25 / 51
いきなり国王陛下にお会いしてしまい王女殿下の側近に任命されてしまいました
しおりを挟む
「いやあ、ちょっと実験しておりましたら、やりすぎましたかの」
レイモンド様は笑って答えた。
「本当だ。王宮の庭の花までが咲きだしてえらい騒ぎになっておるぞ」
男の人が笑って言った。
「そんなに凄いことになっているの?、お父様」
マリアンが言った。そう、私でも知っているこのお方はマリアンの父、すなわち国王陛下だったのだ・・・・
「おお我が娘ではないか。儂には挨拶も来んとこのようなところで遊んでいるとは、何という冷たい娘だ」
表情を崩して陛下が言われた。
「だって先週もお食事一緒にさせてもらったところじゃない」
「もう一週間も前の話ではないか、お前の行った魔物討伐でサラマンダーが出たと聞いて、心配しておったのだ」
「ああ、あの火トカゲね。あんなのそこのエレが水魔術で退治してくれたわ。凄かったんだから」
「ほう、この少女がの」
陛下が私を見てくれた。
えっ!国王陛下が私を見た!
「お初にお目にかかります。エレイン・ワイルダーと申します」
私は慌てて跪いた。
「よいよい、かしこまらずとも、非公式の場だ」
陛下がおっしゃった。
「お父様。このエレインを私の側近にしたいの」
マリアンがとんでもないことを言い出した。
わたしが、王女様の側近? 確かに雇ってくれるとは言っていたけど、そんなの無理。私が務まるのは雑用係が良いところだ。
「それは別に良いが、貴族の家にワイルダーなどあったかの」
当然のことを陛下がおっしゃった。
王女殿下の側近なんて貴族の娘がつくのが当然だ。
「お父様。たしかにエレは平民だけど、学園の特待生よ。それにその水魔術はサラマンダーを瞬殺するくらいなのよ。レイモンド様も関心するくらいなんだから」
「そうなのかレイモンド」
「はい、エレインさんの能力は素晴らしいものがあります。儂の愛弟子にしたいくらいで。儂も久しぶりに学園に出向きますかの」
「そうか、レイモンドがそこまで申すか。ワイルダーとやら、我が娘をよろしく頼むぞ」
「はっ、ありがたきお言葉に存じます」
嘘うそうそ、国王陛下に頼むと言われたら断れないじゃない。
でも、王女殿下の側近なんて無理なのに。魔物が住むと言われている王宮のどろどろした人間関係なんて単純な私には絶対に無理。
私は嫌だとマリアンを睨みつけたが、マリアンは余裕で無視してくれた。
陛下は慌てた側近が呼びに来て連れていかれてしまった。結局無理やり王女殿下の側近にならされてしまった。
私は盛大なため息をついた。
「何をため息ついていらっしゃるのですかな」
「だってレイモンド様、私なんて王女殿下の側近なんて勤まる訳がないでしょ!」
「じゃあ聖女様なら良いと?」
「えっ!、そんなのもっと無理です」
私は即答した。
「さようですか?ここ50年ばかり聖女様は現れておりませんからの。もし現れたら教会が喜んで保護してくれますな」
笑ってレイモンド様が言ってくれた。何それ、ひょっとして私、脅されているの?
「それ絶対嫌です。なんでうら若き私が老神父の慰み者なんかにならないといけないんですか!」
「老神父の慰み者?」
私の言葉に驚いてレイモンド様はマリアンを見た。
「レイモンド様のお知り合いのアリスさんがそうエレに吹き込んだみたいですけど」
「ああ、あの大袈裟婆さんなら言いかねませんな。教会はボッタクリの新手の詐欺だとか宣っておりましたからな。何でも昔、今にも潰れそうな教会の神父を治して治療費を貰えなかったとか。えらく根に持っておりましたからな」
そうなんだ。おばあちゃん、しつこいもんね。
それであんなこと私に吹き込んだんだ。
私はある程度なっとくはした。
全く知らない教会に拘束されること考えたらマリアンの側近の方がましかもしれない。少なくともケーキはくれそうだし、そう思う私を見るマリアンの瞳がなんかに怖いんだけど・・・・
レイモンド様は笑って答えた。
「本当だ。王宮の庭の花までが咲きだしてえらい騒ぎになっておるぞ」
男の人が笑って言った。
「そんなに凄いことになっているの?、お父様」
マリアンが言った。そう、私でも知っているこのお方はマリアンの父、すなわち国王陛下だったのだ・・・・
「おお我が娘ではないか。儂には挨拶も来んとこのようなところで遊んでいるとは、何という冷たい娘だ」
表情を崩して陛下が言われた。
「だって先週もお食事一緒にさせてもらったところじゃない」
「もう一週間も前の話ではないか、お前の行った魔物討伐でサラマンダーが出たと聞いて、心配しておったのだ」
「ああ、あの火トカゲね。あんなのそこのエレが水魔術で退治してくれたわ。凄かったんだから」
「ほう、この少女がの」
陛下が私を見てくれた。
えっ!国王陛下が私を見た!
「お初にお目にかかります。エレイン・ワイルダーと申します」
私は慌てて跪いた。
「よいよい、かしこまらずとも、非公式の場だ」
陛下がおっしゃった。
「お父様。このエレインを私の側近にしたいの」
マリアンがとんでもないことを言い出した。
わたしが、王女様の側近? 確かに雇ってくれるとは言っていたけど、そんなの無理。私が務まるのは雑用係が良いところだ。
「それは別に良いが、貴族の家にワイルダーなどあったかの」
当然のことを陛下がおっしゃった。
王女殿下の側近なんて貴族の娘がつくのが当然だ。
「お父様。たしかにエレは平民だけど、学園の特待生よ。それにその水魔術はサラマンダーを瞬殺するくらいなのよ。レイモンド様も関心するくらいなんだから」
「そうなのかレイモンド」
「はい、エレインさんの能力は素晴らしいものがあります。儂の愛弟子にしたいくらいで。儂も久しぶりに学園に出向きますかの」
「そうか、レイモンドがそこまで申すか。ワイルダーとやら、我が娘をよろしく頼むぞ」
「はっ、ありがたきお言葉に存じます」
嘘うそうそ、国王陛下に頼むと言われたら断れないじゃない。
でも、王女殿下の側近なんて無理なのに。魔物が住むと言われている王宮のどろどろした人間関係なんて単純な私には絶対に無理。
私は嫌だとマリアンを睨みつけたが、マリアンは余裕で無視してくれた。
陛下は慌てた側近が呼びに来て連れていかれてしまった。結局無理やり王女殿下の側近にならされてしまった。
私は盛大なため息をついた。
「何をため息ついていらっしゃるのですかな」
「だってレイモンド様、私なんて王女殿下の側近なんて勤まる訳がないでしょ!」
「じゃあ聖女様なら良いと?」
「えっ!、そんなのもっと無理です」
私は即答した。
「さようですか?ここ50年ばかり聖女様は現れておりませんからの。もし現れたら教会が喜んで保護してくれますな」
笑ってレイモンド様が言ってくれた。何それ、ひょっとして私、脅されているの?
「それ絶対嫌です。なんでうら若き私が老神父の慰み者なんかにならないといけないんですか!」
「老神父の慰み者?」
私の言葉に驚いてレイモンド様はマリアンを見た。
「レイモンド様のお知り合いのアリスさんがそうエレに吹き込んだみたいですけど」
「ああ、あの大袈裟婆さんなら言いかねませんな。教会はボッタクリの新手の詐欺だとか宣っておりましたからな。何でも昔、今にも潰れそうな教会の神父を治して治療費を貰えなかったとか。えらく根に持っておりましたからな」
そうなんだ。おばあちゃん、しつこいもんね。
それであんなこと私に吹き込んだんだ。
私はある程度なっとくはした。
全く知らない教会に拘束されること考えたらマリアンの側近の方がましかもしれない。少なくともケーキはくれそうだし、そう思う私を見るマリアンの瞳がなんかに怖いんだけど・・・・
10
お気に入りに追加
1,024
あなたにおすすめの小説
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
母と妹が出来て婚約者が義理の家族になった伯爵令嬢は・・
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
全てを失った伯爵令嬢の再生と逆転劇の物語
母を早くに亡くした19歳の美しく、心優しい伯爵令嬢スカーレットには2歳年上の婚約者がいた。2人は間もなく結婚するはずだったが、ある日突然単身赴任中だった父から再婚の知らせが届いた。やがて屋敷にやって来たのは義理の母と2歳年下の義理の妹。肝心の父は旅の途中で不慮の死を遂げていた。そして始まるスカーレットの受難の日々。持っているものを全て奪われ、ついには婚約者と屋敷まで奪われ、住む場所を失ったスカーレットの行く末は・・・?
※ カクヨム、小説家になろうにも投稿しています
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前!
さて、どうやって切り抜けようか?
(全6話で完結)
※一般的なざまぁではありません
※他サイト様にも掲載中
【完】ええ!?わたし当て馬じゃ無いんですか!?
112
恋愛
ショーデ侯爵家の令嬢ルイーズは、王太子殿下の婚約者候補として、王宮に上がった。
目的は王太子の婚約者となること──でなく、父からの命で、リンドゲール侯爵家のシャルロット嬢を婚約者となるように手助けする。
助けが功を奏してか、最終候補にシャルロットが選ばれるが、特に何もしていないルイーズも何故か選ばれる。
婚約破棄を望む伯爵令嬢と逃がしたくない宰相閣下との攻防戦~最短で破棄したいので、悪役令嬢乗っ取ります~
甘寧
恋愛
この世界が前世で読んだ事のある小説『恋の花紡』だと気付いたリリー・エーヴェルト。
その瞬間から婚約破棄を望んでいるが、宰相を務める美麗秀麗な婚約者ルーファス・クライナートはそれを受け入れてくれない。
そんな折、気がついた。
「悪役令嬢になればいいじゃない?」
悪役令嬢になれば断罪は必然だが、幸運な事に原作では処刑されない事になってる。
貴族社会に思い残すことも無いし、断罪後は僻地でのんびり暮らすのもよかろう。
よしっ、悪役令嬢乗っ取ろう。
これで万事解決。
……て思ってたのに、あれ?何で貴方が断罪されてるの?
※全12話で完結です。
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる