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青髪の山姥とその母親にからまれました
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翌日はお休みだった。朝食はこの部屋で準備してもらった。食べるや否や、母は早速王妃様に呼びつけられていた。
結局、昨日はあの後、母らの昔談義が始まってあっという間に私たちは蚊帳の外になってたのだ。手持無沙汰になった陛下と父は何故か仕事の話を二人で始めた。私達子供四人は固まって、どうしようもない、母親たちに呆れていたのだ。
結局、タチアナの父の公爵閣下が迎えに来るまでこのカオスな状態は続いたのだった。
私は休みの今日王宮でどうしようかと悩んでいると、いきなり女官が私と弟を王妃様の所に呼びに来たのだ。
私達は女官に連れられて、渡り廊下を歩いていると、前方の渡り廊下の溜まり場に着飾った令嬢が侍女を連れて立っているのが見えた。
その青髪は、一番会いたくない山姥だった。
一人だったら逃げ出したんだけど、ここは弟も侍女もいる。逃げようは無かった。
「あーら、平民風情が何故王宮になんかいるのかしら?」
心底不思議そうに山姥は言ってくれたのだ。
こいつ、弟の前でよくも。いつもは生意気な弟だが、その弟の前で赤の他人に、威張られる筋合いは無かった。
「エルダー、知らない人に会った時は、まず、挨拶しなければならないのよ。こんな礼儀知らずの令嬢になってはいけないわよ」
そう言うと私は弟に対して微笑みかけたのだ。
「な、何ですって!」
山姥はきっとしてこちらを睨み付けてきた。
弟はぎょっとしてこちらを見たが、私が微笑みかけたのを見て、諦めたみたいだ。
「本当だね。姉さん。お貴族様の中にも礼儀作法が出来ない人がいるんだね」
「な、な、あんた達、侯爵令嬢の私の前でよくも、そんな失礼な事が言えたわね」
山姥が青髪を逆立てて、吠えたてて来たのだ。
まあ、別に私は怖い事無いけど。何しろ私の親友が公爵令嬢だし、友人が王子殿下だ。母親は悪魔の三つ子だし。
私がびくともした様子がないので山姥は、焦ったみたいだった。 イライラしていたが急遽救いの神を見たように、私の後ろを振り向いたのだった。
「お母様!」
後ろを振り返ると、お貴族様の着飾った10人くらいのおば様軍団がこちらに向かって来るところだった。
げっ、あれはテレシア様と王妃様が目の敵にしているトゥーナ侯爵婦人だろう。確か男やもめの侯爵の後妻に入ったとかいう。
顔の化粧はいかにもケバケバしかった。衣装も原色をこれでもかと取り揃えた、派手な衣装だったのだ。
さすが、山姥の母、センスがない!
本人が聞いたら、確実に切れそうな事を私は思った。
「ちょっとお母様、遅いじゃない!」
「ごめんなさいね! 折角集まったので、昔話に花が咲いて」
「本当にもう!」
私達は目立たないように、横に避けたのだ。目立たないように!
でも、そんな私達を山姥が許すわけもなく、
「お母様、あちらが、今、王太子殿下を、色香で誑かしている、平民の女よ」
「まあ、そうなの? そこのあなた、私が今から、王妃様に拝謁しに行くと、妃殿下にお伝えしに行って頂けるかしら」
原色お化けは、私達に付いた女官に声をかけた。
「しかし・・・・」
「あなた、私に逆らうわけ?」
「い、いえ」
女官は慌てて、立ち去ったのだ。
ちょっと、私達を見捨てないでよ!
私の心の声は全く聞こえなかったみたいだった。
「でも、ステファニー! この平民の子、色香って、そんなのあるの?」
馬鹿にしたように原色お化けが見下した。
「ほんとですわ、着ている服も貧しいものですし」
「本当にみすぼらしいですわ」
「どこの乞食が歩いているのかと思いましたわ」
取り巻き達が口々に言う。
弟がムッとして何か言おうとしたのを私が止める。さすがに侯爵夫人と争うのは不味い。ここまでは私も理性があったのだ。
「それに全然胸が無いんだけど、こんな胸じゃ、殿下どころか、その辺の乞食にすら相手にされないんじゃないの?」
私はその原色お化けの言葉に、完全に切れてしまったのだった。
弟が慌てて止めようとしてくれたが、間に合わなかった。
「エルダー! ここは、皆の憧れの王宮で、センスのある方々しか、いないと思っていたけど、いつからお化け屋敷になったのかしら?」
私は無いと言われた胸を張って言ってやったのだった。
弟はさすがにぎょっとして
「姉さん、お化けって」
「そこのおばさん、皆さま方に見せられないほど酷いのか、元の顔形が変わってしまう程、化粧をしているし、着ている服がセンスの欠片もない原色お化けじゃない」
胸について言われた私は切れていたのだ。
「何ですって!」
原色お化けは私の言葉に切れた。
「あなた平民の分際で、よりにもよって侯爵夫人の私をお化けですって!」
原色お化けがつかつかと歩いて来た。
ヤバい、これは本当に怒らせたかも!
私は少し焦ったがこうなったら、もうどうにでもなれって感じだ。
原色お化けがあろうことか手を振り上げたのだ。
ひっぱたかれる!私は衝撃に耐えようとしたのだ。
しかし、
パシン
と言う音と共に張られたのは、私を庇って前に出た弟だった。
私はそれを見て更に切れてしまった。
「あんた良くも私の弟に!」
もう私は切れていたのだ。普通なら絶対にこんな事はしなかったのに、水魔術を侯爵夫人に向けて放っていたのだ。
しかし、私のノーコン魔術で当たるわけもなく、
ドバッ
と大量の水を浴びたのは、原色お化けの付き添いの取り巻き達と山姥だった。
ええええ! 関係ない奴らを巻き込んでしまった!
もっとも取り巻きしている段階で、無関係ではなかったけど!
でも次の瞬間、その原色お化けも、何故か、私の放った水量の何十倍もの水をぶっ被っていたのだ!
結局、昨日はあの後、母らの昔談義が始まってあっという間に私たちは蚊帳の外になってたのだ。手持無沙汰になった陛下と父は何故か仕事の話を二人で始めた。私達子供四人は固まって、どうしようもない、母親たちに呆れていたのだ。
結局、タチアナの父の公爵閣下が迎えに来るまでこのカオスな状態は続いたのだった。
私は休みの今日王宮でどうしようかと悩んでいると、いきなり女官が私と弟を王妃様の所に呼びに来たのだ。
私達は女官に連れられて、渡り廊下を歩いていると、前方の渡り廊下の溜まり場に着飾った令嬢が侍女を連れて立っているのが見えた。
その青髪は、一番会いたくない山姥だった。
一人だったら逃げ出したんだけど、ここは弟も侍女もいる。逃げようは無かった。
「あーら、平民風情が何故王宮になんかいるのかしら?」
心底不思議そうに山姥は言ってくれたのだ。
こいつ、弟の前でよくも。いつもは生意気な弟だが、その弟の前で赤の他人に、威張られる筋合いは無かった。
「エルダー、知らない人に会った時は、まず、挨拶しなければならないのよ。こんな礼儀知らずの令嬢になってはいけないわよ」
そう言うと私は弟に対して微笑みかけたのだ。
「な、何ですって!」
山姥はきっとしてこちらを睨み付けてきた。
弟はぎょっとしてこちらを見たが、私が微笑みかけたのを見て、諦めたみたいだ。
「本当だね。姉さん。お貴族様の中にも礼儀作法が出来ない人がいるんだね」
「な、な、あんた達、侯爵令嬢の私の前でよくも、そんな失礼な事が言えたわね」
山姥が青髪を逆立てて、吠えたてて来たのだ。
まあ、別に私は怖い事無いけど。何しろ私の親友が公爵令嬢だし、友人が王子殿下だ。母親は悪魔の三つ子だし。
私がびくともした様子がないので山姥は、焦ったみたいだった。 イライラしていたが急遽救いの神を見たように、私の後ろを振り向いたのだった。
「お母様!」
後ろを振り返ると、お貴族様の着飾った10人くらいのおば様軍団がこちらに向かって来るところだった。
げっ、あれはテレシア様と王妃様が目の敵にしているトゥーナ侯爵婦人だろう。確か男やもめの侯爵の後妻に入ったとかいう。
顔の化粧はいかにもケバケバしかった。衣装も原色をこれでもかと取り揃えた、派手な衣装だったのだ。
さすが、山姥の母、センスがない!
本人が聞いたら、確実に切れそうな事を私は思った。
「ちょっとお母様、遅いじゃない!」
「ごめんなさいね! 折角集まったので、昔話に花が咲いて」
「本当にもう!」
私達は目立たないように、横に避けたのだ。目立たないように!
でも、そんな私達を山姥が許すわけもなく、
「お母様、あちらが、今、王太子殿下を、色香で誑かしている、平民の女よ」
「まあ、そうなの? そこのあなた、私が今から、王妃様に拝謁しに行くと、妃殿下にお伝えしに行って頂けるかしら」
原色お化けは、私達に付いた女官に声をかけた。
「しかし・・・・」
「あなた、私に逆らうわけ?」
「い、いえ」
女官は慌てて、立ち去ったのだ。
ちょっと、私達を見捨てないでよ!
私の心の声は全く聞こえなかったみたいだった。
「でも、ステファニー! この平民の子、色香って、そんなのあるの?」
馬鹿にしたように原色お化けが見下した。
「ほんとですわ、着ている服も貧しいものですし」
「本当にみすぼらしいですわ」
「どこの乞食が歩いているのかと思いましたわ」
取り巻き達が口々に言う。
弟がムッとして何か言おうとしたのを私が止める。さすがに侯爵夫人と争うのは不味い。ここまでは私も理性があったのだ。
「それに全然胸が無いんだけど、こんな胸じゃ、殿下どころか、その辺の乞食にすら相手にされないんじゃないの?」
私はその原色お化けの言葉に、完全に切れてしまったのだった。
弟が慌てて止めようとしてくれたが、間に合わなかった。
「エルダー! ここは、皆の憧れの王宮で、センスのある方々しか、いないと思っていたけど、いつからお化け屋敷になったのかしら?」
私は無いと言われた胸を張って言ってやったのだった。
弟はさすがにぎょっとして
「姉さん、お化けって」
「そこのおばさん、皆さま方に見せられないほど酷いのか、元の顔形が変わってしまう程、化粧をしているし、着ている服がセンスの欠片もない原色お化けじゃない」
胸について言われた私は切れていたのだ。
「何ですって!」
原色お化けは私の言葉に切れた。
「あなた平民の分際で、よりにもよって侯爵夫人の私をお化けですって!」
原色お化けがつかつかと歩いて来た。
ヤバい、これは本当に怒らせたかも!
私は少し焦ったがこうなったら、もうどうにでもなれって感じだ。
原色お化けがあろうことか手を振り上げたのだ。
ひっぱたかれる!私は衝撃に耐えようとしたのだ。
しかし、
パシン
と言う音と共に張られたのは、私を庇って前に出た弟だった。
私はそれを見て更に切れてしまった。
「あんた良くも私の弟に!」
もう私は切れていたのだ。普通なら絶対にこんな事はしなかったのに、水魔術を侯爵夫人に向けて放っていたのだ。
しかし、私のノーコン魔術で当たるわけもなく、
ドバッ
と大量の水を浴びたのは、原色お化けの付き添いの取り巻き達と山姥だった。
ええええ! 関係ない奴らを巻き込んでしまった!
もっとも取り巻きしている段階で、無関係ではなかったけど!
でも次の瞬間、その原色お化けも、何故か、私の放った水量の何十倍もの水をぶっ被っていたのだ!
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