55 / 62
アル様視点6 良いところは全て悪魔の三つ子に取られてしまいました
しおりを挟む
俺は母たちが学園で悪魔の三つ子と言われて怖れられていたと聞いて、さもありなんと思った。
でも、父らは本当に嫌がっていた。
「せっかくティナは家で大人しくしているから、3人は揃わないと思っていたのに・・・・」
呆然とする父の言う意味が俺はよく判らなかった。
元々母は鬼王妃として一部若手の王宮侍女らからは怖れられていたのだ。それが3人揃ったからと言って今更だ。多少脅威が増すだけだろう。俺としては貴族たちや父がシルフィとの仲を認めるのをバックアップしてくれたら、それで良いと浅はかにも思ってしまったのだ。
でも、3人の力は突き抜けていた。その行動力も。
学園舞踏会の衣装選びに俺が連れて行きたかったのに、
「ドレスのことなんてあなたは何もわからないでしょ」
と、母らは強引にシルフィを連れて超有名ドレス工房へ連れて行ったのだ。なおかつ、普通ならば人気で1年待ちなのを何かで脅して強引に1週間あまりで作らせたのだ。なおかつ自分ら3人の分も作らせていた。
「あの工房、私からの依頼をことごとく断っていたから丁度良かったわ」
俺は工房の主がかわいそうになった。この3人揃うと道理まで曲がってしまうらしい。いや、違う自分らの都合の良いように改悪? されるのだ。
更には彼女らは、ドレスを取りに行ったところを伯爵らに襲われてしまったのだ。
それを聞いて慌てて駆けつけようとしたら、何故か心配した父が既に飛び出した後で、王宮にいる王族がいなくなっており、仕方なしに俺が残ることになったのだ。
何故だ! 本来は王子様の俺がシルフィのところに駆けつけるのが基本だろうが。そもそも、俺がシルフィと同行している所に襲われて華々しく敵を退治するのが王子様の基本のはずなのに。
なのに、なのにだ! この3人は平気で1個中隊の騎士を殲滅してくれたのだ。
「ま、あなたには出来ないと思うわよ」
後で母に自慢気に言われて俺は悔しくて思わずハンカチを噛み締めそうになった・・・・。
いや、俺でも出来るぞ・・・・おそらく・・・・
多分・・・・
100人は無理か・・・・
その帰ってきた後も何故か父と母がそのまま寝室に籠もってしまって、俺はシルフィの様子を見に行けなかった。机の上には本来父の決済する書類が山積みになって押し寄せて来たのだ・・・・
「シルフィ、本当に昨日はすまない。あんなことがあるのならば俺が護衛したのに。事件を知った後も慌てて飛び出した父に、王宮の全てを任されて、俺は駆けつけることが出来なかったんだ」
翌日、舞踏会に行く前にやっと書類仕事を終えた俺はシルフィに謝ったのに、
「アーーーラ、アルフォンス、あなたが一人いたって昨日は殆ど役に立たなかったわよ」
ボケ母が酷いことを言ってくれた。こいつ、俺とシルフィの間を取り持つつもりはあるのか!
「煩いですね。母上は楽しんでいらっしゃるだけでしょう」
「あなた、それが婚約者を守ってくれた母親に対して言う言葉なの?」
母の言葉に俺は反論できなかった。何で母はこんなに強いのだ? 絶対におかしい。知らなかった。今までしおらしく演じていた・・・・いや鬼王妃として大人しくしていただけ・・・・なんか違うが、ここまで強いとは思ってもいなかった。下手したらこの3人で1個師団でも殲滅できるのかもしれない・・・・
結局俺は折角の舞踏会なのに、シルフィと一緒の馬車に乗れなかった。
何故母が俺の位置を取るのだ? こいつ娘が欲しかっただけなのか?
もうなんか許せなかった。
でも、あの3人には勝てない・・・・
こうなったら舞踏会の会場で侯爵家がケチつけてきたら俺がシルフィを守ろうと思ったのだ。
シルフィを馬車から下ろすと、母らを無視して俺は歩き出した。
母はバルテリンクに手伝って降ろしてもらっていた。なんか不吉なセリフを吐いているけれど、今日の主役は俺だ。俺がシルフィを守るのだ。
クンラートらのところに行くとシルフィがキョロキョロと平民の男たちを見ているんだけど・・・・どういう事? こいつをエスコートしているのは俺だ。皆の憧れの王太子の俺がエスコートしているのに・・・・まあ、こいつは最初からそうだったけど。
「俺を隣にして他の男を見るのは止めてくれ」
普通、このセリフを人気ナンバーワンの俺が言うか?
でも、ドレスを纏ったシルフィはとても綺麗で、他の男達がチラチラ見てくるんだけど。それだけでも許せないのに、俺を見ないなんて・・・・
「まあ、我が子もそんなに自分に自信がないのかしら。本当にヘタれね。もっと自分に自信を持ちなさい」
って後ろから母に注意された時には切れそうになった。何だこれは! 小さな子供の参観日か何かか?
俺はもうほとんど大人だ。と言うか、ここは学園だ。保護者は黙っていろ!
俺は睨みつけたけれど母は全く堪えていない。
そこに侯爵一家がやってきて、シルフィを睨みつけてきた。
その視線を俺が前に出て遮る。思わずシルフィがギュッと手を握って来た。俺はそれが少し嬉しかった。
父が挨拶に立ち、シルフィの父が子爵位につくと宣言した。
シルフィは驚いているみたいだ。これで身分的にもシルフィを娶る目処がついた。そう思った時だ。
「昨日、そのアントンの家内がマデロン・クライエンホフ伯爵を殺したのです。そのような者の夫を子爵位に叙爵するなどもってのほかではありませんか」
侯爵が宣戦を布告してきたのだ。
長々と告発しているんだけど、その合間に母らがちゃちゃを入れている。
「陛下のいらっしゃるこの舞踏会をこの娘は侮辱しているのです。殿下の事をその体を使って誘惑した淫乱娘に違いありません。直ちに断罪を」
侯爵のその言葉に俺はキレた。何を言いやがる、体を使って誘惑しようとしてきたのには貴様の娘だろうが! 俺まさに叫ぼうとした時だ。
「ちょっと、そこの白髪のジジイ、何、私の娘にイチャモンつけてくれているのよ」
シルフィの母が怒髪天で立っていたのだ。
嘘ーーーー。日頃おしとやかな人だと思っていたのに、この威圧感の凄さ。
「体を使って殿下を誘惑したですって! それ元々、あんたの隣りにいるトゥーナが陛下に対して使ったことでしょう!」
俺が断罪する前に、シルフィの母にされてしまった。
それも素っ裸で父に抱きついている侯爵夫人の映像がデカデカと映し出されているんですけど、ちょっと待って、ここまだ学園なんですけど。その映像は流石にまずいのでは・・・・。
必死にこの映像は嘘だと言い訳する侯爵夫人が哀れだった。絶対に侯爵夫人は終わりだ。二度と社交界には出てこれないだろう。娘をけなされただけで、この画像を皆の前に出して反撃するなんてシルフィの母も鬼だ。こんな事されたら絶対にシルフィの悪口なんて言えない。なんかあればシルフィの母に過去をバラされるかもしれないから・・・・。バルテリンク先生が何故か震えているんだが・・・・。
「兵士100人も連れて話すなんてこと無いわよね。ティナとその娘を殺そうとしたに違いないわ」
「本当に、でもそれは侯爵の命令だったのね」
侍女の格好の母とタチアナの母が大声で皆に話している。
「何言っているのよ。そこの二人。侍女はここに入ることは本来出来ないはずなのよ」
侯爵夫人が言ったのだ。母がニヤリと笑った。絶対にこのためだけに母はこの格好を選んだのだ。
「ふんっ、あんたはいつも物忘れが激しいと思っていたけれど、人の顔も忘れたの」
「な、なんですって。侍女の分際で・・・・・えっ、ルイーセ」
侯爵夫人の顔が驚愕に歪んでいた。
必死に言い訳しようとする侯爵夫人に母が近衛兵に拘束を命じる。
おい、俺の出番がない!
俺は慌てた。このままでは悪魔の三つ子に全て良いところを取られてしまうではないか。
「おのれ、元伯爵家の小娘め」
そう叫ぶと侯爵が杖を振り下ろそうとした。
やっと出番だ。えっ、でも、ターゲットはシルフィでなくて母か・・・・
母なら侯爵の攻撃を受けてもびくともしないだろう・・・・。
俺はやる気が少し失せた。いや、その前に侯爵を斬り捨てればよかったと後で後悔したのだ。間に合ったかどうかはわからないが。
何しろ次の瞬間には母の手から雷撃が飛び出したのだから・・・・
「お、俺の出番が・・・・」
俺はシルフィにとって全くの役立たずではないか・・・・。
好きな人のピンチだったのに、何一つ役に立たなかった。
良いところは全て母ら悪魔の三つ子に取られてしまったのだった・・・・
でも、父らは本当に嫌がっていた。
「せっかくティナは家で大人しくしているから、3人は揃わないと思っていたのに・・・・」
呆然とする父の言う意味が俺はよく判らなかった。
元々母は鬼王妃として一部若手の王宮侍女らからは怖れられていたのだ。それが3人揃ったからと言って今更だ。多少脅威が増すだけだろう。俺としては貴族たちや父がシルフィとの仲を認めるのをバックアップしてくれたら、それで良いと浅はかにも思ってしまったのだ。
でも、3人の力は突き抜けていた。その行動力も。
学園舞踏会の衣装選びに俺が連れて行きたかったのに、
「ドレスのことなんてあなたは何もわからないでしょ」
と、母らは強引にシルフィを連れて超有名ドレス工房へ連れて行ったのだ。なおかつ、普通ならば人気で1年待ちなのを何かで脅して強引に1週間あまりで作らせたのだ。なおかつ自分ら3人の分も作らせていた。
「あの工房、私からの依頼をことごとく断っていたから丁度良かったわ」
俺は工房の主がかわいそうになった。この3人揃うと道理まで曲がってしまうらしい。いや、違う自分らの都合の良いように改悪? されるのだ。
更には彼女らは、ドレスを取りに行ったところを伯爵らに襲われてしまったのだ。
それを聞いて慌てて駆けつけようとしたら、何故か心配した父が既に飛び出した後で、王宮にいる王族がいなくなっており、仕方なしに俺が残ることになったのだ。
何故だ! 本来は王子様の俺がシルフィのところに駆けつけるのが基本だろうが。そもそも、俺がシルフィと同行している所に襲われて華々しく敵を退治するのが王子様の基本のはずなのに。
なのに、なのにだ! この3人は平気で1個中隊の騎士を殲滅してくれたのだ。
「ま、あなたには出来ないと思うわよ」
後で母に自慢気に言われて俺は悔しくて思わずハンカチを噛み締めそうになった・・・・。
いや、俺でも出来るぞ・・・・おそらく・・・・
多分・・・・
100人は無理か・・・・
その帰ってきた後も何故か父と母がそのまま寝室に籠もってしまって、俺はシルフィの様子を見に行けなかった。机の上には本来父の決済する書類が山積みになって押し寄せて来たのだ・・・・
「シルフィ、本当に昨日はすまない。あんなことがあるのならば俺が護衛したのに。事件を知った後も慌てて飛び出した父に、王宮の全てを任されて、俺は駆けつけることが出来なかったんだ」
翌日、舞踏会に行く前にやっと書類仕事を終えた俺はシルフィに謝ったのに、
「アーーーラ、アルフォンス、あなたが一人いたって昨日は殆ど役に立たなかったわよ」
ボケ母が酷いことを言ってくれた。こいつ、俺とシルフィの間を取り持つつもりはあるのか!
「煩いですね。母上は楽しんでいらっしゃるだけでしょう」
「あなた、それが婚約者を守ってくれた母親に対して言う言葉なの?」
母の言葉に俺は反論できなかった。何で母はこんなに強いのだ? 絶対におかしい。知らなかった。今までしおらしく演じていた・・・・いや鬼王妃として大人しくしていただけ・・・・なんか違うが、ここまで強いとは思ってもいなかった。下手したらこの3人で1個師団でも殲滅できるのかもしれない・・・・
結局俺は折角の舞踏会なのに、シルフィと一緒の馬車に乗れなかった。
何故母が俺の位置を取るのだ? こいつ娘が欲しかっただけなのか?
もうなんか許せなかった。
でも、あの3人には勝てない・・・・
こうなったら舞踏会の会場で侯爵家がケチつけてきたら俺がシルフィを守ろうと思ったのだ。
シルフィを馬車から下ろすと、母らを無視して俺は歩き出した。
母はバルテリンクに手伝って降ろしてもらっていた。なんか不吉なセリフを吐いているけれど、今日の主役は俺だ。俺がシルフィを守るのだ。
クンラートらのところに行くとシルフィがキョロキョロと平民の男たちを見ているんだけど・・・・どういう事? こいつをエスコートしているのは俺だ。皆の憧れの王太子の俺がエスコートしているのに・・・・まあ、こいつは最初からそうだったけど。
「俺を隣にして他の男を見るのは止めてくれ」
普通、このセリフを人気ナンバーワンの俺が言うか?
でも、ドレスを纏ったシルフィはとても綺麗で、他の男達がチラチラ見てくるんだけど。それだけでも許せないのに、俺を見ないなんて・・・・
「まあ、我が子もそんなに自分に自信がないのかしら。本当にヘタれね。もっと自分に自信を持ちなさい」
って後ろから母に注意された時には切れそうになった。何だこれは! 小さな子供の参観日か何かか?
俺はもうほとんど大人だ。と言うか、ここは学園だ。保護者は黙っていろ!
俺は睨みつけたけれど母は全く堪えていない。
そこに侯爵一家がやってきて、シルフィを睨みつけてきた。
その視線を俺が前に出て遮る。思わずシルフィがギュッと手を握って来た。俺はそれが少し嬉しかった。
父が挨拶に立ち、シルフィの父が子爵位につくと宣言した。
シルフィは驚いているみたいだ。これで身分的にもシルフィを娶る目処がついた。そう思った時だ。
「昨日、そのアントンの家内がマデロン・クライエンホフ伯爵を殺したのです。そのような者の夫を子爵位に叙爵するなどもってのほかではありませんか」
侯爵が宣戦を布告してきたのだ。
長々と告発しているんだけど、その合間に母らがちゃちゃを入れている。
「陛下のいらっしゃるこの舞踏会をこの娘は侮辱しているのです。殿下の事をその体を使って誘惑した淫乱娘に違いありません。直ちに断罪を」
侯爵のその言葉に俺はキレた。何を言いやがる、体を使って誘惑しようとしてきたのには貴様の娘だろうが! 俺まさに叫ぼうとした時だ。
「ちょっと、そこの白髪のジジイ、何、私の娘にイチャモンつけてくれているのよ」
シルフィの母が怒髪天で立っていたのだ。
嘘ーーーー。日頃おしとやかな人だと思っていたのに、この威圧感の凄さ。
「体を使って殿下を誘惑したですって! それ元々、あんたの隣りにいるトゥーナが陛下に対して使ったことでしょう!」
俺が断罪する前に、シルフィの母にされてしまった。
それも素っ裸で父に抱きついている侯爵夫人の映像がデカデカと映し出されているんですけど、ちょっと待って、ここまだ学園なんですけど。その映像は流石にまずいのでは・・・・。
必死にこの映像は嘘だと言い訳する侯爵夫人が哀れだった。絶対に侯爵夫人は終わりだ。二度と社交界には出てこれないだろう。娘をけなされただけで、この画像を皆の前に出して反撃するなんてシルフィの母も鬼だ。こんな事されたら絶対にシルフィの悪口なんて言えない。なんかあればシルフィの母に過去をバラされるかもしれないから・・・・。バルテリンク先生が何故か震えているんだが・・・・。
「兵士100人も連れて話すなんてこと無いわよね。ティナとその娘を殺そうとしたに違いないわ」
「本当に、でもそれは侯爵の命令だったのね」
侍女の格好の母とタチアナの母が大声で皆に話している。
「何言っているのよ。そこの二人。侍女はここに入ることは本来出来ないはずなのよ」
侯爵夫人が言ったのだ。母がニヤリと笑った。絶対にこのためだけに母はこの格好を選んだのだ。
「ふんっ、あんたはいつも物忘れが激しいと思っていたけれど、人の顔も忘れたの」
「な、なんですって。侍女の分際で・・・・・えっ、ルイーセ」
侯爵夫人の顔が驚愕に歪んでいた。
必死に言い訳しようとする侯爵夫人に母が近衛兵に拘束を命じる。
おい、俺の出番がない!
俺は慌てた。このままでは悪魔の三つ子に全て良いところを取られてしまうではないか。
「おのれ、元伯爵家の小娘め」
そう叫ぶと侯爵が杖を振り下ろそうとした。
やっと出番だ。えっ、でも、ターゲットはシルフィでなくて母か・・・・
母なら侯爵の攻撃を受けてもびくともしないだろう・・・・。
俺はやる気が少し失せた。いや、その前に侯爵を斬り捨てればよかったと後で後悔したのだ。間に合ったかどうかはわからないが。
何しろ次の瞬間には母の手から雷撃が飛び出したのだから・・・・
「お、俺の出番が・・・・」
俺はシルフィにとって全くの役立たずではないか・・・・。
好きな人のピンチだったのに、何一つ役に立たなかった。
良いところは全て母ら悪魔の三つ子に取られてしまったのだった・・・・
20
お気に入りに追加
924
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
【完結】悪役令嬢に転生したようです。アレして良いですか?【再録】
仲村 嘉高
恋愛
魔法と剣の世界に転生した私。
「嘘、私、王子の婚約者?」
しかも何かゲームの世界???
私の『宝物』と同じ世界???
平民のヒロインに甘い事を囁いて、公爵令嬢との婚約を破棄する王子?
なにその非常識な設定の世界。ゲームじゃないのよ?
それが認められる国、大丈夫なの?
この王子様、何を言っても聞く耳持ちゃしません。
こんなクソ王子、ざまぁして良いですよね?
性格も、口も、決して良いとは言えない社会人女性が乙女ゲームの世界に転生した。
乙女ゲーム?なにそれ美味しいの?そんな人が……
ご都合主義です。
転生もの、初挑戦した作品です。
温かい目で見守っていただければ幸いです。
本編97話・乙女ゲーム部15話
※R15は、ざまぁの為の保険です。
※他サイトでも公開してます。
※なろうに移行した作品ですが、R18指定され、非公開措置とされました(笑)
それに伴い、作品を引き下げる事にしたので、こちらに移行します。
昔の作品でかなり拙いですが、それでも宜しければお読みください。
※感想は、全て読ませていただきますが、なにしろ昔の作品ですので、基本返信はいたしませんので、ご了承ください。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる