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帝国第三皇子視点8 悪役令嬢からピンクの君を取り返そうと決心しました
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聖なる森に何故魔物が現れたのか?
俺は不思議だった。普通は絶対に魔物は浄化するユニコーンの縄張りには近寄らないのだ。
その一帯を調査させると壊れた魔道具とそれを操作していたと思しき男たちの遺体が見つかったのだ。その魔道具はどうやら魔物を興奮させる類の物らしかった。完全に破壊されていたから詳しい事は判らなかったが。
傍に倒れていた男達は魔物たちに押しつぶされたり、踏みつぶされたりして見れたものではなかったが。
ただ、帝国の暗部と思しき死体がその中に混じっていた。
やはりか。第一皇子か王妃の手先だ。
俺を狙って来たのか?
「私も邪魔だったんじゃない」
何故か俺の家にやって来たマチルダが言ってくれた。
「そうだな。後ろ盾のない俺の、強力な後ろ盾になったのだからな。狙われもしよう」
俺は認めた。
そうだ。こいつさえ来なければ俺はそのまま静かにしていられたのだ。今頃ピンクの君とも仲良くなれたはずなのだ。
「お前は何をしにこの地に来たんだ?」
俺は思わず聞いていた。
「そんなのパティに会うために決まっているじゃない」
「はああああ? お前、その為だけに俺の婚約者になったのか?」
俺には意味が判らなかった。
こいつ、俺のピンクの君に会うためだけに、俺の婚約者になったのか?
「お前はどこでピンクの君に救われたんだよ」
「まあ、あなたがピンクの君なんて言うなんて。中二病みたい」
そう言うとマチルダが笑いだした。最後は訳の分からないことを言っていたが、
「ふんっ、貴様に笑われる筋合いはない」
俺は言いきった。
「で、どこで会ったんだ」
「ふんっ、秘密よ」
「何だと」
「言っても判らないと思うし」
マチルダは馬鹿にしたように言ってくれた。
「お前に執着されたらパティが可愛そうだ。直ちに侍女から解放しろ。どのみちお前の事だから、何か弱みを握って拘束しているんだろう」
俺が言うと
「残念。パティは昔から私の友達なの。別に弱み握ってなんかいないわよ。彼女を助けてあげたことはあるけれど」
「貴様が善意で人助けなんかするか。どのみち、自分の役に立つとでも思ってしたんだろう」
マチルダの言葉に俺は言いきってやった。
「まあ、ご挨拶ね。何を言っているやら。
確かに、パティはペットに最強の古代竜連れているし、変身したら無敵の魔法少女よ。その最強少女を侍女に連れているという事は、最強のお嬢様になれるわ。皇帝も他国の王も私の意のままよ。本当に最強の悪役令嬢よね」
そう言うとマチルダの奴は盛大に高笑いしてくれたんだけど。
こいつは最悪だ。
「お前はそれで俺と婚約したのか。俺を皇帝にして俺を陰から繰る為に」
俺がむっとして言うと
「別にあんたなんてどうでもいいんだけど」
こいつ帝国の第三皇子を完全に見下してくれた。
まあ、後ろ盾のない俺なんて帝国最大の公爵家からみたらくずのような存在……いや、こいつにだけはそうは見られたくない。
「まあ、あんたを皇帝にしてそれを足元に侍らせたら面白いかも知れないけれど。片手に変身したパティ、足元に皇帝を跪かせるのもいいかもね」
何か笑いながらマチルダの奴は言ってくれるが。俺は吐き気がした。こいつの足元にだけはひれ伏したくない。
「俺は貴様とは誰が何と言おうが結婚しないからな」
俺は宣言してやった。だれがこんな我儘女と結婚するものか。
「えっ、じゃあ、あの村長の娘と結婚するの」
「するわけないだろう。あんな女と」
「ええええ! かわいそう。あれだけあんたに懐いていたのに」
マチルダが俺を悪人のように見るのだが、こいつにだけはそんな目で見られたくない。
「何を言う。俺は騙されていたんだ」
そうだ。あいつがピンクの君だと思っていたのだ。
「まあ、酷い。今まで散々遊んでいて、パティが出て来た途端に乗り換えようとするなんて最低」
マチルダが俺をゴキブリのように見てくれるんだが、お前にだけは言われたくない。
「遊んでなんていないわ」
「じゃあ、あなたの性欲の処理の為だけに付き合っていたの?」
「はああああ? 俺はあの女は抱いていないぞ」
こいつは何を言わせるのだ。
「まあ、あれだけ長い間付き合っていたのに、抱いていないなんてあなた、種なしなの?」
俺はプッツンキレた。こいつは帝国の皇子になんてことを言ってくれるだ。
「お、お前な。なんてことを言うんだ。俺は小さいころからパティだけを愛していたんだ」
「ええええ! あなたロリコンなの? あんな小さいパティに欲情して」
「お、お前な」
俺は怒りのあまりぶるぶる震えた。俺のピンクの君を汚すな!
「まあ、どちらにせよ、そういう事はパティに愛されてから言ってよね。今は完全に無視されているじゃない」
「な、何言う。そんなことは無い」
マチルダの言葉に俺は否定した。
「そうね。無視じゃなくて避けられているわね」
マチルダはさらにひどい事を言ってくれた。
「いや、そんな事は……」
そういえばパティにはいつも距離を置かれているのか?
「だって、私と一緒にいる時にあなたを見つけたらいつも逃げようとしているわよ」
「えっ、そうなのか」
俺はその言葉にショックを受けた。
そういえばこの前もマチルダの家に行ったときに用事を見つけて部屋から出て行こうとしていた……
「やっぱりブラッドの事が好きなんじゃない。付き合っているって噂もあるし」
「それはない」
俺は言いきった。
「ブラッドに対してはいつも塩対応だ」
それだけは自信があった。
「あっそう。でも、あなたに対しても同じだと思うんだけど」
「いや、そんな事は……」
マチルダの言葉はさらに俺の心をえぐった。
思い返せばブラッドと同じ事をされていたような気がする。何故か避けられているのだ。普通俺を見て避ける奴なんていないのに……
俺は唖然とした。
「その点私の方が圧倒的に好かれているんだけど」
「いや、そんなわけは無い。それはお前がパティの弱みを握ってだな……」
「何握るのよ。それはパティのペットは古代竜で、変身したら魔法少女だけどあなたも知っているじゃない」
「いや、それ以外も絶対に何かあるはずだ」
そうだ。あんな可憐なパティが毒蛇マチルダについているのは理由があるはずだ。権力を笠に着て無理やり侍女にしたに違いない。
「じゃあ本人に聞いてみたら。私は後ろ暗い事は何もないわよ」
マチルダはそう言うと席を立ちあがった。
「『マチルダ様は命の恩人なので、何でもいう事を聞きます』って言ってくれると思うけど」
そう言うと高らかに笑ってくれたのだ。
何か企んでいる瞳で盛大に。
俺は心に誓ったのだ。絶対にこの悪魔から俺のピンクの君を取り戻すと。
*****************************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
今日から1日2話更新です。完結まで突っ走りますのでよろしくお願いします!
俺は不思議だった。普通は絶対に魔物は浄化するユニコーンの縄張りには近寄らないのだ。
その一帯を調査させると壊れた魔道具とそれを操作していたと思しき男たちの遺体が見つかったのだ。その魔道具はどうやら魔物を興奮させる類の物らしかった。完全に破壊されていたから詳しい事は判らなかったが。
傍に倒れていた男達は魔物たちに押しつぶされたり、踏みつぶされたりして見れたものではなかったが。
ただ、帝国の暗部と思しき死体がその中に混じっていた。
やはりか。第一皇子か王妃の手先だ。
俺を狙って来たのか?
「私も邪魔だったんじゃない」
何故か俺の家にやって来たマチルダが言ってくれた。
「そうだな。後ろ盾のない俺の、強力な後ろ盾になったのだからな。狙われもしよう」
俺は認めた。
そうだ。こいつさえ来なければ俺はそのまま静かにしていられたのだ。今頃ピンクの君とも仲良くなれたはずなのだ。
「お前は何をしにこの地に来たんだ?」
俺は思わず聞いていた。
「そんなのパティに会うために決まっているじゃない」
「はああああ? お前、その為だけに俺の婚約者になったのか?」
俺には意味が判らなかった。
こいつ、俺のピンクの君に会うためだけに、俺の婚約者になったのか?
「お前はどこでピンクの君に救われたんだよ」
「まあ、あなたがピンクの君なんて言うなんて。中二病みたい」
そう言うとマチルダが笑いだした。最後は訳の分からないことを言っていたが、
「ふんっ、貴様に笑われる筋合いはない」
俺は言いきった。
「で、どこで会ったんだ」
「ふんっ、秘密よ」
「何だと」
「言っても判らないと思うし」
マチルダは馬鹿にしたように言ってくれた。
「お前に執着されたらパティが可愛そうだ。直ちに侍女から解放しろ。どのみちお前の事だから、何か弱みを握って拘束しているんだろう」
俺が言うと
「残念。パティは昔から私の友達なの。別に弱み握ってなんかいないわよ。彼女を助けてあげたことはあるけれど」
「貴様が善意で人助けなんかするか。どのみち、自分の役に立つとでも思ってしたんだろう」
マチルダの言葉に俺は言いきってやった。
「まあ、ご挨拶ね。何を言っているやら。
確かに、パティはペットに最強の古代竜連れているし、変身したら無敵の魔法少女よ。その最強少女を侍女に連れているという事は、最強のお嬢様になれるわ。皇帝も他国の王も私の意のままよ。本当に最強の悪役令嬢よね」
そう言うとマチルダの奴は盛大に高笑いしてくれたんだけど。
こいつは最悪だ。
「お前はそれで俺と婚約したのか。俺を皇帝にして俺を陰から繰る為に」
俺がむっとして言うと
「別にあんたなんてどうでもいいんだけど」
こいつ帝国の第三皇子を完全に見下してくれた。
まあ、後ろ盾のない俺なんて帝国最大の公爵家からみたらくずのような存在……いや、こいつにだけはそうは見られたくない。
「まあ、あんたを皇帝にしてそれを足元に侍らせたら面白いかも知れないけれど。片手に変身したパティ、足元に皇帝を跪かせるのもいいかもね」
何か笑いながらマチルダの奴は言ってくれるが。俺は吐き気がした。こいつの足元にだけはひれ伏したくない。
「俺は貴様とは誰が何と言おうが結婚しないからな」
俺は宣言してやった。だれがこんな我儘女と結婚するものか。
「えっ、じゃあ、あの村長の娘と結婚するの」
「するわけないだろう。あんな女と」
「ええええ! かわいそう。あれだけあんたに懐いていたのに」
マチルダが俺を悪人のように見るのだが、こいつにだけはそんな目で見られたくない。
「何を言う。俺は騙されていたんだ」
そうだ。あいつがピンクの君だと思っていたのだ。
「まあ、酷い。今まで散々遊んでいて、パティが出て来た途端に乗り換えようとするなんて最低」
マチルダが俺をゴキブリのように見てくれるんだが、お前にだけは言われたくない。
「遊んでなんていないわ」
「じゃあ、あなたの性欲の処理の為だけに付き合っていたの?」
「はああああ? 俺はあの女は抱いていないぞ」
こいつは何を言わせるのだ。
「まあ、あれだけ長い間付き合っていたのに、抱いていないなんてあなた、種なしなの?」
俺はプッツンキレた。こいつは帝国の皇子になんてことを言ってくれるだ。
「お、お前な。なんてことを言うんだ。俺は小さいころからパティだけを愛していたんだ」
「ええええ! あなたロリコンなの? あんな小さいパティに欲情して」
「お、お前な」
俺は怒りのあまりぶるぶる震えた。俺のピンクの君を汚すな!
「まあ、どちらにせよ、そういう事はパティに愛されてから言ってよね。今は完全に無視されているじゃない」
「な、何言う。そんなことは無い」
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「いや、そんな事は……」
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「いや、そんなわけは無い。それはお前がパティの弱みを握ってだな……」
「何握るのよ。それはパティのペットは古代竜で、変身したら魔法少女だけどあなたも知っているじゃない」
「いや、それ以外も絶対に何かあるはずだ」
そうだ。あんな可憐なパティが毒蛇マチルダについているのは理由があるはずだ。権力を笠に着て無理やり侍女にしたに違いない。
「じゃあ本人に聞いてみたら。私は後ろ暗い事は何もないわよ」
マチルダはそう言うと席を立ちあがった。
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私の絶賛発売中の書籍化作品はこちら
『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302627913
7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。
この次の新作はこちら
『転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/497818447
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。もう二度と会う訳はないと思っていたのに……
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