29 / 82
お嬢様達が騒ぎすぎて、誘拐犯に聞いていたのがバレて脅されてしまいました
しおりを挟む
男達は後ろも見ずに恐怖に駈られて逃げていったんだけど……
何で可愛いぴーちゃんを見て逃げていったんだろう?
ぴーーーー!
ぴーちゃんも不満そうだ。
やはり心に疚しい物があると可愛いピーちゃんが化け物に見えるんだろうか?
まあ、それよりも私はとんでもない事を聞いてしまった。ローズお嬢様の貞操の危機だ。
まあ、こんな所に私を閉じ込めてくれたり私には碌な事してくれていないけど、男達におもちゃにされて娼婦にされるのを黙って見ている程、私は鬼畜じゃ無い!
でもどうしよう?
あのデービーとか言う執事は人当たりもよくて、侍女達に人気もあるみたいだ。下手したら、いや、下手しなくても私より信用はあるみたいだ。
私がデービーがお嬢様に酷いことをしようとしているなんて皆に言っても、誰も信じてくれないかもしれない……というか、絶体に嘘を言うなと私が皆に白い目で見られるのは確実だ。
そして、デービーに秘密を知られたからには生かして置くわけにはいかないと消されるのだ。
ああん! どうしよう?
秘密を知ったことがあいつらにバレたら私が消されるんだわ!
私はとても心配になってきた。
私はやつらがもう一度帰ってきたらまずいと、おっかなびっくりで食料庫を出ると慌てて、自室に帰ったのだ。
そして、その夜は怖くなって良く寝れなかったのだ。
まあ、お腹が減ったというのもあるけれど……
そして、朝方に寝てしまった。
そして、なんと、寝坊してしまったのだ……
ドンドンドンドン
朝から私の部屋の扉が叩かれる音がした。
「ちょっとパトリシア」
「起きなさいパトリシア」
外からデリアらの大声が聞こえた。
「や、やばい、寝過ごした」
私は慌てて飛び起きたのだ。
「ちょっと、パトリシア、勝手に自分の部屋に帰ってきたってどういう事よ」
「あっ、そうだった」
私はあのままあそこにいたら、還ってきた悪党共に見つかったらやばいと思って勝手に帰ってきたのだ。考えればお嬢様に閉じ込められたのだった。
「何がそうだったよ。あなたに罰を与えた意味がないじゃない」
「本当よ。パトリシア。せっかくあなたを使われなくなった食物庫に閉じ込めて怖い思いさせようとしたのに、勝手に出てきたら閉じ込めた意味がないじゃない」
「いくら怖いからって食料庫から出てくるなんてどういう事よ」
お嬢様やオードリーらが大声で叫んでくれるんだけど、頼むからあまり大声で言わないで! どこで悪い奴らが聞いているか判らないのに!
「ちょっと皆さん、お静かに」
「何が静かによ」
「いい加減にしなさい」
私が望んだのに、デリア達は更に大声で言ってくれるんだけど。これはまずいわ!
「ちょっとお嬢様。宜しいですか」
そこになんとあの、デービーが来たのだ!
私は真っ青になった。
「何なのよ。デービー」
お嬢様はむっとして言ったが、
「デービーさん」
デリアとオードリーはトーンを落としていた。やっぱこいつは人気があるのだ。
「先程ロッテンマイヤーさんがこちらの方に歩いて来られるのを見たんですけど」
「えっ」
お嬢様らは慌てて周りを見た。
「こんなところで騒いでいると、また、ロッテンマイヤーさんに怒られますよ」
「それはそうね」
ローズお嬢様がトーンを落とした。
「それに昨日、この子を使われなくなった食糧庫に閉じ込めていたんでしょう」
うそ、こいつらにバレていた! 私は蒼白になった。
「えっ、何の話かしら?」
「実は、昨日ロッテンマイヤーさんに、食料庫の中の物を取ってくるように言われて、見つけたんですよ。この子を」
そんな、あの時に見つけられていたの?
「な、なんですって」
お嬢様が青くなる。
「ご安心ください。ロッテンマイヤーさんには言っていないですよ。あのまま置いておくわけにも行かずに帰しましたけど、でも、あまり大事になると大変ですよ」
デービーはお嬢様を脅してくれたのだ。でも、待って、私はこいつに帰してもらってはいない。こいつらはぴーちゃんに驚いて逃げ出したのだ。
「判ったわ」
渋々お嬢様は頷いたのだった。
「パトリシア、すぐに着替えて私の部屋に来なさい」
そう言うと、ローズお嬢様は二人を従えて、去っていった。
でも、待って私一人を残して行かないでよ!
私はちらりと誘拐犯のデービーを見た。
ここで私は殺されるのだろうか?
見たところ笑っているけれど、この笑いがおかしい。
「おい、お前、パトラッシュか」
「パトリシアです」
犬と間違うなと私はしょうもないことを心のなかで叫んでいた。
違う、今はそんな事はどうでもいいのだ。
「ほう、そのパトちゃんが昨日食料庫にいたということはオレたちの話を聞いたんだよな」
「さあ」
私は笑って誤魔化した。いざとなったらあらん限りの悲鳴をあげようとした時だ。
「お前はお嬢様に虐められているんだろ。有名だぜ」
男は私に同情したように言ってくれるんだけど。
悪党に同情されてもな……それに男爵家にいた頃に比べればまだマシなのだ。
「昨日のことは黙っていな。お前の悪いようにはしないから」
男は私がお嬢様に虐められてつらい思いをしていると勘違いしてくれてるんだけど……
私はとりあえず、頷くことにした。そう思わせておけばとりあえず、この場は逃げられる。
長いものには巻かれるのだ。
****************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
続きは今夜です。
悪の片棒を担がされそうなパティどうなる?
何で可愛いぴーちゃんを見て逃げていったんだろう?
ぴーーーー!
ぴーちゃんも不満そうだ。
やはり心に疚しい物があると可愛いピーちゃんが化け物に見えるんだろうか?
まあ、それよりも私はとんでもない事を聞いてしまった。ローズお嬢様の貞操の危機だ。
まあ、こんな所に私を閉じ込めてくれたり私には碌な事してくれていないけど、男達におもちゃにされて娼婦にされるのを黙って見ている程、私は鬼畜じゃ無い!
でもどうしよう?
あのデービーとか言う執事は人当たりもよくて、侍女達に人気もあるみたいだ。下手したら、いや、下手しなくても私より信用はあるみたいだ。
私がデービーがお嬢様に酷いことをしようとしているなんて皆に言っても、誰も信じてくれないかもしれない……というか、絶体に嘘を言うなと私が皆に白い目で見られるのは確実だ。
そして、デービーに秘密を知られたからには生かして置くわけにはいかないと消されるのだ。
ああん! どうしよう?
秘密を知ったことがあいつらにバレたら私が消されるんだわ!
私はとても心配になってきた。
私はやつらがもう一度帰ってきたらまずいと、おっかなびっくりで食料庫を出ると慌てて、自室に帰ったのだ。
そして、その夜は怖くなって良く寝れなかったのだ。
まあ、お腹が減ったというのもあるけれど……
そして、朝方に寝てしまった。
そして、なんと、寝坊してしまったのだ……
ドンドンドンドン
朝から私の部屋の扉が叩かれる音がした。
「ちょっとパトリシア」
「起きなさいパトリシア」
外からデリアらの大声が聞こえた。
「や、やばい、寝過ごした」
私は慌てて飛び起きたのだ。
「ちょっと、パトリシア、勝手に自分の部屋に帰ってきたってどういう事よ」
「あっ、そうだった」
私はあのままあそこにいたら、還ってきた悪党共に見つかったらやばいと思って勝手に帰ってきたのだ。考えればお嬢様に閉じ込められたのだった。
「何がそうだったよ。あなたに罰を与えた意味がないじゃない」
「本当よ。パトリシア。せっかくあなたを使われなくなった食物庫に閉じ込めて怖い思いさせようとしたのに、勝手に出てきたら閉じ込めた意味がないじゃない」
「いくら怖いからって食料庫から出てくるなんてどういう事よ」
お嬢様やオードリーらが大声で叫んでくれるんだけど、頼むからあまり大声で言わないで! どこで悪い奴らが聞いているか判らないのに!
「ちょっと皆さん、お静かに」
「何が静かによ」
「いい加減にしなさい」
私が望んだのに、デリア達は更に大声で言ってくれるんだけど。これはまずいわ!
「ちょっとお嬢様。宜しいですか」
そこになんとあの、デービーが来たのだ!
私は真っ青になった。
「何なのよ。デービー」
お嬢様はむっとして言ったが、
「デービーさん」
デリアとオードリーはトーンを落としていた。やっぱこいつは人気があるのだ。
「先程ロッテンマイヤーさんがこちらの方に歩いて来られるのを見たんですけど」
「えっ」
お嬢様らは慌てて周りを見た。
「こんなところで騒いでいると、また、ロッテンマイヤーさんに怒られますよ」
「それはそうね」
ローズお嬢様がトーンを落とした。
「それに昨日、この子を使われなくなった食糧庫に閉じ込めていたんでしょう」
うそ、こいつらにバレていた! 私は蒼白になった。
「えっ、何の話かしら?」
「実は、昨日ロッテンマイヤーさんに、食料庫の中の物を取ってくるように言われて、見つけたんですよ。この子を」
そんな、あの時に見つけられていたの?
「な、なんですって」
お嬢様が青くなる。
「ご安心ください。ロッテンマイヤーさんには言っていないですよ。あのまま置いておくわけにも行かずに帰しましたけど、でも、あまり大事になると大変ですよ」
デービーはお嬢様を脅してくれたのだ。でも、待って、私はこいつに帰してもらってはいない。こいつらはぴーちゃんに驚いて逃げ出したのだ。
「判ったわ」
渋々お嬢様は頷いたのだった。
「パトリシア、すぐに着替えて私の部屋に来なさい」
そう言うと、ローズお嬢様は二人を従えて、去っていった。
でも、待って私一人を残して行かないでよ!
私はちらりと誘拐犯のデービーを見た。
ここで私は殺されるのだろうか?
見たところ笑っているけれど、この笑いがおかしい。
「おい、お前、パトラッシュか」
「パトリシアです」
犬と間違うなと私はしょうもないことを心のなかで叫んでいた。
違う、今はそんな事はどうでもいいのだ。
「ほう、そのパトちゃんが昨日食料庫にいたということはオレたちの話を聞いたんだよな」
「さあ」
私は笑って誤魔化した。いざとなったらあらん限りの悲鳴をあげようとした時だ。
「お前はお嬢様に虐められているんだろ。有名だぜ」
男は私に同情したように言ってくれるんだけど。
悪党に同情されてもな……それに男爵家にいた頃に比べればまだマシなのだ。
「昨日のことは黙っていな。お前の悪いようにはしないから」
男は私がお嬢様に虐められてつらい思いをしていると勘違いしてくれてるんだけど……
私はとりあえず、頷くことにした。そう思わせておけばとりあえず、この場は逃げられる。
長いものには巻かれるのだ。
****************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
続きは今夜です。
悪の片棒を担がされそうなパティどうなる?
10
私の絶賛発売中の書籍化作品はこちら
『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302627913
7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。

表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。
この次の新作はこちら
『転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/497818447
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。もう二度と会う訳はないと思っていたのに……
お気に入りに追加
209
あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました
さこの
恋愛
姉は優しく美しい。姉の名前はアリシア私の名前はフェリシア
姉の婚約者は第三王子
お茶会をすると一緒に来てと言われる
アリシアは何かとフェリシアと第三王子を二人にしたがる
ある日姉が父に言った。
アリシアでもフェリシアでも婚約者がクリスタル伯爵家の娘ならどちらでも良いですよね?
バカな事を言うなと怒る父、次の日に姉が家を、出た

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

塩対応の公子様と二度と会わないつもりでした
奏多
恋愛
子爵令嬢リシーラは、チェンジリングに遭ったせいで、両親から嫌われていた。
そのため、隣国の侵略があった時に置き去りにされたのだが、妖精の友人達のおかげで生き延びることができた。
その時、一人の騎士を助けたリシーラ。
妖精界へ行くつもりで求婚に曖昧な返事をしていた後、名前を教えずに別れたのだが、後日開催されたアルシオン公爵子息の婚約者選びのお茶会で再会してしまう。
問題の公子がその騎士だったのだ。

【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜
早奈恵
恋愛
【完結】ざまぁ展開あります⚫︎幼なじみで婚約者のデニスが恋人を作り、破談となってしまう。困ったステファニーは急遽婿探しをする事になる。⚫︎新しい相手と婚約発表直前『やっぱりステファニーと結婚する』とデニスが言い出した。⚫︎辺境伯になるにはステファニーと結婚が必要と気が付いたデニスと辺境伯夫人になりたかった恋人ブリトニーを前に、ステファニーは新しい婚約者ブラッドリーと共に対抗する。⚫︎デニスの恋人ブリトニーが不公平だと言い、デニスにもチャンスをくれと縋り出す。⚫︎そしてデニスとブラッドが言い合いになり、決闘することに……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる