推しは未来の魔王様!?

柴傘

文字の大きさ
上 下
40 / 72
原作突入中

31:愛しい人*

しおりを挟む
会場を出た後、俺はクロ様に抱えられたまま寮の部屋に戻った。


いつの間に根回ししていたのか、部屋の前で待つ宮廷医師…ダンディな、おじさまだった。
部屋に入りベッドへ座らせられると、おじさまの診察が開始される。
その間クロ様は、おじさまの背後で何故か目を光らせていた。


「…目立った傷は見られません、リオーネ様が背後に庇っていたと聞きましたし大丈夫でしょう。
多少パーティーでの疲労が見られますが、十分健康体です」


そう言ったおじさまは、俺の腕から手を離す。
小さくお礼を言うと、にっこりと微笑まれた…同時に、クロ様から冷気を感じる。
シャスイン嬢より、よっぽど怖い。


診察を終えた医師を部屋から追い出した途端、クロ様に抱きしめられた。


「良かった、本当に…母上と面会してる最中、会場が急に騒がしくなったから驚いたよ」
「も、申し訳ありません」
「いいんだ。レオは何も悪くないよ」


反射的に謝ると、優しい笑みを向けられる。
その表情を見ると俺は、どうしようもなく胸が締め付けられてしまう。
あぁ、この人が本当に好きなんだなぁ。


ゆっくりと近付いてくるクロ様の顔、俺はそっと瞼を閉じた。


「~ン、ふ…ぁ、」


くちゅりと響く小さな水音。
それと同時に漏れ出る、俺の淫らな吐息に羞恥から顔が赤くなる。
それを見たクロ様が、小さく笑ったのが聞こえた。


「ふふ、ごめんごめん」


反抗する様に軽く胸元を叩いてやると、唇が離れたと同時になされる謝罪。
絶対に反省していない謝罪に、唇を尖らせる。
再び謝罪を口にしたクロ様と、ゆっくりと押し倒される俺の身体。


気付けば部屋の明かりが消され、光源は窓から差し込む月明かりだけ。


あまりにも準備が良すぎる。
さては、パーティーが終わったらつもりだったな?
手際の良さに、じとりとした視線を向ける。


「…だって、レオに早く触れたかったから」


そう拗ねた様に言うクロ様。
あざといけど、それをどうしようもなく可愛いと思ってしまう俺は末期だと思う。
普段の王族らしい威厳はどこへやら、俺の前でだけ甘えるクロ様に愛おしさしか感じない。


「そんな事は良いから、こっちに集中して…私のレオ」


クロ様の指先が、俺のシャツの釦を見せつける様に外し始める。
ゆっくり晒される肌に、期待から既に立ち上がる桃色の乳首…恥ずかし過ぎて、視線を背けた。


「ふふ、かわいい…興奮しちゃった?」
「っん…あ、はい、」


指の背で軽く撫でられるだけで感じてしまう。
クロ様の手で、すっかり開発されてしまった…行為中は、恥ずかしいけど素直に思ったままを言う様にしてる。
そうすると、クロ様が褒めてくれるから。


クロ様の指先が、熟れる粒を摘んだり弾いたりする度に、思わず身体が跳ねる。
その動きに合わせる様に漏れ出る嬌声に、恥ずかし過ぎて泣きそうだ。


じわりと視界を滲ませる涙に気付いたのか、触れるだけの口付けを落とされる。


「可愛い…愛してるよ、もっとレオの事よく見せて」
「あ、ッぁ…くろ、さまぁ…ンん!」


とぷり、未だ衣服を纏ったままの下半身から…胎内から、愛液が漏れ出る感覚。
俺の身体が、クロ様を求めている。
彼の精で満たされたいと、淫らに疼く。


この身は全て、貴方の物だと証明する様に。


クロ様の一挙一動に、反応する。
無意識に脚を開いていたのか、クロ様の掌が下衣越しの太腿を撫でた。
徐々に下へ下がっていく指先…軽く会陰部を押し上げられ、驚きから身体を強張らせた。


「ほら、レオ…力抜いて」
「ごめっ、ごめんなさ…びっくりしたから、」


咄嗟に謝る俺に眉を下げるクロ様。
最近、直ぐに謝ってしまうのが癖になってる気がする…気のせいだと思いたい。


「…レオ、口あけて?」
「え、あ…こお、ですか?」


突然されたお強請りに、首を傾げつつ応える。
クロ様の顔が近づき、再びぬるりと舌が挿入される。俺の意識は一気に持っていかれた。
咥内を撫でる熱い舌が、気持ちいい。


くぐもった声を漏らしながら、口付けに夢中になる。
混ざり合った互いの唾液を飲み込むと、褒める様に頭を撫でられた。
味なんてするわけ無いのに…クロ様の舌が甘く感じる。


「ンぅ…ふ、あ…っ、」


ちゅう、ちゅ。ぢゅるといやらしく響く水音。
舌を吸われる快楽に、ぞくぞくと腰が震えて仕方ない…気持ち良すぎて、何も考えられない。


クロ様の指先が、いつの間にかしとどに濡れる後孔へ触れていた。
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

処理中です...