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原作突入中
25:話し合い
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背中に脂汗が伝う、酷く不快な感覚。
それ以上に目の前の人物に恐怖を覚える…表情は笑みであるものの、視線はとても冷めている。
怖い、怖い…俺の目の前には今、
恐怖の魔王が、腕を組んでいた。
今まで、クロ様にこんな冷めた眼差しを向けられた事があっただろうか?
答えは勿論否。いつだってクロ様は、優しく甘い瞳で見つめてくれた…今回は、相当怒っていらっしゃる。
然も言い訳出来ない位俺が悪い。
完全に、俺の自業自得だから。
「クロ様、申し訳ありません。俺の軽率な行動で、ご迷惑を」
「…私が怒っているのは、そこではないよ…何で、こうなる前に本当の事を話してくれなかったんだい?」
小さな溜息を吐き出した後、冷ややかな視線は一転し心配の滲む瞳へ。
胸がぎゅうと締め付けられる。あぁ、俺はこんなにも優しい人に心配を掛けてしまった。
押し寄せる罪悪感に、唇を噛み締める。
「こら、噛んだら駄目だよ…ほら、レオ」
「っ…ご、ごめんなさ、ぃ…」
ぼろり、両目から涙が溢れる。
あれ…俺、こんなに涙腺緩かったっけ?
自分でも驚いてしまい、頭上に大量の疑問符が浮かぶ。もしかしたら、肉体年齢に引っ張られているのかもしれない。
そんな事を考えていたら、クロ様の指先が優しく涙を拭ってくれる。
困ったような笑みを浮かべているのは、涙で歪んだ視界でもわかった。また、困らせてしまった。
「泣かないで、レオ…今回は私も悪かった。気が付いた時点で無理矢理守る事も出来たのに、しなかったのは私の判断だ」
「ちがっ…クロ様は、何も悪くありません。全部俺が、勝手に決めたから」
彼の言い分を、すぐさま否定すると小さなため息が聞こえた。
あぁ、俺はまた間違ってしまっただろうか…不安が一気に押し寄せてくる。
クロ様の顔を見るのが怖くて、顔を俯かせると優しく頭を撫でられた。
「レオ、今回はお互い様でどうだい?」
「お互い、様?」
思いがけない提案に、鸚鵡返しで問いかける。
クロ様の様子を伺うと、柔らかな笑みのまま首肯された。
「そう、お互い様…私の判断が遅かったのも悪いし、レオの油断も悪かった。どっちも悪いからお互い様…これでどう?」
俺を見つめる優しい眼差し。そんな顔されたら、俺が拒否できない事を知ってる癖に…ずるい。
クロ様の提案を、断る選択肢は俺の中に存在しないのに。
きっと、この人分かりきって言っている。腹黒め。
「ふふ、狡いって言いたげだね…そう、私が狡いのは知ってるだろう?」
「ぐぅ…知ってます、そんな所も好きですから」
「私の全てを受け入れてくれるレオには叶わないな…じゃあ、今回は両成敗といこうか」
叶わないと言いながら、俺を言い負かしてしまうクロ様は最強だ。
手招きされるまま近寄るとひょいと抱き上げられる。
そのままふかふかのベッドに降ろされ、クロ様を見上げれば心配の色の混ざった碧眼と視線がかち合う。
「…本当に、無事でよかった。君に何かあったら、私は生きていけないよ」
「大袈裟、です。それに俺…簡単に死んでなんてやりませんから」
「ふ、そうして貰えると助かるよ…どうか、私を看取っておくれ」
そう言った後、クロ様の唇が額や頬、唇に何度も落とされる。
心地よい口付けに、すんなりと思考は蕩けた。
俺、きっと今凄くだらしない顔してる。
「可愛い私のお姫様…愛してるよ、世界で一番君を想ってる」
「俺も、愛してます…クロ様」
再び重ね合わせた唇は、少しだけ涙の味がした。
それ以上に目の前の人物に恐怖を覚える…表情は笑みであるものの、視線はとても冷めている。
怖い、怖い…俺の目の前には今、
恐怖の魔王が、腕を組んでいた。
今まで、クロ様にこんな冷めた眼差しを向けられた事があっただろうか?
答えは勿論否。いつだってクロ様は、優しく甘い瞳で見つめてくれた…今回は、相当怒っていらっしゃる。
然も言い訳出来ない位俺が悪い。
完全に、俺の自業自得だから。
「クロ様、申し訳ありません。俺の軽率な行動で、ご迷惑を」
「…私が怒っているのは、そこではないよ…何で、こうなる前に本当の事を話してくれなかったんだい?」
小さな溜息を吐き出した後、冷ややかな視線は一転し心配の滲む瞳へ。
胸がぎゅうと締め付けられる。あぁ、俺はこんなにも優しい人に心配を掛けてしまった。
押し寄せる罪悪感に、唇を噛み締める。
「こら、噛んだら駄目だよ…ほら、レオ」
「っ…ご、ごめんなさ、ぃ…」
ぼろり、両目から涙が溢れる。
あれ…俺、こんなに涙腺緩かったっけ?
自分でも驚いてしまい、頭上に大量の疑問符が浮かぶ。もしかしたら、肉体年齢に引っ張られているのかもしれない。
そんな事を考えていたら、クロ様の指先が優しく涙を拭ってくれる。
困ったような笑みを浮かべているのは、涙で歪んだ視界でもわかった。また、困らせてしまった。
「泣かないで、レオ…今回は私も悪かった。気が付いた時点で無理矢理守る事も出来たのに、しなかったのは私の判断だ」
「ちがっ…クロ様は、何も悪くありません。全部俺が、勝手に決めたから」
彼の言い分を、すぐさま否定すると小さなため息が聞こえた。
あぁ、俺はまた間違ってしまっただろうか…不安が一気に押し寄せてくる。
クロ様の顔を見るのが怖くて、顔を俯かせると優しく頭を撫でられた。
「レオ、今回はお互い様でどうだい?」
「お互い、様?」
思いがけない提案に、鸚鵡返しで問いかける。
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「そう、お互い様…私の判断が遅かったのも悪いし、レオの油断も悪かった。どっちも悪いからお互い様…これでどう?」
俺を見つめる優しい眼差し。そんな顔されたら、俺が拒否できない事を知ってる癖に…ずるい。
クロ様の提案を、断る選択肢は俺の中に存在しないのに。
きっと、この人分かりきって言っている。腹黒め。
「ふふ、狡いって言いたげだね…そう、私が狡いのは知ってるだろう?」
「ぐぅ…知ってます、そんな所も好きですから」
「私の全てを受け入れてくれるレオには叶わないな…じゃあ、今回は両成敗といこうか」
叶わないと言いながら、俺を言い負かしてしまうクロ様は最強だ。
手招きされるまま近寄るとひょいと抱き上げられる。
そのままふかふかのベッドに降ろされ、クロ様を見上げれば心配の色の混ざった碧眼と視線がかち合う。
「…本当に、無事でよかった。君に何かあったら、私は生きていけないよ」
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「ふ、そうして貰えると助かるよ…どうか、私を看取っておくれ」
そう言った後、クロ様の唇が額や頬、唇に何度も落とされる。
心地よい口付けに、すんなりと思考は蕩けた。
俺、きっと今凄くだらしない顔してる。
「可愛い私のお姫様…愛してるよ、世界で一番君を想ってる」
「俺も、愛してます…クロ様」
再び重ね合わせた唇は、少しだけ涙の味がした。
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