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第一章 美咲と健斗
仲間は作るもの?いや、創るもの
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ここにいる避難民は18人。
全員連れて行くのに引率が俺と美咲じゃ心許ない。
美咲にこのおじさんのステを視てもらったけど、常人にしてはステが高い方だ。
「杭全さん、一緒に2階の様子を見に行ってくれませんか?」
「えっ?自分、名前名乗りましたっけ?それかご存じでしたか?」
しまったーと思いながらも、そのままスルーしてしまおう。
「ちょっと聞いて欲しい事があるので、良ければですが」
「万が一の場合は、二人で全力でお守りします」
(健ちゃん、AGIがちょっと高い子おるよ)
美咲がサーチした結果を俺の耳元で囁く。
(ちょっと2階の様子を見に行くのを誘ってきて。レベル付けてしまおう)
「杭全さん、どうですか?」
「別に良いですが、私に何の話があるのですか?」
「それはちょっと後で言います」
「健ちゃん、OKもらった」
元々の素早さの数値が高い女性を美咲が口説いてきた。
「んじゃ行こうか」
「みなさん、2階が安全に行けるかどうかちょっと見てきます」
「どれくらい待てばよろしいか?」
ご老人の仲間が聞いてくる。
「日が暮れるまでには移動し終わりたいので、出来るだけ早く戻ってきます」
腕時計を見ると15:30を少し回った所だった。
「1時間くらいで戻って来なければ、後の事をお願いします」
そうご老人に頭を下げて進んでいく。
「ほらっやっぱり逃げるつもりやんけ」
何か言ってる人が居るが、完全スルーしていく。
エレベーターホールの奥の非常階段に入り、2階の出入り口に着いた時に自己紹介をしてから二人に問いかける。
ゴブリンを倒すと種族進化してレベルが付くこと。
その際に肉体の強度が上がるために激しい痛みを伴う事。
新人類という種族からは、多分もう戻れない事。
そんな事を説明しながら二人の返事を待つ。
「自己紹介もまだでしたね。 山之内笑美と申します」
「私はむしろお願いしたいくらいです。よろしくお願いします」
「杭全良兼と申します。周りからはリョウケンと呼ばれてます」
「自分も問題は無いです。生き残るのにそれは必要な事じゃないかと思います」
「ひとつ聞いてもよろしいですか?」
「うん、わらびちゃんって呼んでもい~い?」
「あっどうぞ。呼び捨てで良いですよ」
「なぜ私たちにお声が掛かったのですか?」
「それは俺から」
「実は彼女には相手のステータスを視るスキルがあるのです」
「鑑定スキルってやつですか?」
「わらびちゃんも異世界好きだなー?」
「鑑定じゃないんだけど、ステータスだけ視れる様なスキルです」
「それで、お二方が常人よりちょっとだけステータスが高かったのでお誘いしました」
「リョウケンさんは力と体力が、わらびさんは素早さと器用さが高かったんです」
「素早さと器用さなら弓職か盗賊かな?(笑)」
「目指せ!忍者!」
「それでは了承頂けたって事でいいですね?」
「「ハイ」」
「じゃーちょっとだけ待ってて下さい」
「どうしたの?」
「二人の武器取ってくる」
5階まで上がり吹き抜けへ飛び出して叫ぶ
「風纏!!」
27階まで飛んで上がり、考えていた二人の武器を探す。
だいたいの位置は分かっているので、すぐに見つかった。
その武器を持ち出し家を出る。
また吹き抜けを飛び降り5階に行く。
まだ飛び降りたときに、股間がキュッっとする・・・
この感じは慣れないといけないな。
おまたせー
「はやっ」
「わらびちゃんにはこれ」
そう言って革のホルダーに入った短剣を2丁手渡した。
「オッ? ククリですね。」
真っ黒な刃に青い宝石が4つ並んで埋め込まれ、濃い茶色の木で作った握り手がかっこいい、中2病全開のククリである。
「すーごい綺麗~」
「リョウケンさんにはこれです」
群青の皮の手袋で、指先が第二関節までしかなく、拳の骨の位置に三角錐の鋲
が埋め込まれたナックルだ。
「それとこれも使えたら良いと思います」
5㎝ほどの木の葉のような刃に扇形の握り手が付いた物を2つ。
「プッシュダガーですねー」
わらびがそう言う通り、この武器は人差し指と中指の間に挟み使う暗器に近い物である。
しかし、この人何なんだろう。異世界冒険譚が好きなんだろうけど良く知りすぎ。
良兼はナックルを嵌めて軽く壁を殴る。
「オッ?拳が全然痛くない」
「最新テクノロジーの衝撃吸収材が中に使われてるんですよ」
「こんな高そうなもの、良いのですか?」
にっこり笑う。
「なんかこわっ!」
軽く美咲の頭にチョップをかましてから指示を出す。
まずは美咲と二人でゴブリンを捕まえてくる。
階段室で、拘束したゴブリンを二人に叩いてもらう。
ゴブリンを倒す。
簡単な流れだ。
2階の商業スペースに出ると、ウロウロしてるゴブリンが結構居る。
美咲と手分けして、見える範囲のゴブリンを屠っていく。
今回試したいことがあった。
風刃は刀を装備してなかったら使えないのか?
「風刃!」
唱えながら腕を振る。
30㎝ほどの小さい風の刃が凄いスピードで5本飛んでいく。
(やったね~ 5本って事は指の数かな?)
今度は両手でやってみる
「風刃!!!」
左右から10本の風の刃が交差しながら飛んでいく。
威力はかなり下がった気がするが、乱れ撃ちする時にはこっちの方が良い。
「ほっほーすげぇー」
足の指・・・ 無理か。
30体程居たゴブリンを、1体残して刈り取り美咲と合流する。
「ちょっと負けたかなー」
「広範囲スキルがあるから数の勝負は負けへんでー」
「うちもなんか覚えへんかなー」
「そういった行動してたら覚えるやろ」
それ以上強くなってどうするって言いたい。
一方
「リョウケンさん、ご家族は?」
「静岡県に居ますよ。別居状態ですが」
「わらびさんはこのマンションに長いのですか?」
「結婚してからだから15年くらいですね」
「本日、ご主人様やご家族の方はいかが致しておられます?」
「子供はおりません。主人は仕事で大阪に居るはずですが連絡が付きません」
「そうですか。私も妻に電話をしたのですがまったく繋がりませんでした」
しばしの沈黙が続く。
「あの健斗さんって何者なのでしょうか?こんな武器を頂けるなんて」
「そのナックルも高そうだけど、私が頂いたククリも高いんじゃないかと思います」
「これ、材質はセラミック製みたいな感じで、軽いのにしっかりしてるんです」
「たっだいま~」
のんきな声を出し美咲が帰ってきた。
暴れるゴブリンの右手を持ち、横の健斗が左手を持つ。
どこかで捕縛された宇宙人の様だ。
ギャーギャーグギャー
「さぁこいつにダメージを与えて下さい」
まずはわらびがククリで背中を傷つける。
リョウケンがプッシュダガーを指に挟み込みわき腹に差し込む。
「ウッ」
わらびは平気な顔をしているが、リョウケンは気持ちが悪いようだ。
「それではゴブリンにサヨナラしてもらいます」
ジャキンッ
美咲がメイデンクローを突きさす。
ゴブリンは血飛沫を吹き出しながら静かに倒れていく。
「オォォォォォォォォォ」
「ナァァァァァァァァニィ」
「グボォォォォ」
「キャァァァァァァァァァァァl」
二人は身体からゴキゴキバキバキという音を出しながら悲鳴を上げのたうち回る。
全員連れて行くのに引率が俺と美咲じゃ心許ない。
美咲にこのおじさんのステを視てもらったけど、常人にしてはステが高い方だ。
「杭全さん、一緒に2階の様子を見に行ってくれませんか?」
「えっ?自分、名前名乗りましたっけ?それかご存じでしたか?」
しまったーと思いながらも、そのままスルーしてしまおう。
「ちょっと聞いて欲しい事があるので、良ければですが」
「万が一の場合は、二人で全力でお守りします」
(健ちゃん、AGIがちょっと高い子おるよ)
美咲がサーチした結果を俺の耳元で囁く。
(ちょっと2階の様子を見に行くのを誘ってきて。レベル付けてしまおう)
「杭全さん、どうですか?」
「別に良いですが、私に何の話があるのですか?」
「それはちょっと後で言います」
「健ちゃん、OKもらった」
元々の素早さの数値が高い女性を美咲が口説いてきた。
「んじゃ行こうか」
「みなさん、2階が安全に行けるかどうかちょっと見てきます」
「どれくらい待てばよろしいか?」
ご老人の仲間が聞いてくる。
「日が暮れるまでには移動し終わりたいので、出来るだけ早く戻ってきます」
腕時計を見ると15:30を少し回った所だった。
「1時間くらいで戻って来なければ、後の事をお願いします」
そうご老人に頭を下げて進んでいく。
「ほらっやっぱり逃げるつもりやんけ」
何か言ってる人が居るが、完全スルーしていく。
エレベーターホールの奥の非常階段に入り、2階の出入り口に着いた時に自己紹介をしてから二人に問いかける。
ゴブリンを倒すと種族進化してレベルが付くこと。
その際に肉体の強度が上がるために激しい痛みを伴う事。
新人類という種族からは、多分もう戻れない事。
そんな事を説明しながら二人の返事を待つ。
「自己紹介もまだでしたね。 山之内笑美と申します」
「私はむしろお願いしたいくらいです。よろしくお願いします」
「杭全良兼と申します。周りからはリョウケンと呼ばれてます」
「自分も問題は無いです。生き残るのにそれは必要な事じゃないかと思います」
「ひとつ聞いてもよろしいですか?」
「うん、わらびちゃんって呼んでもい~い?」
「あっどうぞ。呼び捨てで良いですよ」
「なぜ私たちにお声が掛かったのですか?」
「それは俺から」
「実は彼女には相手のステータスを視るスキルがあるのです」
「鑑定スキルってやつですか?」
「わらびちゃんも異世界好きだなー?」
「鑑定じゃないんだけど、ステータスだけ視れる様なスキルです」
「それで、お二方が常人よりちょっとだけステータスが高かったのでお誘いしました」
「リョウケンさんは力と体力が、わらびさんは素早さと器用さが高かったんです」
「素早さと器用さなら弓職か盗賊かな?(笑)」
「目指せ!忍者!」
「それでは了承頂けたって事でいいですね?」
「「ハイ」」
「じゃーちょっとだけ待ってて下さい」
「どうしたの?」
「二人の武器取ってくる」
5階まで上がり吹き抜けへ飛び出して叫ぶ
「風纏!!」
27階まで飛んで上がり、考えていた二人の武器を探す。
だいたいの位置は分かっているので、すぐに見つかった。
その武器を持ち出し家を出る。
また吹き抜けを飛び降り5階に行く。
まだ飛び降りたときに、股間がキュッっとする・・・
この感じは慣れないといけないな。
おまたせー
「はやっ」
「わらびちゃんにはこれ」
そう言って革のホルダーに入った短剣を2丁手渡した。
「オッ? ククリですね。」
真っ黒な刃に青い宝石が4つ並んで埋め込まれ、濃い茶色の木で作った握り手がかっこいい、中2病全開のククリである。
「すーごい綺麗~」
「リョウケンさんにはこれです」
群青の皮の手袋で、指先が第二関節までしかなく、拳の骨の位置に三角錐の鋲
が埋め込まれたナックルだ。
「それとこれも使えたら良いと思います」
5㎝ほどの木の葉のような刃に扇形の握り手が付いた物を2つ。
「プッシュダガーですねー」
わらびがそう言う通り、この武器は人差し指と中指の間に挟み使う暗器に近い物である。
しかし、この人何なんだろう。異世界冒険譚が好きなんだろうけど良く知りすぎ。
良兼はナックルを嵌めて軽く壁を殴る。
「オッ?拳が全然痛くない」
「最新テクノロジーの衝撃吸収材が中に使われてるんですよ」
「こんな高そうなもの、良いのですか?」
にっこり笑う。
「なんかこわっ!」
軽く美咲の頭にチョップをかましてから指示を出す。
まずは美咲と二人でゴブリンを捕まえてくる。
階段室で、拘束したゴブリンを二人に叩いてもらう。
ゴブリンを倒す。
簡単な流れだ。
2階の商業スペースに出ると、ウロウロしてるゴブリンが結構居る。
美咲と手分けして、見える範囲のゴブリンを屠っていく。
今回試したいことがあった。
風刃は刀を装備してなかったら使えないのか?
「風刃!」
唱えながら腕を振る。
30㎝ほどの小さい風の刃が凄いスピードで5本飛んでいく。
(やったね~ 5本って事は指の数かな?)
今度は両手でやってみる
「風刃!!!」
左右から10本の風の刃が交差しながら飛んでいく。
威力はかなり下がった気がするが、乱れ撃ちする時にはこっちの方が良い。
「ほっほーすげぇー」
足の指・・・ 無理か。
30体程居たゴブリンを、1体残して刈り取り美咲と合流する。
「ちょっと負けたかなー」
「広範囲スキルがあるから数の勝負は負けへんでー」
「うちもなんか覚えへんかなー」
「そういった行動してたら覚えるやろ」
それ以上強くなってどうするって言いたい。
一方
「リョウケンさん、ご家族は?」
「静岡県に居ますよ。別居状態ですが」
「わらびさんはこのマンションに長いのですか?」
「結婚してからだから15年くらいですね」
「本日、ご主人様やご家族の方はいかが致しておられます?」
「子供はおりません。主人は仕事で大阪に居るはずですが連絡が付きません」
「そうですか。私も妻に電話をしたのですがまったく繋がりませんでした」
しばしの沈黙が続く。
「あの健斗さんって何者なのでしょうか?こんな武器を頂けるなんて」
「そのナックルも高そうだけど、私が頂いたククリも高いんじゃないかと思います」
「これ、材質はセラミック製みたいな感じで、軽いのにしっかりしてるんです」
「たっだいま~」
のんきな声を出し美咲が帰ってきた。
暴れるゴブリンの右手を持ち、横の健斗が左手を持つ。
どこかで捕縛された宇宙人の様だ。
ギャーギャーグギャー
「さぁこいつにダメージを与えて下さい」
まずはわらびがククリで背中を傷つける。
リョウケンがプッシュダガーを指に挟み込みわき腹に差し込む。
「ウッ」
わらびは平気な顔をしているが、リョウケンは気持ちが悪いようだ。
「それではゴブリンにサヨナラしてもらいます」
ジャキンッ
美咲がメイデンクローを突きさす。
ゴブリンは血飛沫を吹き出しながら静かに倒れていく。
「オォォォォォォォォォ」
「ナァァァァァァァァニィ」
「グボォォォォ」
「キャァァァァァァァァァァァl」
二人は身体からゴキゴキバキバキという音を出しながら悲鳴を上げのたうち回る。
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