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王太子殿下との食事の件で悪役令嬢が襲撃してきました
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次の日、私はあくびをしながら起きた。
結局王太子殿下の事を考えて殆ど一睡も出来なかった。
私は恥ずかしいやら、感動したやらで、王太子殿下とほとんど話せなかったのだが。
王太子殿下はそんな私を見ても優しかった。
話せない私の代わりにマリアンが私の黒歴史を延々話してくれたが・・・・。
もう、せっかく王太子殿下とご一緒できたのだから、マリアンも自分のことを話せばいいのに。マリアンは平民の私と違ってお貴族様なのだから殿下と結婚できる可能性もあるのだから、少しはアプローチすればいいのに。まあ、最も男爵家の令嬢が王妃になったことはないのかもしれないが・・・・
そんな私の部屋に、朝からローズとクラリッサが急襲してきた。
とりあえず、急いで制服を着て、外に出ると、もうマリアンもいた。
そのまま連れ立って食堂に向かう。
「で、昨日はどうだったのよ」
歩きながら待ちきれなくて、ローズが聞いてきた。
「殿下は素敵だった」
私がボソリと言った。
「そうよね」
「で、どんな話ししたの?」
「素敵すぎて私、ほとんど話せなくて」
「えっ、本当に?」
「嘘! あんたいつも好きなこと言っているじゃない」
私の言葉にローズとクラリッサは突っ込んできた。
「失礼な。わたし、いつも寡黙で大人しいでしょ」
その私の言葉に3人の目が点になった。
「何言ってるんのよ。寡黙な子が先生のことてっぺんハゲなんて言わないわよ」
「そうよ。コンスタンス様の水晶見て、チャチなんて言ってる子が言う」
皆が突っ込む。
「それは心の声が漏れただけで」
「んなわけ無いでしょ」
「そうかもしれないけど、寡黙でおとなしい子はそんな事思わないわよ」
私の言葉にローズとクラリッサが突っ込んでくる。
「そうかな」
「そうよ」
最後はマリアンに駄目だしされた。3対1では多勢に無勢だ。言いたいことはあるが黙っていよう。私は話題を変えることにした。
「で、そのコンスタンス様って誰?」
「えええ!」
「あんた知らないの?」
ローズとクラリッサがドン引きした。
「A組のアインズ侯爵家のご令嬢よ」
マリアンが教えてくれた。ああ、あの貴族の癖に水晶が殆ど光らなかった令嬢か。私は思い出していた。
その時、前からけばけばしい格好をした一団がやってきた。
「噂をすれば影よ」
マリアンが教えてくれた。そう言うことは侯爵令嬢御一行様らしい。これが物語によく出てくる悪役令嬢と取り巻き軍団なんだろうか。一団で来て、ヒロインを囲んでウジウジといじめるのだ。恋愛物語でよく出てくるシーンだ。さて、誰を攻撃に来たんだろう。私は興味津々で見ていた。
「そこのあなた」
コンスタンスと思しき女が私を指差して言った。
えっ、地味眼鏡の私?
私は後ろを見たが、誰もいない。
「ねえ、本当にこの子であっているの」
侯爵令嬢と思しきものが隣の取り巻きに聞いている。声をかけたけど、私を見た瞬間におかしいと思ったのだ。そらあそうだろう。こんな地味な私がなぜ悪役令嬢軍団にいじめられないといけないのだ。人違いに違いない。
「ええ、あのブス眼鏡が王太子殿下と貴族食堂に入るのを見ました」
取り巻きの一人が答えた。
「本当に?」
「はい、間違いございません」
これは何の茶番なのだ。
「そこの貴方。王太子殿下に一緒に食事をして良い気になっているんですって?」
「いえ、誘われたのはマリアンで、私は付き添っただけです」
私ははっきりと言った。おそらく事実だ。
「ほら、見なさい。こんな地味な子が誘われるわけないじゃない」
コンスタンスは取り巻きに怒り出した。
「す、すいません」
「あんたがいつも間違えるから私が恥かくんじゃない」
「申し訳ありません」
「あなた何回やればいいのよ」
二人が喧嘩を始めた。
「行きましょうか」
私は触らぬ神に祟りなしと食堂に入ろうとした。
「待ちなさい」
コンスタンスが逃げようとした私達を見た。
「マリアンというのはどこにいるの」
私達に聞いてくる。
「私ですけど、まず、人に物聞く時は自分が名乗るのが礼儀ではないのですか」
マリアンは正論を言った。さすがマリアンだ。
「あなた、生意気よ。アインズ侯爵家ご令嬢のコンスタンス様を知らないわけ無いでしょ」
取り巻きが言う。
「王族だろうが、公爵家だろうが、人に話す時はまず名乗るのが礼儀です。侯爵家は礼儀作法も教えないのですか」
マリアンがコンスタンスに向かって言い放った。凄い、さすがマリアン。男爵家なのに、余裕だ。私は拍手がしたくなった。ローズとクラリッサはオロオロしている。
「何ですって。あなた侯爵家の私に逆らうわけ」
キーーーとしてコンスタンスはマリアンを見た。
うわー凄い。親がえらいだけで、本人はちゃちな魔力しかないのに威張ってる。私は感心した。
あれ?何故、皆こっち見るの?
私は貴族軍団の怒りの視線をモロに受けた。
マリアンは呆れた視線、ローズとクラリッサは恐怖に震えた視線で見られた。
「えっ、うそ、声に出てた?」
おそるおそる聞くと
「あんた、見た目は地味だけど言う事言ってくれるじゃない」
きっとしてコンスタンスが私を見た。
やばい。侯爵家に睨まれたら、この世界で生きていけないかもしれない。
私はさあああっと青くなった。それでなくても魔王に睨まれているのに、この上貴族まで睨まれたら大変だ。
「我が侯爵家に逆らって王国で生きていけると思うの?」
おおお!定番の脅しだ。本当に言うんだ。でも待って。みなしごの私は侯爵家に睨まれたら、死ぬしか無いんじゃ無いの?
「その言葉、侯爵様がそう思っていらっしゃると取るけれどそれで良いのね」
マリアンの言葉に私は我に返った。凄い、マリアンは男爵家にも関わらずなんでそんなに強く出れるの?私は感激した。
「それは」
コンスタンスが答えようとした時だ。
「皆さん、集まってどうかしたのかな」
その声は・・・
ぱっと振り返るとそこには側近を従えた王太子殿下がいらっしゃった。
私は王太子殿下があの時と助けてもらった時と同じで救世主に見えた。
「い、いえ、何でもありませんわ」
コンスタンスが慌てて言った。
「お騒がせいしたました。殿下」
青くなったコンスタンス一行はさああああっと引いていった。
殿下は笑うと、私達に笑いかけて、そのまま歩いていかれた。すれ違う時にマリアンと目で合図を交わしたように思えたのは気のせいだろうか?
私はほっとしていた。
助けて頂いた事はよく判った。
「さっ、私達も食べに行きましょうか」
マリアンの声に私達は頷いた。
結局王太子殿下の事を考えて殆ど一睡も出来なかった。
私は恥ずかしいやら、感動したやらで、王太子殿下とほとんど話せなかったのだが。
王太子殿下はそんな私を見ても優しかった。
話せない私の代わりにマリアンが私の黒歴史を延々話してくれたが・・・・。
もう、せっかく王太子殿下とご一緒できたのだから、マリアンも自分のことを話せばいいのに。マリアンは平民の私と違ってお貴族様なのだから殿下と結婚できる可能性もあるのだから、少しはアプローチすればいいのに。まあ、最も男爵家の令嬢が王妃になったことはないのかもしれないが・・・・
そんな私の部屋に、朝からローズとクラリッサが急襲してきた。
とりあえず、急いで制服を着て、外に出ると、もうマリアンもいた。
そのまま連れ立って食堂に向かう。
「で、昨日はどうだったのよ」
歩きながら待ちきれなくて、ローズが聞いてきた。
「殿下は素敵だった」
私がボソリと言った。
「そうよね」
「で、どんな話ししたの?」
「素敵すぎて私、ほとんど話せなくて」
「えっ、本当に?」
「嘘! あんたいつも好きなこと言っているじゃない」
私の言葉にローズとクラリッサは突っ込んできた。
「失礼な。わたし、いつも寡黙で大人しいでしょ」
その私の言葉に3人の目が点になった。
「何言ってるんのよ。寡黙な子が先生のことてっぺんハゲなんて言わないわよ」
「そうよ。コンスタンス様の水晶見て、チャチなんて言ってる子が言う」
皆が突っ込む。
「それは心の声が漏れただけで」
「んなわけ無いでしょ」
「そうかもしれないけど、寡黙でおとなしい子はそんな事思わないわよ」
私の言葉にローズとクラリッサが突っ込んでくる。
「そうかな」
「そうよ」
最後はマリアンに駄目だしされた。3対1では多勢に無勢だ。言いたいことはあるが黙っていよう。私は話題を変えることにした。
「で、そのコンスタンス様って誰?」
「えええ!」
「あんた知らないの?」
ローズとクラリッサがドン引きした。
「A組のアインズ侯爵家のご令嬢よ」
マリアンが教えてくれた。ああ、あの貴族の癖に水晶が殆ど光らなかった令嬢か。私は思い出していた。
その時、前からけばけばしい格好をした一団がやってきた。
「噂をすれば影よ」
マリアンが教えてくれた。そう言うことは侯爵令嬢御一行様らしい。これが物語によく出てくる悪役令嬢と取り巻き軍団なんだろうか。一団で来て、ヒロインを囲んでウジウジといじめるのだ。恋愛物語でよく出てくるシーンだ。さて、誰を攻撃に来たんだろう。私は興味津々で見ていた。
「そこのあなた」
コンスタンスと思しき女が私を指差して言った。
えっ、地味眼鏡の私?
私は後ろを見たが、誰もいない。
「ねえ、本当にこの子であっているの」
侯爵令嬢と思しきものが隣の取り巻きに聞いている。声をかけたけど、私を見た瞬間におかしいと思ったのだ。そらあそうだろう。こんな地味な私がなぜ悪役令嬢軍団にいじめられないといけないのだ。人違いに違いない。
「ええ、あのブス眼鏡が王太子殿下と貴族食堂に入るのを見ました」
取り巻きの一人が答えた。
「本当に?」
「はい、間違いございません」
これは何の茶番なのだ。
「そこの貴方。王太子殿下に一緒に食事をして良い気になっているんですって?」
「いえ、誘われたのはマリアンで、私は付き添っただけです」
私ははっきりと言った。おそらく事実だ。
「ほら、見なさい。こんな地味な子が誘われるわけないじゃない」
コンスタンスは取り巻きに怒り出した。
「す、すいません」
「あんたがいつも間違えるから私が恥かくんじゃない」
「申し訳ありません」
「あなた何回やればいいのよ」
二人が喧嘩を始めた。
「行きましょうか」
私は触らぬ神に祟りなしと食堂に入ろうとした。
「待ちなさい」
コンスタンスが逃げようとした私達を見た。
「マリアンというのはどこにいるの」
私達に聞いてくる。
「私ですけど、まず、人に物聞く時は自分が名乗るのが礼儀ではないのですか」
マリアンは正論を言った。さすがマリアンだ。
「あなた、生意気よ。アインズ侯爵家ご令嬢のコンスタンス様を知らないわけ無いでしょ」
取り巻きが言う。
「王族だろうが、公爵家だろうが、人に話す時はまず名乗るのが礼儀です。侯爵家は礼儀作法も教えないのですか」
マリアンがコンスタンスに向かって言い放った。凄い、さすがマリアン。男爵家なのに、余裕だ。私は拍手がしたくなった。ローズとクラリッサはオロオロしている。
「何ですって。あなた侯爵家の私に逆らうわけ」
キーーーとしてコンスタンスはマリアンを見た。
うわー凄い。親がえらいだけで、本人はちゃちな魔力しかないのに威張ってる。私は感心した。
あれ?何故、皆こっち見るの?
私は貴族軍団の怒りの視線をモロに受けた。
マリアンは呆れた視線、ローズとクラリッサは恐怖に震えた視線で見られた。
「えっ、うそ、声に出てた?」
おそるおそる聞くと
「あんた、見た目は地味だけど言う事言ってくれるじゃない」
きっとしてコンスタンスが私を見た。
やばい。侯爵家に睨まれたら、この世界で生きていけないかもしれない。
私はさあああっと青くなった。それでなくても魔王に睨まれているのに、この上貴族まで睨まれたら大変だ。
「我が侯爵家に逆らって王国で生きていけると思うの?」
おおお!定番の脅しだ。本当に言うんだ。でも待って。みなしごの私は侯爵家に睨まれたら、死ぬしか無いんじゃ無いの?
「その言葉、侯爵様がそう思っていらっしゃると取るけれどそれで良いのね」
マリアンの言葉に私は我に返った。凄い、マリアンは男爵家にも関わらずなんでそんなに強く出れるの?私は感激した。
「それは」
コンスタンスが答えようとした時だ。
「皆さん、集まってどうかしたのかな」
その声は・・・
ぱっと振り返るとそこには側近を従えた王太子殿下がいらっしゃった。
私は王太子殿下があの時と助けてもらった時と同じで救世主に見えた。
「い、いえ、何でもありませんわ」
コンスタンスが慌てて言った。
「お騒がせいしたました。殿下」
青くなったコンスタンス一行はさああああっと引いていった。
殿下は笑うと、私達に笑いかけて、そのまま歩いていかれた。すれ違う時にマリアンと目で合図を交わしたように思えたのは気のせいだろうか?
私はほっとしていた。
助けて頂いた事はよく判った。
「さっ、私達も食べに行きましょうか」
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