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お嬢様達が騒ぎすぎて、誘拐犯に聞いていたのがバレて脅されてしまいました
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男達は後ろも見ずに恐怖に駈られて逃げていったんだけど……
何で可愛いぴーちゃんを見て逃げていったんだろう?
ぴーーーー!
ぴーちゃんも不満そうだ。
やはり心に疚しい物があると可愛いピーちゃんが化け物に見えるんだろうか?
まあ、それよりも私はとんでもない事を聞いてしまった。ローズお嬢様の貞操の危機だ。
まあ、こんな所に私を閉じ込めてくれたり私には碌な事してくれていないけど、男達におもちゃにされて娼婦にされるのを黙って見ている程、私は鬼畜じゃ無い!
でもどうしよう?
あのデービーとか言う執事は人当たりもよくて、侍女達に人気もあるみたいだ。下手したら、いや、下手しなくても私より信用はあるみたいだ。
私がデービーがお嬢様に酷いことをしようとしているなんて皆に言っても、誰も信じてくれないかもしれない……というか、絶体に嘘を言うなと私が皆に白い目で見られるのは確実だ。
そして、デービーに秘密を知られたからには生かして置くわけにはいかないと消されるのだ。
ああん! どうしよう?
秘密を知ったことがあいつらにバレたら私が消されるんだわ!
私はとても心配になってきた。
私はやつらがもう一度帰ってきたらまずいと、おっかなびっくりで食料庫を出ると慌てて、自室に帰ったのだ。
そして、その夜は怖くなって良く寝れなかったのだ。
まあ、お腹が減ったというのもあるけれど……
そして、朝方に寝てしまった。
そして、なんと、寝坊してしまったのだ……
ドンドンドンドン
朝から私の部屋の扉が叩かれる音がした。
「ちょっとパトリシア」
「起きなさいパトリシア」
外からデリアらの大声が聞こえた。
「や、やばい、寝過ごした」
私は慌てて飛び起きたのだ。
「ちょっと、パトリシア、勝手に自分の部屋に帰ってきたってどういう事よ」
「あっ、そうだった」
私はあのままあそこにいたら、還ってきた悪党共に見つかったらやばいと思って勝手に帰ってきたのだ。考えればお嬢様に閉じ込められたのだった。
「何がそうだったよ。あなたに罰を与えた意味がないじゃない」
「本当よ。パトリシア。せっかくあなたを使われなくなった食物庫に閉じ込めて怖い思いさせようとしたのに、勝手に出てきたら閉じ込めた意味がないじゃない」
「いくら怖いからって食料庫から出てくるなんてどういう事よ」
お嬢様やオードリーらが大声で叫んでくれるんだけど、頼むからあまり大声で言わないで! どこで悪い奴らが聞いているか判らないのに!
「ちょっと皆さん、お静かに」
「何が静かによ」
「いい加減にしなさい」
私が望んだのに、デリア達は更に大声で言ってくれるんだけど。これはまずいわ!
「ちょっとお嬢様。宜しいですか」
そこになんとあの、デービーが来たのだ!
私は真っ青になった。
「何なのよ。デービー」
お嬢様はむっとして言ったが、
「デービーさん」
デリアとオードリーはトーンを落としていた。やっぱこいつは人気があるのだ。
「先程ロッテンマイヤーさんがこちらの方に歩いて来られるのを見たんですけど」
「えっ」
お嬢様らは慌てて周りを見た。
「こんなところで騒いでいると、また、ロッテンマイヤーさんに怒られますよ」
「それはそうね」
ローズお嬢様がトーンを落とした。
「それに昨日、この子を使われなくなった食糧庫に閉じ込めていたんでしょう」
うそ、こいつらにバレていた! 私は蒼白になった。
「えっ、何の話かしら?」
「実は、昨日ロッテンマイヤーさんに、食料庫の中の物を取ってくるように言われて、見つけたんですよ。この子を」
そんな、あの時に見つけられていたの?
「な、なんですって」
お嬢様が青くなる。
「ご安心ください。ロッテンマイヤーさんには言っていないですよ。あのまま置いておくわけにも行かずに帰しましたけど、でも、あまり大事になると大変ですよ」
デービーはお嬢様を脅してくれたのだ。でも、待って、私はこいつに帰してもらってはいない。こいつらはぴーちゃんに驚いて逃げ出したのだ。
「判ったわ」
渋々お嬢様は頷いたのだった。
「パトリシア、すぐに着替えて私の部屋に来なさい」
そう言うと、ローズお嬢様は二人を従えて、去っていった。
でも、待って私一人を残して行かないでよ!
私はちらりと誘拐犯のデービーを見た。
ここで私は殺されるのだろうか?
見たところ笑っているけれど、この笑いがおかしい。
「おい、お前、パトラッシュか」
「パトリシアです」
犬と間違うなと私はしょうもないことを心のなかで叫んでいた。
違う、今はそんな事はどうでもいいのだ。
「ほう、そのパトちゃんが昨日食料庫にいたということはオレたちの話を聞いたんだよな」
「さあ」
私は笑って誤魔化した。いざとなったらあらん限りの悲鳴をあげようとした時だ。
「お前はお嬢様に虐められているんだろ。有名だぜ」
男は私に同情したように言ってくれるんだけど。
悪党に同情されてもな……それに男爵家にいた頃に比べればまだマシなのだ。
「昨日のことは黙っていな。お前の悪いようにはしないから」
男は私がお嬢様に虐められてつらい思いをしていると勘違いしてくれてるんだけど……
私はとりあえず、頷くことにした。そう思わせておけばとりあえず、この場は逃げられる。
長いものには巻かれるのだ。
****************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
続きは今夜です。
悪の片棒を担がされそうなパティどうなる?
何で可愛いぴーちゃんを見て逃げていったんだろう?
ぴーーーー!
ぴーちゃんも不満そうだ。
やはり心に疚しい物があると可愛いピーちゃんが化け物に見えるんだろうか?
まあ、それよりも私はとんでもない事を聞いてしまった。ローズお嬢様の貞操の危機だ。
まあ、こんな所に私を閉じ込めてくれたり私には碌な事してくれていないけど、男達におもちゃにされて娼婦にされるのを黙って見ている程、私は鬼畜じゃ無い!
でもどうしよう?
あのデービーとか言う執事は人当たりもよくて、侍女達に人気もあるみたいだ。下手したら、いや、下手しなくても私より信用はあるみたいだ。
私がデービーがお嬢様に酷いことをしようとしているなんて皆に言っても、誰も信じてくれないかもしれない……というか、絶体に嘘を言うなと私が皆に白い目で見られるのは確実だ。
そして、デービーに秘密を知られたからには生かして置くわけにはいかないと消されるのだ。
ああん! どうしよう?
秘密を知ったことがあいつらにバレたら私が消されるんだわ!
私はとても心配になってきた。
私はやつらがもう一度帰ってきたらまずいと、おっかなびっくりで食料庫を出ると慌てて、自室に帰ったのだ。
そして、その夜は怖くなって良く寝れなかったのだ。
まあ、お腹が減ったというのもあるけれど……
そして、朝方に寝てしまった。
そして、なんと、寝坊してしまったのだ……
ドンドンドンドン
朝から私の部屋の扉が叩かれる音がした。
「ちょっとパトリシア」
「起きなさいパトリシア」
外からデリアらの大声が聞こえた。
「や、やばい、寝過ごした」
私は慌てて飛び起きたのだ。
「ちょっと、パトリシア、勝手に自分の部屋に帰ってきたってどういう事よ」
「あっ、そうだった」
私はあのままあそこにいたら、還ってきた悪党共に見つかったらやばいと思って勝手に帰ってきたのだ。考えればお嬢様に閉じ込められたのだった。
「何がそうだったよ。あなたに罰を与えた意味がないじゃない」
「本当よ。パトリシア。せっかくあなたを使われなくなった食物庫に閉じ込めて怖い思いさせようとしたのに、勝手に出てきたら閉じ込めた意味がないじゃない」
「いくら怖いからって食料庫から出てくるなんてどういう事よ」
お嬢様やオードリーらが大声で叫んでくれるんだけど、頼むからあまり大声で言わないで! どこで悪い奴らが聞いているか判らないのに!
「ちょっと皆さん、お静かに」
「何が静かによ」
「いい加減にしなさい」
私が望んだのに、デリア達は更に大声で言ってくれるんだけど。これはまずいわ!
「ちょっとお嬢様。宜しいですか」
そこになんとあの、デービーが来たのだ!
私は真っ青になった。
「何なのよ。デービー」
お嬢様はむっとして言ったが、
「デービーさん」
デリアとオードリーはトーンを落としていた。やっぱこいつは人気があるのだ。
「先程ロッテンマイヤーさんがこちらの方に歩いて来られるのを見たんですけど」
「えっ」
お嬢様らは慌てて周りを見た。
「こんなところで騒いでいると、また、ロッテンマイヤーさんに怒られますよ」
「それはそうね」
ローズお嬢様がトーンを落とした。
「それに昨日、この子を使われなくなった食糧庫に閉じ込めていたんでしょう」
うそ、こいつらにバレていた! 私は蒼白になった。
「えっ、何の話かしら?」
「実は、昨日ロッテンマイヤーさんに、食料庫の中の物を取ってくるように言われて、見つけたんですよ。この子を」
そんな、あの時に見つけられていたの?
「な、なんですって」
お嬢様が青くなる。
「ご安心ください。ロッテンマイヤーさんには言っていないですよ。あのまま置いておくわけにも行かずに帰しましたけど、でも、あまり大事になると大変ですよ」
デービーはお嬢様を脅してくれたのだ。でも、待って、私はこいつに帰してもらってはいない。こいつらはぴーちゃんに驚いて逃げ出したのだ。
「判ったわ」
渋々お嬢様は頷いたのだった。
「パトリシア、すぐに着替えて私の部屋に来なさい」
そう言うと、ローズお嬢様は二人を従えて、去っていった。
でも、待って私一人を残して行かないでよ!
私はちらりと誘拐犯のデービーを見た。
ここで私は殺されるのだろうか?
見たところ笑っているけれど、この笑いがおかしい。
「おい、お前、パトラッシュか」
「パトリシアです」
犬と間違うなと私はしょうもないことを心のなかで叫んでいた。
違う、今はそんな事はどうでもいいのだ。
「ほう、そのパトちゃんが昨日食料庫にいたということはオレたちの話を聞いたんだよな」
「さあ」
私は笑って誤魔化した。いざとなったらあらん限りの悲鳴をあげようとした時だ。
「お前はお嬢様に虐められているんだろ。有名だぜ」
男は私に同情したように言ってくれるんだけど。
悪党に同情されてもな……それに男爵家にいた頃に比べればまだマシなのだ。
「昨日のことは黙っていな。お前の悪いようにはしないから」
男は私がお嬢様に虐められてつらい思いをしていると勘違いしてくれてるんだけど……
私はとりあえず、頷くことにした。そう思わせておけばとりあえず、この場は逃げられる。
長いものには巻かれるのだ。
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ここまで読んで頂いてありがとうございました。
続きは今夜です。
悪の片棒を担がされそうなパティどうなる?
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