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王太子殿下の前で偽聖女にやってしまった事でウジウジしてたら、昔のことを思い出して号泣して皆に迷惑をかけてしまいました。

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私は放課後頭を抱えてしまった。
ついに麗しの王太子殿下の前で、同級生達に酷いことをやってしまった。絶対に殿下に軽蔑される!

あの後ずぶ濡れになりながら、怒り狂ったモモンガさん一行がやってきたが、殿下らが庇っていただけたけど、
「せめて謝ってほしいです」
殿下の前でカマトトぶっていうモモンガさんの言葉に

「そんなの謝る必要はないよ」
「そうだ、恩知らずのモモンガが悪い」
クラスの男どもはそう言ってくれたが、私も殿下の前だったので、

「すいません」
蚊の鳴くような声で謝った。

モモンガは殿下に見えないように睨み付けてきやがった。

「おおお! モモンガ対怪獣エレゴン!」
ピーターが酷い事を言ってくれているが、殿下の前では手も足も出せない。

ここは我慢だ。

私はヘラヘラと愛想笑いをした。

「おい! あのエレが愛想笑いをしているぞ」
「モモンガついに詰んだか」
「モモンガも逆らってはいけない怪獣に逆らうとは」
何か外野がうるさい!

私〆たことなんて無いんだから。その言い方無いんじゃ無い。また殿下に誤解されるじゃない!

「殿下、眼鏡さん怖いです!」
モモンガの奴、私の殿下に抱きつきやがった。許さん!
私はきっと睨むが眼鏡で良く見えて無いはずだ。

「えっ、あのワイルダーさん見て怖いと言われても、君の方が余程怖いよ」
その言葉にピーターらが吹き出した。

「殿下酷い!ちょっとそこ、何笑ってるのよ!」
モモンガは笑ったネイサンらにガンを飛ばしていた。

おいおい、育ちが出てるぞ!

と教えてあげたかった。



「ふう!」
そして私は食堂でため息をついた。

「何いつまでも落ち込んでいるのよ!」
マリアンが後ろからしばいてきた。
「痛っ」
私が机にデコをぶつける。

「ちょっとエレ、それマジ」
「全然食事も進んでないじゃない!」
「あんた本当にどうしたの? 明日、空から太陽が落ちてくるんじゃない!」
「ちょっと待てよ。明日は晴れてくれないと雨の中の訓練て最悪なんだけど」
こいつら何を好き勝手に言ってくれてるんだ。

「あんたらうるさいわ。人が真面目に悩んでいるのに」
「何か、お前に恋煩いって、めちゃくちゃ似合わないんだけど」
私の言葉にピーターが言う。

「ピーターさすがにその言葉は酷いわよ」
マリアンが注意してくれた。

そうよ。いくらブス眼鏡の私でも恋煩いしても良いじゃない!

「アチャー、自分でブス眼鏡って言ってるし」
「これは重症よ」
また心の声が漏れていたみたいだ。まあ、どうでもいいけど・・・・


「で、エレとしては何が不味いと思ってるの?
あんたをからかったモモンガさんに鉄槌は下せたし、殿下もモモンガさんの方がエレより怖いって言ってくれたじゃない」
マリアンがフォローになっていないことを言ってくれた。私よりモモンガが怖いと言ってくれても、それ全然褒めてないよね!

「そう、あれ最高だったよな」
「ブリッコモモンガ撃沈みたいな感じで」
「取り巻きの伯爵らも笑ってたよな」
「まあモモンガの化けの皮剥がれたって感じで」
「別に何も問題無いじゃない」
かさにかかって皆言うが、

「殿下の前でモモンガに悪いことしたじゃない。あの麗しの王太子殿下の前で」
「何か問題あるの?」
「ありまくりじゃない」
私はブスッとして言った。

「王太子殿下は私の中では神聖な神様みたいな方なのよ。私、おばあちゃん死んだ時、本当に天涯孤独になった時に、恐ろしい男達にさらわれそうになって、もう人生終わりだって諦めたの。その時に、突然颯爽と王太子殿下が現れたんだから」
私は恍惚として言った。

そうその時に私は恋に落ちてしまったのだ。

何かみんな固まっているんだけどなんで!

「なんかエレらしくない」
「図太いエレがそんな事思うなんておかしい」
「絶対変よね」

なんか酷い言われよう。

そう、でも、あの時も、そうだ。

まさか、おばあちゃんが死ぬなんて思ってもいなかった。

あの元気だけが取り柄の祖母が死ぬなんて・・・・。

私はその時のことを突然思い出していた。

そして、突然目に涙がたまりだした。

その時を思い出して私は涙が怒涛のように流れ出したのだ。

「えっ、エレ」
「ちょっちょっとエレ」
「いや、嘘だろう、そんなつもりじゃ」
周りのみんなは大慌てに慌てだした。

私は涙を止めようとしたが、止まらなかった。

「おいっ、ちょっと、エレ嘘だって、何もそんなに泣かなくても」
ピータはもう真っ青だ。

皆白い目でピーターを見ている。

「えっ、俺が悪いのか。いや、ローズも変わんないこと言っていたよな」
「私はエレ可愛そうとしか言ってないわよ」
「うそつけ。エレが変だって言ってたじゃない」
「ちょっとエレどうしたのよ」

マリアンに言われても一度流れ出した涙は止まらなかった。

「ちょっと、眼鏡さん。王太子殿下に気にかけてむもらっているからって、良い気になっているってどういう事よ。あなた、おのれの立場をよくわかってないのではなくて」
そこに一団を連れたコンスタンス・アインズ侯爵令嬢がどかどかと入ってきたのだ。

そう言い終わって初めて、コンスタンスは私が泣いているのに気づいたのだ。

「な、何であんたが泣いているのよ」
コンスタンスは狼狽して言った。

皆が白い視線でコンスタンスを見る。

「えっ、私」
コンスタンスは自分を指差した。

私はこらえきれずに机に突っ伏してしまった。

「えっ、ちょっと、まだ私は何も・・・・・・」
食堂全体の白い視線に、コンスタンスはたじろいだみたいだ。

だが、もう私はどうでも良かった。


私が号泣する中、コンスタンス悪役令嬢はコソコソと逃げ帰ったみたいだ。
かわいそうに、最悪のタイミングで入ってきたばかりに、コンスタンスが私をいじめて号泣させたと噂になった。更に酷いことに私がめったに動揺しないことは皆知っているので、相当ひどい罵詈雑言をはいて、悪魔みたいに虐めたと生徒の間で噂になってしまったのだ。

私はその後、皆に心配されながら、マリアンとローズとクラリッサに連れられて部屋まで帰った。
でも涙は私が泣きつかれて寝るまで止まらなかった。
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