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魔術実技のクラスはまたお湯を教師の顔面にぶちまけたので最低クラスになりました
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私は気の強そうなアマンダ様を撃退出来てほっとした。
病弱だったせいか、本来、私は人と諍いなんてできない本当に大人しい静かな女の子なのだ……
凛に好きな子を取られてもほとんど反論できなかったし、この世界で王宮を叩き出された時もほとんど反論できずにそのまま出された。
でも、クリフと出会ってから、徐々に強くなって来たのだ。
「でも、アオイ、お前、あのアマンダとかいういけ好かない娘のおばあちゃんを何で知っているんだ?」
いきなりエイブに聞かれて私はドキッとした。
「そうだよな。公爵令嬢のおばあちゃんなら結構上の人じゃないのか?」
ボビーにまで言われて私は焦った。
「私がお世話になっている家の人の知り合いがアマンダさんのおばあちゃんだったのよ」
私は必死に考えて答えた。
決して嘘は言っていないはずだ。
「ふうん、そうなんだ」
脳筋のエイブとボビーはあっさりと頷いてくれて私はホッとした。
その後ろから胡散臭そうに私を見ているポーラに、私は気付かなかったのだ。
次の授業は魔術実技の授業だった。
一年生では魔術の実技全般を学び、二年生からそれぞれ専門に分かれて学んでいくのだ。
魔術理論と魔術の歴史合わせて週六コマの授業があった。
今日は能力別クラスに分けるための選別テストだった。
基本的な魔術で火魔術の一種、ファイヤーボールを的に向けて放出するのだ。それによってクラスを決めるらしい。
でも、忙しさにかまけて、私はほとんど火魔術の練習は出来ていなかったし……
完全に失敗した。練習しておけば良かった。今頃後悔しているんだけど……
まあ、最初の入学試験の頃に比べれば、魔術に接する機会も増えたから何とかなるかと思っていたのだ。
「まず、俺が見本を示すからよく見てろよ」
ドーバー先生が皆にそう宣言すると的に向かって構えた。
「出でよ、火の玉」
ドーバー先生がこぶし大のファイヤーボールを出すとそれはあっという間に的に向かって飛んで行った。
ドカーーーーーン
大きな音と共に的が破壊された。
「こういう感じだ」
先生はそう言って私達を見た。
「凄い!」
私はミーハー気分で見ていたのだ。ああいう風にすればいいのか!
日本には魔法なんて無かったし、いつ見ても魔法はドキドキする。
「再製」
先生がそう言うと的まで一瞬で再製させたのだ。
「へええええ、こんなふうに的まで再製出来るんだ」
私は感心して見ていた。
「アオイ、感心して見ていないで、まず、お前からだぞ」
先生に注意された。
そうだ。私だったのだ。
私は的に向かって斜に構えると、手を突き出した。
「今度は俺にお湯をかけるなよ」
何故か先生は雨具を被っているんだけど、どこから出したのだ?
皆どっと笑っているし……
ちょっと待ってよ、人が真剣にしようとしているのに、調子が狂うじゃない!
そう、私の頭の中に一瞬お湯のイメージが湧いたのだ。
それが失敗の元だった。
それと私は元々ノーコンなのだ。
「出でよ、火の玉」
そう叫んだ時だ。
私の手からお湯が水鉄砲みたいにピュッと出て、それは雨具を被った先生の顔を直撃していたのだ。
本当に凄い、クリティカルヒットだ!
バシャッ
先生の顔はお湯でずぶ濡れになったのだ
「えっ?」
私はキョトンとした。
「すげー、先生の顔に当てた」
「狙ったのかな」
エイブ達の声が聞こえる。
「アオイ! 何やってくれるんだ」
ドーバー先生は怒髪天で怒っているんだけど……
しまった!
先生の顔が的じゃなかった。
「す、すみません」
私は恐縮して謝ったけれど、普通ノウコンな私は狙っても絶対に的なんか当たらないのに、何故先生の顔なんかにぶち当てたんだろう。
奇跡も奇跡だ!
私は喜びそうになって、固まった。
これってやっぱりまずいよね。野郎どもは大笑いしているし……
「一度ならず二度までも俺にお湯をかけてくれるとは、良い度胸をしているな」
「いえ、先生、わざとじゃないんです」
私は必死に言い訳したが、先生には伝わらなかった。
「もう良い、アオイは横でみんなのやるのを見ていろ」
ダメだ。完全に先生を怒らせてしまった……
「次、ポーラ」
「はい」
ポーラが出てくる。
「ドンマイ」
ポーラは私の肩に手を置いて慰めてくれると、
「出でよ、火の玉」
ポーラが詠唱すると、こぶしの大きさのファイヤーボールが出来て、飛んで行った。的からは大きく外れたが、合格点をもらっていた。
次のエイブは巨大な火の玉を出して的を破壊していた。
凄まじい爆発音に、私は唖然とした。
こいつは剣だけじゃないんだ。本当の戦士だと理解できた。
「つぎ、ボビー」
私は脳筋のボビーに期待した。
魔術は不得意だと聞いていたのだ。
「出でよ、火の玉」
確かに大きさはゴルフボール位の大きさだったが、その火の玉は的のすぐ傍を通過して行ったのだ。
結局火の玉が出なかったのは私含めて数人しかいなかったのだ。
私は全然魔術が出来ないクラスに入れられることになってしまったのだった。
あああん、こんな事だったらもっとちゃんと魔術の練習しておけば良かった。
試験で失敗したにもかかわらず、私は同じ後悔をしたのだった。
*******************************************************************
進歩のないアオイでした……
つぎラノにもノミネートされた私の初書籍
『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』
https://www.regina-books.com/lineup/detail/1056603/9532
全国の書店で絶賛発売中です。
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初春を明るく元気になる私の書籍で過ごして頂ければ幸いです。
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凛に好きな子を取られてもほとんど反論できなかったし、この世界で王宮を叩き出された時もほとんど反論できずにそのまま出された。
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「そうだよな。公爵令嬢のおばあちゃんなら結構上の人じゃないのか?」
ボビーにまで言われて私は焦った。
「私がお世話になっている家の人の知り合いがアマンダさんのおばあちゃんだったのよ」
私は必死に考えて答えた。
決して嘘は言っていないはずだ。
「ふうん、そうなんだ」
脳筋のエイブとボビーはあっさりと頷いてくれて私はホッとした。
その後ろから胡散臭そうに私を見ているポーラに、私は気付かなかったのだ。
次の授業は魔術実技の授業だった。
一年生では魔術の実技全般を学び、二年生からそれぞれ専門に分かれて学んでいくのだ。
魔術理論と魔術の歴史合わせて週六コマの授業があった。
今日は能力別クラスに分けるための選別テストだった。
基本的な魔術で火魔術の一種、ファイヤーボールを的に向けて放出するのだ。それによってクラスを決めるらしい。
でも、忙しさにかまけて、私はほとんど火魔術の練習は出来ていなかったし……
完全に失敗した。練習しておけば良かった。今頃後悔しているんだけど……
まあ、最初の入学試験の頃に比べれば、魔術に接する機会も増えたから何とかなるかと思っていたのだ。
「まず、俺が見本を示すからよく見てろよ」
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ドーバー先生がこぶし大のファイヤーボールを出すとそれはあっという間に的に向かって飛んで行った。
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「凄い!」
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「再製」
先生がそう言うと的まで一瞬で再製させたのだ。
「へええええ、こんなふうに的まで再製出来るんだ」
私は感心して見ていた。
「アオイ、感心して見ていないで、まず、お前からだぞ」
先生に注意された。
そうだ。私だったのだ。
私は的に向かって斜に構えると、手を突き出した。
「今度は俺にお湯をかけるなよ」
何故か先生は雨具を被っているんだけど、どこから出したのだ?
皆どっと笑っているし……
ちょっと待ってよ、人が真剣にしようとしているのに、調子が狂うじゃない!
そう、私の頭の中に一瞬お湯のイメージが湧いたのだ。
それが失敗の元だった。
それと私は元々ノーコンなのだ。
「出でよ、火の玉」
そう叫んだ時だ。
私の手からお湯が水鉄砲みたいにピュッと出て、それは雨具を被った先生の顔を直撃していたのだ。
本当に凄い、クリティカルヒットだ!
バシャッ
先生の顔はお湯でずぶ濡れになったのだ
「えっ?」
私はキョトンとした。
「すげー、先生の顔に当てた」
「狙ったのかな」
エイブ達の声が聞こえる。
「アオイ! 何やってくれるんだ」
ドーバー先生は怒髪天で怒っているんだけど……
しまった!
先生の顔が的じゃなかった。
「す、すみません」
私は恐縮して謝ったけれど、普通ノウコンな私は狙っても絶対に的なんか当たらないのに、何故先生の顔なんかにぶち当てたんだろう。
奇跡も奇跡だ!
私は喜びそうになって、固まった。
これってやっぱりまずいよね。野郎どもは大笑いしているし……
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「いえ、先生、わざとじゃないんです」
私は必死に言い訳したが、先生には伝わらなかった。
「もう良い、アオイは横でみんなのやるのを見ていろ」
ダメだ。完全に先生を怒らせてしまった……
「次、ポーラ」
「はい」
ポーラが出てくる。
「ドンマイ」
ポーラは私の肩に手を置いて慰めてくれると、
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ポーラが詠唱すると、こぶしの大きさのファイヤーボールが出来て、飛んで行った。的からは大きく外れたが、合格点をもらっていた。
次のエイブは巨大な火の玉を出して的を破壊していた。
凄まじい爆発音に、私は唖然とした。
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魔術は不得意だと聞いていたのだ。
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結局火の玉が出なかったのは私含めて数人しかいなかったのだ。
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