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第二章 サイコパス覚醒
サイコパス開花
しおりを挟む「ねぇ黄昏てどうしたの?」
1人で東西の連絡通路で外を眺めている女性に声を掛ける。
レベルは4とまぁまぁの獲物だ。
「子供と離れちゃって悲しいはずなのに、何て言うのかなぁ」
「私たち二人もそうですよ。でも今は探すことで気持ちを繋いでるの」
「どうです?一緒に捜索に出ませんか?」
その女はしばし考えて、二人の顔を見回し返事をする。
「宜しくお願い致します」
向こうは一度探したので、と言うと子供と離れたのはこっち側だとその女が言う。
ならば丁度良かったねと、女が言う方向に歩き出す。
軽く自己紹介をして気持ちを和ませる。
あちこち捜索して死角を見つけて奴隷化する。
「そのまま待機」
「んじゃまずは絵里だけで殺ってみて」
「あいよ。 しのぶ!」
大剣で一刀両断する。
「経験値、いくら増えた?」
「82やな」
「うん、まったく同じや」
契約を交わした奴が死ぬと、その経験値が丸々入ってくるようだ。
「んじゃ次は、二人で倒した時の割合やな」
索敵で隠れてる人を探す。
マンションは、思ったより避難所に行かず自宅待機している人が居る。
今の華那子のレベルで契約できる人数は4人。
絵里で1枠取ってるので、あと3人捕獲してそれで殺し合いをさせてレベルを上げる。
残った一人を絵里と華那子で倒す事を計画した。
3人居る部屋を探して玄関に着くが、インターフォンを鳴らしても出てこない。
仕方ないので、同じ階の同じ並びで鍵の開いている部屋を探す。
ベランダの仕切り板を壊しながら進んでいく。
途中人が2人居る部屋があったので、そこに侵入して家人を捕まえ奴隷化する。
親娘だったが、殺し合いは先にして、こいつらを育てながら進む事に変更した。
隣の家には老婆と寝たきりの老人が居たが、それを二人に殺させた。
進化で悶え苦しむ間、絵里と華那子は世間話で笑い合う。
この頃にはもうすでに、他人は人だと思わなくなってきている。
進化も終わり、立ち上がった二人はどちらもレベル2になっていた。
それを連れてまた隣の家へ行き、人が居たら戦わせ、居なけりゃ先に進む。
そして3人居る部屋にたどり着く。
もう同族殺しと殺人鬼の称号は付いてるので、後は新しい称号が付けば良いスキルか武器が手に入るかも知れない。すでに母が斬撃と娘が投擲を覚えている。
華那子はユニーク武器でナイフが欲しいと絵里に話していた。
暗殺系の華那子には、大きい武器は欲しいが扱いにくい。
強く願えば発現するかも知れないと絵里は適当な事を言っていた。
母親に3人を纏めて殺させる。
思惑通りに惨殺者の称号が付き、ユニーク武器を覚えた。
鎌〔死神の大鎌〕装着時空中浮遊付与 収納時自動修復 SSRユニークウェポン
欲しかったものでは無かったが、それでも固有武器の手に入れ方を覚えてしまった。
後は死んだら所有権がどうなるのかも調べてみようと絵里が言う。
大鎌なんてどちらも使わないので、最悪使い物にならなくなっても惜しくない。
「ちょっと空中浮遊っての使ってみて」
華那子が母親に命令する。
フワフワと浮くことが出来るようになる。
最高スピードはさほど速くは無いが、自転車くらいなら追いつけない程度。
高さも50㎝も上がれないくらいが限度のようだ。
だが、垂直の壁をそのまま垂直に沿って上がる事が出来る。
本当に死神のイメージを付与した感じの遊び要素がある。
足音もしないしこれはこれで使い道もあるのだろう。
元の検証も兼ねて華那子がナイフで心臓を突き、絵里が大剣でトドメをさす。
母親が手に持っていた大鎌が霧散して消える。
「経験値は50増えた」
「うちは19やから、ん~」
「なんか割り切れないかな?でもうちが31と19で50って事や」
「このおかんが持ってた経験値が31やったから、分配分は38か」
「分配が5:5と何かのボーナス的なんが付いとうって事か」
「理系女子かよ」
「あんたはな。うちはソロ女や」
絵里は元々理系の大学を卒業し国内最大手の家電会社に就職していた過去がある。
「ソロジョ?なんやねんそれ」
「ソロバン2段じゃ」
「はははははは」
横で娘はただ立ち尽くすだけだ。
母親を目の前で殺されても泣く事も出来ない。
「無命奪魂」
いつものステ宝珠と大きめのスキル宝珠が2つ。1つは橙色の宝珠だった。
「珍しく色付きの珠が出たよ」
鑑定で見ると、死神の大鎌 と出る。詳細を見ると無所有となっている。
「SSRとか超レアやったら色付きなんかな?」
「んじゃ黒いのはノーマルか普通のレアかな」
「死んだら所有権なくなるんやなー」
「まぁ普通そうなるやろ、ってやつやったな」
「宝珠になったんで持ち運びに便利やわ」
「さて、次は何を検証しよっか」
「あんた、そんなにゲーム好きやったか?」
「ゆぅてもドラクエロー世代やからな」
索敵でマンション中を調べると、まだそこそこの逃げ遅れ住民が居る。
「なぁ、この娘、絵里にやるわ」
「ん?もらってどうすんの?」
「とりま、さっきみたいに称号付けてレア物出たらえぇやろ」
「うちは新しいのん作ってそっちでレア物狙ってみる」
「おぉそりゃおもろそうや」
「勝負って事か?」
「レア物付いたら相手の方に行くって事でえぇかな?」
「うちが有利やけどえぇんか?」
「ハンデや~」
「後悔すんなよ~」
「絵里の従者として絵里の命令に従え!」
「言っとくが、頭を使わなうちには勝てんぞ?」
「もうちゃんと考えとうわ」
華那子は上階に、絵里は下階に分かれて行く。
絵里は従属化が出来ないので、この娘を使わなければならないが、虐殺系の称号は数人を一度に倒さないと駄目だとだいたい分かっている。
そのために、一部屋に避難させて人を集めて纏めるしかない。
「お母さん、おばあちゃん、ここは水以外のガスも電気も止まっているので避難しましょ」
そんな簡単な調伏で人は動かない。
話術のスキルを貰っておけば良かったと今更後悔してももう遅い。
自分の時は二人でも発動したから、この老親子でもいけるんじゃないかと試してみる。
「この二人を一気に殺してね」
絵里が包丁を手渡す。
まずは逃げれないように、絵里が両足を飛ばす。
娘は言われた通りに手に持った包丁で襲い掛かり、二人を殺害する。
「よしっ!」
娘の手に黒塗りで炎のように波打つ形で刃渡り25㎝程のファンタジーナイフが顕現する。
剣〔夢月〕[所有者:林美羽] 短剣術 格闘術 URユニークウェポン
[収納時自動修復]-[装着時素早さ15%UP]
(こりゃいいもの引いた)
(華那子の奴、泣いて喜ぶぞー)
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