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原作突入中
19:キラキラ
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クロ様と一緒に、ルーズレス嬢のネックレスが沈んでいると思われる湖にやってきた。
此処はいつも純粋な魔力が漂っていて、物凄く居心地がいい…時折、息抜きに来ては昼寝をしてしまう。
今は、そんな事してる場合じゃないけど。
とあるご令嬢が、ここに思いっきりネックレスを投げ込んだらしい。
どの辺りに沈んだのかも分からない…普通の人には見つけるのは難しいだろうな。
でも、俺には簡単だ…だって、俺の水魔法は学園一と言っても差し支えないから。レオの魔力は強いんだ。
遠くでクロ様とリオが話してる。あれ、リオいつの間に来たの?
まぁいっか。とにかくまず、ネックレスの位置を把握しよう。
掌を翳し、湖全体の水の流れを感じ取る…魚達を避け、この場に存在する違和感を探す。
程なくして、目的の物は見つかった。
だが厄介な事に、湖の中心あたり…その湖底に沈んでしまったらしい。
うわ、めんどくさ…。
この場に居るのは俺とクロ様、リオだけだ。
それなら、ちょっとお痛をしてもいいよね?そう自分に言い訳をして、ネックレスへ魔力を集中させ、風魔法を練り込む。
ざぱーん!
湖の中心に大きな水柱が立つ。風魔法で、水を巻き上げた。
飛沫が降り注ぎ、きらきら輝く…あ、虹もできた!
久々に大きな魔力を消費して少し疲れたけど、周りに遠慮しなくていいからとっても楽しかった…自然に笑みが浮かんでしまう。
クロ様を振り向くと、引き攣った様な笑みを返された。
「…ルーズレス嬢、はいこれ」
学園の中庭、また植え込みに半身を突っ込んでいる彼女に声をかける。
急に声をかけたからか、慌てた様に身体を引き抜く…また、葉っぱだらけになっていた。
ちょいと指先を動かし、風魔法で葉を飛ばし髪を整えてやる。
そんな事に気づかないくらい、彼女の視線は俺の片手に釘付けだった。
「れ、レオンハルト様、それは…!」
「うん、廊下の隅で見つけたんだ…君のかなって思って持ってきたよ」
「ありがとうございます!これです…よかった!」
感極まって泣いてしまった。
それほどこのネックレスが大切何だろう…確か、乳母から貰ったとか?
ハンカチを差し出すと礼を言いながら受け取ってくれた。
「っわた、私の乳母が…くれたんです。もうお婆ちゃんなんですけど、もう1人の母みたいな存在で…」
しゃくり上げながら、ぽつりぽつりと話し始める。
ぎゅっとネックレスを握りしめ、仕切りに俺に感謝を告げる…ちょっと、恥ずかしくなってきたな。
少し涙が引いた彼女が、不思議そうに見上げてきた。
「あの、レオンハルト様…何故これを探すの手伝ってくれたのですか?私、お世辞にもレオンハルト様に好かれて居るとは思ってません…迷惑ばかりかけて、」
あ、俺に迷惑かけてる自覚はあったんだ?
取り敢えずそれは置いといて、今回彼女を見捨ておけなかった理由を話す。
チャラ、サファイアのネックレスをシャツから取り出した。
「これ、婚約式の日にクロ様がくれたんだ…俺を、俺だけを寵愛するって証。俺の命と同じくらい大切なネックレス…だから、他人事だと思えなくて」
今回失くしたのがネックレスじゃなければ、協力してなかったかも知れない。
彼女が失くした経緯を聞いて、他人の手が介入した様な気がしなかったら、無視していたと思う。
でも、彼女が必死に探している姿を見たら、駄目だった。
同情してしまった…もし、これが俺だったらどうするだろう?って。
それと、彼女に恩を売ろうって打算もあった。
彼女にはどうしても、聞きたい事があったから。今、聞いてしまおう。
「ねぇ、ルーズレス嬢…君は、花いとを知っているね」
その問いをした瞬間、彼女の顔が一瞬で青ざめた。
此処はいつも純粋な魔力が漂っていて、物凄く居心地がいい…時折、息抜きに来ては昼寝をしてしまう。
今は、そんな事してる場合じゃないけど。
とあるご令嬢が、ここに思いっきりネックレスを投げ込んだらしい。
どの辺りに沈んだのかも分からない…普通の人には見つけるのは難しいだろうな。
でも、俺には簡単だ…だって、俺の水魔法は学園一と言っても差し支えないから。レオの魔力は強いんだ。
遠くでクロ様とリオが話してる。あれ、リオいつの間に来たの?
まぁいっか。とにかくまず、ネックレスの位置を把握しよう。
掌を翳し、湖全体の水の流れを感じ取る…魚達を避け、この場に存在する違和感を探す。
程なくして、目的の物は見つかった。
だが厄介な事に、湖の中心あたり…その湖底に沈んでしまったらしい。
うわ、めんどくさ…。
この場に居るのは俺とクロ様、リオだけだ。
それなら、ちょっとお痛をしてもいいよね?そう自分に言い訳をして、ネックレスへ魔力を集中させ、風魔法を練り込む。
ざぱーん!
湖の中心に大きな水柱が立つ。風魔法で、水を巻き上げた。
飛沫が降り注ぎ、きらきら輝く…あ、虹もできた!
久々に大きな魔力を消費して少し疲れたけど、周りに遠慮しなくていいからとっても楽しかった…自然に笑みが浮かんでしまう。
クロ様を振り向くと、引き攣った様な笑みを返された。
「…ルーズレス嬢、はいこれ」
学園の中庭、また植え込みに半身を突っ込んでいる彼女に声をかける。
急に声をかけたからか、慌てた様に身体を引き抜く…また、葉っぱだらけになっていた。
ちょいと指先を動かし、風魔法で葉を飛ばし髪を整えてやる。
そんな事に気づかないくらい、彼女の視線は俺の片手に釘付けだった。
「れ、レオンハルト様、それは…!」
「うん、廊下の隅で見つけたんだ…君のかなって思って持ってきたよ」
「ありがとうございます!これです…よかった!」
感極まって泣いてしまった。
それほどこのネックレスが大切何だろう…確か、乳母から貰ったとか?
ハンカチを差し出すと礼を言いながら受け取ってくれた。
「っわた、私の乳母が…くれたんです。もうお婆ちゃんなんですけど、もう1人の母みたいな存在で…」
しゃくり上げながら、ぽつりぽつりと話し始める。
ぎゅっとネックレスを握りしめ、仕切りに俺に感謝を告げる…ちょっと、恥ずかしくなってきたな。
少し涙が引いた彼女が、不思議そうに見上げてきた。
「あの、レオンハルト様…何故これを探すの手伝ってくれたのですか?私、お世辞にもレオンハルト様に好かれて居るとは思ってません…迷惑ばかりかけて、」
あ、俺に迷惑かけてる自覚はあったんだ?
取り敢えずそれは置いといて、今回彼女を見捨ておけなかった理由を話す。
チャラ、サファイアのネックレスをシャツから取り出した。
「これ、婚約式の日にクロ様がくれたんだ…俺を、俺だけを寵愛するって証。俺の命と同じくらい大切なネックレス…だから、他人事だと思えなくて」
今回失くしたのがネックレスじゃなければ、協力してなかったかも知れない。
彼女が失くした経緯を聞いて、他人の手が介入した様な気がしなかったら、無視していたと思う。
でも、彼女が必死に探している姿を見たら、駄目だった。
同情してしまった…もし、これが俺だったらどうするだろう?って。
それと、彼女に恩を売ろうって打算もあった。
彼女にはどうしても、聞きたい事があったから。今、聞いてしまおう。
「ねぇ、ルーズレス嬢…君は、花いとを知っているね」
その問いをした瞬間、彼女の顔が一瞬で青ざめた。
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