトオルに対して、この家族は何も言わない言えない。

「トオル、外には変な生き物がたくさん居るんだよー」
 
父親がそう言う

「だから?だからなんやねん!!!」

トオルは手に持ったバットで目の前にあるソファーを思いっきり叩く。

 「「キャーっ」」

加奈子と母親が大きな悲鳴をあげる。

苛立つトオルはそのまま父親にバットで殴りかかる。
両腕でガードしたもののバットの威力で後ろに吹き飛ぶ。
追撃のために迫るトオルの前に加奈子が飛び出す。

 「ダメー トオルちゃん暴力はダメー」

「じゃっかぁーしい!」

加奈子に殴りかかろうとするトオルを、父親が間に入り加奈子を庇う。
 
 ボゴッ

加奈子の身体を抱いて半回転した父親の背中に当たったバット、とても嫌な音がした。

 「だめぇぇぇぇ」

今度は加奈子が身体を入れ替え父親を抱きかかえるが、その勢いで父親の後方に倒れ込む二人。

 ゴツン

父親の後頭部に四角いテレビ台の角が突き刺さる。
加奈子に押し倒された形で、二人分の体重が後頭部1点に集中する。
ドクドクと赤い血が流れ出てきた。
 
 「いやぁぁぁぁ」

玄関から入る光でも、まだまだ薄暗いリビングの奥で、父親が動かなくなった。

それでも頭の線がキレてしまっているトオルは追撃のためにバットを振り上げる。

 (ヒュン)
父親の生命反応が無くなった。

「グゥァァァァァァァァァァァァ」
 「イヤァァァァァァァァァァァァァァァ」

 ボゴッ ベキベキ ゴリゴリッ

「ガァァァウォォォォォォ」
 「ナァァァァァァl」

 グゴッ バキバキッ

「なんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 「ヤァァァァァァァァ」

父親が死んだ瞬間に激痛でのたうち回る二人。

 「トオルちゃん、かなちゃーん、おと~さーん」

母親が心配そうにトオルのそばによる。

「グゥナァァァァァァl
 「もうやめてぇぇぇぇぇ」

「ゴホッゴホォ」
 トオルの口から歯が抜け落ちる
その後から黒い汚い肉の塊のような物が出てくる。
「オエェー」

母親の向こうでは加奈子の口からも抜けた歯がキラキラと落ちてくる。

数分の時間が過ぎた。

「ハァハァハァ・・・」
 「ゴホッゴホッ」


そこに居たのは二回りも三回りも大きくなったトオルと、155㎝しかなかったはずの加奈子が長身スーパーモデル体型になってへたり込んでいた。
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