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皇子視点2 態度のでかい少女が何故か古代竜の子供をペットにしていました
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なれないことをしたからだろうか?
いつもは転移で異動していたのを今回は送り迎えがあるからと馬車で行ったのが間違いだった。
帝位争いの敵、おそらく王妃からの嫌がらせだろう。俺の馬車の車軸に傷がつけられていて、ものの見事に横転したのだ。
まさか、まだ狙ってくるとは思ってもいなかった。
幸いな事に、障壁で囲うのが成功してけが人はなかったが。
まさか、俺の母の母国でこんな事をしてくれるなど、舐めたことをしてくれたものだ。
最も今のこの国の王族は俺の母の親を牢獄に入れた一族に連なっており、彼らから見たら現れた俺は目の上のたんこぶかもしれなかったが……
「ジル様。怖かったです!」
その俺に抱きついてくるエイダも鬱陶しかったが……
「エイダ、近すぎる」
俺は強引にエイダを引き剥がした。
そうこうしているうちに、貴族の馬車が通りかかって止まったのだ。
中には侯爵家の息子ブラッドが乗っていた。こいつは年も近いこともあり、剣術の稽古や魔術の稽古を一緒にする仲間でもあった。最近のこいつの伸張は目覚ましかったが、まだ俺の方が上だ。ついこの間もこてんぱんにのしたところだった。
こいつの家は現国王の覚えも目出度い。ひょっとして犯人はこいつかと俺は疑ってかかった。
でも、こいつも女連れだったのだ。
「お前が女連れなんて珍しい」
とブラッドは言ってきたが、こいつも珍しいだろう。
アーブロース侯爵家との婚約も解消したと言うし、そうか、この女が、ブラッドが婚約解消した理由の女か?
噂ではブラッドを寝取ったとかいう話だが、男の俺が見ても色気も何もない地味な女だ。
こんな女にこのブラッドが女の魅力で引っかかったとは到底思えなかった。
ブラッドも俺も言い寄る女には不足していないのだ。こんな女に引っかかるくらいなら、その辺にいい女はいくらでもいる。俺の連れのエイダも胸だけは大きかった。
でも、わざわざブラッドがその女の横に座ったのだ。気にしているのは確実だろう。何故か密着しているし……
何故、ブラッドが古くからの侯爵家のローズ嬢を振ってこんな、辺境の冴えない男爵令嬢に乗り換えたかが全く判らなかった。
ただ、ピンク色のドレスを来ているのが若干気になったが。
そして、変なのは、その女はブラッドを見ずにペットを抱っこしていた事だ。
俺が見たところ、女は全くブラッドを気にしていないようだ。
今登るところ敵なしの侯爵の令息、それも貴族の女どもから騒がれるほどに見目麗しいブラッドを前にしても全く無視しているのだ。普通の男爵令嬢ならば、逃がしてはなるものかと密着するところだ。
しかし、女はブラッドを見る目も覚めているし、ブラッドが密着したらわざわざ席を離して、そのペットをブラッドに向けたくらいだ。
「ぴー」
ペットはいやがつてブラッドをどけようとしていたが……
だが、このペットは何なのだろう?
鳥ではないし、トカゲでもない。
俺はその横顔を見て唖然とした。
これは古代竜だ。そう、怒り狂った古代竜を小さくして可愛くした感じなのだ。
な、なんでこの女が古代竜の子供を飼っているんだ?
俺が聞いても山で卵を拾ったので、孵しただけだとか言っているけれど、古代竜の卵は温めただけでは孵らない。魔法を浴びせないと。
この子は、そもそもどうやって卵を手に入れたんだ?
俺はピンクの少女と一緒に古代竜の卵の行方も探していたのだ。
まさか、孵っているとは思ってもいなかったのだ。
聞くとこの女はエイダの村にいたというのだ。
怪しい。
そう言えばトカゲをペットにしている女の子がいるという情報は入ってきたはずだ。
でも、あの凶暴な古代竜とトカゲは違うだろうと情報から削除したのだ。
自分で見に行けば良かった。
俺は後悔した。
でも、この子がピンクの天使なのか?
どう見てもこんな地味な女の子がピンクの天使な訳は無いと俺の感情は叫んでいたのだが、古代竜の子供を連れているということは相当な力があるということだ。
俺があまりにもこの子、パティに構いすぎるので、エイダの機嫌が悪くなったが、今はそれどころではなかった。俺は早急にこの子パティを調べようと思ったのだ。
いつもは転移で異動していたのを今回は送り迎えがあるからと馬車で行ったのが間違いだった。
帝位争いの敵、おそらく王妃からの嫌がらせだろう。俺の馬車の車軸に傷がつけられていて、ものの見事に横転したのだ。
まさか、まだ狙ってくるとは思ってもいなかった。
幸いな事に、障壁で囲うのが成功してけが人はなかったが。
まさか、俺の母の母国でこんな事をしてくれるなど、舐めたことをしてくれたものだ。
最も今のこの国の王族は俺の母の親を牢獄に入れた一族に連なっており、彼らから見たら現れた俺は目の上のたんこぶかもしれなかったが……
「ジル様。怖かったです!」
その俺に抱きついてくるエイダも鬱陶しかったが……
「エイダ、近すぎる」
俺は強引にエイダを引き剥がした。
そうこうしているうちに、貴族の馬車が通りかかって止まったのだ。
中には侯爵家の息子ブラッドが乗っていた。こいつは年も近いこともあり、剣術の稽古や魔術の稽古を一緒にする仲間でもあった。最近のこいつの伸張は目覚ましかったが、まだ俺の方が上だ。ついこの間もこてんぱんにのしたところだった。
こいつの家は現国王の覚えも目出度い。ひょっとして犯人はこいつかと俺は疑ってかかった。
でも、こいつも女連れだったのだ。
「お前が女連れなんて珍しい」
とブラッドは言ってきたが、こいつも珍しいだろう。
アーブロース侯爵家との婚約も解消したと言うし、そうか、この女が、ブラッドが婚約解消した理由の女か?
噂ではブラッドを寝取ったとかいう話だが、男の俺が見ても色気も何もない地味な女だ。
こんな女にこのブラッドが女の魅力で引っかかったとは到底思えなかった。
ブラッドも俺も言い寄る女には不足していないのだ。こんな女に引っかかるくらいなら、その辺にいい女はいくらでもいる。俺の連れのエイダも胸だけは大きかった。
でも、わざわざブラッドがその女の横に座ったのだ。気にしているのは確実だろう。何故か密着しているし……
何故、ブラッドが古くからの侯爵家のローズ嬢を振ってこんな、辺境の冴えない男爵令嬢に乗り換えたかが全く判らなかった。
ただ、ピンク色のドレスを来ているのが若干気になったが。
そして、変なのは、その女はブラッドを見ずにペットを抱っこしていた事だ。
俺が見たところ、女は全くブラッドを気にしていないようだ。
今登るところ敵なしの侯爵の令息、それも貴族の女どもから騒がれるほどに見目麗しいブラッドを前にしても全く無視しているのだ。普通の男爵令嬢ならば、逃がしてはなるものかと密着するところだ。
しかし、女はブラッドを見る目も覚めているし、ブラッドが密着したらわざわざ席を離して、そのペットをブラッドに向けたくらいだ。
「ぴー」
ペットはいやがつてブラッドをどけようとしていたが……
だが、このペットは何なのだろう?
鳥ではないし、トカゲでもない。
俺はその横顔を見て唖然とした。
これは古代竜だ。そう、怒り狂った古代竜を小さくして可愛くした感じなのだ。
な、なんでこの女が古代竜の子供を飼っているんだ?
俺が聞いても山で卵を拾ったので、孵しただけだとか言っているけれど、古代竜の卵は温めただけでは孵らない。魔法を浴びせないと。
この子は、そもそもどうやって卵を手に入れたんだ?
俺はピンクの少女と一緒に古代竜の卵の行方も探していたのだ。
まさか、孵っているとは思ってもいなかったのだ。
聞くとこの女はエイダの村にいたというのだ。
怪しい。
そう言えばトカゲをペットにしている女の子がいるという情報は入ってきたはずだ。
でも、あの凶暴な古代竜とトカゲは違うだろうと情報から削除したのだ。
自分で見に行けば良かった。
俺は後悔した。
でも、この子がピンクの天使なのか?
どう見てもこんな地味な女の子がピンクの天使な訳は無いと俺の感情は叫んでいたのだが、古代竜の子供を連れているということは相当な力があるということだ。
俺があまりにもこの子、パティに構いすぎるので、エイダの機嫌が悪くなったが、今はそれどころではなかった。俺は早急にこの子パティを調べようと思ったのだ。
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