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第一章 美咲と健斗
脱出
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二人は転げまわり、ゴブリンが漏らした血溜りの上を通り過ぎる。
服にまばらに血が付く。
年齢が高いほど進化が終わるのに時間が掛かるのじゃないかと健斗は予想してた。
あの黒い肉の塊は身体の中の悪い物、要らない物を輩出しているのじゃないかと思ってる。
3分ほど経ち、先にわらびが進化を終えそうだ。
黒い肉の塊を吐き出すと、同時に歯も抜け落ちていく。
自分も辿った道だ。
「ハァハァハァ」
「ふぅー」
「お疲れ様~」
まだ良兼はもがき苦しんでいる。
中高年らしくお腹もポッコリしているが、今見た感じではかなり凹んでいる。
4~5分経っただろうか、良兼が黒い塊を吐き出した。ひとつ、ふたつ、みっつ。
そして白や銀色の歯もポロポロ落ちてくる。
後から聞いた話では、彼はⅡ型糖尿病、動脈硬化、高脂血症、高血圧を患っていた。
多分、すべてクリアな状態になっていることだろう。
「ちょっと待ってねー」
そう言ってリュックからコンベックスを出してくる。
「じゃあリョウケンさんから計るね」
自分と同じくらいだった良兼は196㎝と大男になっていた。
某海賊漫画の巨人族を連想する。
杭全ってよりは熊だな。
身体は引き締まり、顔はやはり20台前半にしか見えない。
格闘系より戦士系なのかも知れないな。
「んじゃーわらびさん」
彼女も背が低かったわけじゃないが、美咲ほどでは無いにしろ173㎝になってた。
顔は可愛い感じだったが、今は愛らしい感じがする。
「わらびちゃん、おんなじくらいの年恰好になったね~」
「それじゃー"ステータスオープン"と叫んでください」
「「ステータスオープン」」
杭全 良兼(41)
Lv 1
種族 【新人類】 選択
職業 【--】 選択
称号 【--】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 15/15(+6)
MP 10/10
STR 10(+4)
DEF 10
AGI 10
DEX 10
INT 10
SP/0
基本技能一覧
8-0/3+0
「あぁやっぱり高ステな項目は補正がつくんだね」
「わらびさんも見せてね」
「はいっ なんか恥ずかしいけど、どうぞ」
山之内 笑美(38)
Lv 1
種族 【新人類】 選択
職業 【--】 選択
称号 【--】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 15/15
MP 10/10
STR 10
DEF 10
AGI 10(+5)
DEX 10(+4)
INT 10
SP/0
基本技能一覧
8-0/3+0
「なんか質素な感じのステータスプレートですねー」
「うんうん、シンプルすぎるね」
「Simple is Best って言葉があるよ」
「ま~みんなが想像してたんとはちゃうんやろな」
「それじゃーレベリング行きますか」
「レベル3までかな?」
「だねー まずは職業まで行こう」
「「???」」
「レベル3で職業が選択できるようになるんだと思う」
「その検証もかねてレベル3まであげようって話です」
2階のフロアーに4人で出る。
先ほど美咲と殲滅したはずなのに、もう数体ゴブリンが闊歩している。
こちらに気づくと2体のゴブリンが奇声をあげて襲い掛かってくる。
「2体ともレベル2ね」
美咲がそう叫ぶと、一瞬リョウケンが立ち止まるが、突進するわらびに続きゴブリンを殴りに行く。
パシュッ スパッ
わらびは2本の剣で事も無げにレベル2のゴブリンを抹殺する。
ボゴッ ドゴンッ
躊躇いがちではあるが、リョウケンもナックルで危なげなく屠る。
倒れたゴブリンを見て、リョウケンは嫌な顔をしている。
わらびはお構いなしにゴブリンを倒していく。
こんな所で性格や感性の違いが出るなー。
「二人ともレベルが上がったでしょう?もうちょっと頑張りましょう。」
センターの方にも来たみたら、ちょこちょこ2~3体が固まってるゴブリンと遭遇する。
さほど時間もかからずにレベル3に到達する。
2階の階段室に戻り、二人の職業選択の自由を見守る。
「私は"双剣使い"と"忍闘士"」
「ん~悩む」
「自分は"拳闘士"と"武闘家"と"重戦士"」
「重戦士は似合ってるかも。武器は金棒で」
「鬼ですか」
失礼な美咲が大笑いする。
「わらびさん、決めましたか?」
「美咲さんが忍者とか言ってたので、"忍闘士"にします」
「似合う似合う、絶対に似合うよー」
「自分はせっかく頂いたナックルがあるので拳闘士にします」
「重戦士も捨てがたいのですが」
どこがツボったのか、また美咲が大笑いする。
山之内 笑美(38)
Lv 3
種族 【新人類】 選択
職業 【忍闘士】 選択
称号 【--】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 29/29
MP 13/13
STR 28
DEF 29
AGI 31(+15)
DEX 28(+12)
INT 14
SP/20
基本技能一覧
疾風 双剣術
64-0/33+0
「なんか、わらびさんにピッタリですね」
「あとでいいので、健斗さんと美咲さんのステも見せてもらえますか?」
「いいよーいいよー」
杭全 良兼(41)
Lv 3
種族 【新人類】 選択
職業 【拳闘士】 選択
称号 【--】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 36/36(+15)
MP 13/13
STR 38(+10)
DEF 34
AGI 28(+8)
DEX 16
INT 14
SP/20
基本技能一覧
身体強化Ⅰ
剛拳
64-0/29+0
おぉー身体強化のスキルがある!
スキルを使うと、ステータスが一律5%上昇するらしい。
時間の制限はあるらしいが、それでも使えるスキルだ。
早くスキルレベルを上げたいところだね。
スキルは行動発生系だから、まずは何か覚えてもらおう。
階段を利用して跳躍スキルだけ覚えてもらった。
これは色々と役に立つスキルである。
時計を見るとまだ30分くらいしか経ってないけど、一回戻ろうかと思う。
「ステータスオープン」
「どぞー」
美咲がステータスをわらびに見せる。
「すっご~!」
「半日くらいでここまで差が付くのですねー」
「健斗さんはもっと強いのでしょ?」
「いやいや、ステは美咲の方が上ですよ」
一応、自分のステも見せる。
ほぉー という何とも言えない微妙な反応だった・・・
服にまばらに血が付く。
年齢が高いほど進化が終わるのに時間が掛かるのじゃないかと健斗は予想してた。
あの黒い肉の塊は身体の中の悪い物、要らない物を輩出しているのじゃないかと思ってる。
3分ほど経ち、先にわらびが進化を終えそうだ。
黒い肉の塊を吐き出すと、同時に歯も抜け落ちていく。
自分も辿った道だ。
「ハァハァハァ」
「ふぅー」
「お疲れ様~」
まだ良兼はもがき苦しんでいる。
中高年らしくお腹もポッコリしているが、今見た感じではかなり凹んでいる。
4~5分経っただろうか、良兼が黒い塊を吐き出した。ひとつ、ふたつ、みっつ。
そして白や銀色の歯もポロポロ落ちてくる。
後から聞いた話では、彼はⅡ型糖尿病、動脈硬化、高脂血症、高血圧を患っていた。
多分、すべてクリアな状態になっていることだろう。
「ちょっと待ってねー」
そう言ってリュックからコンベックスを出してくる。
「じゃあリョウケンさんから計るね」
自分と同じくらいだった良兼は196㎝と大男になっていた。
某海賊漫画の巨人族を連想する。
杭全ってよりは熊だな。
身体は引き締まり、顔はやはり20台前半にしか見えない。
格闘系より戦士系なのかも知れないな。
「んじゃーわらびさん」
彼女も背が低かったわけじゃないが、美咲ほどでは無いにしろ173㎝になってた。
顔は可愛い感じだったが、今は愛らしい感じがする。
「わらびちゃん、おんなじくらいの年恰好になったね~」
「それじゃー"ステータスオープン"と叫んでください」
「「ステータスオープン」」
杭全 良兼(41)
Lv 1
種族 【新人類】 選択
職業 【--】 選択
称号 【--】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 15/15(+6)
MP 10/10
STR 10(+4)
DEF 10
AGI 10
DEX 10
INT 10
SP/0
基本技能一覧
8-0/3+0
「あぁやっぱり高ステな項目は補正がつくんだね」
「わらびさんも見せてね」
「はいっ なんか恥ずかしいけど、どうぞ」
山之内 笑美(38)
Lv 1
種族 【新人類】 選択
職業 【--】 選択
称号 【--】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 15/15
MP 10/10
STR 10
DEF 10
AGI 10(+5)
DEX 10(+4)
INT 10
SP/0
基本技能一覧
8-0/3+0
「なんか質素な感じのステータスプレートですねー」
「うんうん、シンプルすぎるね」
「Simple is Best って言葉があるよ」
「ま~みんなが想像してたんとはちゃうんやろな」
「それじゃーレベリング行きますか」
「レベル3までかな?」
「だねー まずは職業まで行こう」
「「???」」
「レベル3で職業が選択できるようになるんだと思う」
「その検証もかねてレベル3まであげようって話です」
2階のフロアーに4人で出る。
先ほど美咲と殲滅したはずなのに、もう数体ゴブリンが闊歩している。
こちらに気づくと2体のゴブリンが奇声をあげて襲い掛かってくる。
「2体ともレベル2ね」
美咲がそう叫ぶと、一瞬リョウケンが立ち止まるが、突進するわらびに続きゴブリンを殴りに行く。
パシュッ スパッ
わらびは2本の剣で事も無げにレベル2のゴブリンを抹殺する。
ボゴッ ドゴンッ
躊躇いがちではあるが、リョウケンもナックルで危なげなく屠る。
倒れたゴブリンを見て、リョウケンは嫌な顔をしている。
わらびはお構いなしにゴブリンを倒していく。
こんな所で性格や感性の違いが出るなー。
「二人ともレベルが上がったでしょう?もうちょっと頑張りましょう。」
センターの方にも来たみたら、ちょこちょこ2~3体が固まってるゴブリンと遭遇する。
さほど時間もかからずにレベル3に到達する。
2階の階段室に戻り、二人の職業選択の自由を見守る。
「私は"双剣使い"と"忍闘士"」
「ん~悩む」
「自分は"拳闘士"と"武闘家"と"重戦士"」
「重戦士は似合ってるかも。武器は金棒で」
「鬼ですか」
失礼な美咲が大笑いする。
「わらびさん、決めましたか?」
「美咲さんが忍者とか言ってたので、"忍闘士"にします」
「似合う似合う、絶対に似合うよー」
「自分はせっかく頂いたナックルがあるので拳闘士にします」
「重戦士も捨てがたいのですが」
どこがツボったのか、また美咲が大笑いする。
山之内 笑美(38)
Lv 3
種族 【新人類】 選択
職業 【忍闘士】 選択
称号 【--】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 29/29
MP 13/13
STR 28
DEF 29
AGI 31(+15)
DEX 28(+12)
INT 14
SP/20
基本技能一覧
疾風 双剣術
64-0/33+0
「なんか、わらびさんにピッタリですね」
「あとでいいので、健斗さんと美咲さんのステも見せてもらえますか?」
「いいよーいいよー」
杭全 良兼(41)
Lv 3
種族 【新人類】 選択
職業 【拳闘士】 選択
称号 【--】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 36/36(+15)
MP 13/13
STR 38(+10)
DEF 34
AGI 28(+8)
DEX 16
INT 14
SP/20
基本技能一覧
身体強化Ⅰ
剛拳
64-0/29+0
おぉー身体強化のスキルがある!
スキルを使うと、ステータスが一律5%上昇するらしい。
時間の制限はあるらしいが、それでも使えるスキルだ。
早くスキルレベルを上げたいところだね。
スキルは行動発生系だから、まずは何か覚えてもらおう。
階段を利用して跳躍スキルだけ覚えてもらった。
これは色々と役に立つスキルである。
時計を見るとまだ30分くらいしか経ってないけど、一回戻ろうかと思う。
「ステータスオープン」
「どぞー」
美咲がステータスをわらびに見せる。
「すっご~!」
「半日くらいでここまで差が付くのですねー」
「健斗さんはもっと強いのでしょ?」
「いやいや、ステは美咲の方が上ですよ」
一応、自分のステも見せる。
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