22 / 82
侍女頭は私の涙を勘違いして厳しく指導とてくれることになりました。
しおりを挟む
「でっかい!」
私は侯爵家の領地の邸宅の中に入って思わず叫んでいた。
我がロウギル男爵家の家なんて、この屋敷比べれば犬小屋以下だ。
何しろこの邸宅は庭からして、門を入ってから延々と森が続いているのだから。
ロウギル家の庭はちょこっと果樹園があった程度だ。塀はなかったし……
でも、ここは門から玄関までが遠い。
さすが、この国最高峰の侯爵家だ。50年前は公爵家だったらしい。帝国に負けて属国になって、降爵されたらしい。
そして、やっと出てきた邸宅は三階建ての巨大な建物だった。
「すごーーーーい!」
私は田舎のお上りさん宜しく、ただ、ただ、その建物を見上げていた。
「お嬢様! お嬢様!」
私はケインの言葉にあわてて振り向くと馬車が止まっており、扉が開いてケインがこちらを見ていた。
そしてその後ろには、数人の使用人が控えていた。
私はメチャクチャ恥ずかしかった。
「すみません」
慌てて、飛び降りるように降りる。
さすが侯爵家。使用人は誰一人表情を変えない。
呆れたように見ているのは我が家の執事だけだ。
こいつは口では私を敬っているように言っているが、絶体に山奥出身の山猿だと心の中では馬鹿にしているに違いない!
飛び降りた、拍子に、足を踏みつけようとしたら、さっと避けられてしまった。
そのまま、こけそうになったところを、支えてくれたんだけど……
もう一度踏もうとして、また、避けられてしまった。
「こちらです。宜しいですか?」
私がさらに踏もうとした時だ。侍女の方が遠慮がちに声をかけて来られた。
「「はいっ!」」
私達は慌てて、離れると侍女の方に付いて歩き出した。
屋敷は広かった。入ったエントランスは広い吹き抜けになっていて、私でも知っている有名な絵が掲げてあった。
「凄い!」
私が感嘆の声を上げると、
「パトリシア様」
ケインに注意された。
「すみません」
はしたなかったらしい。思わず、謝ると、
「私どもは使用人でございますので、お気遣いは無用です」
と侍女さんは言ってくれるんだけど、そういうわけにもいかない。何しろ、私もじきにその使用人の一人になるのだから。
私も言動を注意しようと歩いたんだけどこの廊下の長いこと。長いこと。途中で使用人に出会うと、その度に、横に避けられて、軽く頭を下げて、くれるんだけど。
我が家と違って多くの使用人がいるようだ。
そこにはホッとしたけれど、私は貴族の礼儀作法はほとんど知らないんだけど、そんなのが来て良いのか? こんな名門に!
私は少し不安になった。
そして、私は廊下を突ききった先、使用人エリアの、侍女長の部屋に案内されたのだ。
「失礼します。ロウギル男爵様の執事の方とパトリシア様をお連れしました」
「お入りなさい」
甲高い声が聞こえた。
そこには、メガネをかけた長身の女性がいた。
なんと、とあるアニメの侍女そっくりだ。
「私が侍女長のロッテンマイヤーです」
私はその紹介に目が点になった。名前まで同じなんて。
でも反応がそのせいで遅れた。侍女長が眉を上げる。
隣からケインが私の肘を突いてくれた。
はっとする。
これはやばい。
「すみません。今日からこちらでお世話になるパトリシア・ロウギルと申します」
私は思いっきり頭を下げた。
「パトリシア、なんですかそのお辞儀は」
いきなりロッテンマイヤーさんに注意された。
「ロウギル男爵家では基本的な礼儀作法も教えていないのですか?」
今度は目がケインに行った。
「申し訳ありません。何しろパトリシア様はついこの前まで平民の間で育てられていたものでして」
ケインが慌てて説明をはじめた。
「はああああ? その様な者をこの由緒正しきアーブロース侯爵家に奉公をさせるというのですか?」
ギロリとケインを睨みつけてくれた。
「申し訳ありません。仕事のできる侍女をとのことだったので、パトリシア様は我がロウギル家の中では一番仕事はできて……」
「何を言っているのです。それは当然礼儀作法がある程度できる前提なのです。全く出来ないものなど、この侯爵家には用がないのですよ」
ケインの言い訳を途中でぶった切ってロッテンはイヤーさんは言ってくれたのだ。
「どうしろというのですか? こんな礼儀作法のなっていない娘を」
そう言うとロッテンマイヤーさんは私の頭から爪先まで鋭い視線で見てくれたのだ。
わたしは完全に蛇に睨まれたカエルみたいに固まっていた。
でも、礼儀作法がなっていないって言われても仕方がないではないか。何しろ1ヶ月前までは平民で、この一ヶ月も下働きの下女のような仕事を延々とさせられていたのだ。まあ、確かに食堂の給仕や朝晩の義姉の身だしなみの手伝いで多少は注意されて出来るようにはなっていたが、全然出来ないのは当然といえば当然だったのだ。
貴族の中に入るという事はこんなに苦しいんだ。
おばあちゃんと一緒にいる時はこんなことはなかったのに。
私はおばあちゃんのことを思い出して悲しくなってきた。
私の目から涙が涙が止めどもなく流れてきたのだ。
「ちょっとあなた、何故泣いているの?」
ロッテンマイヤーさんは私が泣き出しのたので、慌てだした。ハンカチを差し出してくれたが、これで鼻をかんでも良いのだろうか?
「いえ、ちょっと家族のことを……」
「家族ってあなたの母は母ってアグネスよね」
「えっ、母を知っておられるのですか」
「まあ、少し」
「そうですか? 私は全然知らなくて」
そう言うとロッテンマイヤーさんからもらったハンカチで鼻をかみだしたんだけど、ケインが簡単に私の生い立ちを話してくれた。
家族から母が死んだのはお前が産まれたからだと嫌われていることなどを悲劇的に話してくれるんだけど。
そこまで言うかってくらい誇張して話してくれた。
「判りました。アグネスの忘れ形見ならば、私が一人前の侍女になるようにしつけます」
私が泣いたのが家族に虐められて泣いていたと勘違いしてくれたみたいだ。まあ、そんなに変わらないけど。
そして、きっとして決心したようにロッテンマイヤーさんは私を見てくれたんだけど、それってビシバシ鍛えるってことで何かろくでもないような目にあう気がしてならないんだけど……
でも、私の意志はここでも全く無視されてしまったのだ。
**********************************************************
どうなるパティ、続きはお昼前後です
私は侯爵家の領地の邸宅の中に入って思わず叫んでいた。
我がロウギル男爵家の家なんて、この屋敷比べれば犬小屋以下だ。
何しろこの邸宅は庭からして、門を入ってから延々と森が続いているのだから。
ロウギル家の庭はちょこっと果樹園があった程度だ。塀はなかったし……
でも、ここは門から玄関までが遠い。
さすが、この国最高峰の侯爵家だ。50年前は公爵家だったらしい。帝国に負けて属国になって、降爵されたらしい。
そして、やっと出てきた邸宅は三階建ての巨大な建物だった。
「すごーーーーい!」
私は田舎のお上りさん宜しく、ただ、ただ、その建物を見上げていた。
「お嬢様! お嬢様!」
私はケインの言葉にあわてて振り向くと馬車が止まっており、扉が開いてケインがこちらを見ていた。
そしてその後ろには、数人の使用人が控えていた。
私はメチャクチャ恥ずかしかった。
「すみません」
慌てて、飛び降りるように降りる。
さすが侯爵家。使用人は誰一人表情を変えない。
呆れたように見ているのは我が家の執事だけだ。
こいつは口では私を敬っているように言っているが、絶体に山奥出身の山猿だと心の中では馬鹿にしているに違いない!
飛び降りた、拍子に、足を踏みつけようとしたら、さっと避けられてしまった。
そのまま、こけそうになったところを、支えてくれたんだけど……
もう一度踏もうとして、また、避けられてしまった。
「こちらです。宜しいですか?」
私がさらに踏もうとした時だ。侍女の方が遠慮がちに声をかけて来られた。
「「はいっ!」」
私達は慌てて、離れると侍女の方に付いて歩き出した。
屋敷は広かった。入ったエントランスは広い吹き抜けになっていて、私でも知っている有名な絵が掲げてあった。
「凄い!」
私が感嘆の声を上げると、
「パトリシア様」
ケインに注意された。
「すみません」
はしたなかったらしい。思わず、謝ると、
「私どもは使用人でございますので、お気遣いは無用です」
と侍女さんは言ってくれるんだけど、そういうわけにもいかない。何しろ、私もじきにその使用人の一人になるのだから。
私も言動を注意しようと歩いたんだけどこの廊下の長いこと。長いこと。途中で使用人に出会うと、その度に、横に避けられて、軽く頭を下げて、くれるんだけど。
我が家と違って多くの使用人がいるようだ。
そこにはホッとしたけれど、私は貴族の礼儀作法はほとんど知らないんだけど、そんなのが来て良いのか? こんな名門に!
私は少し不安になった。
そして、私は廊下を突ききった先、使用人エリアの、侍女長の部屋に案内されたのだ。
「失礼します。ロウギル男爵様の執事の方とパトリシア様をお連れしました」
「お入りなさい」
甲高い声が聞こえた。
そこには、メガネをかけた長身の女性がいた。
なんと、とあるアニメの侍女そっくりだ。
「私が侍女長のロッテンマイヤーです」
私はその紹介に目が点になった。名前まで同じなんて。
でも反応がそのせいで遅れた。侍女長が眉を上げる。
隣からケインが私の肘を突いてくれた。
はっとする。
これはやばい。
「すみません。今日からこちらでお世話になるパトリシア・ロウギルと申します」
私は思いっきり頭を下げた。
「パトリシア、なんですかそのお辞儀は」
いきなりロッテンマイヤーさんに注意された。
「ロウギル男爵家では基本的な礼儀作法も教えていないのですか?」
今度は目がケインに行った。
「申し訳ありません。何しろパトリシア様はついこの前まで平民の間で育てられていたものでして」
ケインが慌てて説明をはじめた。
「はああああ? その様な者をこの由緒正しきアーブロース侯爵家に奉公をさせるというのですか?」
ギロリとケインを睨みつけてくれた。
「申し訳ありません。仕事のできる侍女をとのことだったので、パトリシア様は我がロウギル家の中では一番仕事はできて……」
「何を言っているのです。それは当然礼儀作法がある程度できる前提なのです。全く出来ないものなど、この侯爵家には用がないのですよ」
ケインの言い訳を途中でぶった切ってロッテンはイヤーさんは言ってくれたのだ。
「どうしろというのですか? こんな礼儀作法のなっていない娘を」
そう言うとロッテンマイヤーさんは私の頭から爪先まで鋭い視線で見てくれたのだ。
わたしは完全に蛇に睨まれたカエルみたいに固まっていた。
でも、礼儀作法がなっていないって言われても仕方がないではないか。何しろ1ヶ月前までは平民で、この一ヶ月も下働きの下女のような仕事を延々とさせられていたのだ。まあ、確かに食堂の給仕や朝晩の義姉の身だしなみの手伝いで多少は注意されて出来るようにはなっていたが、全然出来ないのは当然といえば当然だったのだ。
貴族の中に入るという事はこんなに苦しいんだ。
おばあちゃんと一緒にいる時はこんなことはなかったのに。
私はおばあちゃんのことを思い出して悲しくなってきた。
私の目から涙が涙が止めどもなく流れてきたのだ。
「ちょっとあなた、何故泣いているの?」
ロッテンマイヤーさんは私が泣き出しのたので、慌てだした。ハンカチを差し出してくれたが、これで鼻をかんでも良いのだろうか?
「いえ、ちょっと家族のことを……」
「家族ってあなたの母は母ってアグネスよね」
「えっ、母を知っておられるのですか」
「まあ、少し」
「そうですか? 私は全然知らなくて」
そう言うとロッテンマイヤーさんからもらったハンカチで鼻をかみだしたんだけど、ケインが簡単に私の生い立ちを話してくれた。
家族から母が死んだのはお前が産まれたからだと嫌われていることなどを悲劇的に話してくれるんだけど。
そこまで言うかってくらい誇張して話してくれた。
「判りました。アグネスの忘れ形見ならば、私が一人前の侍女になるようにしつけます」
私が泣いたのが家族に虐められて泣いていたと勘違いしてくれたみたいだ。まあ、そんなに変わらないけど。
そして、きっとして決心したようにロッテンマイヤーさんは私を見てくれたんだけど、それってビシバシ鍛えるってことで何かろくでもないような目にあう気がしてならないんだけど……
でも、私の意志はここでも全く無視されてしまったのだ。
**********************************************************
どうなるパティ、続きはお昼前後です
11
私の絶賛発売中の書籍化作品はこちら
『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302627913
7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。

表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。
この次の新作はこちら
『転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/497818447
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。もう二度と会う訳はないと思っていたのに……
お気に入りに追加
209
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。

【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる