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マリアンに根掘り葉掘り全ての話をさせられました
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や、やばい。今まで聖魔術が使えることを皆に隠していたのがついにマリアンにバレてしまった。
私はさあああっと顔から血の気が引いていった。
「お願いマリアン。この事はみんなには黙っていて」
私はマリアンに土下座せんばかりに頼み込んだ。
「良いわよ。その代わり後で全てきちんと教えてね」
そう言うマリアンの目は鋭く光っていた。
私はただ頷くことしか出来なかった・・・・
その夜のキャンプファイヤーはすごかった。
「聖女ルーシーに乾杯」
Aクラスのはしゃぎようはすごかった。ついにモモンガさんの聖能力が開花したと思っているのだ。特に男どもがネイサンを中心にはしゃいでいた。
当然その輪の中心にモモンガさんはいた。
彼女もとてもはしゃいでいた。生まれてはじめてまともなヒールが使えたと思って、喜んでいるのだろう。これに懲りずにもっと聖魔力を訓練して欲しい。少しでも力をつけて私の盾になってくれないと困る。
皆には私がやったとバレていないから、良いんだけど、本当にマリアンは黙ってくれるんだろうか?
一方、コンスタンス悪役令嬢は、不満そうに取り巻きを連れてそれを遠目で見ていた。
こっちもなんだかなあ、と思わないまでもない。
我がDクラスも盛上っていた。
「サラマンダーの首を切り落とした英雄ピーターとサラマンダーを弱らせた眼鏡っ娘魔術師のエレに乾杯」
皆杯を合わせて騒いでいた。
「いやあ、エレがサラマンダーの炎を消してくれたから、必死に飛び上がったら目の前にサラマンダーの首があったんだよな」
自慢気にピーターが叫んでいるのが聞こえた。
本来は私も一緒に騒ぐのだが、今は到底そんな気にならなかった。
「どうしたの? エレ。静かにしていて、全然あなたらしくないわよ」
ローズとかに不審がられたが、
「いや、ちょっと魔力を使いすぎて、疲れちゃったの」
と誤魔化した。
「えっ、エレが疲れているっておかしくないか」
ピーターがなんか叫んでいる。
うーん、私の立ち位置は静かでおしとやかなメガネっ娘のはずなのに・・・・
そう思ったらまた声漏れていたみたいで、
「そんな訳あるかよ!」
盛大に皆に突っ込まれていた。
うーん、でも、今はそれどころじゃいないんだって。
私が心配そうにマリアンを見ると、マリアンはいたずらっぽく笑っていた。
うーん、あの笑みが怖いんだ。
私は気が気でなかったが、マリアンは黙ってくれていた。
ああん、私はどうなってしまうんだろう。マリアンに教会に売られるんだろうか。それは嫌だ。老神父の慰みものになるのは嫌だ。
マリアンは友達のはずだ。そんな酷いことはしないと信じたい。その夜はテントでマリアンの横で緊張して横たわっていた。
絶対に気になって寝れないと思っていたが、疲れていたのか、あっさりと寝てしまった・・・・
私は案外図太いらしい・・・・
翌日はまた遠足気分で、最初にキャンプ張った地まで戻り、そのまま馬車でその日のうちに学園に帰った。
そして、夜マリアンの部屋に呼ばれたのだ。
恐る恐るノックすると、高価そうな寝間着姿のマリアンが招き入れてくれた。
「さ、どうぞ」
私は備え付けの椅子に座るように指示された。
マリアンが緑茶を入れてくれた。
「はい、これ幸福堂のケーキよ」
マリアンが可愛らしいクリームの装飾の凝ったショートケーキを出してくれた。
「うそ、これが皆が言う庶民が絶対に食べられない幸福堂のケーキなの?」
私のテンションはこんなときなのに、メチャクチャ上がった。
クラスの皆が言っていたこれが幸福堂のケーキか。値段聞いて買うの諦めたけど、まさか、ここで食べられるなんて思ってもいなかった。
でも、待て待て待て、うまい話には絶対に裏があるのだ。
これ食べて教会に売られるなんて事あるかも。
私はフォークを持ったまま固まってしまった。
「えっ、どうしたの。エレ」
マリアンが驚いて聞いた。
「だってまさか、ここで夢にまで見た幸福堂のケーキが食べられるなんて思ってもいなかったもの」
「えっ、感激のあまり固まってしまったの・・・・なわけ無いわよね。こんなケーキで買収しようとか思わないから気にしないで」
「本当に?」
「当たり前でしょ。貴族にとって別に幸福堂のケーキなんて普通だから。これを食べたからってなにかさせようとは思わないから」
「じゃ、ありがたくいただくわ」
私は思いっきってフォークを刺した。一口食べる。
クリームがふわっと口の中に広がった。
「美味しい」
私は思わず声を出した。
あまりにも美味しくて、フォークが止まらなくなった。
気づいたら全部食べていた。
なくなっちゃった・・・・・私はとても残念な気分になった。
「何悲しそうな顔しているのよ。こんなケーキで良ければまた、いくらでもあげるから」
「本当に。ありがとう。マリアンの言う事なら何でも聞くわ・・・・、あっ」
私は言ってしまって思わず口を閉じた。
「ちょっとエレ、あんた幸福堂のケーキくらいで買収されてどうするのよ。本当にこの子、何考えているんだか」
マリアンは呆れていた。
「で、エレ、あなたなんで、聖魔力使えるの隠していたの」
「いやあ、見つかると教会に連行されて、地下牢に閉じ込められて、老神父らの慰みものになるって、おばあちゃんから聞いていたから」
「はんっ?、何、それ、そんなの聞いたことないわよ」
驚いてマリアンが言ってくる。
「おばあちゃんの大叔母が聖女で、そのとおりだったっておばあちゃんが言っていたわ」
「それ、大げさに話ているだけじゃあないの?」
「そんな事無いって。おばあちゃんはっきりと言っていたもの」
私は言い張った。でも、そう言えば祖母は何でも大げさに話す癖はたしかにあった・・・・と私は思い出していた。まさか、祖母に騙されていたとか・・・・
「まあ、教会もある程度の自由の束縛とかはあるとは思うけど、そこまで酷いことはしないわよ」
「そうかな・・・・」
「まあ、そこまで心配しているということは9年前の魔王を退治した女の子って、やっぱりあなたのことよね」
マリアンがじろりと私を見てきた。
「えっ?」
私は誤魔化そうとした。
「あんた、目が泳ぐからすぐにバレるのよ」
「嘘だ。このメガネでよく見えないはずだ」
「ほら、そう言うことはそうなんでしょ」
「えっ、いや違って・・・・」
「目が泳いでいるの見えなくても、あんたの態度で判るのよ。あんた本当にごまかすの下手だもん」
「そんなに判る?」
私が聞くと
「ほらね」
なんかかまかけられていたみたい。
うーん、なんだかな。
「気にしなくても私はあなたの親友よ。絶対にあなたを守ってあげるから」
「魔王からも?」
「出来る限りね。バレなきゃ良いんでしょ」
「そらあそうだけど」
私はまだ不安だった。そらあ、あの時はたしかに魔王を地の果てに弾き飛ばしたけど、万全の体制になった魔王に勝てるかどうかはわからないし。
「その時のこと色々教えて」
マリアンに言われてその時のことを洗いざらい話させられた。もうケーキくれたから大サービスで全部マリアンに話していた。魔法聖女エリのつもりになってやったって話ししたら
「あんた、この前、あの本いらないからモーガンさんに渡していたのかと思ったら、本当に魔法聖女エリのとおりにしていたんだ」
呆れてマリアンは言った。
「だって、あの話すごく面白いのよ。私の子供の頃の愛読書だったんだから」
「あなた原作者が聞いたら泣いて喜びそうなこと言うのね。あの本あんまり売れずに残念がっていたから」
「えっ、あなた原作者知っているの?」
「ええ、まあ」
「嘘! 今度是非とも紹介してよ」
私はマリアンの手を握って頼み込んだ。
「まあ、機会があれば」
「約束よ」
私の勢いに押されてマリアンは適当に頷いた。
「で、その時に王太子殿下を助けたの?」
マリアンがわけのわからないことを言ってきた。
「殿下はその時にはいらっしゃらなかったと思うわ。貴族の子はいたけと、王太子殿下ではなかったわよ」
私は言った。だって確か髪の色と目の色が違ったもの。
「ふうん、そうなんだ」
なんか納得してなさそうなマリアンがいたんだけど。
「で、本当に皆に黙っていてくれるの」
私は最後に心配で心配で仕方がなかったので、マリアンに聞いた。
「そんなの当然じゃない。あなた私の親友なのよ。あなたのことは守るわ」
「ありがとう、マリアン」
私はマリアンの言葉には感激したのだ。
「でも、ちょっと対策考えないといけないから、今度のお休みの時に私の屋敷にいらっしゃい」
「えええ!、お貴族様のお屋敷になんて行きたくない」
しかし、私の意見は通らなかった。
私はさあああっと顔から血の気が引いていった。
「お願いマリアン。この事はみんなには黙っていて」
私はマリアンに土下座せんばかりに頼み込んだ。
「良いわよ。その代わり後で全てきちんと教えてね」
そう言うマリアンの目は鋭く光っていた。
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皆には私がやったとバレていないから、良いんだけど、本当にマリアンは黙ってくれるんだろうか?
一方、コンスタンス悪役令嬢は、不満そうに取り巻きを連れてそれを遠目で見ていた。
こっちもなんだかなあ、と思わないまでもない。
我がDクラスも盛上っていた。
「サラマンダーの首を切り落とした英雄ピーターとサラマンダーを弱らせた眼鏡っ娘魔術師のエレに乾杯」
皆杯を合わせて騒いでいた。
「いやあ、エレがサラマンダーの炎を消してくれたから、必死に飛び上がったら目の前にサラマンダーの首があったんだよな」
自慢気にピーターが叫んでいるのが聞こえた。
本来は私も一緒に騒ぐのだが、今は到底そんな気にならなかった。
「どうしたの? エレ。静かにしていて、全然あなたらしくないわよ」
ローズとかに不審がられたが、
「いや、ちょっと魔力を使いすぎて、疲れちゃったの」
と誤魔化した。
「えっ、エレが疲れているっておかしくないか」
ピーターがなんか叫んでいる。
うーん、私の立ち位置は静かでおしとやかなメガネっ娘のはずなのに・・・・
そう思ったらまた声漏れていたみたいで、
「そんな訳あるかよ!」
盛大に皆に突っ込まれていた。
うーん、でも、今はそれどころじゃいないんだって。
私が心配そうにマリアンを見ると、マリアンはいたずらっぽく笑っていた。
うーん、あの笑みが怖いんだ。
私は気が気でなかったが、マリアンは黙ってくれていた。
ああん、私はどうなってしまうんだろう。マリアンに教会に売られるんだろうか。それは嫌だ。老神父の慰みものになるのは嫌だ。
マリアンは友達のはずだ。そんな酷いことはしないと信じたい。その夜はテントでマリアンの横で緊張して横たわっていた。
絶対に気になって寝れないと思っていたが、疲れていたのか、あっさりと寝てしまった・・・・
私は案外図太いらしい・・・・
翌日はまた遠足気分で、最初にキャンプ張った地まで戻り、そのまま馬車でその日のうちに学園に帰った。
そして、夜マリアンの部屋に呼ばれたのだ。
恐る恐るノックすると、高価そうな寝間着姿のマリアンが招き入れてくれた。
「さ、どうぞ」
私は備え付けの椅子に座るように指示された。
マリアンが緑茶を入れてくれた。
「はい、これ幸福堂のケーキよ」
マリアンが可愛らしいクリームの装飾の凝ったショートケーキを出してくれた。
「うそ、これが皆が言う庶民が絶対に食べられない幸福堂のケーキなの?」
私のテンションはこんなときなのに、メチャクチャ上がった。
クラスの皆が言っていたこれが幸福堂のケーキか。値段聞いて買うの諦めたけど、まさか、ここで食べられるなんて思ってもいなかった。
でも、待て待て待て、うまい話には絶対に裏があるのだ。
これ食べて教会に売られるなんて事あるかも。
私はフォークを持ったまま固まってしまった。
「えっ、どうしたの。エレ」
マリアンが驚いて聞いた。
「だってまさか、ここで夢にまで見た幸福堂のケーキが食べられるなんて思ってもいなかったもの」
「えっ、感激のあまり固まってしまったの・・・・なわけ無いわよね。こんなケーキで買収しようとか思わないから気にしないで」
「本当に?」
「当たり前でしょ。貴族にとって別に幸福堂のケーキなんて普通だから。これを食べたからってなにかさせようとは思わないから」
「じゃ、ありがたくいただくわ」
私は思いっきってフォークを刺した。一口食べる。
クリームがふわっと口の中に広がった。
「美味しい」
私は思わず声を出した。
あまりにも美味しくて、フォークが止まらなくなった。
気づいたら全部食べていた。
なくなっちゃった・・・・・私はとても残念な気分になった。
「何悲しそうな顔しているのよ。こんなケーキで良ければまた、いくらでもあげるから」
「本当に。ありがとう。マリアンの言う事なら何でも聞くわ・・・・、あっ」
私は言ってしまって思わず口を閉じた。
「ちょっとエレ、あんた幸福堂のケーキくらいで買収されてどうするのよ。本当にこの子、何考えているんだか」
マリアンは呆れていた。
「で、エレ、あなたなんで、聖魔力使えるの隠していたの」
「いやあ、見つかると教会に連行されて、地下牢に閉じ込められて、老神父らの慰みものになるって、おばあちゃんから聞いていたから」
「はんっ?、何、それ、そんなの聞いたことないわよ」
驚いてマリアンが言ってくる。
「おばあちゃんの大叔母が聖女で、そのとおりだったっておばあちゃんが言っていたわ」
「それ、大げさに話ているだけじゃあないの?」
「そんな事無いって。おばあちゃんはっきりと言っていたもの」
私は言い張った。でも、そう言えば祖母は何でも大げさに話す癖はたしかにあった・・・・と私は思い出していた。まさか、祖母に騙されていたとか・・・・
「まあ、教会もある程度の自由の束縛とかはあるとは思うけど、そこまで酷いことはしないわよ」
「そうかな・・・・」
「まあ、そこまで心配しているということは9年前の魔王を退治した女の子って、やっぱりあなたのことよね」
マリアンがじろりと私を見てきた。
「えっ?」
私は誤魔化そうとした。
「あんた、目が泳ぐからすぐにバレるのよ」
「嘘だ。このメガネでよく見えないはずだ」
「ほら、そう言うことはそうなんでしょ」
「えっ、いや違って・・・・」
「目が泳いでいるの見えなくても、あんたの態度で判るのよ。あんた本当にごまかすの下手だもん」
「そんなに判る?」
私が聞くと
「ほらね」
なんかかまかけられていたみたい。
うーん、なんだかな。
「気にしなくても私はあなたの親友よ。絶対にあなたを守ってあげるから」
「魔王からも?」
「出来る限りね。バレなきゃ良いんでしょ」
「そらあそうだけど」
私はまだ不安だった。そらあ、あの時はたしかに魔王を地の果てに弾き飛ばしたけど、万全の体制になった魔王に勝てるかどうかはわからないし。
「その時のこと色々教えて」
マリアンに言われてその時のことを洗いざらい話させられた。もうケーキくれたから大サービスで全部マリアンに話していた。魔法聖女エリのつもりになってやったって話ししたら
「あんた、この前、あの本いらないからモーガンさんに渡していたのかと思ったら、本当に魔法聖女エリのとおりにしていたんだ」
呆れてマリアンは言った。
「だって、あの話すごく面白いのよ。私の子供の頃の愛読書だったんだから」
「あなた原作者が聞いたら泣いて喜びそうなこと言うのね。あの本あんまり売れずに残念がっていたから」
「えっ、あなた原作者知っているの?」
「ええ、まあ」
「嘘! 今度是非とも紹介してよ」
私はマリアンの手を握って頼み込んだ。
「まあ、機会があれば」
「約束よ」
私の勢いに押されてマリアンは適当に頷いた。
「で、その時に王太子殿下を助けたの?」
マリアンがわけのわからないことを言ってきた。
「殿下はその時にはいらっしゃらなかったと思うわ。貴族の子はいたけと、王太子殿下ではなかったわよ」
私は言った。だって確か髪の色と目の色が違ったもの。
「ふうん、そうなんだ」
なんか納得してなさそうなマリアンがいたんだけど。
「で、本当に皆に黙っていてくれるの」
私は最後に心配で心配で仕方がなかったので、マリアンに聞いた。
「そんなの当然じゃない。あなた私の親友なのよ。あなたのことは守るわ」
「ありがとう、マリアン」
私はマリアンの言葉には感激したのだ。
「でも、ちょっと対策考えないといけないから、今度のお休みの時に私の屋敷にいらっしゃい」
「えええ!、お貴族様のお屋敷になんて行きたくない」
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