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原作突入中
閑話22.5:黒猫の受難
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ここ数ヶ月、僕はとある令嬢に付き纏われていた。
レイチェル・ルーズレス。
ルーズレス男爵家の長女、美しい見目に反してとても喧嘩っ早い性格。
最近までの、彼女への評価だ。
僕がレオの警護をしていると、必ずと言っていい程彼女は突っかかってくる。
レオじゃなくて、僕に対して。
リオーネ様はレオンハルト様に近寄るな、早く縁を切れと。
正直言って、意味が分からない。
君に僕の何が分かるの?
僕はもう二度と、レオを失いたくないんだ…彼を害する物全てから、守りたい。
そんな事、言える筈もないんだけど。
周りから密かに犬猿の仲と言われる僕達は、出会えば口喧嘩ばかりだ。
彼女の言い分は腹が立つし、態度は何処か怪しい。それでも心の底から突き放せないのは何でだろう?
今日も明日も、きっと僕達は喧嘩をする。
それを見て、レオが笑うんだ。
僕の気持ちなんて知らない彼女は、ズケズケとものを言う。
ルーズレス嬢の真っ直ぐさを、眩しく思う僕もいた。
「…ですの。リオーネ様、聞いてらっしゃいます?」
「えっ、あ、ごめん」
「素直なのは良い事ですけど、少しは言い訳してもいいんですわよ」
僕の隣で朗らかに笑うレイチェル嬢。
いつからか、僕の隣には彼女が居た…というか、突然婚約を申し込まれ始めた。
最初こそ猪突猛進で突っ込んできた彼女だけど、レオに何か言われたらしくここ最近は大人しい…それが少し、寂しいかもだなんて。
思ってても絶対に認めたくない、そんなの僕が…。
「きゃっ!リアルクロレオですわ…素敵です、ずっと眺めていたい…」
突然聞こえた短い悲鳴。思わず身構えたけど、続けられた台詞に脱力する。
彼女の視線の先にはクロムウェル殿下とレオが居た。
幸せそうに笑い合う2人に、自然と頬が緩む。
あぁ、この光景をずっと眺めていたいなぁ…。
「…ふふ、リオーネ様も立派なクロレオの民ですわね!」
「くろれ…なに?」
「クロレオですわ!クロムウェル殿下とレオンハルト様の事です…お二人が、大好きなんですね」
そう言って綺麗に笑う彼女が、とても眩しい。
僕と一緒で、彼女も2人が大好きなんだ…そんな気持ちが、ひしひしと伝わってくる。
「…そうだね、僕もくろれお?の民だ」
「っ…狡い、狡いですわ!これが主人公補正!?後光が…!」
顔を真っ赤にして何か叫んでるレイチェル嬢。
何を言ってるかさっぱり理解できないけど、これは褒められてる…かな?
「リオ、レイチェル!…サロンでお茶しない?」
レオがクロムウェル殿下の隣で僕達を呼ぶ。
秒速で是非!と答えたレイチェル嬢に思わず笑ってしまう…本当、彼女はレオが好きだなぁ。
僕も断る理由なんてないから、お供しますと是を告げる。
「…行こうか、レイチェル嬢」
「はい、クロレオを見守りましょう!」
「っふ…そうだね、僕達はクロレオの民だもんね」
手を差し出せば自然と小さな掌が重なる。
入学当初はあんなに仲が悪かったのに、今ではこんなに仲良しだなんて…彼女を疑ってた自分が馬鹿みたいだ。
彼女は良くも悪くも真っ直ぐで、嘘なんてつけない。
眩しく輝いてて、誰よりも純粋で。
守るべき存在な筈なのに、真っ直ぐ1人で立っている。
強く賢く、母の様な彼女。
それが今の、僕の評価だ。
これから先、きっと彼女に振り回され続ける。
それでも良いかなぁ、なんて思ってしまう自分がいる…大分、毒されているらしい。
でも、前世でレオと楽しく過ごした時の様に。
彼女なら、僕の親友になってくれる気がした。
「ねぇ、レイチェル嬢」
「何でしょう、リオーネ様…はっ、秘蔵のクロレオ話ですか!?」
「うん、違うよ…今度、君の家に婚約を申し込んでも良いかな」
一瞬ぽかんとした彼女は、直ぐに顔を真っ赤に染め上げる。
見目がいいから、すごく可愛らしい。
中身は本当に残念だけれど。
「君とは、良いお付き合いが出来そうだよ」
学園に、レイチェル嬢の絶叫が響いた。
レイチェル・ルーズレス。
ルーズレス男爵家の長女、美しい見目に反してとても喧嘩っ早い性格。
最近までの、彼女への評価だ。
僕がレオの警護をしていると、必ずと言っていい程彼女は突っかかってくる。
レオじゃなくて、僕に対して。
リオーネ様はレオンハルト様に近寄るな、早く縁を切れと。
正直言って、意味が分からない。
君に僕の何が分かるの?
僕はもう二度と、レオを失いたくないんだ…彼を害する物全てから、守りたい。
そんな事、言える筈もないんだけど。
周りから密かに犬猿の仲と言われる僕達は、出会えば口喧嘩ばかりだ。
彼女の言い分は腹が立つし、態度は何処か怪しい。それでも心の底から突き放せないのは何でだろう?
今日も明日も、きっと僕達は喧嘩をする。
それを見て、レオが笑うんだ。
僕の気持ちなんて知らない彼女は、ズケズケとものを言う。
ルーズレス嬢の真っ直ぐさを、眩しく思う僕もいた。
「…ですの。リオーネ様、聞いてらっしゃいます?」
「えっ、あ、ごめん」
「素直なのは良い事ですけど、少しは言い訳してもいいんですわよ」
僕の隣で朗らかに笑うレイチェル嬢。
いつからか、僕の隣には彼女が居た…というか、突然婚約を申し込まれ始めた。
最初こそ猪突猛進で突っ込んできた彼女だけど、レオに何か言われたらしくここ最近は大人しい…それが少し、寂しいかもだなんて。
思ってても絶対に認めたくない、そんなの僕が…。
「きゃっ!リアルクロレオですわ…素敵です、ずっと眺めていたい…」
突然聞こえた短い悲鳴。思わず身構えたけど、続けられた台詞に脱力する。
彼女の視線の先にはクロムウェル殿下とレオが居た。
幸せそうに笑い合う2人に、自然と頬が緩む。
あぁ、この光景をずっと眺めていたいなぁ…。
「…ふふ、リオーネ様も立派なクロレオの民ですわね!」
「くろれ…なに?」
「クロレオですわ!クロムウェル殿下とレオンハルト様の事です…お二人が、大好きなんですね」
そう言って綺麗に笑う彼女が、とても眩しい。
僕と一緒で、彼女も2人が大好きなんだ…そんな気持ちが、ひしひしと伝わってくる。
「…そうだね、僕もくろれお?の民だ」
「っ…狡い、狡いですわ!これが主人公補正!?後光が…!」
顔を真っ赤にして何か叫んでるレイチェル嬢。
何を言ってるかさっぱり理解できないけど、これは褒められてる…かな?
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僕も断る理由なんてないから、お供しますと是を告げる。
「…行こうか、レイチェル嬢」
「はい、クロレオを見守りましょう!」
「っふ…そうだね、僕達はクロレオの民だもんね」
手を差し出せば自然と小さな掌が重なる。
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彼女は良くも悪くも真っ直ぐで、嘘なんてつけない。
眩しく輝いてて、誰よりも純粋で。
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それが今の、僕の評価だ。
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一瞬ぽかんとした彼女は、直ぐに顔を真っ赤に染め上げる。
見目がいいから、すごく可愛らしい。
中身は本当に残念だけれど。
「君とは、良いお付き合いが出来そうだよ」
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