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おばあちゃんは一番偉い皇太后様で、私を褒めてくれました
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私は下級侍女のおばあちゃんがなぜドレスを来てここにいるかの全く理解できなかった。
「なんでここにおばあちゃんがいるの?」
「お、お義母様。なぜここに?」
驚いた私は次の瞬間、皇后様の言葉に固まってしまった。
皇后様のお義母様ってことはおばあちゃんは実は皇太后様だった?
ええええ! おばあちゃんって皇太后様だったの?
私は唖然とした。
失敗した……皇太后様におばあちゃんって言ってしまった……その段階でアウトだ。
「なぜいるかって、さっきこの子に助けてもらったんだよ」
「助けてもらった?」
「たまたまこの子とぶつかったのさ」
「先程は申し訳ありませんでした」
私は頭を下げた。
「いいのさ、この子は怪我をした私を見て、医務室に連れて行こうとしてくれたんだ。普通は老婆が倒れていたら、例えそれが使用人でも助けるのが基本ではないのかい? もっともグレイスの侍女は私のことなんてほっておいて、お茶会に間に合うほうが大切だとほざいていたけれどね」
「も、申し訳ありません」
皇后様の侍女が土下座せんばかりに頭を下げていた。もう顔が真っ青になっていた。
「どんな教育していることやら」
皇太后様がギロリと皇后様を睨まれるんだけど。
「申し訳ありません。お義母様」
皇后様も青くなっていた。
皇后様よりも皇帝のお母様の皇太后様のほうが強いみたいだった。
やってしまった! そんな方におばあちゃん呼びをしてしまった。
もう終わりだ……
「本来ならば謝って済む問題じゃないだろう。多くの使用人がいる前で、この子は皇后様は使用人の身体のことよりもお茶会が大切だと考えていると言い放ったんだよ」
「も、申し訳ありません」
もう侍女さんは頭を地面につけそうな形でガタガタ震えて固まっていた。
「まあ、良い。次から気を付けな。この子の機転で助かったんだから」
皇太后様は私を指して言ってくれたんだけど、そんな凄いことは言っていないはずだ。
「この子はなんていったと思う?」
皇太后様は一同を見回されたのだ。
「いや、あの皇太后様!」
私は手を振って話を止めようとしたけれど、おばあちゃんは止まるわけはなかった。
「『皇后様は慈悲深いお方なのよ。私が怪我をしたおばあちゃんを看護するために遅れても文句は言われないわ。逆に怪我した使用人を見捨てて行った事が皇后様に知れた方が叱責されるわよ』ってね。この侍女の失態をもこのこの一言でカバーしてくれたんだ」
「……」
一同は何一つ話せないみたいだった。
でも、私はそんな事を深く考えたんじゃなくて、とっさに口から出ただけで、皇后様なら多少のことは許して頂けると思っていたからそう答えただけなんだけど。
「私は感心したよ。本来は怖い皇后様に呼び出されてるんだ。老婆なんて見捨てるところだろう。特に侍女はそうだったし、お前たちもそう考えているんだろうねえ」
「いえ、そのような」
不満そうにしていたご婦人方は皇太后様の視線に慌てて首をふっていた。
「ふんっ、どうだか?
ただね、私達貴族社会は庶民の苦労の上に成り立っているんだよ。使用人も含めてね。それを忘れないことだ。それを忘れた途端に、この帝国と言えども足元からひっくり返されるからね」
皇后様は皆を見渡しておっしゃったのだ。
「その点、この子はその基本が判っている。怖い怖い皇后様よりも使用人だと思った私を優先してくれたんだからね。だから気になったのさ。お前らが虐めているんじゃないかってね。早速アンが虐めていたけれどね」
「お母様。私はいじめてなど」
お母様って、そうだ、アフトンロード公爵夫人は前国王陛下の娘だった。すなわち皇太后様の娘だ。
「クリフの呼び方などどうでもいいだろう?」
「そんな、愛称呼びできるのは限られたものだけです。お母様はクリフの相手はアマンダでも良いとおっしゃっていたではありませんか」
前王女殿下が文句を言われるんだけど、もう一つ私にはピンと来なかった。平民の私が殿下の横に立つなんて無理なのだから。
「それはあくまでもクリフが認めたらの場合で、クララからも孫娘がどうだとか言われているし、他からも色々言われているからね。
でもね、私はこの子が気に入ったんだよ。とてもね。それはクリフもそうなんじゃないのかい」
皇太后様は後ろの木陰を見て言われたんだけど……
「お祖母様。せっかく隠れてみていたのに」
驚いたことにそこからクリフが出て来たんだけど。
「クリフ、いつからそこにいたんです?」
驚いて皇后様が聞かれると、
「母上がアオイが遅れてきたのを不機嫌そうに見ていたときからです」
皇后様の質問にクリフが答えていた。
「やっぱり怒っていたんじゃないか」
「いや、お義母様それは違うんです。私はただ、せっかくアオイのために人を揃えてあげたのに、平気で遅れてきたから」
「よく言うよ。ポウナルの所は第2皇子の婚約者を出していてこの子のあら捜しに忙しいし、アンは自分の娘をクリフの相手にするのに必死じゃないか。この子のためになる相手とは到底思えないけどね」
そうおっしゃると皇太后様は私の前にいらっしゃったのだ。
「ということでこの子は借りていくよ」
皇太后様が私の手を取って立たせたんだけど
「えっ?」
「お義母様?」
「もう、お披露目は終わったんだろう。今度はこちらでお披露目をしてやろうと思ってね」
そうおっしゃると皇太后様は私を引っ張って歩き出そうとした。
「いや、ちょっとお祖母様。今度は俺がアオイを連れて行こうとしたのに」
「あんたはやることがあるんだろう! リチャードに言われた宿題をさっさとやるんだよ。でないとこの子は私の侍女にするからね」
クリフの言葉はあっさりと皇太后様に却下されてしまった。
「そんなお祖母様」
「ちょっとお母様」
皆唖然とする中私は強引に皇太后様のお部屋に連れて行かれたのだった。
******************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
ついに一番偉い? 皇太后登場です。
お気に入り登録感想まだの方はよろしくお願いします。
今年一年間本当に有難うございました。
来年またよろしくお願いします
「なんでここにおばあちゃんがいるの?」
「お、お義母様。なぜここに?」
驚いた私は次の瞬間、皇后様の言葉に固まってしまった。
皇后様のお義母様ってことはおばあちゃんは実は皇太后様だった?
ええええ! おばあちゃんって皇太后様だったの?
私は唖然とした。
失敗した……皇太后様におばあちゃんって言ってしまった……その段階でアウトだ。
「なぜいるかって、さっきこの子に助けてもらったんだよ」
「助けてもらった?」
「たまたまこの子とぶつかったのさ」
「先程は申し訳ありませんでした」
私は頭を下げた。
「いいのさ、この子は怪我をした私を見て、医務室に連れて行こうとしてくれたんだ。普通は老婆が倒れていたら、例えそれが使用人でも助けるのが基本ではないのかい? もっともグレイスの侍女は私のことなんてほっておいて、お茶会に間に合うほうが大切だとほざいていたけれどね」
「も、申し訳ありません」
皇后様の侍女が土下座せんばかりに頭を下げていた。もう顔が真っ青になっていた。
「どんな教育していることやら」
皇太后様がギロリと皇后様を睨まれるんだけど。
「申し訳ありません。お義母様」
皇后様も青くなっていた。
皇后様よりも皇帝のお母様の皇太后様のほうが強いみたいだった。
やってしまった! そんな方におばあちゃん呼びをしてしまった。
もう終わりだ……
「本来ならば謝って済む問題じゃないだろう。多くの使用人がいる前で、この子は皇后様は使用人の身体のことよりもお茶会が大切だと考えていると言い放ったんだよ」
「も、申し訳ありません」
もう侍女さんは頭を地面につけそうな形でガタガタ震えて固まっていた。
「まあ、良い。次から気を付けな。この子の機転で助かったんだから」
皇太后様は私を指して言ってくれたんだけど、そんな凄いことは言っていないはずだ。
「この子はなんていったと思う?」
皇太后様は一同を見回されたのだ。
「いや、あの皇太后様!」
私は手を振って話を止めようとしたけれど、おばあちゃんは止まるわけはなかった。
「『皇后様は慈悲深いお方なのよ。私が怪我をしたおばあちゃんを看護するために遅れても文句は言われないわ。逆に怪我した使用人を見捨てて行った事が皇后様に知れた方が叱責されるわよ』ってね。この侍女の失態をもこのこの一言でカバーしてくれたんだ」
「……」
一同は何一つ話せないみたいだった。
でも、私はそんな事を深く考えたんじゃなくて、とっさに口から出ただけで、皇后様なら多少のことは許して頂けると思っていたからそう答えただけなんだけど。
「私は感心したよ。本来は怖い皇后様に呼び出されてるんだ。老婆なんて見捨てるところだろう。特に侍女はそうだったし、お前たちもそう考えているんだろうねえ」
「いえ、そのような」
不満そうにしていたご婦人方は皇太后様の視線に慌てて首をふっていた。
「ふんっ、どうだか?
ただね、私達貴族社会は庶民の苦労の上に成り立っているんだよ。使用人も含めてね。それを忘れないことだ。それを忘れた途端に、この帝国と言えども足元からひっくり返されるからね」
皇后様は皆を見渡しておっしゃったのだ。
「その点、この子はその基本が判っている。怖い怖い皇后様よりも使用人だと思った私を優先してくれたんだからね。だから気になったのさ。お前らが虐めているんじゃないかってね。早速アンが虐めていたけれどね」
「お母様。私はいじめてなど」
お母様って、そうだ、アフトンロード公爵夫人は前国王陛下の娘だった。すなわち皇太后様の娘だ。
「クリフの呼び方などどうでもいいだろう?」
「そんな、愛称呼びできるのは限られたものだけです。お母様はクリフの相手はアマンダでも良いとおっしゃっていたではありませんか」
前王女殿下が文句を言われるんだけど、もう一つ私にはピンと来なかった。平民の私が殿下の横に立つなんて無理なのだから。
「それはあくまでもクリフが認めたらの場合で、クララからも孫娘がどうだとか言われているし、他からも色々言われているからね。
でもね、私はこの子が気に入ったんだよ。とてもね。それはクリフもそうなんじゃないのかい」
皇太后様は後ろの木陰を見て言われたんだけど……
「お祖母様。せっかく隠れてみていたのに」
驚いたことにそこからクリフが出て来たんだけど。
「クリフ、いつからそこにいたんです?」
驚いて皇后様が聞かれると、
「母上がアオイが遅れてきたのを不機嫌そうに見ていたときからです」
皇后様の質問にクリフが答えていた。
「やっぱり怒っていたんじゃないか」
「いや、お義母様それは違うんです。私はただ、せっかくアオイのために人を揃えてあげたのに、平気で遅れてきたから」
「よく言うよ。ポウナルの所は第2皇子の婚約者を出していてこの子のあら捜しに忙しいし、アンは自分の娘をクリフの相手にするのに必死じゃないか。この子のためになる相手とは到底思えないけどね」
そうおっしゃると皇太后様は私の前にいらっしゃったのだ。
「ということでこの子は借りていくよ」
皇太后様が私の手を取って立たせたんだけど
「えっ?」
「お義母様?」
「もう、お披露目は終わったんだろう。今度はこちらでお披露目をしてやろうと思ってね」
そうおっしゃると皇太后様は私を引っ張って歩き出そうとした。
「いや、ちょっとお祖母様。今度は俺がアオイを連れて行こうとしたのに」
「あんたはやることがあるんだろう! リチャードに言われた宿題をさっさとやるんだよ。でないとこの子は私の侍女にするからね」
クリフの言葉はあっさりと皇太后様に却下されてしまった。
「そんなお祖母様」
「ちょっとお母様」
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