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私の冤罪は姉が自白してくれて晴れました
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ぴーちゃんから果物をもらって、私は満足した。
まあ、地下室は粗末だけど、この館に来てからずうーーーーっと働き詰めだった。
こんなふうに食っちゃ寝、食っちゃ寝なんてしたことは無かった。
久々の休みを私は満喫していたのだ。
そして、食べたら眠くなってきた。そう、寝る子は育つのだ。
そんな下らないことを思ってまた眠りだした時だ。
「グォーーーー」
何かとてつもない獣の叫び声が聞こえて、
「ギャーーーー」
と言う女の悲鳴が聞こえた。
ええええ!
何? 何?
魔物でも館に出たんだろうか? でも、田舎といえどもいきなり領主の館でそんな事が起こるなんて聞いたことはないけれど。
まあ、いざとなったら魔法少女になれば良いけど……それだけは嫌だ!
でも、今はそれどころではない!
すぐそばで悲鳴が聞こえたのだ。
あの悲鳴はおそらくスカーレットのだ。
あんなのでも一応私の血のつながりのある姉だ。
私は慌てふためいてドアを蹴とばして外に出たのだ。
扉はかぎがかかっていたはずだが、錆びていたんだろうか? あっさりと開いた。
でも、そこには、口から泡を吹いて気絶しているスカーレットとその前でむしゃむしゃとお菓子を食べているぴーちゃんがいただけだった。
スカーレットの手には何故かお義母様のネックレスが握られていたんだけど。
「どうした?」
スカーレットの悲鳴を聞いたのだろう。みんなが次々にやってきたのだ。
「さあ、私も悲鳴を聞いて飛び出したら、ぴーちゃんの前にスカーレットが倒れていたんだけど」
私が言うと、食べ終えたのか、ぴーちゃんが私を振り返って
「ぴー」
と鳴いて、私の所にトテトテと歩いてきたのだ。
可愛い、と思ってそのまま抱き上げたのだ。
「ぴー」
ぴーちゃんは私の胸で鳴いてくれた。
「元々お嬢様はパティのペットをトカゲとか言って嫌っていたからな。出会い頭に驚いて気絶したんじゃないか」
マックの言葉にそんなものかと私はのほほんと思った。
「それよりもパティ、派手に壊したな」
庭師のおじいさんが地下室の扉を見て言ってくれるんだけど。
「えっ?」
よく見ると取ってが完全に外れていた。
「悲鳴を聞いて慌てて飛び出したのよ」
皆の好奇の視線を見て慌てて私は言った。
か弱い女の子に向かってなんて目で見るのよ! 精神年齢は40超えたけど、誰がなんと言おうと実年齢はまだ13歳のピチピチの女の子なのだ!
「スカーレット! 大丈夫か?」
後ろから男爵が来て、慌てて娘のスカーレツトを介抱しだした。
私のことは娘とは見ていないのに、姉のことは娘と見ているんだ。私は少し複雑な思いがした。
「どうしたのです!」
そこにカーラ様が現れた。
「さあ、私達も悲鳴を聞いて飛んできたらスカーレツト様が倒れられていて」
「スカーレット、何で私のネックレスを持っているの?」
カーラ様が叫んだ時にスカーレットが目を覚ました。
「スカーレット、大丈夫か?」
「えっ、お父様」
スカーレットはまだ完全に目が覚めていないみたいだ。
「それよりスカーレット、何であなたは私のネックレスを持っているのです」
「えっ、これはトカゲの首にかけようとして」
「トカゲの首にかける?」
その言葉にきっとしてカーラ様の眉が上がる。
「きゃっ、ドラゴン!」
スカーレットは私のぴーちゃんを指さして叫んだのだ。
ドラゴン? このぴーちゃんがどうしてそんな恐ろしい怪物に見えるのだ? 私はよく判らなかった。
ぴーちゃんがきょろりと指さされたスカーレットを見たんだけど。
「きゃーーー、私を食べないで。パティの部屋にお義姉様のネックレスを隠したのは私です」
それから恐怖に駆られて怒涛の如くスカーレットは自らの罪状を白状はじめたのだ。
それによると、元々母の命を奪った私を恨んでいたこと。その私に自分のやっていた全ての仕事をやらせて困らせようとしたら、何故かやり切ってしまって驚いたこと。アーブロース侯爵家から侍女の依頼が来てさあ自分が行けると思ったら、私が行くことになってムカついたこと。
そんな自分は脂ぎったデブのクロイック男爵の所に後妻にされそうになったこと。
それだけはなんとしても阻止したかったので、私に物盗りの罪に着せて、自分が代わりに侯爵家に礼儀作法の見習いに行きけるようにしたかったこと。
でも、私が閉じ込められたら今度は仕事が回らなくなってみんなに白い目で見られたこと。
こうなったら私でなくてぴーちゃんがやったことにしたら、丸く収まると思ってぴーちゃんを犯人にしようとしたら、
「トカゲだと思っていたのに、その化け物、ドラゴンだったのよう」
凄まじい怯え様でスカーレットは泣き叫んでいた。
私がそんなことは無い、ぴーちゃんは可愛いペットだと言い訳しようとして少しでもぴーちゃんを近づけようとすると
「やめて、私は美味しくないわ。だから助けて」
と悲鳴を上げて必死に逃げようとするんだけど、私のぴーちゃんになんてこと言うのよ!
私は呆れたけれど、怯えて必死に叫んでいるので、それ以上は何も言えなかったのだった。
**********************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
何とぴーちゃんは無敵のドラゴンの子供だったようで。
三分間無敵のパティに無敵のドラゴンがペットとしてついているって、もうパティは最強なのでは!
この続きは今夜更新予定です。
まあ、地下室は粗末だけど、この館に来てからずうーーーーっと働き詰めだった。
こんなふうに食っちゃ寝、食っちゃ寝なんてしたことは無かった。
久々の休みを私は満喫していたのだ。
そして、食べたら眠くなってきた。そう、寝る子は育つのだ。
そんな下らないことを思ってまた眠りだした時だ。
「グォーーーー」
何かとてつもない獣の叫び声が聞こえて、
「ギャーーーー」
と言う女の悲鳴が聞こえた。
ええええ!
何? 何?
魔物でも館に出たんだろうか? でも、田舎といえどもいきなり領主の館でそんな事が起こるなんて聞いたことはないけれど。
まあ、いざとなったら魔法少女になれば良いけど……それだけは嫌だ!
でも、今はそれどころではない!
すぐそばで悲鳴が聞こえたのだ。
あの悲鳴はおそらくスカーレットのだ。
あんなのでも一応私の血のつながりのある姉だ。
私は慌てふためいてドアを蹴とばして外に出たのだ。
扉はかぎがかかっていたはずだが、錆びていたんだろうか? あっさりと開いた。
でも、そこには、口から泡を吹いて気絶しているスカーレットとその前でむしゃむしゃとお菓子を食べているぴーちゃんがいただけだった。
スカーレットの手には何故かお義母様のネックレスが握られていたんだけど。
「どうした?」
スカーレットの悲鳴を聞いたのだろう。みんなが次々にやってきたのだ。
「さあ、私も悲鳴を聞いて飛び出したら、ぴーちゃんの前にスカーレットが倒れていたんだけど」
私が言うと、食べ終えたのか、ぴーちゃんが私を振り返って
「ぴー」
と鳴いて、私の所にトテトテと歩いてきたのだ。
可愛い、と思ってそのまま抱き上げたのだ。
「ぴー」
ぴーちゃんは私の胸で鳴いてくれた。
「元々お嬢様はパティのペットをトカゲとか言って嫌っていたからな。出会い頭に驚いて気絶したんじゃないか」
マックの言葉にそんなものかと私はのほほんと思った。
「それよりもパティ、派手に壊したな」
庭師のおじいさんが地下室の扉を見て言ってくれるんだけど。
「えっ?」
よく見ると取ってが完全に外れていた。
「悲鳴を聞いて慌てて飛び出したのよ」
皆の好奇の視線を見て慌てて私は言った。
か弱い女の子に向かってなんて目で見るのよ! 精神年齢は40超えたけど、誰がなんと言おうと実年齢はまだ13歳のピチピチの女の子なのだ!
「スカーレット! 大丈夫か?」
後ろから男爵が来て、慌てて娘のスカーレツトを介抱しだした。
私のことは娘とは見ていないのに、姉のことは娘と見ているんだ。私は少し複雑な思いがした。
「どうしたのです!」
そこにカーラ様が現れた。
「さあ、私達も悲鳴を聞いて飛んできたらスカーレツト様が倒れられていて」
「スカーレット、何で私のネックレスを持っているの?」
カーラ様が叫んだ時にスカーレットが目を覚ました。
「スカーレット、大丈夫か?」
「えっ、お父様」
スカーレットはまだ完全に目が覚めていないみたいだ。
「それよりスカーレット、何であなたは私のネックレスを持っているのです」
「えっ、これはトカゲの首にかけようとして」
「トカゲの首にかける?」
その言葉にきっとしてカーラ様の眉が上がる。
「きゃっ、ドラゴン!」
スカーレットは私のぴーちゃんを指さして叫んだのだ。
ドラゴン? このぴーちゃんがどうしてそんな恐ろしい怪物に見えるのだ? 私はよく判らなかった。
ぴーちゃんがきょろりと指さされたスカーレットを見たんだけど。
「きゃーーー、私を食べないで。パティの部屋にお義姉様のネックレスを隠したのは私です」
それから恐怖に駆られて怒涛の如くスカーレットは自らの罪状を白状はじめたのだ。
それによると、元々母の命を奪った私を恨んでいたこと。その私に自分のやっていた全ての仕事をやらせて困らせようとしたら、何故かやり切ってしまって驚いたこと。アーブロース侯爵家から侍女の依頼が来てさあ自分が行けると思ったら、私が行くことになってムカついたこと。
そんな自分は脂ぎったデブのクロイック男爵の所に後妻にされそうになったこと。
それだけはなんとしても阻止したかったので、私に物盗りの罪に着せて、自分が代わりに侯爵家に礼儀作法の見習いに行きけるようにしたかったこと。
でも、私が閉じ込められたら今度は仕事が回らなくなってみんなに白い目で見られたこと。
こうなったら私でなくてぴーちゃんがやったことにしたら、丸く収まると思ってぴーちゃんを犯人にしようとしたら、
「トカゲだと思っていたのに、その化け物、ドラゴンだったのよう」
凄まじい怯え様でスカーレットは泣き叫んでいた。
私がそんなことは無い、ぴーちゃんは可愛いペットだと言い訳しようとして少しでもぴーちゃんを近づけようとすると
「やめて、私は美味しくないわ。だから助けて」
と悲鳴を上げて必死に逃げようとするんだけど、私のぴーちゃんになんてこと言うのよ!
私は呆れたけれど、怯えて必死に叫んでいるので、それ以上は何も言えなかったのだった。
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ここまで読んで頂いてありがとうございました。
何とぴーちゃんは無敵のドラゴンの子供だったようで。
三分間無敵のパティに無敵のドラゴンがペットとしてついているって、もうパティは最強なのでは!
この続きは今夜更新予定です。
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私の絶賛発売中の書籍化作品はこちら
『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302627913
7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。
この次の新作はこちら
『転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/497818447
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。もう二度と会う訳はないと思っていたのに……
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