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アル様に馬で相乗りして王宮に連れて行かれました
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私は何とか助かってホッとした。破落戸共に襲われる事がまさかあるなんて思ってもいなかったのだ。
でもそれからが大変だった。
火を消すのが・・・・。
私が消そうとして出した水魔法は燃えている倉庫ではなくて、捕まった破落戸共と騎士の方々諸共水浸しにしたのだった。
火を消すのは後からやってきた魔術師に任せた。私がやると碌なことはない。
私はそのまま騎士団の駐屯所に連れて行かれて色々聞かれることになった。父は忙しいので後で王宮での聴取になるそうだ。
しかし、聴取の部屋に入るとすぐに、
「シルフィ、シルフィは無事か」
扉を蹴破るようにしてアル様が飛び込んできたのだ。騎士達もいきなり王太子がやってきてびっくりしていた。
しかし、あろうことかアル様はいきなり私に抱きついたのだ。
ええええ!
「良かった。無事で」
「ちょっとアル様、皆の視線が」
「そんなのはどうでも良い。何故、シルフイの傍に護衛の騎士がいなかったのだ」
きっとしてアル様が騎士達を睨みつけたんだけど。でも私達の護衛していたあの騎士って確か王宮の騎士で、ここの騎士とは関係ないのでは。
父はさっさと仕事に行ってしまったし、私ではよく判らなかった。王太子の怒りをモロに被って駐屯所は恐慌状態に陥ってしまったのだ。
「で、殿下、申し訳ありませんでした」
少し経ってから王宮から慌てて騎士団長が駆けつけてきて、更に騒ぎは大きくなったのだけど。
平身低頭する騎士団長によると、ブルが今日は私の父が直接来るので護衛はいらないと言伝に来たのでそう思ったそうだ。
「ほおおお、騎士団長。いつから俺の命は一財務官の言う事より軽くなったのだ」
アル様の目が細くなって、もう大変だった。
本件は騎士団長が責任を持って尋問することが決まり、みんな、王宮に連行されていったのだ。
そして、私はそのままアル様に王宮に連れて行かれたのだ。
アル様の馬に一緒に乗せられて。
「でも、アル様。私馬に乗ったことはなくて」
私が拒否しようとしたが、
「良いんだよ。俺が落ちないようにしっかりと持っているから」
アル様がそう言うんだけど、馬の上からアル様に引っ張り上げられたんだけど、高いって!
アル様の愛馬の上に、アル様に前でしっかりと横抱きにされて乗せられた。でも、とても高くて、
「怖かったら俺の首に手を回して」
「はい」
私は恐怖心からアル様の首に手を回して抱きついていた。
でも、これってめちゃくちゃアル様に密着しているんだけど。なんかこれはこれでちょっと困る。
私は真っ赤になってしまった。
それも街の中を眉目秀麗なアル様に抱きついている女の私ってどうなの?
馬の上は結構高くて、怖いのでアル様に抱きついた形になってしまったんだけど。何の恥辱プレイよ。
周りからはジロジロ見られるし私はもう恥ずかしくなってアル様の胸に顔を寄せてしまった。
でも、これじゃあアル様が恋人に抱きつかれて馬に乗っていることになってしまうじゃないか。
いや、絶対にまずいって。
アル様はなんかそれを楽しんでいるんだけど。ちょっと平民の女の子をからかわないでよ。
王宮の門の前では多くの人にもはっきりと見られてしまった。
「おい、殿下が女連れで馬に乗っておられるぞ」
「あれは誰だ」
「ええええ! 殿下に恋人がいたの?」
「嘘ーーー」
私はその声の中恥ずかしくて、益々アル様胸に顔をつけてしまったのだ。
更にざわめきが大きくなる。
嘘、何あの女。そんな美人でないのにアル様にくっついてとか色々言われているんだろうな。
とか思いながら。
やっと王宮について降りられると思ったところで私は今度は青くなった。
「シルフィちゃん。大変だったわね」
そこには青いドレスを身にまとった王妃様自らがお出迎えしてくれていたのだ。
でもそれからが大変だった。
火を消すのが・・・・。
私が消そうとして出した水魔法は燃えている倉庫ではなくて、捕まった破落戸共と騎士の方々諸共水浸しにしたのだった。
火を消すのは後からやってきた魔術師に任せた。私がやると碌なことはない。
私はそのまま騎士団の駐屯所に連れて行かれて色々聞かれることになった。父は忙しいので後で王宮での聴取になるそうだ。
しかし、聴取の部屋に入るとすぐに、
「シルフィ、シルフィは無事か」
扉を蹴破るようにしてアル様が飛び込んできたのだ。騎士達もいきなり王太子がやってきてびっくりしていた。
しかし、あろうことかアル様はいきなり私に抱きついたのだ。
ええええ!
「良かった。無事で」
「ちょっとアル様、皆の視線が」
「そんなのはどうでも良い。何故、シルフイの傍に護衛の騎士がいなかったのだ」
きっとしてアル様が騎士達を睨みつけたんだけど。でも私達の護衛していたあの騎士って確か王宮の騎士で、ここの騎士とは関係ないのでは。
父はさっさと仕事に行ってしまったし、私ではよく判らなかった。王太子の怒りをモロに被って駐屯所は恐慌状態に陥ってしまったのだ。
「で、殿下、申し訳ありませんでした」
少し経ってから王宮から慌てて騎士団長が駆けつけてきて、更に騒ぎは大きくなったのだけど。
平身低頭する騎士団長によると、ブルが今日は私の父が直接来るので護衛はいらないと言伝に来たのでそう思ったそうだ。
「ほおおお、騎士団長。いつから俺の命は一財務官の言う事より軽くなったのだ」
アル様の目が細くなって、もう大変だった。
本件は騎士団長が責任を持って尋問することが決まり、みんな、王宮に連行されていったのだ。
そして、私はそのままアル様に王宮に連れて行かれたのだ。
アル様の馬に一緒に乗せられて。
「でも、アル様。私馬に乗ったことはなくて」
私が拒否しようとしたが、
「良いんだよ。俺が落ちないようにしっかりと持っているから」
アル様がそう言うんだけど、馬の上からアル様に引っ張り上げられたんだけど、高いって!
アル様の愛馬の上に、アル様に前でしっかりと横抱きにされて乗せられた。でも、とても高くて、
「怖かったら俺の首に手を回して」
「はい」
私は恐怖心からアル様の首に手を回して抱きついていた。
でも、これってめちゃくちゃアル様に密着しているんだけど。なんかこれはこれでちょっと困る。
私は真っ赤になってしまった。
それも街の中を眉目秀麗なアル様に抱きついている女の私ってどうなの?
馬の上は結構高くて、怖いのでアル様に抱きついた形になってしまったんだけど。何の恥辱プレイよ。
周りからはジロジロ見られるし私はもう恥ずかしくなってアル様の胸に顔を寄せてしまった。
でも、これじゃあアル様が恋人に抱きつかれて馬に乗っていることになってしまうじゃないか。
いや、絶対にまずいって。
アル様はなんかそれを楽しんでいるんだけど。ちょっと平民の女の子をからかわないでよ。
王宮の門の前では多くの人にもはっきりと見られてしまった。
「おい、殿下が女連れで馬に乗っておられるぞ」
「あれは誰だ」
「ええええ! 殿下に恋人がいたの?」
「嘘ーーー」
私はその声の中恥ずかしくて、益々アル様胸に顔をつけてしまったのだ。
更にざわめきが大きくなる。
嘘、何あの女。そんな美人でないのにアル様にくっついてとか色々言われているんだろうな。
とか思いながら。
やっと王宮について降りられると思ったところで私は今度は青くなった。
「シルフィちゃん。大変だったわね」
そこには青いドレスを身にまとった王妃様自らがお出迎えしてくれていたのだ。
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