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公爵家の客になって食事を喜んで頂いていたらマチルダの婚約者が来ました
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馬車で案内された帝国のデール子爵家、現実はアラプール公爵家のリーズ王国王都に作られたタウンハウスは想像以上に大きかった。さすがのアラプール公爵家のお嬢様の屋敷だ。
屋敷の入り口には門衛がいて24時間警備をしているのだとか。
まあ、アープロース侯爵家の領地の屋敷とは比べ物にならなかったが、この王都では広い方だろう。庭も結構な広さだ。
建物も結構多くて王宮かと見間違うほどだった。
「さあ着いたわよ」
扉が開いて、マチルダが言ってくれた。
外には使用人の方々が並んで出迎えてくれた。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
執事と思しき人が、手を差し出していた。
その手を取って優雅にマチルダが下りる。
「おかえりなさいませ」
使用人一同が頭を下げた。20人くらいはいる。
「ようこそいらっしゃました」
私は一人で降りようとしたら、その執事と思しき人が手を差し出してきた。
「有難うございます」
私は手を取ってもらって降り立った。
「みんな、彼女が私のお友達のパティよ」
マチルダが私を紹介してくれた。
「パトリシア・ロウギルと申します」
私が頭を下げた。
「彼が私の執事のバルトルトよ」
「バルトルトと申します」
「それと侍女長のカイラ」
「カイラと申します」
「お世話になります」
私は二人に頭を下げた。
「パティ、彼らに敬語は不要よ」
「えっ、でも、私は侍女としてあなたに雇われたのではないの?」
「それは都合が良いから学園の中だけで良いわ。この家では私のお友達で良いわよ」
マチルダが言ってくれるんだけど、
「でも、皆さん、確実に私より地位が上ではないの?」
「そんなの気にしないで良いわよ」
「パトリシア様は、お嬢様のお友達でございますので、我々の事はどうぞ呼び捨てでお呼びください」
バルトルトさんも言ってくれるんだけど、後で聞いたらバルトルトさんは帝国の伯爵だった。ちょっとなんて人を執事として使っているのよ!
そのまま、自分の部屋に案内されたんだけど、マチルダの部屋のすぐそばで、結構な広さだった。
部屋は二部屋あって入り口は応接セットと勉強机が置かれていて、隣の部屋は寝室で真ん中にどでかい天蓋付きのベッドがあって、ローズお嬢様の部屋みたいだった。
何か、慣れないことはなはだしいんだけど。
こんな部屋で寝れるんだろうか?
貧乏性な私は心配した。
その部屋の横には広いバスタブまであるんだけど……
少ない荷物を広げ終えたところで侍女さんが迎えに来てくれた。
私はそのままマチルダの部屋に案内されたんだけど……
当然そちらの方が広かった。
入り口には騎士が二人警備していた。
ペットのぴーちゃんも連れて行ったのだが、騎士の一人に睨まれて
「あのう、ペットはご遠慮いただきたいのですが」
騎士の一人が私を遮ろうとした。
「良いのよ。そのまま連れて来て」
「いや、しかし」
扉が開いて騎士が戸惑うが、
「そのピースケはパティの護衛なのよ」
「このトカゲが護衛ですか?」
「お前ね」
マチルダが頭を押さえた。
「良い事。この子は帝国の守り神様だからね。怒らせたら駄目よ。あなた達じゃ100人いても勝てないから」
「帝国の守り神様? この子がですか?」
若い騎士がぽかんとしている。
「アンドレにきちんと聞いておきなさい」
マチルダはそう言うと私を中に入れた。
「ごめんね。ピースケ、教育が成っていなくて」
マチルダがぴーちゃんに謝るが、ピースケでなくてぴーちゃんだっていうの!
ぷいっとぴーちゃんもマチルダを無視している。
「うーん、いつ見ても飼い主と同じで生意気ね」
マチルダが言うが、ペットとはそんなものだ。
「まあ、良いわ。今日は食事をここに用意したから一緒に食べましょう」
「うわー、凄い」
私は机の上を見て驚いた。
そこには豪華な食事が並んでいたのだ。
「でも、こんなお貴族様の食事、私が頂いて良かったの?」
「何言っているのよ。あんたも男爵令嬢でしょう。お貴族様じゃない」
「そらあそうだけど、貧乏男爵家なんて裕福な平民よりも貧しいのよ。それに私はずうーーーーっと侍女していたし」
「ローズの所はちゃんと食事があったでしょ」
「うーん、まあ、でも、食事抜きの時もよくあったよ」
「えっ? アープロース侯爵家で?」
マチルダは驚いて聞いた。
「我が家でも時間が無くて食べられないことが多々あったよ」
「まあ、本当にあなたも昔から流されすぎよ」
マチルダが呆れて言ってくれた。
「本当に。少なくともここにいる間は絶対にひもじい思いはさせないから、心行くまで食べて頂戴」
少しマチルダは怒っているみたいだ。
私はマチルダの前の席に案内された。
侍女が椅子を引いてくれる。
「彼女が私の専属侍女のジーニーよ」
「ジーニーと申します」
私達と年は近いみたいだ。きれいなお姉さまに私もあいさつした。
「パトリシアと申します」
「ああ、もうそれ止めて。ジーニーはずうーっと私の世話をしてくれたから友だちみたいなものよ。パティも同じような感じだからジーニーもそんなに構えなくても良いわ」
「判りました」
ジーニーが少し笑みを浮かべてくれた。
「あのう、パティさんのペットの食事はどうしたらよいですか?」
ジーニーが私が抱えていたぴーちゃんを見て聞いてくれた。
「私たちしかいないんだからお肉を中心にテーブルの上にあげて」
「えっ、でも、マチルダ。それはあまりにも礼儀作法に反するんじゃないの?」
私は驚いて聞いた。
「良いのよ。ピースケは帝国の守り神様なんだから」
「守り神様って何? さっきも言っていたけど、
「うーん、まあ、あなたもおいおい判ってくると思うわ。とりあえず、ピースケは帝国では大切に扱われるのよ」
「へええええ、そうなんだ。ぴーちゃん良かったわね」
「ぴー」
私の声にぴーちゃんは当然だと顔を得意げに振り上げてくれた。なんかそのしぐさも可愛い!
私は目の前に並べられた、食事に手を付けた。
「おいしい!」
私はほっぺが落ちそうだった。
「こんなの生まれて初めて食べた」
「本当にパティは何を言うのやら。こんな食事で良ければいつでもごちそうするわよ」
「本当に? 判った。マチルダの為なら、何でもやるわ」
「じゃあ、宿題もよろしくね」
「ええええ! それとこれは」
私が戸惑うと
「今、何でもするって言ったじゃない」
「それはそうだけど……」
マチルダの言葉に私は口ごもった。
そこにノックの音がして執事が入って来た。
「お嬢様、婚約者のリコニック子爵がいらっしゃいました」
えっ? 婚約者ってマチルダ、婚約しているんだ! 私は初めて知った。
「ジルが?」
「えっ、マチルダの婚約者ってジルなの?」
私は驚いて聞いた。
「婚約なんて形だけよ。ゲームでもそうだったのよ」
「そうなんだ」
私は良く判らなかった。ゲームなんてやっていないし。でも、悪役令嬢の婚約者ってことは攻略対象者でもあるのではないかと思うんだけど……
でも、その婚約者がどんな用でいらっしゃったんだろう?
私は不吉な予感しかしなかった。
*******************************************************
さて、皇子様登場です。
今後の展開や如何に?
次話は今夜です。
お楽しみに!
屋敷の入り口には門衛がいて24時間警備をしているのだとか。
まあ、アープロース侯爵家の領地の屋敷とは比べ物にならなかったが、この王都では広い方だろう。庭も結構な広さだ。
建物も結構多くて王宮かと見間違うほどだった。
「さあ着いたわよ」
扉が開いて、マチルダが言ってくれた。
外には使用人の方々が並んで出迎えてくれた。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
執事と思しき人が、手を差し出していた。
その手を取って優雅にマチルダが下りる。
「おかえりなさいませ」
使用人一同が頭を下げた。20人くらいはいる。
「ようこそいらっしゃました」
私は一人で降りようとしたら、その執事と思しき人が手を差し出してきた。
「有難うございます」
私は手を取ってもらって降り立った。
「みんな、彼女が私のお友達のパティよ」
マチルダが私を紹介してくれた。
「パトリシア・ロウギルと申します」
私が頭を下げた。
「彼が私の執事のバルトルトよ」
「バルトルトと申します」
「それと侍女長のカイラ」
「カイラと申します」
「お世話になります」
私は二人に頭を下げた。
「パティ、彼らに敬語は不要よ」
「えっ、でも、私は侍女としてあなたに雇われたのではないの?」
「それは都合が良いから学園の中だけで良いわ。この家では私のお友達で良いわよ」
マチルダが言ってくれるんだけど、
「でも、皆さん、確実に私より地位が上ではないの?」
「そんなの気にしないで良いわよ」
「パトリシア様は、お嬢様のお友達でございますので、我々の事はどうぞ呼び捨てでお呼びください」
バルトルトさんも言ってくれるんだけど、後で聞いたらバルトルトさんは帝国の伯爵だった。ちょっとなんて人を執事として使っているのよ!
そのまま、自分の部屋に案内されたんだけど、マチルダの部屋のすぐそばで、結構な広さだった。
部屋は二部屋あって入り口は応接セットと勉強机が置かれていて、隣の部屋は寝室で真ん中にどでかい天蓋付きのベッドがあって、ローズお嬢様の部屋みたいだった。
何か、慣れないことはなはだしいんだけど。
こんな部屋で寝れるんだろうか?
貧乏性な私は心配した。
その部屋の横には広いバスタブまであるんだけど……
少ない荷物を広げ終えたところで侍女さんが迎えに来てくれた。
私はそのままマチルダの部屋に案内されたんだけど……
当然そちらの方が広かった。
入り口には騎士が二人警備していた。
ペットのぴーちゃんも連れて行ったのだが、騎士の一人に睨まれて
「あのう、ペットはご遠慮いただきたいのですが」
騎士の一人が私を遮ろうとした。
「良いのよ。そのまま連れて来て」
「いや、しかし」
扉が開いて騎士が戸惑うが、
「そのピースケはパティの護衛なのよ」
「このトカゲが護衛ですか?」
「お前ね」
マチルダが頭を押さえた。
「良い事。この子は帝国の守り神様だからね。怒らせたら駄目よ。あなた達じゃ100人いても勝てないから」
「帝国の守り神様? この子がですか?」
若い騎士がぽかんとしている。
「アンドレにきちんと聞いておきなさい」
マチルダはそう言うと私を中に入れた。
「ごめんね。ピースケ、教育が成っていなくて」
マチルダがぴーちゃんに謝るが、ピースケでなくてぴーちゃんだっていうの!
ぷいっとぴーちゃんもマチルダを無視している。
「うーん、いつ見ても飼い主と同じで生意気ね」
マチルダが言うが、ペットとはそんなものだ。
「まあ、良いわ。今日は食事をここに用意したから一緒に食べましょう」
「うわー、凄い」
私は机の上を見て驚いた。
そこには豪華な食事が並んでいたのだ。
「でも、こんなお貴族様の食事、私が頂いて良かったの?」
「何言っているのよ。あんたも男爵令嬢でしょう。お貴族様じゃない」
「そらあそうだけど、貧乏男爵家なんて裕福な平民よりも貧しいのよ。それに私はずうーーーーっと侍女していたし」
「ローズの所はちゃんと食事があったでしょ」
「うーん、まあ、でも、食事抜きの時もよくあったよ」
「えっ? アープロース侯爵家で?」
マチルダは驚いて聞いた。
「我が家でも時間が無くて食べられないことが多々あったよ」
「まあ、本当にあなたも昔から流されすぎよ」
マチルダが呆れて言ってくれた。
「本当に。少なくともここにいる間は絶対にひもじい思いはさせないから、心行くまで食べて頂戴」
少しマチルダは怒っているみたいだ。
私はマチルダの前の席に案内された。
侍女が椅子を引いてくれる。
「彼女が私の専属侍女のジーニーよ」
「ジーニーと申します」
私達と年は近いみたいだ。きれいなお姉さまに私もあいさつした。
「パトリシアと申します」
「ああ、もうそれ止めて。ジーニーはずうーっと私の世話をしてくれたから友だちみたいなものよ。パティも同じような感じだからジーニーもそんなに構えなくても良いわ」
「判りました」
ジーニーが少し笑みを浮かべてくれた。
「あのう、パティさんのペットの食事はどうしたらよいですか?」
ジーニーが私が抱えていたぴーちゃんを見て聞いてくれた。
「私たちしかいないんだからお肉を中心にテーブルの上にあげて」
「えっ、でも、マチルダ。それはあまりにも礼儀作法に反するんじゃないの?」
私は驚いて聞いた。
「良いのよ。ピースケは帝国の守り神様なんだから」
「守り神様って何? さっきも言っていたけど、
「うーん、まあ、あなたもおいおい判ってくると思うわ。とりあえず、ピースケは帝国では大切に扱われるのよ」
「へええええ、そうなんだ。ぴーちゃん良かったわね」
「ぴー」
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「本当に? 判った。マチルダの為なら、何でもやるわ」
「じゃあ、宿題もよろしくね」
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「それはそうだけど……」
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「お嬢様、婚約者のリコニック子爵がいらっしゃいました」
えっ? 婚約者ってマチルダ、婚約しているんだ! 私は初めて知った。
「ジルが?」
「えっ、マチルダの婚約者ってジルなの?」
私は驚いて聞いた。
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「そうなんだ」
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でも、その婚約者がどんな用でいらっしゃったんだろう?
私は不吉な予感しかしなかった。
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さて、皇子様登場です。
今後の展開や如何に?
次話は今夜です。
お楽しみに!
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私の絶賛発売中の書籍化作品はこちら
『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302627913
7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。
この次の新作はこちら
『転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/497818447
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。もう二度と会う訳はないと思っていたのに……
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